やはり俺がボーダーなのは間違ってる。

第4話

奉仕部

八幡「おーす」

雪乃「あら比企谷君。遅かったわね」

結衣「本当だよ！」

八幡「いやな。職業体験希望表に行くとこはない！って書いたら呼び出しくらった」

本当理不尽。いや、流石に理不尽ではないか。

雪乃「はあ。そういう時は適当なところを書いとくのよ」

八幡「いやいや、専業主夫って書かないよりマシだろ。最初はそっちを書こうと思ったんだがな」

だっめ専業主夫って最高じゃん。つーか、働きたくねーし。

雪乃「それ、前も言ってたけど本気だったのね………」

結衣「あ！ゆきのんどこ行くの？」

雪乃「私は普通の会社を書いたのだけれどおそらくボーダー本部になるでしょうね。由比ヶ浜さんはどこを書いたのかしら？」

結衣「私は優美子たちと同じところにしよう！て言われて、ボーダー本部にしたよ」

八幡「あー。あの意味わかんないグループな」

結衣「意味わかんないってなんだし！まぁこの間のはね……」

雪乃「比企谷君はどこにするのかしら？」

八幡「俺？俺も適当な会社だが雪ノ下の言う通りボーダー本部になるだろ。俺防衛任務のシフトに変えてもらいに城戸司令に頼みに行かなきゃかな」

雪乃「比企谷君あなたには諦めるという選択肢はないのかしら」

八幡「は？あるわけないだろ。

結衣「ははは。流石ヒッキーだね。！！はあ」

雪乃「どうしたのかしら由比ヶ浜さん。そんな深いため息ついて」

結衣「いやなんか変なメールみたいのが来てね」

雪乃「比企谷君？」

八幡「なぜすぐに俺なの？」

雪乃「冗談よ」

結衣「うん。ヒッキーじゃないよ多分」

雪乃「何かそのメールに関係することなの？」

結衣「うん。そのクラスのことに関することだからさ。その…ヒッキーは……」

八幡「あ。だいたいわかったわ」

雪乃「そうよね。比企谷君は学校なんかよりもボーダーの方を大切にしてくれてるってことね」

何その答えづらい質問。

結衣「ヒッキーは私たちのこと大切に思ってくれてるの？」

八幡「思ってなかったら同じチームなんて組むかよ」

雪乃「捻くれてるわね。………デモソンナトコガ」

八幡「！雪ノ下が最後なにいってるかわからなかったが、とりあえず誰か来たぞ。この感じは葉山か？ったく、こんな時間に」

雪乃「コホン。本当あなたのサイドエフェクトは便利ね」

結衣「本当だよね」

コンコン

雪乃「どうぞ」

葉山「失礼するね。いやごめん。試験前で部活がなかなか抜けられなくてさ」

八幡「そんなことはいい。で？何の用だ？」

葉山「それなんだけどさ」

葉山は携帯を出して俺たちに見せてくる。

結衣「あ…それ」

八幡「どうした？」

そうすると由比ヶ浜も携帯を出してメール画面を俺に見せてくる。そこに書いてあったのは

『戸部は稲毛のカラーギャングの仲間でゲーセンで西高狩りをしていた』やら

『大和は三股かけてる最低のクズ野郎』やら

『大岡は練習試合で相手校のエースを潰すためにラフプレーをした』だとか真偽が定かではないメールがいくつもある。

雪乃「チェーンメール、ね」

葉山「ああ。これが出回ってから、なんかクラスの雰囲気も悪くてさ。それに友達の事悪く書かれてたら腹も立つし」

こいつのことだ。犯人探しをしたいんじゃない。丸く収めたい。とか思ってんだろーな。

葉山「止めたいんだよね。こういうのってやっぱりあんまり気持ちのいいもんじゃないからさ。あ、でも犯人探しがしたいんじゃないんだ。丸く収める方法を知りたい。頼めるかな」

