無能転生 ~提督に、『無能』がなったようです~   作:たんぺい

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四十話 戦い終わり、『ドロップ艦』

さて、なりゆきになりゆきが重なり、本来氏真達パラオの連中からしたら凶賊の排除を兼ねたのんびりしたパトロール任務だったハズなのに、ダイナミック戦国大喧嘩からの一大スペクタクル大決戦と言う一騒動を終えた後から話そう。

 

 

その深海棲艦のフラグシップだった軽巡棲鬼を滅ぼした加古は、氏真に肩を抱かれつつ、龍田・金剛・加賀の3人や球磨・木曾・通康の対戦艦棲姫隊の面子に合流しようと海上を移動する。

 

これからの事…つまり、無人島で居残り状態で待機している霞の事や通康達の処遇の事、更に旧パラオ所属だった飛鷹と隼鷹の事について話し合わねばならないからだ。

通康も木曾も、荒っぽく暑苦しい性格であるが話しは通じるし頭も悪くはない。

共通の敵との共闘後たる今なら、対話にそれなりの態度で応じてくれるハズだから。

 

 

加古はそう考えていた矢先…突然、彼女は身体の違和感を感じて胸を押さえて苦しみだす。

氏真がたまらず、加古の様子を伺うが…加古は、涙目でこう返すばかりだ。

良くわからないけど、いきなり身体がドキドキして昂ってくる。熱くて、苦しくて、どうにか成りそうだ、と。

 

そうして、苦しみだしバタンと倒れこんだ加古に、慌てて皆が駆け寄るなかで…同じような症状でぶっ倒れるもう一人の艦娘が居た。

木曾である。

 

「俺も…戦艦棲姫をトドメをさして倒した直後ぐらいから、何か変なんだ。身体に力が…燃えるように全身熱くて、なんだか、ヤベエ…」

 

そう言って、木曾は白目を向いて気絶してしまった。

 

通康は木曾の惨状に取り乱し、慌てて彼女の下に心配そうな表情のまま駆け寄る。

氏真も、身体の変調に耐えられず気を失った加古をお姫様抱っこで抱き抱えつつ、もう一人の変調に苦しむ艦娘に向かい駆け寄って行く。

艦娘達も、あの冷徹でマイペース過ぎる加賀ですらこんな惨状に驚き、球磨と龍田に至っては、えらいこっちゃえらいこっちゃと顔を見合わせた後で慌てふためく中で、冷静な奴が居た。

 

 

それは、金剛である。

 

金剛は、内心では彼女ら二人が『倒れた理由』を何となく察しているからだ。

何故ならば、自分自身も経験が有ることで…パラオで言えば、恐らく神通も『ソレ』を経験済みだ。

まあ、普通はソレは何ヵ月どころか何年もかけて、と言うことだろうが…ソレだけ、彼女らにとって姫や鬼の存在は刺激的であり、そして戦国武将どもを含めた存在は大きかったので有ろう。

 

そんな加古と木曾の姿を見て、今夜はお祝いデース、と無表情にぼやいた矢先…彼女は、二つの蠢く影を見る。

ソレは…死んだハズの軽巡棲鬼と戦艦棲姫で……?

 

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~ソレから、約1時間30分後、無人島・通康達のアジト~

 

 

「…って感じの事が有ったんデース」

 

金剛は、飛鷹に向かい、通康との戦いの『顛末』をゆっくりと語り出す。

 

中々面白そうなことが有ったのね、と金剛の話に相槌を打つ飛鷹に対して、金剛はアンタの服装程じゃないデース、と苦笑いで返す。

服は妹にあげたんだ、と苦笑しつつ返す飛鷹ではあるが…その視線を古馴染みの加古と木曾に向けながら、こう続けたので有った。

 

「…あの二人、あんなイケメンだったっけ?てか、木曾の服装に至っては何かやたら豪華になってるけど、アレ何よ?」

 

…そう、やたらにイケメン化してしまった二人について、である。

 

 

まずは、加古。 

 

