無能転生 ~提督に、『無能』がなったようです~   作:たんぺい

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今回は、その、「大本営第二特務課の日常」の作者様であるzero-45様弄り回でもあります
後書きで、詳しく解説


五十七話 魔化流返死の術

「釣竿齋…!」

 

氏真はそう呻きながら、眼前に顕れた釣竿齋の姿を睨み付ける。

 

前世の因縁の様なものは…残念ながら、特には無い。

出身地と活躍した場所が近い為に顔は互いに知ってるが…まあ、精々がその程度だ。 

怨みがある訳でも、恩がある訳でもない家系同士の邂逅でしかない。

 

 

だから、別にいきなり宣戦布告して来たことぐらいならば…艦娘達の前でああも見栄を切った氏真ではあるが、本当の話をするとまるで怒ってる訳では無い。

 

そもそも、氏真の親父が織田に「そう」して返り討ちにあったのが今川の没落の直接的な原因でもある。

真正面から喧嘩を売られた以上は善悪理由抜きにして本気で殺しにかかる事は、武人としても将としてもそれが返礼と考えているが…それ以上の事は考えていない。

『如何なるしかたない理由があるとしても敵は滅ぼすべし』、そう覚悟して…妙な違和感と言うか戦術レベルでの異様なちぐはぐさをわかっているとしても、氏真は眼前の敵に当たっていた。

そう言った割り切りだけで言えば、あの甘ちゃんの氏真も、乱世に生まれた戦国武将らしい戦国武将と言えるのかも知れないだろう。

 

しかし…それとは別に、氏真が怒ってることがある。

それは、雷の事だ。

 

別に、間者や暗殺者を送り込んだことぐらいは構わない。

それに狙われるのは、有る意味で将の務めとすら言えるのかも知れない。

だから、あの時に雷に殺されかけたこと自体には特にどうと言う感想もなかったりする。

裏を返せば、暗殺未遂の首謀者としての行動を取っていた釣竿齋への怒りも余り無い。

 

…それでも、氏真が釣竿齋の雷にしたことに対して怒りを覚えているのは。

やり口が余りにも雷の心身だけを傷付けるではないか、と言う一点だ。

 

雷の心を奪い。

雷にやりたくないだろうことを無理矢理させて。

そして…そんな雷に対して、氏真は傷付けざるを得なかった。

彼女の事を思えば、氏真が自分自身の事すら含めても、怒りを覚えるのは充分なことである。

 

…そして、こいつを放置すれば、何時パラオの艦娘が雷の様になるかわかったものではない。

散々に、氏真は艦娘の事を兵器として呼んでいるが。

その実は、自分の部下であり仲間であり娘とその友人だとも考えている部分が非常に強い。

それをああされるのは、身内に甘い彼からしたら堪えられない事だった以上、なおのこと氏真は釣竿齋の事を赦せずに、怒りを込めていたと言う。

 

 

だが、とうの釣竿齋の方はと言うと。

挨拶もそこそこに、チラリと島田に視線を送るなり、こう一言だけ告げる。

…どうも計画が遅れている様だ、と。

 

驚く島田を尻目にして、釣竿齋は下がれと島田に命ずるなり、再び氏真に視線を向けるとこう切り出した。

えらく、嫌われたのぅ、と。

雷ちゃんに無理矢理随分な『ご挨拶』を受けたからね、と氏真が唸ると、釣竿齋はああと言う表情になる。

そして…少しならず複雑かつ申し訳なさそうな素の表情で一瞬だけ釣竿齋は目を伏せるが…すぐに、挑発的かつ余裕のある様な表情に立ち返ると、こう氏真に返すのである。

 

「お主、もしかして殺されそうになった事ではなく、単に心を奪われた雷への義憤かの?成る程…ふむ、『拙僧が拾った命、それ故に自由に拙僧がその命を使うのは拙僧の勝手』よ。そもそも、無理矢理おなごを暗殺者に仕立て上げる程度、あの時代良くある話であろう?それでああも怒るとは、今川殿も随分なお人好しよな」

 

…そう特に何の事ではない様に、釣竿齋は雷の事を告げるのだ。

その言葉には、確かに何一つ『嘘はなかった』のである。

そして…余りにも余りな言に、氏真や硬骨漢気味の性格だった通康と球磨はおろか、釣竿齋の味方である島田すら一瞬絶句する。

 

「貴様…それでも、男かいの!?」

「コレは…キレて良いクマよね…!」

 

そして…二人が同時に、釣竿齋に怒りを込めた視線で睨み付け、当の釣竿齋もその視線を受けて真っ直ぐに見つめ返しながら。

ニヤリと悪い笑みを浮かべて、こう告げた。

 

「…拙僧は、そこの島田の阿呆といっしょくたにしては困る、と言っておこうか。さあ、拙僧が直々に遊んでや、ぐぉぉぉぉおおおお!?」

 

…と言うか、正確には、告げる途中で横から不意打ちで殴り飛ばされて吹っ飛ばされてしまったと言う。

殆ど全裸の、大事なところだけは葉っぱの様にヒラヒラと靡く式神用の紙を張り付けた、無駄に扇情的な飛鷹に。

 