ほら。やっぱり。こいつの雰囲気は嵐山さんに似てるところがあるかもしれないが、こいつは嵐山さんの足元にすら立ってない。あ。比べるのは嵐山さんに悪いな。

なんだかんだであの人シスコンでブラコンだから俺と気があうんだよね。そして嵐山さんの方が俺より重症。だって俺はシスコンだけだし。あの人はブラコンでもあるし。

雪乃「つまり、事態の収束を図ればいいのね？」

葉山「ああ」

雪乃「では、犯人を捜すしかないわね」

葉山「うん、よろし、え！？あれ、なんでそうなるの？」

八幡「いやいやなんでそうならないんだよ」

葉山「ヒキタニ君。どういうことかな？」

八幡「まず、お前がここに持ち込んだ時点でなんでお前のやり方に合わせなきゃいけないんだよ。なに？もしお前が警察に何か頼んだ時、お前は犯人を捜すなとかいうのか？」

葉山「え？いやいやここは警察じゃないよ？なに言ってるんだい？」

八幡「論点をずらすなよ」

結衣「ろんてん？」

由比ヶ浜は無視でいいだろ。

八幡「そこはもしもっていってんだろ。だからなんでお前が持ち込んだ案件をお前のやり方でやらなきゃいけないの？丸く収めたいならお前がやれよ」

葉山「でもみんなで仲良くしなければ意味ないと思うし、僕も忙しくてなかなかできなくてね」

は？こいつなに言ってんだ？つーか忙しさなら俺たちの方が上だしな。まあいい。

八幡「はあ。もういいや。俺たちは犯人を捜す。一言言えばぱったり止むだろ。その後どうするかはお前の裁量に任せる。それでいいか？」

葉山「………ああ。それでいいよ」

雪乃「では、情報から集めましょうか。そのメールが出回り始めたのかしら？」

葉山「確か先週末からだよ。な、結衣？」

結衣「うん」

雪乃「先週末、ね。何かあったかしら」

結衣「うーん。特に、なかったと思うな」

葉山「ああ。いつも通りだったな」

八幡「………… あ。昨日はあれだ。職場見学のグループ分けするって話があったな」

結衣「！！……うわ、それだ。グループ分けのせいだ」

葉山「そんなことでか？」

結衣「いやー。こういうイベントごとのグループ分けはそのあとの関係性に関わるからね。ナイーブになる人もいるんだよ」

雪乃「葉山君。書かれているのはあなたの友達といったわね。あなたのグループは？」

葉山「あ、そういえばまだ決まってないな。でも多分その3人の誰かと行くことになると思うよ」

結衣「あ、犯人わかっちゃったかも」

八幡「由比ヶ浜。説明」

結衣「いや隼人君がその三人の2人と行くってことは１人ハブられるってことでしょ？それって結構きついよ」

八幡「なるほどな」

雪乃「その三人の中に犯人がいるとみて間違いなさそうね」

葉山「ちょっと待ってくれ。あいつらがやってるとは俺は思いたくない。それにあいつらについて悪く言ってるんだ。あいつらは違うんじゃないか？」

八幡「は？お前アホか。そんなの自分に疑いがかからないようにするために決まってんだろ」

雪乃「とりあえず、その人たちのことを教えてくれないかしら」

結局この後、葉山から聞かされたこの三人の人物像はあまり参考にならない。とのことで明日俺と由比ヶ浜があいつらの様子を見ることになり、葉山は帰っていった。

が、まだ今日の俺の勝負は始まってないのだ！

雪乃「比企谷君。あなたは今日本部に行くのかしら」

八幡「さっき言ったろ。防衛任務のシフト変えてもらいに城戸司令に言ってくる」

結衣「が、頑張って。私はこれから優美子と遊ぶ約束があるから」

雪乃「なら私は比企谷君について行こうかしら」

八幡「じゃあ行くか。由比ヶ浜。じゃあな」

雪乃「由比ヶ浜さん。さようなら」

結衣「うん。じゃーねー！！」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

八幡「と、いうわけで職場体験先がここになりそうなのでもしこのまま職場体験先がここになったらシフトを変えてもらいたいのですが」

城戸「却下だ」

八幡「どうしてもダメでしょうか？」

城戸「ああ。却下だ」

八幡「はあ。わかりました。失礼します」

雪乃「比企谷君。どうだったのかしら？」

八幡「ダメだって。どうしようかなぁ……休もうかなぁ〜」

雪乃「でもボーダーってばれたら防衛任務を授業中に入れれるわよ」

それができるようになるのか…………

八幡「！！なるほど。それはでかいな」

雪乃「別に行ってもいいのではないのかしら？」

八幡「そうだな。まあ仕方ない。それを考えたら職場見学行くのも別にいいか」

緑川「あ！ハッチ先輩に雪乃先輩！」

八幡「緑川じゃねーか」

雪乃「あら、緑川君。こんにちは」

緑川「２人って付き合ってるの？恋人に見えるよ？」

八幡「別に付き合ってねーよ」

雪乃「////」

