そんなこんなで大まかな機体構成とスケジュールを確認して簪と夕食を共にして家族に電話をしようとしていたら箒からメールが入っているのに気付き中身を確認する
「・・・はぁ・・・なるほど」
「?どうしたの?」
自分のベッドで寛いでいた簪が私の様子に気付き話し掛けてくる
「・・・少しトラブルが有ったみたいです、ちょっと時間外労働して来ますね?」
「うん、いってらっしゃい?」
私は緩めていたタイを締め直して簪の声を背に箒と彼の部屋へ向かう
数分程度で部屋に到着すると、鈴がボストンバッグ1つを肩に掛けて部屋の前に立っていて、箒と舌戦をしている様だ
「・・・・どうして此処に凰さんがボストンバッグを持って、箒さんと言い争いをしているんです?」
私は聖人君子では無いので時間外労働をさせられれば機嫌も悪くなる、なので軽く鈴を睨む様に見下ろした後、箒も軽く睨み付け尋ねる
「む、これはだなウーノ。此奴が、今日から私も この部屋に住む。と言い始めてな、それで言い争いに」
私に連絡した箒は予め用意された様に端的に状況を説明してくれる
私じゃなく寮長を頼って欲しかった、うん
「何よ、ダメなの?」
私を睨み付け今にも襲い掛からんとばかりな鈴が言って来たので
「ダメです」
と即答してあげる、するど
「何で、その娘が良くて 私がダメなのよ!!」
沸点が非情な程に低い鈴はブチギレて私に尋ねてくる
「様々な理由が有りますが・・・まず1つ目が貴女が中国代表候補生で有る為、ハニトラの危険性を現状で拭いきれない事、2つ目が学園生活を送る上でで最低限守るべきルールが有る為、然るべき手順を踏んで下さい。因みに1年寮の寮長は織斑先生です、申請の際には相応の覚悟と自己責任でお願いします」
とは言え、鈴の性格上ハニトラは無いだろうと思うけど、可能性がゼロでは無い以上認める訳には行かない
それに私は箒を応援する事に決めているので鈴には少し悪いが箒の味方をしてあげよう
「う・・・そ、そう一夏、アンタはどうなのよ!!」
「発言の意味が不明ですね、今この場で貴女に勝機は有りません。諦めて下さい」
急に話しを振られた彼がキョドッたのを見てすぐに鈴へ言い
「今大人しく退くのであれば織斑先生への報告はしないでおきますが、どうしますか?」
と、そこはかとなく脅す
要は 今日は帰れ、帰らないと鬼にチクるって事になる
織斑千冬が苦手な鈴には効果が高い脅しなので目に見えて悔しそうな表情をし
「卑怯よ、そんなの!!まぁいいわ今日の所は、これぐらいにしといてあげる。次は こうはならないわよ!覚えておきなさい!!」
そう何か小物臭い捨て台詞を言って鈴は走り去って行った
とりあえず私の仕事は全うしたんじゃないだろうか?
本当勘弁して欲しい
忙し過ぎて死ぬるorz