無能転生 ~提督に、『無能』がなったようです~   作:たんぺい

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三十九話 決着の一撃

さて、敵主力艦隊と味方の主力陣の一大決戦においての話に移ろう。

 

 

輪形陣の形で突撃を仕掛けてくる軽巡棲鬼に対して、氏真達は氏真自身を先頭に置いた単縦陣の形で以て迎え撃つ。

 

氏真自身…要するに、相手からしたら敵総大将が身を晒して突っ込んできて向かってきている様なものである。

まるで、鴨がネギをなんとやら、であろう。

軽巡棲鬼や、戦艦棲鬼からしたら、煮え湯を呑まされた片割れをこの手でぶっ潰すチャンスなのだ。

自然…軽巡棲鬼は、昂る感情を隠さずに、哄笑しながら更に加速して自軍を突撃させに向かってきていた。

 

そして、射程圏まで突入した敵深海棲艦…通康を相手にしている戦艦棲鬼以外の深海棲艦が、それこそ、軽巡棲鬼本人ですら一斉に氏真に向かって攻撃力を放つ。

チ級とリ級は主砲や魚雷がほぼ使い物にならない状態で有りながらも、それでも機銃を氏真に向けて発射させて本隊の火力の底上げを担っていた。

 

それらの直撃は…しかし、『一の太刀』の前には通らない。

直撃弾になりうるコースは、全てが切り払われてしまった。

だが…爆炎や破片の様な細かいものは氏真ですら対処はできない。

右足や左肩に、切り刻まれたような真新しく深い傷痕が刻まれている。

何かにぶつけたのか右肘の一部が真っ赤に晴れていて、これも処置しないと痕になる打撲傷の痕も見えていた。

 

こんなことが続けば、早晩、氏真はバラバラにされてしまうだろう。

異常に頑丈な通康と違い、耐久力は人並みな氏真なのだ。

敵の猛攻に対しては、真正面からぶつかるには少々ならず分が悪かった。

 

 

とは言え、氏真だったとて、馬鹿ではないのだ。

如何に彼が強いことを氏真自身が認識しているとは言え、いくらなんでも、普通ならあんな真似はしないだろう。

 

だがしかし、氏真は看破しているからこそわかる。軽巡棲鬼の悪辣さ以上の身勝手さと愚かさを。

だからこそ氏真は深海の鬼その物と言える軽巡棲鬼の『弱点』だったとて、手に取るように解る。

それを点く作戦を氏真はあの短い時間で建てられたのである。

 

『仕込み』を始めるために。

『勝つ為』だからこそ、『負けに行く』氏真で有った…

 

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~一方その頃、通康隊~

 

 

火力に難の有る木曾は、それでも精一杯の弾幕を張りながら異形な敵の艤装の注意を引き付けつつ、通康と彼を運ぶ球磨屁と向かう弾を少しでも減らそうとする。

水柱がいくつも上がり、木曾もギリギリで直撃こそ避けているとは言え、火傷と共に服もボロボロになっていき木曾の艤装だって少なくないダメージを受けている。

 

そして、実質的なアタッカー役の通康と、彼を肩車のように艤装に乗せ運ぶ球磨にだって数多の弾幕が飛んでくる。

通康はともかくも…球磨は、その大いなる驚異に晒され続け、戦艦棲姫の射程圏まで入った時には既に中破クラスのダメージを受けていた。

それでも…ヴォオオ!と、まるでどちらが深海棲艦かわからない叫びを球磨は上げ、気合い満点で通康を『殴り合い』が可能になる位置まで運び込む。 

 

そのまま、通康は球磨の艤装を『踏み台』にしてジャンプする。

4メートル近い高さまで飛び上がった通康は、そのまま櫂を自由落下に合わせて『目標』たる戦艦棲姫に向かい降り下ろす。

まるで、天からの鉄槌の様な一撃で有ろう。

 

 

だが…戦艦棲姫は動じなかった。

 

己の艤装どもは球磨と木曾の対応に使う為、対空砲は使わなかったものの。

それでも…『上』から狙われたことは、戦艦棲姫は一度や二度の経験ではない。

艦娘の戦闘機と言う形で、何度か体験している。

流石に、高所からジャンプして直接殴りかかってくる馬鹿は見たことはなかったが…戦艦棲姫からしたら、自由落下して殴りかかってくるだけなら、むしろカモでしかなかった。

 

まるで、時代劇の殺陣によくある真剣白羽取りの様にその櫂をバシリと両手で止め、その一撃に受けに行く。

通康の渾身の一撃は…戦艦棲姫に真っ向から受け止められる結果になったのだ。  

 

本気の通康の衝撃を受けた余波で、海面に戦艦棲姫の周囲には波紋状に水飛沫が上がり、戦艦棲姫だって無傷とは行かず止めた代償に右手が折れてしまったものの。

しかし、その『代償』は通康にも降りかかるものだった。

 