 

「「「「ちょ、飛鷹なにしてんだお前はァァァァア!!」」」」

 

そして響く、余りにもあんまりなツッコミ所しかない飛鷹への、パラオの三人がツッコミを入れる異常事態の大発生。

 

「何で皆怒ってるの…?ラスボスって、全裸の飛鷹…私にぶん殴られる宿命じゃ無いの?」

 

そして、そんな事を言いながら、悪びれない飛鷹。

 

「どこ情報クマ!聞いたこと無いクマ!!何が起きたらラスボスはオメーに殴られる謂れが出来るクマ!」

「うーんと、左上が眩しかったりロボがギャザウェイビームするOPに定評のある監督のロボアニメ?」

「はぁ!?…あ、ノ○ァかクマ!!ダン○ーガかクマァ!アレは飛鷹だけど『ひよう』って読まねークマァァ!!漢字は有ってるけどクマ!」

「ちなみにキックしたら、真空魔が出来るわよ?」

「それも飛鷹だけど『ひよう』じゃねえじゃないかクマァァァァァァア!!」

 

そして、始まる、殆ど全裸の飛鷹とクマとの漫才。 

口上中に横っ面張り倒されて、酷いことになってピクピクしてる釣竿齋。

 

 

さて、何故飛鷹が大破もせずに全裸なのか。

それを語るには…話は少しだけ前後してしまうのだが。

氏真達と釣竿齋達が出会う直前…つまる所の話。

天龍がトラック泊地の無理矢理戦わされていた艦娘を倒した場所に、大本営の艦娘をなんとかした艦娘達が集合すると言う、艦娘大集結が起きていた。 

 

一度、こちらサイドの話も挟んでいこう。

 

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~数分前、球磨以外の艦娘達~

 

天龍の大立ち回りと朧の看破により、実質、パラオの大勝利となった場所に合流したのは駆逐艦達。

そう、吹雪・霞・ヴェールヌィの謎の化学反応を見せていた三馬鹿トリオと、ヘロヘロながらもなんとか無傷なままの時雨を肩を貸しながら曳航していた睦月&夕立コンビが、ほぼ同じタイミングで敵味方をまるで問わないように仲良くやって来たのである。

 

そして…そんな不思議な光景に、天龍達は呆気に取られるが。

ふと、龍田が何かに気が付くかの様に、パラオ側の駆逐艦達に声をかける。

…『それ』、どうしたの?と。

そんな龍田の疑問に対して、吹雪と睦月と夕立は、それぞれこう返すのである。

 

強く、なれました、と。

 

そう…

睦月、夕立、吹雪、霞。

彼女達四人は、今までとはまるで違う姿をしていたのである。

 

睦月は今までの制服の上に、上着の様に紺色に染め上げられたブレザーを羽織っている。

そのブレザーに煌めくは、三日月型のエンブレム。

艤装も新調されており、姿勢もよくなったせいか少しだけ身長が伸びた様に見える。

 

夕立は服装の露出度が上がり、スタイルが急に良くなり、胸の膨らみも強調されている。

瞳の奥も、狂気をむしろ全面に出すように、紅く妖しく燃え上がる。

そして…何故か、犬耳の様に跳ねた髪が、犬の尾の様にパタパタ動いていた。

 

吹雪は、今までの白と青のセーラー服とは異なる、大人っぽい白黒のセーラー服に身を包み。

白亜だった制服の、所謂ラインも真っ赤に染め上げられている。

何だか中二臭いデザインラインが、またラノベの主人公っぽいイメージを醸し出していた。

 

霞はと言うと、全体的なイメージこそ然程変わらないのだが。

サスペンダー式の吊りスカートだった服が、サロペットスカートと言う、エプロンの様なスカートに変更されている。 

そして、小さく、しかしハッキリ主張するかの様に赤いリボンが胸に煌めいていた。

 

そう、駆逐艦各々の最終形態としての姿…

改二の姿へと、進化していたのである。

そして、その姿を…時雨は苦笑いで、ヴェールヌイは無言のサムズアップで、改二の先人二人が祝福していたは、先に書いておこう。  

 

 

以前書いた様に、改二の姿へと進化する艦娘は、ごく少数だ。

『己が弱い』と自覚しておきながら、明白な『強さのイメージ』へ届くことを確信する、有る意味矛盾するかのような条件に手が届くだろう者だけが許された、艦娘の超進化状態に近い事は以前に書いた通りだ。

 

つまる所で言えば、『期待外れの冷飯食いだった自分が、幾度も修羅場を潜り姫級を仕留める程に成長できた』加古や『己の装備の関係で大好きな者達の為に役に立たなかった自分が、帰還の手伝いと古巣の艦隊の助けになるだけの結果を得た』木曾が、それに自然と到達することとなっていた。

 

