戦闘が始まってから、どれ位の時間が経ったのだろう?
10秒?10分?1時間?それとも既に1時間以上なのかも知れない
私は肩で息をしながら額から伝う汗を拭う余裕も無く、ジッと姉さんを見据える
龍田のシールドエネルギー残量は約60%
まだレッドゾーンでは無いけれど余裕が有る訳では無い
対して姉さんのミステリアス・レイディのシールドエネルギー残量は推測で約8割
何とか細かいダメージを与えてはいても、やはり国家代表を背負うだけあって姉さんは強い
「・・・分かってる、今の私では届かない事も、姉さんが陰ながら努力を積み重ねて続けている事も・・・知ってる」
それに少し不器用な所が有る事も知っている
なら、私は・・・・
「・・・でも、最後まで諦めない!!」
一気にスラスターを全開にしてツインビームスピアを構えながら姉さんな突っ込み
「今・・・今、諦めたら私は・・・お姉ちゃんの妹に戻れなくなるから!!」
「そんな事、無いわよ簪ちゃん」
私が振り下ろしたツインビームスピアをランスで受け止めて、お姉ちゃんが困った表情で言う
「貴女は、いつだって私の可愛い妹よ?私が簪ちゃんの出来ない事が出来る様に、簪ちゃんも私が出来ない事を出来るのよ」
「・・・そう、かな?」
一閃、二閃、三閃と刃を交えながら私達は本音をぶつけ合う
今までの溝を埋める様に、偽りも遠慮も繕いも無く思った事を思ったまま、ぶつけ合う
それから数十分が経ち、龍田のシールドエネルギーも30%を切り、重いのを貰ったら1発KOもありえる状態になってしまった、だからこそイチカに託されたモノを使う事にした
「まだ・・・まだ行ける!!ただ守られるだけじゃ無い所を見せる・・・トランザム!!」
水色だった龍田が紅く光を放ち始め、トランザム解除までのタイマーが表示されたのを見て私は お姉ちゃんへ山嵐改の全48発のマルチロックオンミサイルを一斉射してツインビームスピアを構えお姉ちゃんがクリア・パッションでミサイルを迎撃している隙に突貫し張り付き絶え間無く攻撃を重ねる
「やるわね簪ちゃん、でも私は負けないわ」
そう言い私がミステリアス・レイディのシールドエネルギーを削り尽くす前に距離を取られ
「私の最強の一撃を見せてあげるわ、ミストルティンの槍」
お姉ちゃんを包む水のヴェールがランスに集まり渦巻くのを見て、直感的に理解する
これはマズイ技だと
でも、だからこそ
「正面から迎え撃つ」
お姉ちゃんの渾身の刺突を放つランスとツインビームスピアが触れた瞬間、私達を閃光と爆音と衝撃波が襲い一瞬 意識を持っていかれてしまって危うく地面に墜落する所だったがギリギリで持ちこたえて地面に降り立ち真っ直ぐ正面を見据える
「成長、したわね簪ちゃん。私の勝ちよ」
「うん、そして私の敗北」
爆煙が晴れた頃、漸く試合終了のブザーが鳴り、私達の久しぶりの大喧嘩は幕を閉じた
何とか盛大な姉妹喧嘩を終了させる事が出来ました
相変わらず、簪が誰おま状態ですが、お許し下さい