櫂による一撃を止めきった戦艦棲姫は、無事に残った左手で逆に通康ごと櫂を逆方向押し返し、そのまま通康を天に向けて竹トンボのように吹っ飛ばすとと、異形な戦艦棲姫の巨大な艤装の訪問を一斉に通康に向けて発射しようとする。

そして、通康に向けてトドメの一撃を加えようと戦艦棲姫はニヤリと笑ったが…逆に、通康の方が、ニヤリと笑い返した。

…切り札を、こんなところで切ることになるとはの、と。

そして、こう続けた。『無銘』じゃが、長船もののワシの愛刀を喰らってみい!と言いながら、である。

 

そうして、天から落ちてくる通康は、櫂から手を離して背中に担ぐように刺していた一本の野太刀に手をかけると…まるで居合い抜きのように、それで抜き打ちを放ったので有る。

 

 

その一撃、氏真の様な洗練されたものでは無い。

力任せに、斜めにぶん回す、野郎剣術だ。チンピラ崩れなヤクザが斬りかかる長ドスに根本的には大差はない。

だが…唯一違うことと言えば、その膂力だ。

まるで稲妻の様なスピードで以て、戦艦棲姫に5尺(約1メートル50センチ)は有りそうな大剣が襲いかかってきたので有る。

その一撃で…深い切り口による手傷を、戦艦棲姫は負わされてしまったので有る。

 

だが、流石に戦艦棲姫の頑丈さだったとて伊達ではない。

確かに痛みは感じるし怯みだってしたが、氏真がアレだけ『致命傷』を負わせるのに必死だった相手だったのだ。戦艦棲姫を殺すには、力任せに斬りかかる程度では、どうしようもなかった。

 

そして、通康の『切り札』をいとも簡単に耐えきった戦艦棲姫は、起こってるのか笑ったのか少々ならずわからない表情のまま、バシャンと重力に従い海に着水した通康に向かい接近する。

そのまま、主砲を通康に向けて、シズメ…!とだけ叫び、攻撃しようとする。

まさに『チェックメイト』の瞬間だった。

 

…戦艦棲姫の方が、であるのだが。

 

 

「俺達から眼を切るとは…ずいぶん、余裕だな。姫さんよ!」

「ここでお前は、行き止まり…クマ!」

 

そう叫びながら、球磨型姉妹の二人が左右から挟み込むかの様な軌道で、戦艦棲姫の死角から接射可能な位置まで潜り込む。

 

それは、戦艦棲姫の油断。

戦艦棲姫が通康との戦いに気をとられてしまった際に、彼女らの事が一瞬、頭から抜けてしまったので有る。

否…抜けたと言うことは、ちょっと違うかも知れない。驚異の対象外として、無視してしまったのだろう。

だが…それは、戦場に立つ姫として、最低なことである。

何故ならば…油断と言うことが、何よりの、戦力差をひっくり返してしまうファクターなのだから。

 

「戦艦棲姫とか言ったクマね…深海の姫だか鬼なんだか知らんが、所詮は生き物は生き物クマ。内臓の造りはそう変わらんハズだクマ」

「要するにだ、いくらてめえが頑丈だからって、俺達の火力がマトモに通らないからって…」

 

そう…

例えば二人の球磨型が、戦艦棲姫の斬られた傷口に直接艤装の主砲を突っ込んだ、この『必殺』の布陣になってしまったかのように、である。

 

 

戦艦棲姫は急いで球磨型姉妹を排除しようと、反撃しようとするが…時既に、1歩遅かった。

 

球磨は無表情に、木曾はうぉぉ!と叫び気合い全開で、と対照的ながら。 

しかし、やることは全く変わらずに、戦艦棲姫のはらわたに向けて、弾薬の続く限りの攻撃でガンガンと撃ち抜いていく。

内臓を…どこが深海棲艦の胃か腸か肺か心臓か、と言うことは二人の艦娘にはわからないが、それらを滅茶苦茶に傷付けて、致命傷を受けた戦艦棲姫は口と傷口からとんでもない量の青白い血を長し、白目を向いてしまった。

 

なまじっか『頑丈』だったことも、軽巡洋艦クラスの艦娘の火力が比較的『軽い』ことも、戦艦棲姫のダメージを倍増する結果になってしまった。

撃たれた弾が戦艦棲姫の体の内側から抜けないのだ、むしろ跳弾の如く跳ね回り、戦艦棲姫の体内をズタズタにする結果になってしまったので有る。

 

そうして、致命傷を受けた戦艦棲姫は、全身から体液を穴と言う穴の箇所から流して倒れ、ヒューヒューとだけ弱々しく声を立てる。

その姿を見た木曾は、トドメとばかりに、こう言った。

 

「…まあ、マトモにやったらアンタの方が俺より強いだろうが、これも戦いだ。その首級(クビ)、涼しくされた礼も含めて、俺が掻き取ってやる!」

 