身長がスラリと伸びて元々前髪がかかるぐらい長かった彼女だが、更にソレが伸びている。

『ザンバラ頭』と揶揄されていた以前とは違って、ツンツンした髪型ながらもどこか爽やかなサラサラヘアになっている。

服装の露出度もやたらに上がっており、ホットリ○ットの衣装みたいな黒いインナーも、かっこよさと扇情感を同時に引き立てている。  

艤装の色も、鈍色だった元々の艤装の色から、真っ黒に変更されていたので有る。

そして、何より…『甘え』が有った以前とは違って、確りとした意思を感じさせる、戦士の瞳をしているので有った。

 

一方、木曾。

 

全体的な本来の衣装自体は、加古と違って以前とは大差無い。

容姿も同様である、艤装は派手になっては居るが、全体的な雰囲気はさほど変わらない。

だがしかし…全身を覆う真っ黒な金刺繍付きのド派手なマントと、何故か装備されている軍刀が、彼女のシルエットを大きく変化させている。

キリリとした瞳、ド派手かつ大量の足の魚雷の砲身、その元々の容姿と合わさり…まるで、艦娘とは思えないとんでもない威圧感を放っている。

『海賊のキャプテン』…その姿を一言で評価するなら、こうであった。

 

そうである、皆さんお気付きの通り。

彼女らは、あの深海の強敵を相手にしてトドメをさしてしまったことをきっかけに、改二の姿へと進化してしまったので有る。

 

 

改二、ソレは…艦娘の『強くこう有りたい』と願い手に入れる、艦娘の真なる強さの象徴である。

 

ただ、闇雲に練度を上げても、ソレにはならない。

先ず、単純に練度を上げるか、その事に匹敵する様な何か結果を上げることは大前提として。

その艦娘が、具体的な『強さ』のイメージを、頭に強く思い浮かべること。

そして…それこそ、きっかけは『劣等感』なり『焦燥感』なり『嫉妬心』なりと、負の感情から始まるもの何でも良いが、なんらかの『強さ』を求める心が有ること、である。

それら全てをもった一部の艦娘のみが、改二の扉の入口に立つことが出来ると言う。

 

例えば、金剛は『原初の戦艦に相応しい姿』をイメージし、『戦闘バカなら、それに相応しい力が欲しい』と願うことで…大本営時代に改二になっていた。

神通なら、『侍のように誰かを守れる姿』をイメージし、『赤城達強力な艦種の艦娘や、優秀な姉妹に恥じたくない』と自負することで、改二の姿のイメージを手に入れた。

 

加古は…シンプルに『氏真の隣にたつに相応しい英雄』と言うイメージだろう、ひたすらにかっこ良い姿を求めたのだろう。

 

木曾は、もう衣装のアクセサリーで大体把握できた。

マントは『飛鷹』、金刺繍は『隼鷹』、全体的な海賊のイメージが『通康』。彼らの力になりたいと言う願望が直結したかの様な、分かりやすいイメージであったのだ。

 

 

「…ってことで、二人は大人の階段を登ったのデース!!今夜は二人の為に、レッドライスデース!」

「レッドライ…ああ、お赤飯か。何?改二って初潮的な何かなの、金剛さん?」

 

 

そして、そこら辺事の金剛の解説の締めに、飛鷹が呆れながら…もう一つ、飛鷹が視線を移動させながら質問する。

アイツら、誰?と。

金剛がソレに答えようとした瞬間、その、件の人物二人は金剛を遮りこう答えるので有った。

 

「私はー☆阿賀野型軽巡洋艦の一☆番☆艦☆の、阿賀野だよ~ヘ(≧▽≦ヘ)♪よろしくねヽ(・∀・)ノ」

 

そうして、どっかのミス○ルに居た感じの、台詞のハズなのに顔文字が乱舞すると言う…ただでさえ、若干イラっと来る感じのしゃべり方なのに、顔文字のせいで言葉にして読むと意☆味☆不☆明な感じのハイテンションの赤白娘と…

 

「扶桑型一番艦の扶桑です、これからよろし…ゲフェ、ゲフォ…!」

 

さっきの娘とは違って超ローテンションの、挨拶するだけで口から赤い血を吐く、黒髪ロングヘアーの長身の儚げな巫女服の美人の姿である。

 

 