そして…話は更に前の話に飛び、今回の作戦決行直前までさかのぼることとなるのだが。

時雨とヴェールヌイは、釣竿齋が式神から中継する映像や、雷から通して聞く音声を拾ったりする中で、ある確信を抱いたと言う。

…睦月、夕立、霞、吹雪の四人は、自分達と同じラインに立てる資格が有るのではないか、と。

 

前者二人の話は、本当に単純なことだ。 

 

頭が良くても喧嘩や実戦に弱い為、他の艦に…加賀や加古に負けないぐらい氏真が好きなのに、肝心な所だったらまるで役立たずなせいで同じ戦場に立てない睦月。

狂気じみた内面性のせいか暴走しがちな悪癖がある上に、未だに経験不足が目立つせいで、実力が全く生かしきれていない事が最大のコンプレックスの夕立。

 

そんな対称的かつ、各々に相応に根深い…それも、岡目八目だからこそでもあるが、パラオの外から見ていてこそわかる二人の苦しみを知っていた時雨は、こう考えていた。

…二人のウィークポイントを鍛え上げ、対称的かつ昇華すればお互い高め合える事にもなるコンプレックスを解消してあげたならば、それは改二への道標になるのではないか、と。

ならば…自分は、それの捨て石になってやろう、と。

釣竿齋の『計画』にも、幸いな事に方向性が合致していることも、時雨の思惑通りに事が進んだ結果だったと言う。

 

…まあ、バックドロップからの腹パン等と言う最後こそ、時雨の思惑から斜め上で素で焦ったものの。

概ね、時雨の思惑通りに…否、どちらかが改二への目覚めるきっかけになれたら良い、程度に予想していた時雨の思惑以上の、最上級な結果だったのである。

 

 

そして…アイキャッチトリオの方であるが、アイツらはあれはあれで別にふざけてた訳ではなかったりする。

 

前述の矛盾する内面性のある者が持つ改二への資格、これを手にするものは、実は両極端な艦娘が多い。

神通・金剛と言ったパラオの残りの改二の他、川内や飛龍や時雨や榛名の様に、性根が超が付くほど真っ当かつ不器用な性格の奴等こそ、それを乗り越えた時に改二への扉が開いたりするのだが。

実は…言い方がアレなのだが、もう1つ、改二へなりやすい艦娘は、ある傾向がある。  

 

頭のネジが外れやすい性癖等を拗らせた馬鹿、である。

 

と言うか、その、『今現在足りないと自覚する』事と『届いたことを実感する』。

妙な寡集癖が有ったり、性癖がブッ飛んでる連中は…正に、『好きこそものの上手なれ』と言わんばかりに色んなリミッターが飛びやすい。

魚雷と雷巡のポーズフェチの北上や重巡洋艦フェチが斜め上の古鷹もそうだが、まあ、うん。

ヴェールヌイが見初めるレベルの吹雪と霞、まあ、化学反応を起こしたと、そう言うことであろう。

 

まあ、それはそうと。

 

『誰かの力になるための、強くなり己の限界を超えた姿』である、睦月。

『己の狂気を認め、制御しきった証である姿』である、夕立。

『主人公に相応しい心身共に一新したカッコいい姿』である、吹雪。

『むしろ、己が髭と1つとなるべく、それに見合う姿』である、霞。

 

…最後こそアレなのだが、本当にアレなのだが。

彼女達は、本当の姿を手にいれた、と、そう言うことだった。

 

そして…だからこそ、本当の姿を得た今だからこそ、改二四人はある確信を抱いていた。

『大本営の裏切り者』…或いは、自分達を改二へ導いてくれた二人は、本当は敵ではないと。

少なくとも、自分達へと殴り合う、どうしようもない理由が有ったのでは無いか、と。

それは、実力差を肌で感じ、そして…戦いの中で、自分達を一度も傷付けること無くその領域に手を引いてくれたことを、何となく理解したからでも有った。

妙に敵味方バラバラのハズの改二駆逐艦の六人が、戦いに一段落ついた途端に仲良くなったのも、パラオの駆逐艦達が馴れ馴れしいと言うレベルで優しく、そして丁重に接していたからだと言う。

 

…困ったのは、お姉ちゃんを苛めたらヤダっぽい、と真剣な顔で夕立に念を押されたり、

或いは、髭の波動を持つ赤い同士を傷付けたら私が許さないわよ、と殺意も含んだ目で霞に言われた、扶桑や龍田だったろう。

 

 

そんな和気あいあいとした駆逐艦達へ遅れる様に、加賀が瑞鳳を連れて帰参する。

 

あの時、ぐずぐず人目も憚らず泣いてしまったせいで、瑞鳳の目は真っ赤になりながら。

しかし、吹っ切れたのか瑞鳳は妙に笑顔になり加賀と手を繋ぎつつ、一方の加賀は無表情ながらもこちらに向かい手を降りながら、ノコノコと子供が遊び場に割り込むように輪に入ってくる。

 

そんな緊張感が余りにもない流れのせいで、思わず、天龍が限界だったのか加賀にツッコミを入れる。

お前、それはいくらなんでも呑気過ぎるだろ、と。

しかし…加賀はと言うと、そんな天龍のツッコミに対して、こう返すのである。

…彼女達は本当に良い子達なんです、だからこそ、もう戦う理由が無い。むしろ守ってあげたいんです、と。

そして、こう続けるのである。

 

