軽く自己紹介をしながら移動をしていたら、シャルルが引き寄せたのか他クラスの生徒がワラワラと湧き出てきたので、いつもの様に撒いて更衣室へ逃げ込む
「ふぅ・・・何とか撒けたな」
「毎度の事とは言え面倒ですね、全く」
「ははははは・・・」
シャルルが苦笑しているのを横目に
「残念ながら時間も有りません、早く着替える事をお勧めします」
「え?マジか?!早く着替えようぜ、シャルル」
「え?あ、うん」
そんな彼の声を聞きつつ私は背を向け時計を眺める
今日は、いつも以上に時間がギリギリになってしまった
まぁそれは仕方ないとして、シャルルは いつまで彼を欺けるのだろう
それによっては、今後の方針を改める必要もあるかもしれない訳で
因みに私は着替え無い、というか着替える必要が無い
常時スーツは着ているからだ
そんな訳で彼の半裸に慌てるシャルルを少し呆れた目で観察したりしてから3人でアリーナに入り列に加わる
「では本日よりISの実機を用いた実習を開始する、まずはISでの戦闘を実演して貰おう。凰、スカリエッティ、前に出ろ。専用機持ちなら大した準備も必要有るまい」
「はい」
「・・・了解」
面倒と思いつつ返事をして前に移動する
だいたい私の仕事は護衛で有って生徒では無いのだけど
本当に面倒だ
私が そんな事を考えていたら鈴は織斑千冬に何かを吹き込まれたのか、突然ヤル気になった
「で?相手は誰かしら?もしかしてウーノ?あたし はそれでも構わないけれど?」
「はやるな、お前達の相手はアレだ」
そう言い彼女が指を指した方向には錐揉みに落ちてくる山田先生の姿が見える
「・・・・」
素早くザフィーラを纏い、急上昇して山田先生を少し乱暴になったが羽交締めにして動きを止めてあげる
「ううぅ・・・ありがとうございます、スカリエッティさん」
「『構いませんよ山田先生』」
そっと離して私は鈴の横に並ぶと
「こう見えても山田先生は元代表候補だ、緊張し過ぎてミスる癖は有るが冷静なら相当だ。お前達には山田先生の相手をして貰う」
「え?ちょ?!2対1?いくらなんでも」
なんか微妙な表情の鈴を横目に思い出す
確か山田先生は、織斑千冬がいなければ日本代表最有力だった筈
銃火器の扱いに長けている中遠距離型
鈴には悪いが犠牲になって貰おう、教師に花を持たせるのが目的だろうし
「安心しろ、いまのお前なら直ぐに負ける」
織斑千冬の言葉に鈴がムッとしているが、織斑千冬は私に目配せをしてくる
分かってますよ、面倒だけどバレない様に負けましょうかね
こんなんで大丈夫だろうか私