クラス代表決定戦の夜、就業時間が終わった私は織斑 千冬に許可を取りザフィーラとハルコンネンiiの整備をする為に整備室へ向かう為に就き光が射す夜道を歩いていると、あからさまに私をストーカーしてくる気配を感じて立ち止まり辺りを見渡す
「・・・・誰ですか?」
高性能な眼を持っている私には木々に隠れている彼女は丸見えな訳で、そちらに向き直り尋ねる
「あら、気付いていたの?」
ガサガサと植込みの中から水色の髪をした簪に似ている美少女が出て来て、失敗と書かれた扇を広げ言葉とは裏腹に笑みを浮かべている
「ワザと気配を消していなかった様ですが?まぁそれは、そうとして・・・私に何か御用ですか?更識楯無生徒会長」
簪に似た美少女・・・IS学園生徒会長 更識楯無を真っ直ぐ見つめ尋ねる
まぉ実際には身長差で私がやや見下ろしているのだけども
「貴女とは話しておきたかったから、じゃダメかしら?」
開いていた扇を閉じ、再び開くと 賞賛 と書かれてあり相変わらず猫の様に掴み所の無い笑みを浮かべている
「・・・まぁ良いでしょう、そう言う事で納得しておきましょう」
事を荒立てる必要も無いので軽く溜息を吐いて言うと
「もぉー、そんな溜息吐いたら幸せが逃げるわよ?」
なんと言うか・・・賑やかなひと時だな、この人は・・・簪とは真逆だ
姉妹で、これ程違うのは少し興味深い
「大きなお世話です更識生徒会長、では知っているとは思いますが自己紹介を・・・私はIS委員会開発部門セクレタリーズより織斑一夏さん の護衛として派遣されました、イチカ・スカリエッティと申します。以後お見知りおきを」
彼女に自己紹介をして事務的なお辞儀をする
「よろしくね?イチカちゃん?」
いきなりですか生徒会長、フレンドリー過ぎじゃ無いか?とか思ったが気にしない方向で行こう
この手の人は言っても直さなそうだし
「よろしくお願いします更識生徒会長」
「堅いわよ?何なら、たっちゃんでも お姉さんは構わないわよ?」
本当フレンドリーだな この人
自由人度なら篠ノ之束の方が群を抜いているけど
「謹んでお断りさせて頂きます、では私はする事が有りますので失礼します」
踵を返し彼女に背を向け整備室へ向かう為に歩き出す私に
「また何れ会いに行くわね?」
そんな言葉を言って来たので振り返るが、既に彼女の姿は無くなっていた
「また何れ・・・・ですか、なるほど」
彼女は彼女の思惑が有るんだろうけど、私には私のすべき事が有る
少なくとも彼女が彼や私に実害を出す事は多分 無い
そう願いつつ丸く輝く月が照らす道を歩いて行く
簪をだそうかと考えたら、先に楯無さんが出て来てしまいましたw