「って、お前ら同窓会かよ!」

「ぎゃぼ☆Σ(゜Д゜)」

「木曾さんにもさっき同じようなこと言われたけど!?」

 

尚、自己紹介された飛鷹が、このイロモノ二人の首を狩るように、両腕でラリアットを決めつつ突っ込んだが…そちらは若干ややこしいので、詳しい理由はちょっと割愛させてもらおう。

 

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そう、この二人のイロモノな新キャラについては、もう大体正体は把握できたであろう。

 

軽巡棲鬼と、戦艦棲姫の輪廻転生体…ソレが、阿賀野と扶桑、と言うことであった。

とりあえずこの二人が艦隊に出会った際のタイミングに、少しだけ話を巻き戻してストーリーを開始しよう。

 

 

 

「元、『戦艦棲姫』…扶桑型…ゲフォ!の一ば…ガハッ!!姉の、扶…ゲホゲホゲホ!!」

 

艦隊の前に、再構成された『姫』の正体たる艦娘の扶桑が吐血しつつ蒸せながら自己紹介を開始する。

慌てて、初っぱなからの重篤な扶桑の姿に艦隊の皆が駆け寄るが…扶桑は、右手でそれを遮ると、こう続けたので有る。

だ…大丈夫よ……私が吐いてるのは、ただの作り物の血糊だし、と。

 

「ソレ、何の意味が有るクマ!!心配させんなクマ!!てか血糊何処で手に入れたクマァァァァア!!」

「メメタァ!?ごめんなさい!何か病弱で不幸っぽい私、美人薄命系で美しいかなって思って!」

 

…尚、球磨のズームパンチをみぞおちに喰らって、扶桑が転げ回っていたことは余談として置いておこう。

これが、これこそが…なんちゃって不幸系ナルシスト、超弩級戦艦の扶桑のファーストコンタクトの姿であった。

 

 

アイツ濃ゆい…と、全員が扶桑に呆れるなかで、もう一人別な方から声がかかる。

ソレは…

 

「そんな後ろ向きなアピールじゃだめだよ(*`Д´)ノ!!!もっと女子力全☆開させて、ハッピーにいかないとd(^-^)」

 

と、こんな感じで語り出す、阿賀野の姿である。

ちなみに、こんな感じの阿賀野に対して…

 

「って、どうやって喋ってるデース!!もっとマトモなジャパニーズをスピークしないと、ツッコミきれませんネ!」

 

…と、デフォルトでルー語の金剛にまでツッコミを入れられる羽目になったと言う。

ちなみに、阿賀野曰く、こんな感じだそうである。

 

「うーん(--;)…マトモなしゃべり方をしようとしたラ…ケイジュンセイキジダイノシャベリカタミタク、カタコトニナッチャッテ」

 

 

難儀ですね、と阿賀野の独白に黙って聞いていた加賀が口を挟むが…ふと、思い付いたかのように、付け加える。

そんなことよりも、わりと重要事項なことがありました、と。

重要事項?と龍田が加賀に聞いて来た際に、加賀はこう返したので有った。

 

「私の妹達…どちらが上の妹でどちらが下の妹か、ソレが一番大事じゃないですか!!」

「…って、今までの流れ無視して言うことってソレなの!?」

 

…そう、加賀が金剛に諭された後、建造回でちょっともめた上に夕立にマジレスを喰らって凹まされたあの話である。

 

建造艦については…まあ、確かに妹的なモノとはちょっと違うかも知れない。

内心、加賀の中では、夕立・霞・朧・球磨の四人は妹のように考えているが…しかし、だからと言って『姉』として扱えと強制する訳にはいかない以上、加賀はソレを口に出すことはなかった。

 

そんな中で、夕立が加古のことを加古姉ちゃんと呼んでたり、朧が表の時は関わりの多い軽巡洋艦を○○姉さんとプライベートで呼んでたりすることが、ちょっと悔しいとかそう言うことではない。断じてない。

 

しかし…木曾は状況が状況で若干ならず特殊とは言え、阿賀野と扶桑のドロップ艦どもはちょっと違う。

コイツらは、自分がドロップされた状況下と、ほぼ全く同じなのだ。

ならば…今度こそ、『姉妹』にも憧れが有り『家族』にも特別な想いの有る加賀には良いチャンスだった…と言う話だった。

 

