4月も下旬となり、遅咲きの桜も全て無くなった今日この頃、今日も真面目に任務を果たしながら鬼教官 織斑千冬の授業を受けている
「それでは、これよりISの基本的な飛行操縦を実践して貰う。織斑、オルコット、スカリエッティ、試しに飛んで見せろ」
私は彼女の指示を聞き、並ぶクラスメイトの列から前に移動してから
「行きますよ、ザフィーラ」
呟いた瞬間、2つの閃光が走り私とセシリアは自身の専用機を身に纏っていた
流石 代表候補生といった所だろうか
「どうした織斑、熟練したIS操縦者なら展開まで1秒とかからんぞ?」
「こ、来い白式」
出席簿をチラつかせてプレッシャーを掛けてくる織斑千冬に彼は焦った様子で白式を展開し身に纏う
「よし、飛べ」
彼女の指示を聞き、直ぐに上昇を始めて私とセシリアが彼を上空から見下ろす構図になる
「織斑、何をやっている。スペック上だとブルー・ティアーズより白式の方が出力は上だぞ?」
織斑千冬におしかりを受けながら彼は私達が待っている場所まで登ってくる
まぁ急上昇・急降下は昨日習ったばかりだから慣れていないのだろう
「『まだ慣れない様ですね』」
「一夏さん、イメージは所詮イメージ。自分がやりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ」
私の言葉に続きセシリアが彼に言う
アレから和解した彼女は、やや高飛車だが根は真面目で悪い人間では無かったので、彼とも友好を築いている
「そう言われてもなぁ・・・実際、空を飛ぶ感覚自体 あやふやなんだよ。なんで浮いてるんだ?これ」
彼は考えるより感じろなタイプだから気にする必要は無いと思うがセシリアはクスリと笑み
「説明しても構いませんが、長いですわよ?反重力力翼と流動波干渉の話になりますもの」
「わかった、説明はしてくれなくていい」
彼は考える事を放棄し、そう言ったので
「『賢明な判断です、ISは飛ぶ物と思っておけば乗る上では事足ります』」
「ウーノさんも、凄い事を言いますのね?」
なんか褒められてる気がしないのは気のせいでは無いと思う
まぁ気にしないことにしよう
そんなこんなで軽くアドバイス等をしながら遊覧飛行をしていると
「よし、それ位で良いだろう。次は急降下からの完全停止だ、目標は地上から10㎝、いいな?」
私達は返事を返し
「『セシリアさん、此処は1つ織斑さんに手本を見せて頂けますか?』」
「そうですわね、一夏さん。よくご覧になって下さいね?」
「おう」
セシリアは楽しそうに、地面へ頭を向け急降下を始めギリギリを見極め体勢を入れ替え地面スレスレで完全停止をする
あの分だとノルマは達成した様だ
「『流石セシリアさんですね、花丸な手本です。完全停止のコツは簡単です、強く止まれと願えば叶います』」
それだけ言い私はバイバーの様に背面で地面へ頭を向け急降下して行く
ノルマは地表から10㎝、中々ハードルが高い気がするけど、やるしかない
地表5mで前転の要領で体勢を入れ替え、減速を入れて地表8㎝ぐらいで完全停止をする
「ん、まぁまぁだな。お前ならもう少し踏み込めるだろう、精進しろ」
「『了解です』」
織斑千冬の言葉に返答をしつつ地面に降り立ち、彼の動向を伺うと
彼は猛スピードで急降下し上手く減速出来なかったのか両脚が地面に数㎝メリ込んでしまった
「誰が地面にメリ込めと言った馬鹿者」
織斑千冬が呆れた様子で彼に言っていたが、ド素人がメリ込む程度で済んだのは、まだマシだと思う
そう、地面に激突して大穴を拵えるよりは、ずっとマシだ、うん
セシリアは多分チョロインw
箒は大人しくなりましたw