「…こんな、優しい『計画』を立てる人達をこれ以上責めるのは…余りにも酷です!だから、父さん達にキチンと説明しないと…!兎に角、戦いを止めないと…!」

 

そう言って、言葉を詰まらせて…それでも、加賀は瑞鳳を守るかの様に、ぎゅっと抱き締めていた。   

 

…実は、加賀は、瑞鳳がえぐえぐと泣き出してしまった際に宥めすかす過程で、『計画』の事も瑞鳳が口を滑らしてしまったせいで、ただ一人だけパラオ側の艦娘で聞いてしまったのである。

泣いてるせいで微妙に要領の得ない箇所は有ったが…それでも、事情はかいつまんでではあるが把握した加賀は、と言うと。

その話の核心に対して、もっと早くパラオにも色々相談して欲しかったとも思いつつ…しかし彼女達が、状況が状況で相談すら出来なかっただろう事実も思い至り、なんとも頭が痛くなる。

こんな、傍迷惑かつ何もかもを傷付ける計画を立てざるを得なかった理由がわかるぐらいに、だ。

 

しかし、運良くと言う形ではあるが、結果的に『瑞鳳は誰一人傷付けることはなかった』。

否、瑞鳳の他にも、トラック側の何名かは一切傷付けることはしなかった様だ、と加賀は周囲を見渡して把握した。

 

コレは…もしかしたら、最大級な切り札を自分は手渡されたのではないか、と加賀は考える。

傷付けることがなかった…言い換えれば、瑞鳳他数名は今回の戦いで悪いことをしていない事を証明できると言う、証言ができると言う形での切り札を。

 

今回の件に対して、加賀には『全員』を何もかもを救い、こんな戦いを丸く納める大団円の方法は思い付かない。

だが、少なくとも…目の前に居る、瑞鳳と言う泣き虫のお人好しな女の子は救えるのではないかとは、考えている。

否、瑞鳳の話と今回の状況を照らし合わせたら、被害は本当の意味で最小限に済むかも知れない。

誰も、死ななくても済むかも知れない。

 

そう思い至った加賀は、瑞鳳が泣き止むまで背中を撫でたりしつつ、落ち着かせた後の事。

貴女の力に成りたいんです、と真っ直ぐに瑞鳳に向き合い…瑞鳳も、貴女なら託して良い、と一言だけ告げて和気あいあいと投降。

そして、駆逐艦達とはまた違う理由で妙に仲よくなった空母二人が皆に合流した、と言うことだった。

 

…尚、余談ではあるが。

そんな加賀の姿を見ても、やっぱり敵だと渋い顔をする天龍に向かい、加賀はこう付け加えたと言う。

 

「あ、そうですね天龍さん…この子、ウチで言うと夕立とかあの辺ですから」

 

アッハイ、そりゃルナティック保護に方向で…と、本当に数少ない純粋な癒し枠と並べられて天龍は微妙な目になりながらも、手のひら返して丁重に扱うことにしたとかしないとか。

とうの瑞鳳は、キョトンとしていたが。

 

 

さて、そんな最中、やっぱり訳ありだったのかと三人の声が響く。

 

「…ふぅ、まあ、何かしら訳ありとは思いましたよ。あの正義感の強い飛龍が、悪い事を率先してやるとは思えないですから」

「まだ、怒りは収まりませんガ…少なくとも、榛名は殺気はナッシンでしたからネー…」

「…計画、ですか。お姉様がそうまでして、裏切りじみたことまでする話、詳しく聞きたいです」

 

そうして話に絡んでくるは、赤城・金剛・神通の三人だった。

そして…他の連中とは逆に、全力でやりあったことも有り、わりと乱暴にドスっと投げ捨てられて飛龍・榛名・川内の三人はパラオ側の連中の足元に転がされて居たと言う。

…特に、榛名に至っては、ストⅡの負けたガ○ルのグラ並にぼこぼこに殴られていたが…まあ、あんまりやると、榛名の乙女の尊厳性が色々アウトだったりするので、ダメージ描写はその辺りにするとして。

 

まあ、それはそうと…話を漏らしたであろう瑞鳳に対して、ぼこぼこにされた挙げ句転がされた三人は、一瞬だけそちらに睨み付けて瑞鳳が少しびびって竦み上がってたりしたのだが。

そのうちの一人である川内は、はぁ…と、溜め息をついて、視線を泳がしてどうしたモノかなと考えては居た。

 

予定通りに事が運んでいるとしたらそろそろ計画の肝は完遂しているハズだ、ならば、ばらすタイミングが前後するのも些事では有るかも知れない。

だが…釣竿齋の連絡がまだである以上、独断で動く気にもなれなかった。

榛名と飛龍にも川内は視線を向けるが…苦笑いするだけだ。概ね、二人も川内と同じような思考をしていた様だった。

そして…その一方、ずっと黙ってた当の加賀や或いは時雨やヴェールヌイや瑞鳳も、パラオ側の三人に詰められて非常に困った事になっていたと言う。

 