 

「…むぅ、私はどう考えても扶桑型の長女なんだけど…グフォッ!」

「阿賀野も、右に同じです☆…ってか、地獄○弟みたいにいきなり『妹』になれって言われても(;・ω・)」

 

なお、当初はこんな感じでけんもほろろだったりして、加賀がショックで体育座りしながら小さくなって凹んでたりしたものの。

氏真本人から事情を説明された二人はと言うと…

 

「なるほど、確かに姉妹でも良いかも知れないわね…ケホケホ…あ、血糊無くなったわ」

「うーん、私はやっぱり最☆新☆鋭だし…私が一番下で、扶桑さんが上で、加賀さんが一番上のお姉ちゃんでファイナルアンサー(^-^)/」

 

こんな感じで快諾していたりした。

そして、謎の艦載機から流れるガンダムUCのUNICORNのBGMをバックに無言のガッツポで完全勝利Sしていた加賀さんUC。

 

ちなみに、加賀の妹と認められた二人は最初にしたことはと言うと…

 

「じゃあじゃあ☆帰ったら阿賀野にブランドのバッグとかスカートとか買ってよー、パパ(≧∇≦)」

「三時間ポッキリで、4万円ね『お父さん』。あ、ホテル代と食事代は別料金で、追加のオプションとかは随時追加請求でそっち持ち…フフフ…」

 

…何かいかがわしい『父親』との付き合いを、氏真相手にやらかすことだった。

 

確かに理屈の上だと氏真さんが貴女達の父さんになっちゃいますけど、意味が違うでしょこの馬鹿!!と、加賀の弓矢が扶桑と阿賀野の後頭部に飛んできたので有る、と追記しておこう。

 

 

「エイ!ドリ!アァァァァン!!」

「これは!君が!父さんに突き立てた!ブラ○ォードの、剣だァァァァ!!」

 

…そしてこんなワチャクチャしたタイミングで、突如として上記のような意味不明な気合いと共に、加古と木曾の二人が改二としてイケメンに完全覚醒したりしたので有った…

…てか、木曾よ、それは本家じゃなくてうろジョ○ョの方だろ馬鹿。

 

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「…って、ちょっと…ま……腹痛い…ソレ草生えるわよもう!!笑わせんなって!本当自由だなぁ!」

 

 

そんな、新顔二人の話を聞かされて、腹抱えて転げ回る笑い上戸の飛鷹型の長女であるのだが。     

その飛鷹は笑いすぎて涙目になりつつも、一転させて真面目な口調になると、金剛に向けこう切り出した。

私達姉妹だけじゃなくて通康さんと木曾の身柄は、本当に保障してくれるのね、と。

 

金剛は、然り、と答えてこう続けた。

 

 

「飛鷹サンは知らないでしょうが……大本営の通例に倣えば、通康サンには戸籍が無い『エトランゼ』ですカラ、まず一旦私ら官権の所蔵の者が彼らの身柄をしっかりと記録して把握しないといけまセン。犯罪らしい犯罪を犯してる訳では無い以上尚更デス、しっかり保護して彼のサポートをしないといけないのデース!それに…」

 

そう区切って、木曾に目を向けながら、金剛は更にこう続ける。

 

「木曾サンは事情が特殊過ぎるから…霞相手にやらかしたことは不問にしてあげマス。確かに艦娘の拉致気味の行動は処刑もののバッドなことですガ、あの状況下で焦って先走ってしまう木曾サンの気持ちだってわからなくはないし、戦いの時は実質的に完全に味方してくれたしあの後謝罪もしてくれて…ソレに何より…」

 

そう言って金剛は、目に涙をうるうると浮かべ…言葉に詰まらせる。

近くに居た皆が、金剛を心配するが…当の金剛は心配しないで、と言わんばかりに首を横に振ると、涙声のままこう締めたので有った。

 

「…何より…い”ぎでだん”デーズ…み”んな、しんじ”ゃっだどお”もっでで……でも、飛鷹ザンも隼鷹ザンもい”ぎでで…木曾ザンは…ずっと私が動けな”い時も、二人の味方じで…力になろう”と…私達の元に帰そう”と…責めら”れ”る訳無いじゃデスカ……」

