一夏サイド 2
どうにかこうにか綱渡りの試合を続け10分が経過した
頭の中の騒めきは確実に大きくなってきている
だが、そんな事を気にする暇は無い
今は辛うじて勘が冴えているのかダメージ自体は軽微で済んでいるが、綱渡りなのは変わらない
「くう・・・ちょこまかと・・・行きなさいブルーティアーズ」
未だ致命打を与える事が出来ていないオルコットは少し焦りを感じているのか、ビット攻撃をしてくるが その挙動は少し乱れている気がする
とはいえ、避けるので精一杯で反撃が出来ないのが悔しい
「くっ・・・このままじゃ不味い」
GNソードⅠのハンドガンは50発、この50発でビットを幾つか落とせるか?
いや、あくまで牽制程度と言われたのは素人では狙った的に当てる可能性が低いからだ
なら無駄弾を減らしオルコット本体を狙うべきか?
でもビットの存在は厄介だ・・・ん?
俺はオルコットのビットの動きを見ながら、ビットを操るオルコットもチラ見する
彼女はライフルを構えてはいるが、撃ってくる素振りがない
撃てば致命打になりそうな場面でもビットを操作している時は1度も撃ってきていない、そう1度も
オルコットは、まだ自分のISを100%使いこなせていないのかも知れない
つまりビットを操る時、その操作手一杯でオルコット自身の行動が疎かになる
「なら、やるしかない!!」
腹を括りGNソードⅠのハンドガンのトリガーを弾き、オルコットを牽制しビットの反応が鈍った所で4機の内 1機を急加速して斬り裂く
「まず1つ!!」
「なっ!?」
ビットを破壊された事に驚いたのかオルコットがライフルを撃ってきたが、またギリギリ躱してタイミングを計る
もう20分程オルコットと試合をしているが、これだけ撃たれ続けたら何となく癖が分かってくる
オルコットはビットを使うと操作に集中して動けなくなる事、そしてビットは俺が一番反応し辛い死角を狙ってくる
「次はコイツだ、2つ目!!」
グルンと身体を反転させ、背後の死角から狙うビットを斬り裂き破壊し加速して残り2機のビットから逃げる
残り2つだ
2つビットを斬ればオルコットの武器は手に持つライフルと近接用のナイフだけ
対して俺は残弾が45発にGNソードⅠのブレードに、プリセットの近接ブレードが1本
ハンドガンの威力でシールドエネルギーを削り切れる気がしないので、やはり近付いて斬るしかない
ならば、まずやる事は残り2機のビットを破壊する事
出来ればオルコットに もう一太刀入れておきたいのだが難しいだろう
だが、やるしかない
ん〜予定より進まないな、うん
おかしいな、この話で終わらせるつもりだったんだけど・・・まぁ次回が決着する、かも?