…まあ、概ね、困った表情で言葉に詰まっている理由となると、理由の1つとしては川内が神通に心配していたことと同じ事でもある。

 

そして、それ以上の事として。

話すとややこしいせいでかなり長くなる上に、加賀は赤城や神通がパラオに来た本当の理由も知っているから尚の事でもあるのだが…彼女達の責任感の強さと優しさを知っている以上、尚更、無駄に真相を告げにくくなってもいた。

この話、わりと事が何重の意味でも洒落になってない事がそもそものきっかけだった為、そこを彼女らに責任感を負わせない様にフォローしろといきなり言われても…加賀は困りきってしまったし、逆に瑞鳳達は実質なに言っても言い訳になりかねない為、どうしたら良いかわからない。

 

それに、神通と金剛がそうなのだが…実質、彼女達は唯一、実力で一方的に黙らせてぼこぼこにしていた。

それは『敵』であり『赦せぬ裏切り者』だと、金剛達はそう思っての事で…まあ、間違ってはいない、と言うよりも正しいことなのだ。

だが、話の真相を告げたら…もしかしたら彼女らを攻撃したことに罪悪感を強く感じて、あの傷付きやすい金剛や神通、そして或いは赤城すらも、泣いてしまうかも知れない。

重ねて言うが、悪い事や間違った事は誰一人パラオ側の艦娘はしていない、むしろ正しいことをしてるのはパラオ側の方なのだが…そう言った部分もあるからこそ、事実を知っている加賀が余計に計画の内容を語りにくくなると言う、無駄にややこしい事態が発生する事となっていた。

 

  

しかし、金剛達にはそう言った機微は伝わらないし、何より知る権利が有る事も事実だ。

ずっと黙ってた加賀に対して、赤城が痺れを切らして、吐かないなら今夜寝てる時にベットに浜風放り込むぞと加賀にイヤな脅しをかけると言う一幕が有り、無駄に加賀がおののき、浜風が無駄に傷付いて落ち込んだりしつつではあるが。

 

そこに割り込んで、加賀さんをあまりいじめてやるな、と爽やかな声が割り込んで来る。

 

「いじめるなら…俺を、いじめろ!!」

 

お前かよ!!と言う、天龍のツッコミが入る球磨型のドMの方…唯一、服装だけに近いとはいえタイマンをした連中の中では、パラオ側の艦娘の中でダメージが大きい、木曾だった。

 

その木曾は、天龍を無視して、お姫様だっこで運んできた北上を優しく下ろしてやるなり、こう告げる。

北上姉さん、痛い所は無いよな、と。

そんな、木曾に対して…

 

「あ…うん、ありがとう、ね~…」

 

若干、メスの顔で言葉に詰まりつつ、赤い顔で返していたとかどうとかだった。

 

…実は、話は若干またさかのぼるのであるが。

サーベルでぶん殴られて昏倒したとは言え、気絶からは1分立たずに回復した北上。

そんな状況下で目を覚ませたと思ったら、何故か今まで全霊で殴りあっていた木曾に抱き上げられていた、と言うシーンから話をするとしよう。

 

 

「気が付きましたかい、姉さん?」

 

気絶から目が覚めたと思いきや、いきなり今まで戦っていた相手に抱き抱えられているは北上。

ジタバタと…それこそ、何をされるかわからない北上は、木曾の腕の中から逃れようとするものの。

当の木曾は、そんな姉の行動をケラケラ笑いながら、腕力で強引に抑えながら…一言だけ、真面目な表情に切り替わりつつ、姉に告げた。

…北上姉さん一人が、悪者になるのは許さないぞ、と。

 

え?と言った表情を見せる北上に対して、木曾は苦笑いしてこう続けるのである。  

 

「…あのトラック泊地側の人達で唯一、本物の殺気を身に纏っていたのは姉さんだけだ。そして…俺がインチキしなかったら轟沈しただろう結果を見てもわかるさ。俺を…本当の本気で実の身内を殺して、『悪者』になろうとした事ぐらい、さ」

 

そして…そんなことを、木曾にまるで見てきたかの様に見透かされ、戦闘中とは違う理由で、北上は戦慄する事となっていた。

 

そうなのだ。

北上は、木曾が看破した様に、戦死者と言う形で本当の戦果をあげることで…己を、スケープ・ゴートにするつもりだった。

 

このパラオとトラックとの戦い、そもそものきっかけは誰が悪いと言う話ではなかった。

だが、実際は、こんな酷い大事とまで発展する羽目になっていた。

現実的な話をするならば、こんな戦いを本当の意味で収めるには…首がいる、北上を含む大本営から離反した誰かの首が必要だろう、と。

少なくとも、北上はそう考えていた。

 

そして…それは、榛名にも夕張にも瑞鳳にも時雨にもヴェールヌイにも飛龍にも古鷹にも川内にも、背負わせてはいけないだろう、と。

 

