やはり俺がボーダーなのは間違ってる。   作:Never Say Never

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第1話

平塚「比企谷。私が授業で出した課題はなんだった?」

八幡「たしか高校生活を振り返ってでしたね」

 

そしてその作文用紙には

『特に振り返ることはありません』

だけ。作文じゃねぇ。俺が言うのもなんだけど。

 

平塚「いや、別に文字数のことを怒っているんじゃない。君には高校生活で振り返ることはなかったのか?」

八幡「はい。ありませんでした」

平塚「比企谷。お前は友達はいるか?」

八幡「バイト先には結構いますね」

平塚「冗談は頭の中だけにしときたまえ。それではは彼女は?」

 

失礼な奴だな

 

八幡「いませんが」

平塚「そうかそうか」

八幡「そういう先生には恋人

ブォン

 

 

そう言いかけた瞬間。俺に向かってこぶしが飛んできた。もちろんかわしたが。

 

平塚「ほう。今のをかわしたか。それより小僧生意気な口を聞くな」

八幡「そりゃ先生の年齢に比べれば俺も小僧

ブォン

 

またこぶしが飛んできた。もちろん躱したが。

 

平塚「女性に年齢の話はするなと教わらなかったのか?」

八幡「まあ、そうですね。俺よくできてましたし、そういうことは教わりませんでしたね」

平塚「はあ。とりあえず作文は書き直しだ。それときみの発言は私を深く傷つけた。よって奉仕活動を命じる。ついてきたまえ」

 

ところ変わってここは特別棟の4階。

八幡「奉仕活動ってなんすか?俺バイトあるから無理っすよ」

平塚「毎日あるわけではないだろう?」

 

もうこれ言っても無駄だな。

 

八幡「はあ。わかりました。で、なにするんですか?」

平塚「もう少ししでつく。おお。ここだ。雪ノ下邪魔するぞ」

雪乃「平塚先生。ノックをしてください」

平塚「次から気をつける。由比ヶ浜はどこだ?」

雪乃「由比ヶ浜さんは用事できてません。で、平塚先生なんのようですか?」

平塚「ああ。きみに頼みたいことがあってな。比企谷入れ」

雪乃「!!…誰ですか?そのヌボーとした人は」

平塚「こいつは比企谷八幡だ。こいつをこの部活に入部させるからこいつの捻じ曲がった性格を叩き直して欲しい。それが私の依頼だ」

八幡「なんで俺が部活なんか…」

雪乃「はあ。わかりました。平塚先生ですからなにを言っても無駄でしょう。その依頼受けましょう」

平塚「そうかそれでは頼む」

 

先生はそう言ってでてったが、気配からしてまだドアの外にいるな。つーか仕事しろよ。

 

雪乃「座ったら?」

八幡「おう。つーかここなに部?」

雪乃「聞かされてないの?」

八幡「ああ」

雪乃「ならクイズをしましょう。ここの部活名を当ててみて」

八幡「……………文芸部か?」

雪乃「その心は?」

八幡「お前はさっき本を読んでたし椅子と机以外になにもないからな」

雪乃「ここは食料がない人には魚の取り方を。目が腐ってる人には目薬を。冴えない目が腐った男には女子との会話を。ようこそ奉仕部へ歓迎するわ、比企谷君」

八幡「歓迎されてる気がしないし、俺は変わるつもりもないしこのままでいい」

雪乃「あなた変わらないと相当まずいレベルよ。はあ、自分の問題を自覚してないだなんて」

八幡「いや、俺はこのままでいいと思ってるからそんなのいらん」

雪乃「それは逃げてるだけよ!変わらなければ前には進めないわ!」

八幡「はあ。そろそろ平塚先生入ってきてくださいよ」

平塚「気づいていたか。雪ノ下。比企谷の構成に手こずってるようだな」

雪乃「本人が問題を自覚しないためです」

八幡「いやいや一方的に問題だと決めつける方が問題だと思うぞ」

雪乃「まず、変わろうとせずに自分から逃げてるところがダメよ」

八幡「つーかまず逃げのどこが悪いんだよ。それに変わるってことの方が逃げだろ。過去の自分を肯定してやれよ」

雪乃「それじゃあ悩みは解決しないし、誰も救われないじゃない!」

平塚「2人とも落ち着きたまえ。よし、私好みの良い流れになってきたぞ。こういう時は対決で優劣を決めるのがジャンプとかでは定番だからな。では、これからどちらがより多くの人に奉仕できるか?レディーファイト!」

八幡「やるわけないじゃないですか」

雪乃「私はやりませんよ」

平塚「では、勝った方は負けた方になんでも1つ命令できるとしよう!死力を尽くして戦うのだからな!勝負しろと言ったら勝負しろ!君たちに拒否権はない!!」

八幡「はあ」

雪乃「この男が相手だと貞操の危機を感じるのでお断りします」

平塚「ほう。あの雪ノ下雪乃と雖も負けるのがそんなに怖いのか」

雪乃「…いいでしょう。そのやすい挑発に乗るのは少しばかり癪ですが受けて立ちましょう」

平塚「そうか!では2人とも頑張りたまえ」

 

そう言って平塚先生は今度こそ職員室に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪乃「ふー。やっと行ったようね。どうだったかしら私の演技。あなたばれたくないのでしょう?ボーダーだって。A級5位比企谷隊の隊長比企谷君?」

八幡「かなり助かった。つーかここで個人情報漏らさないでもらえますか?つーかお前たち部活なんかやってたんだな」

雪乃「ええ。まあ、ほとんど早めに終わるわね。平塚先生にもそのことはバイトがあるのでといって抜けてるからボーダーの方に支障は出てないでしょ?」

八幡「ああ。問題ない。あとお前の演技うますぎ」

雪乃「ふふ。それよりなにしてここに来たの?比企谷君」

八幡「いや、実は

   カクカクシカジカ

   ということがあってな?」

雪乃「はあ。比企谷君ほど優しい人はいないというのにね」

八幡「そんなことは俺が理解しといてほしいと思ってる人にだけ理解してもらえればいいさ。あと優しいなんて言ってくれてありがとな」ナデナデ

雪乃「//あ、あなたの理解してほしいと思ってる人に私は入ってるのかしら?」

八幡「当たり前だろ。つーか由比ヶ浜はなにしてんの?」

雪乃「テストの追試の勉強を三上さんたちと本部の方でやっているわ。私は部活があったから任せたのだけれど」

八幡「ここでやればいいじゃん」

雪乃「ここでは私1人になるでしょう?彼女。もう私の手には負えないから」

八幡「それもそうだな。と、今日は夜に防衛任務があるな。そろそろ行くか」

雪乃「ええ」

 




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