 

 

そう言いきると…飛鷹に抱きついて感極まってうわああんと泣き出してしまう金剛。

涙脆いヤツ…と、呆れながら、金剛に抱き付かれるままに好きにされている飛鷹。

その様を、苦笑いしながらも微笑む扶桑と阿賀野と言う一角のなか…飛鷹は、妹の方へと目に向ける。

 

そこには…

 

 

「ちょ…ちょ…私、怪我人!風呂もあんまり入れてないしきたねえし……どいつもこいつも寄るなって!痛い痛い!暑苦しい!」

 

そう言って、押し寄せる人だかりを抑える隼鷹と…

 

「隼鷹さんがいきてたよぉ~…天龍ちゃんにも、連絡しないと~…」

「皆に会えて良かったですね隼鷹さん。妹も出来て、今日はとてもよい日です」

「姐さん…うぉおおお!!最高だぜ!!最高ォォ!!」

「隼鷹~…見てくれよ!アタシ、こんなかっこよくなって、強くなったんだ!だから、早く皆に一緒に顔見せようぜ!」

「良かったクマね、早く治療する為にも鎮守府に帰るクマ!」

 

そう言って、飛鷹以上にワラワラと隼鷹に押し寄せる艦娘達の姿である。

そう…残りの艦娘達はと言うと。

隼鷹の方へと向かいながら、これからのことを、そして再会できた喜びを語り合うのである。

 

そんな中、少し離れたところで無言で立っていた通康と氏真に向かい、一人、あぶれたかのようにどちらにも入らずに艦娘が声をかける。

ソレは…髭フェチ娘、霞であった。

 

 

「…なーにを黄昏てんのよこのクズ共」

 

そう言って、開口一番に強烈なジャブを決める霞に向かい、通康は思わずイラっとした口調になり、なんじゃい!!と怒った口調になるが、霞はマイペースなまま、この続けた。

 

「こちとら、あんたの部下に連れ去られた挙げ句飛鷹さんや隼鷹さんの護衛をたった一人で押し付けられて…あの、アホみたいな数の深海のヤツラの船団に当てられた『はぐれ』だか、それともアイツらの『哨戒役』だか知らないけど、この島に顕れた駆逐艦3隻と軽巡1隻と重巡洋艦1隻を私一人で撃破したりして、こっちはこっちで修羅場だったんだから嫌味ぐらい言わせなさいよ」

 

そう言って、あの戦いとは別な方でガチの修羅場に一人で巻き込まれてた為にプリプリ怒る霞に対し、何かごめんなさいと大人二人が謝るなかであったが、それはそうと。

霞は、そんな大人二人は尻目にし、更にこう続けたので有る。

…ドロップ艦も出来たのよ!まったりしてないでしゃきしゃきしなさいな!と。

 

阿賀野や扶桑の事か、と二人が納得するなかで、霞がおいで!と岩影に向けて手招きする。

そこに居たのは…

 

「はい!はじめまして吹雪です!世界水準を軽く越えてる系主人公の吹雪です!皆大好き主人公の吹雪です!主人公兼艦隊の顔の吹雪です!お二人とも…いえ、艦隊の皆さん!『主人公の吹雪』と覚えてください!どんなフラグだって踏み抜いて見せます、なぜなら主人公だから!」

 

こんな主人公厨なことを言い出した、綺麗な敬礼をするおさげのパンチラしてくるセーラー服の女の子である。

 

 

氏真は慌てて聞く、この娘、誰?と。

霞は、そんな氏真の質問に対して、こう答えるので有った。

 

「だから…私が倒した艦隊の残骸から出てきたドロップ艦がこの子だって話なのよね。吹雪型のネームシップの吹雪って子よ、覚えておきなさいこのクズ!」

 

 

 

そんな新しい艦娘の登場に、ゲラゲラ笑いながらそういやこの子も生えてたな等と、ほざく飛鷹と、頭を抱えつつ言うの忘れてた…と、倒れかける隼鷹以外の全員が、ひっくり返る羽目になったのであった…

 


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