…情の話だけではない。

AGPの特殊システムを運用できる榛名。

機械工作の技術や知識の深い、夕張と瑞鳳。

諜報員や工作員として類をみない実力のある、時雨とヴェールヌイと川内。

そして、本来なら空母と重巡洋艦の教導員としての能力が高い、飛龍と古鷹。

手放したら、皆、本来なら替えが利かないコマなのだ。

 

だが…北上には、ほぼ、実力も頭脳も変わらないどころか艦種すら同じな、大井と言う妹が居る。

唯一、死んで代わりが居る艦娘が居るとしたら…この状況下ならば、自分しかいない。

北上は、そう考えて…悪役になりきるつもりで、計画違反の死者を出してでも、木曾を本気で狙っていたと言う。

きっと、仮に計画通り敗北した後に北上達の処罰が決まったならば、自分が首謀者で残りは嫌々従わされただけだった、と告げれば良い話なのだから。

 

自分の仲間は死者を出さず、自分だけが死人を出している。

パラオ側も…まあ、最悪、操られてた本来のトラック泊地の連中だけは殺さないだろう確信がある。

つまり、ヘイトは自分だけに向かい、計画違反の自分を仲間は庇わず、何より自分が悪者だと言う話の状況証拠がそれを指し示すのならば、『戦いを丸く収める為の生け贄』として自分の首を差し出すことに誰一人異存は無くなるだろう…北上が取ろうとしていた行動は、そう言うことだった。

だがしかし…誤算だったのは、あのアンプルにより木曾がルール違反を犯していたことと、北上の思惑を何となくは木曾が把握していたことだったのだ。

 

 

木曾は、何ヵ月も、本当の殺気を常日頃コントロールしている豪傑…村上通康と過ごしていただけに、そう言う空気をもった者の気配も読める様になっている。

だからこそ…敵味方でぶつけて良い相手、悪い相手と言うこともよくわかっていた。

 

恐らく、と言うか木曾の見立てでは。

唯一、トラック側の中で殺気を滲ませた北上相手に、殺気溢れるパラオ側の連中をぶつけたら、それこそ取り返しのつかないことが起きるだろう…と、予測がついていた。

 

とは言え、北上相手に手加減の利きそうな相手は…金剛、赤城、神通、色を付けて精々が加古だろう。

だがしかし…よりによってそんな連中こそが、そろってブチキレている。

それを、北上相手にぶつけたら…少なくとも、どちらかが木っ端微塵だ。北上かパラオ側がそうなるか、或いは相討ちかは木曾にはわからないが、肉片と火薬のハンバーグができる公算が非常に高かった。

よりによって、それを…姐さんと慕う飛鷹型の姉妹二人のトラウマと仲間が眠る地で作るのは、木曾には絶対に許せないことだった。

更に言うならば、自分の実の姉が絡むことなら尚更の事だろう。

 

ならば、丁度良い、と木曾は考えた。 

死にたくないと言う、チキンさから思い付いた様に持ち込んでしまった、応急修理要員もどきのアンプルだってある。

北上の相手は…自分こそ、相応しいと。

そして…自分を傷付けようとする度に、今にも泣きそうな顔を堪え、爆撃が自分に直撃する度に手が震えているのがよくわかっていた姉の為にこそ、こんな馬鹿馬鹿しい戦いを止めてやろう、と。

もう、無理して悪者になるのはダメだから、と、自分の姉に伝える為にもだった。

 

そして…結果的に、姉の思惑を越えてそれを為した木曾はと言うと、苦笑いしつつこう告げる。

姉さんみたいな美しい女(ひと)を、仲間殺しにもさせず喪わずに済んだのは、僥幸だったなぁ…と。

思わず、北上は…いきなり変なことを言うな!と顔を赤くして木曾に怒るものの。

当の木曾はと言うと、ただただ、北上をお姫様だっこしつつこう続けるのである。

 

「…まあ、北上姉さんが、殺気を全開にしてまで仲間を守ろうとしてる気迫も、そのためだけにただ一人、本気で俺達を狙っていたことぐらいなら、何となくは肌で感じたのさ。泣きそうな顔をしてまで、俺を殺そうとしたことを考えたら…ね」 

 

そう言って、一拍置き、木曾はこう締めるのであった。

 

「ああ、そうさ…きっとあんな顔するぐらいなら、いっそ殴りかからず泣けば良かったのさ、姉さん。助けてって俺達へ素直に言えば良かったのさ。でも…姉さんどころか誰も出来なかったんだろ?きっと、あの坊さんですら。だからこそ、自分一人が泥を被ろうとしてまで、助けて欲しがってた仲間を救おうとした姉さんは…何より、美しいと思う」

 

…と、まあ、若干ならずクサいレベルで、なんだか口説くような口調で爽やかに語る木曾。

思わず、基本的に今まで美しいだのなんだのと誉められ慣れてない北上は顔を真っ赤にして、見透かされた挙げ句誉められた照れ隠しの様に、美しいってそう言う意味かよ!と怒るが…

 

