一夏side
今起こった事を話すぜ
妙に腕が長いゴリラみたいなISが、俺と鈴が試合中のアリーナに浸入したと思ったら、ロボロボしたISがピットから出てきてISゴリラに胴回し蹴りをしたけど避けられて、何かロボロボした方が右手を空に掲げて何か宣言してる
もう何を言ってるか分からなくなってるが、それが今起こってる事実だ
「と、言うわけで奴は私の方で処理しますから、織斑さんと凰さんは避難して下さい」
「え?あ、その声はウーノか?」
何か聞き慣れた声だと思ったらウーノだったので
「何言ってんだウーノ、お前を置いて逃げろってのか?」
「そうよ、観客の避難が終わるまではアイツを引きつけなきゃなんでしょ?」
鈴もウーノに反論して、俺の隣に並ぶ
「ISを戦争に用いてはならない、ISは宇宙(ソラ)への翼です。だから避難して下さい、翼を汚さない為に」
ウーノはゴリラISに上下左右に身体を振りフェイントを掛けて向かって行き、背部に有るアサルトライフルをサブアームで保持しゴリラISに撃つ
「・・・宇宙(ソラ)への翼、か」
確かに そうだ、束さんは宇宙を行く為にISを開発した
それが今じゃ束さんの想いは踏み躙られ、建前ではスポーツになっているが、最強の兵器として扱われている
「・・・避難するぞ鈴、ISで殺し合いをしちゃダメだ」
「な、アンタ・・・分かったわよ」
俺に何か文句を言おうとした鈴だが、俺の眼を見て納得してくれた様だ
俺達はウーノの邪魔にならない様にピットへ避難をする
そしてピットからウーノの戦いを見守る事にした
「ウーノのアレ、ISじゃ無いみたいだな?ISの反応がしない」
「みたいね、にしても・・・上手いわね」
ウーノに言われ避難をしてから1分と経っていないのだが、ウーノは確実に両手足のブレードとアサルトライフルでゴリラISにダメージを与えて、既にゴリラISの右肘から先が斬られて無くなっていた
「ISじゃ無いのに、ISを圧倒している・・・味方で良かったわね」
「IS委員会って凄いな」
そう言っている間に着実にゴリラISの解体は進み、最終的にはブレードを突き刺して空いた穴に手を突っ込みISコアを引き摺り出すと言う何かエグいやり方だった
その様子を見ていて何か違和感を覚える
「・・・なあ鈴、何かおかしくないか?」
「何よ、いきなり?そうね・・・あれ?」
俺と同じくモニターしていた鈴が何かに気付く
多分、これは俺と同じ違和感だ
「なぁ鈴、フルスキンのISでも中には人が乗ってるよな?なら、あんだけバラバラに刻まれたのに血の一滴も見当たらないのは、アレが無人機だからか?」
「何言ってんのよ、ISは人が乗ってなきゃ動かないのよ?常識なの・・・でもアレが無人機だったら、また常識が変わるわね」
鈴の表情は、かなり険しかった
とても嫌な予感がするけど、思い過ごしだと俺は心の底から願った
如何でしょう?
文才が欲しいですわー