八幡「ほら雪ノ下怒っちゃったじゃねーか。どうしてくれんだ？緑川」

緑川「はあ。雪乃先輩たちがかわいそうだ。あ！それはそうと、実は宿題でわからないところがあって、教えてもらえない？」

八幡「おう。いいぞ。雪ノ下いいよな？」

雪乃「ええ。緑川君は由比ヶ浜さんみたいにはならないでほしいわね」

八幡「それを言うなら、由比ヶ浜は太刀川さんみたいにならないでほしいな。あの人戦闘中になると頭の回転早くなるし、戦闘だとバケモンだけどな。『戦闘だけ』な」

緑川「太刀川さん………」

雪乃「なんか悪意を感じるわね。まぁ同意だけどね」

まあ俺とか雪ノ下とか奈良坂とか三輪は太刀川さんのレポートの犠牲者だからな。なんであの人大学生なのに高校生に頼むの？

八幡「まあ、行こうぜ。うちの作戦室でいいよな？」

雪乃「ええ」

緑川「よろしくお願いします」

八幡「ああ。その問題はそこ読めばだいたいわかるぞ」

緑川「なるほど。ありがと！ハッチ先輩！だいたいわかったよ！」

八幡「おうそうか」

雪乃「お疲れ様。ご飯食べるかしら？」

緑川「食べたい！雪乃先輩お願いします」

八幡「なら俺も頼んでいいか？もちろん手伝うが。小町が今日は外で飯食ってくるらしいから飯いらないんだと」

雪ノ下の飯はレイジさんの次にうまい。つーか、レイジさんには弱点があるのか気になる。ないだろ。多分。

雪乃「わかったわ。ならサラダお願いしていいかしら。あとパスタにしようと思うのだけれどミートソースでいいかしら」

緑川「はい。お願いします」

八幡「ほい。了解」

八幡「雪ノ下。終わったが何か手伝うか？」

雪乃「ええ、大丈夫よ」

緑川(こうして見てると２人ともお似合いなんだよなぁ。それに夫婦にも見えるなぁ…………ッ！！！なんだ？急に感じた悪寒……もう考えないようにしなきゃ死ぬかも。もうやめとこ)

八幡「緑川どうした？寒いのか？」

緑川「え？だ、大丈夫だよ」

雪乃「ふふ。ほらできたわよ。伸びないうちに食べてね」

うん。うまい。

次の日

俺は依頼の通り葉山のグループを監視している。由比ヶ浜が何か変なこと言ってたな。あいついい意味でも悪い意味でもど真ん中だからな。

と葉山がグループから離れた。

…………なるほど。そーゆーことね。謎は全て解けた！推理を披露するのはもちろんCM明けのBパートである。

奉仕部

雪乃「比企谷君、由比ヶ浜さん何かわかったかしら」

結衣「私は女子に聞いたんだけど全然わかんなかった」

雪乃「それならそれでいいわ」

結衣「え？いいの？」

雪乃「逆に言えば女子たちは今回のことにさして興味がないということでしょう。そうなると葉山君のグループの男子の問題になるわ。ご苦労様由比ヶ浜さん」

結衣「ゆ、ゆきのん」

八幡「俺は犯人についてはわからなかったが一つわかったことがある」

雪乃「なにかしら」

八幡「あのグループは葉山のグループなんだよ」

結衣「はぁ？今更なに言ってんの？」

八幡「言い方が悪かった。葉山のってのは所有格だ。葉山のための葉山によるグループなんだよ。あのグループは」

雪乃「なるほどね」

葉山「そんなことないと思うんだけど」

八幡「葉山。お前がいない時の三人のこと見たことあるか？」

葉山「いや、ないけど」

雪乃「そうよね。いないんだもの」

八幡「ああ。だから葉山はわからないんだ。はたから見てるとあいつら三人きりの時は全然仲良くない。分かりやすく言うとな、あいつら三人はそれぞれは葉山の友達。つまり友達の友達なんだよ」

結衣「そーゆーことか！」

雪乃「………仮に比企谷君の言うことが本当だったとして、犯人を探さないと問題の解決にはならないと思うのだけれど」

八幡「いや。犯人を探さずにこの事態を丸く収められる方法が一つある」

葉山「なんだいそれは」

八幡「知りたいか？」

葉山「ああ」

次の日

戸塚「八幡おはよ！」

八幡「おう。戸塚」

戸塚「あのさ。八幡一緒に職場見学行かない？」

八幡「おう構わないぞ」

葉山「なら僕も入っていいかな？」

戸塚「僕はいいけど」

八幡「俺も別にいいぞ」

そう。俺が提案したのは葉山がその三人の中に入らないという案だ。あの三人でグループを組ませることにし、葉山が別のグループに入ることであの三人を仲良くさせることもでき、あのメールの事件も解消できる。

戸塚「八幡どこ行きたい？」

八幡「どこでもいいから、２人で決めてきていいぞ」

葉山「そうか。わかったよ」

戸塚「ありがとう」

八幡「お！戸塚。どこにしたんだ？」

戸塚「えーとね。ボーダー本部！」

ですよね。知ってたよ。八幡知ってた。

当日はカメレオン使おうかなぁ。

風間隊の隊服借りて。あの隊服カメレオンのトリオン消費抑えられるし。はぁ。世界って残酷。