「…?内面性だけじゃなくて、顔の話ですか、姉さん?そっちも、凄く綺麗だと思うけど…」

 

等と、特に世辞と言う口調が一切無い台詞を、無駄に洗練された無駄の無い無駄な意識高い系ドMのイケメンたる木曾の口から聞き…

 

「ば…ばかぁぁぁあ!!ホストかヅカか何かかお前はぁぁぁ!!」

 

…チョロいと言うレベルではないのだが、口ではそう言いながらも。

木曾に対して…真っ赤になりながら北上は堕ちた、とか。

全国の大井っち涙目の、妙な関係が生まれた瞬間だった、と言う。

   

 

「…」

「…」

「え、ちょっ飛鷹姐さんも赤城さんも、無言で蔑んだジト目で俺を何見てるんだ!?え、え…あ、うん、え!?何故か蔑まれてるのに気持ちよくない!何これ!?」

 

…尚、上記のことをかいつまみつつではあるが。

木曾本人にあんまり自覚が無いとは言え、北上を口説いてお持ち帰りと言う、大井っち血涙ものの字面だけ見たら酷い言霊のアトモスフィアが発生した状況を説明した際の身内のリアクションは、大体こんな感じだった。

おお、前世前世。

  

 

と、まあ…そんなホストみたいな木曾についてはこんな感じとして。

最後にやって来たのは…

 

「…本当、闘争の空気じゃないね」

「だろ?だから言ったのさ、アタシの仲間は、アタシと違ってウェットで良いやつらだから、さ」

 

古鷹と加古、古鷹型の姉妹である。  

皆揃ったな~、と、最後に現れた呑気に加古が口を開き…そして、こう告げるのである。

 

「うん、とりあえず…古鷹姉から色々話を聞いたけど…色々問い詰める前に、先にとりあえず島田さんと氏真さん達の戦いを止めてやろうよ!悪い人達じゃない、この古鷹姉なんか、アタシにお詫びとして実印と土地の権利書とクレジットカード自由に使わせてくれるって言ってくれたぐらいだし!」

「ちょっ…それは言ってない!流石にそこまでは言ってないから!!そこまで生々しさ全開の詫びはしてないからね!!てか、土地の権利書は持ってないから!!」

 

…そして、混乱に乗じて、姉から色々むしり取ろうとするクズ妹UC。

二話前のかっこよさは何処へ行った、クズ。

 

「…じゃあ、『ポニーの家』って何なんだよ?戦利品か何かでタダでアタシが勝ち取った不動産じゃないの?」

 

…少なくとも、お礼のイラストのアレはそう言うことじゃねえから!

詳細はzero-45様に聞きなさい、クズ。

 

「…て言うかさ、折角姉貴と仲良くなれたのは良いんだけど…さっきからうなじペロペロされてて、それぐらいしないとやってられんと言うか、許せないっていうか…」

「しょうがないじゃないの!私の煩悩と本能がパトスになってるんだから!!」

 

そして、姉は姉で別ベクトルにクズ、と言う酷い三段オチだった。

 

 

と、そんなクズっぷりを久々に発揮した加古だったが…ふと、見逃せないものへと目を向ける。

それは…

 

「何で、その緑色の人は飛鷹さんの袴履いててるのさ?阿賀野も、よく見たらセーラー服じゃなくて上が飛鷹さんの衣装だし…」

「それ、突っ込んじゃいますか…」

 

朧が一言だけ加古に呆れたように言い、残りのメンバーも、あえて触れたくないからスルーしてたのに触れやがったと頭を抱えることとなるある状況。

…殆ど全裸で平然としている飛鷹と、対するは、意外と似合うようで違和感バリバリな阿賀野と、お尻の出っ張りが足りずにスカスカな衣装を着せられてぷるぷると飛鷹よりも震えている夕張と言う図、だった。

 

そして、それを一言で解説したのは…扶桑だったと言う。

 

「ゲホッ…あのね、夕張…さんだったかしら。彼女が、阿賀野を見た途端、その、おぶられてる途中で黄色いメロン果汁を…」

「言うなァァァァァァ!!うわぁぁぁぁぁん!!」

 

…そして、響く夕張の大絶叫。

これに関しては全面的に加害者の阿賀野も、ごめんなさいm(__)mと言いながら、改めて夕張に土下座することになったとか。

 

そう、阿賀野と夕張は、一番に扶桑達の本体に合流することとなったのだが、話はそこから始めるとする。

夕張が気絶から目を覚ましたら…見知らぬ場所に阿賀野におんぶされて曳航されている途中と言う、彼女からしたら恐怖を覚えるに充分過ぎる事態が起きている。

あの、深い海に引きずり込もうとした女に、自分は何をされるのか…そんな恐怖で、最早、夕張の頭の中はパニック寸前だったのだ。

 

助けを求めようにも、周りに仲間はおらず。

逃げ出そうにも、腰が抜けて力が入らず。

先程の恐怖を思い出して、夕張は…

 

