必要以上に織斑一夏を怖がらせてしまったのを密かに反省しつつ、1年寮へ入り
「ああ、そう言えば部屋の番号を確認するのを忘れていました」
日本政府の独断専行が頭に来たので、うっかりしていたのを思い出し彼へ尋ねる
「え?あぁ、1025号室だ」
彼は手に部屋の鍵のナンバーを見て答える
「1025号室ですね?なら・・・」
私は事前に暗記した1年寮の見取り図を思い出し
「此方です」
彼の先導を始める
数分程度で部屋へ辿り着く事が出来たので
「織斑さん、鍵を」
「え?なんで?」
私が彼に手を差し出し鍵を要求すると、キョトンとして聞いてくる
「護衛ですから、室内が安全か先に確認してきます。監視カメラや盗聴器は勿論、貴方の暗殺を目論む輩も居るかも知れませんから、なので鍵を」
「わ、分かった」
私が嘘を言っていないのが分かったのか、彼はすんなり鍵を渡してくれたので受け取り
「では数分で終わりますから、少しだけ待っていて下さい」
「分かった」
扉に細工が無いかを確認し、鍵を開け中に入り入り口付近を確認する
実は私はドクターのお陰でその類いの機械の機能を生身で出来たりする
簡単に言えば、見ただけで危険物を発見出来る訳だ
だから私をIS委員会は護衛に指名したんだろう
「・・・扉とその近辺に異物は無いですね、シャワーは使用中の様なので後回しにしましょう」
いくら私でも使用中のシャワー室を覗いたりしないので、先にベッド近辺の確認をする
と、言うか・・・
「明らかな剣道の道具一式ですね、これ」
綺麗に使われている剣道の道具一式を見下ろしながら持ち主の事を考える
「・・・なるほど、なるほど。日本政府の独断専行はコレですか、なるほど」
私が、勝手に納得しているとシャワー室から彼女が髪を拭きながらバスタオル1枚で出てくる
「こんな格好で すまない、部活で汗をかいたので先にシャワーを使わせて貰った。私は篠ノ之ほう・・・何故、貴様がここに居る?まさか、貴様が私のルームメイトか?」
私を視認した瞬間に睨み付けてくる箒
全く、普通にしていれば可愛いのに仏頂面ばかりしているから損していそうだ
「ご安心を、私はルームメイトでは有りません。とりあえず服を着て下さい、風邪を引きますよ?」
箒に言い、彼女の横を通りシャワー室を確認していると
「ルームメイトでは無い貴様が何故ここに居るんだ?」
「気になります?答える義務は有りませんが、答えましょう。織斑さんの身の安全の為です、彼を守るのが仕事ですから」
素直に浴衣を纏った彼女の質問に答え、彼女を真っ直ぐ見て
「先に言っておきます、私は彼を護衛対象以上として見る事、つまり恋愛対象にする事は絶対に有りません。故に貴女の恋の行方は陰ながら応援しています、ですが相談はしないでください。私は年齢=彼氏居ない歴ですから、役に立ちません」
そう言うと、箒は目に見えて顔を赤くしてワタワタし始めたので、見ていて少し面白いと感じる
さてさて、私の幼馴染の恋は成就するのだろうか?
楽しみだ、うん
はい、そんな訳で寮に突入しました
戦闘機人なら、スキャン出来るだろーって軽い気持ちで書きましたw