「う、え…私、もう悪いことしないからぁ…何でも言うこと聞くからぁ…意地悪しないでよ…寒くて恐い海の底は、もう、やだぁ……」

「ちょ、なんかいきなり阿賀野の背中が湿っ…のわぁぁぁぁぁぁぁ!!?Σ( ̄ロ ̄lll)」

 

…まあ、色々限界突破してしまった、と言うことだった。

 

とまあ、夕張は戦いに参加したことの、阿賀野についてはある意味でSAN値削ったことの、二人分両成敗の天罰でもあるのだが。

兎に角、阿賀野は上着とブラジャーを、夕張はスカートとパンツをダメにしてしまったこの状況。

合流した時は…夕張がもう色々と限界だった為に、見かねた天龍に促された阿賀野から事情を聞かされて、それからどうしたかと言うと。

あまりにもドロップ艦達にとっては酷いやり口と言うことで、何故か夕張が同情されて龍田や浜風に優しく扱われてるのを尻目に阿賀野が扶桑と隼鷹にガチ説教食らってる横で…飛鷹がいきなり服を全部脱ぎ出した。

 

その場にいた全員が突然のことに絶句する中で…上を阿賀野に、下を夕張に、淡々とした表情のまま一言だけ告げた。

コレあげる、と。

 

「…飛鷹さんが全裸になった理由、元は、阿賀野さんのせいだったのかにゃ…」

 

睦月が、小声でツッコミを入れた通り、そう言う顛末だったとか。

 

「てっきり、浜風がやったのかとずっと疑ってたデース…」

「酷くないですか!?」

 

尚、横で飛ぶ、理不尽なようで残当なツッコミ。

 

「…アタシの時は、あんな優しい人は一人も居なかったぞこんにゃろう!!」

「ハハッ!漏らしざまぁ」

 

…漏らしの被害者・加害者の先駆者な、クズの寝坊助とファザコンと言う二人は、こんな感想だったとか。

 

 

そんな、色々とわちゃくちゃしたタイミングで…釣竿齋が島田の鎧から現れる姿が目に入る。

それを見た飛鷹は大事な部分だけ紙で隠し、無言のままに一目散に現場に突撃。

 

それは何もかもが突然のことで、全員が呆気に取られるが…それはそうと、状況を敵味方全員が理解した事で、飛鷹に慌ててついていくことになるのだが。

先行していた飛鷹に誰も追い付けないで、結果的に、殆ど全裸の飛鷹が割り込んでくる酷い絵が発生することとなったのだ…

 

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「…事情を聞かされても、尚酷いな」

 

まあ、飛鷹を追いかけた艦娘の一人である神通から話を聞かされた戦国武将組はと言うと。

上の様なメタなツッコミが氏真から、入りつつではあるのだが。

そんな氏真達をスルーしつつ、真面目な口調に戻ったとうの飛鷹はこう言ったので有った。

 

「…別に、アンタらがどういう事情が有ったかは知らないけど…それでも、一発は殴る権利はあるでしょう?アタシ達の怒りと、トラックの人達の為にも」

 

そう言って、釣竿齋を睨み付ける飛鷹に対し、とうのそんな釣竿齋はと言うと。

 

折角の登場シーンをギャグにされたせいで、素の表情を見せてぎろりと睨み付けるものの。

すぐに不敵な笑みを浮かべ直し…こう、告げるのである。

 

「我が計略は未だ実ってはおらぬのよ、故に、負ける訳にはまだいかぬ。そして…あの様子ならば、幾人か、向こうに寝返ったか?まあ、良い。拙僧が謗る理由も無い…ならば、拙僧も、新たに『味方』を呼ぶ事に致そう」

 

 

そう叫ぶ釣竿齋の身体を中心として、魔力だか法術だか忍術だかは定かではないが…おおきな、魔法陣が顕れる。

 

何事か、と島田すら慌てるなかで、釣竿齋はこう締めるのであった。

 

「拙僧の最大奥義を見るが良い…禁術、『魔化流返死(まかるがえし)の術』!!」

 

 

そう叫ぶと、そんな魔法陣が柱のように天に向けて強烈な光を向け、天を裂き次元の裂け目を造り出す。

そして…一瞬でそんな魔法陣による光が晴れて、次元の裂け目がいつの間にか消えた際、そこには信じられないものが、映っていたのであった…

 

 

 

 




ビキニメイドと言う、独創的な発想を持つかの先駆者は謂いました
(ビキニメイド榛名の)元凶はお前だ、と
あまりにも風評被害である、と言わざるをえない、時代は「全裸式神」…全裸の女の子に、ニップレスの様に小さい紙だけで大事なところを隠す、コレです


と言う訳で、向こうのコメントで「脱がす」と言った上に、やる分にはいいよと温かい目線で背中を押された以上、有言実行せざるをえませんでした
そして…あれより更に過激にやらないと、ダメだと思いました
『僕は悪くない』

そして、今回弄られた飛鷹さんですが、「名前ネタで弄る」アイデアは、コレはzeroさんのコメントにかつて送られたコメントが元ネタだったりします
『僕は悪くない』

後、真面目な話、ポニーの家って何なんだろう…

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