そういって、中破状態の為、発射が出来なくなった残った魚雷の装填済みの発射管から魚雷の一本を木曾は剥ぎ取り…戦艦棲姫の傷口にぶちこむ。

そして、木曾は距離を取りながら、その魚雷に向けて主砲の最後の弾を発射する。

 

「くたばりやがれェェェ!!」

 

そう叫びながら放たれた砲撃に誘爆した魚雷の煌炎と共に、塵となり。

戦艦棲姫は、その命を完全に停止することになったので有る。

 

 

「念入りにトドメを刺しに行くたぁ…えげつねー妹だクマね」

 

通康の回収に向かっていた球磨は、その様を見ながら呆れた様な口調で言う。

通康本人も、派手な花火やのう、と目を丸くするが…木曾も、苦笑いで返すだけだ。

あれぐらいしないと、アイツには勝てなかったし、俺にはこんなやり方しか出来ないから、と。

 

そう言いながら、木曾は疲労からか知らないが、バタンと倒れこみながら逆に通康達に聞く。

『向こう』はどうなった、と。

 

球磨は、倒れた木曾を優しくかつぎ上げつつ、こう告げた。

 

 

「テメーや球磨より、えげつねー手打ってるクマ!」

 

そんな球磨の言葉に対して、木曾はピンと来ないものの…その戦場を横から見ることで、氏真達の狙いを把握した。

戦国の馬鹿野郎どもは、右も左もよーやるわ、と。

通康も、氏真殿がウチに居たらもっと楽しかったろうな、と愉しそうに…しかし、感慨深げに呟いているばかりだった…

 

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~同時刻、氏真側~

 

 

「…センカン、セイキ…!ツカエルコマダトオモッテタガ、アッサリシニヤガッテ…」

 

軽巡棲鬼は、爆炎が上がる音を聞き、そして右腕だったものの死を悟る。

だが、深海の鬼の胸に去来するものは憐憫の情や義憤ではない。

ただただ、使えなかった駒の不甲斐なさに怒りを覚えて、謗るだけである。

 

ダガシカシ…と、ぼやいた深海の鬼は、更にこう続ける。

ナラバ、ワタシヒトリデミナゴロシダ、と。

そう告げた視線の先には、硝煙にまみれ、煤だらけで火傷や切り傷も少なからず出来た氏真と、それを肩を貸しつつも自身もフラフラの状態の加古の姿が有った。

 

 

そう、軽巡棲鬼を中心とした深海棲艦の一団による集団突撃の勢いに押し流されて、氏真は徐々にではあるが後退をやむ無くされていた。

 

致命傷こそ何とか避けていたが…軽巡棲鬼の勢いを止めることは氏真一人では出来ない。

むしろ、軽巡棲鬼の嗜虐心を煽るかのように、じわりじわりと追い詰められていく。

氏真も艦娘達も真っ向から立ち向かい、元から傷付いていた護衛役やヲ級とル級一匹はなんとか沈めたとは言え…気がつけば、氏真の姿はボロボロになっていた。

 

そして、軽巡棲鬼は『勝利』を確信する。

 

艦娘達の中心となっていただろう男は彼だろう、ならば、彼奴さえ潰してしまえば後は軽巡棲鬼にとっては驚異になるのはもう一人の男…通康ぐらいだ。

艦娘風情では、自分を殺せまい、最初からこうしたら良かったのだ!

軽巡棲鬼はそう思考しながら、トドメを刺しに行く。

 

生き残った深海棲艦の艦隊を、輪形から単横に並べかえ、一斉に目標たる氏真に向けて主砲やら何やらを向けさせる。

そして、軽巡棲鬼が号令をかけた瞬間、ドガン、と言う轟音が放たれたのである。

 

 

単横陣に組んだ軽巡棲鬼達の、更に後方から、だったのだが。

 

 

その轟音と共にすぐ後から直撃を受けた軽巡棲鬼は、何事か、とその正体を振り反って確認する。

そこにいたのは…

 

「うふふ~撃ってくれ、って言われてるような陣形に、私の魚雷もウズウズしちゃうわぁ」

「あまりにも、父さん一人に気を取られて周りが見えてないですね、貴女。そんなのが指揮官をするとは…」

「『釣り野伏せり』…は、ア・リトルで違いマスが、こうもうまくハマるとは予想外デース!」

 

そう…加古以外の艦娘達3人による背面からの強襲である。

 

まあ、氏真が最初から言っていた『負ける』と言うこと。

要するに、目の前に『じり貧で負けているように見える餌』を撒き、それに釣られて深追いする敵を別動隊の艦隊で挟み撃ちするかのように不意打ちする…という、要は昔から良く有る『釣り』に引っ掛けるための囮になると言うことだったのだ。

そして、それは、見事に目論見通りに、功を成したので有る。

 

勿論、空はまだまだ深海側が優勢であり上空からの視点もある。

それに、戦闘中で軽巡棲鬼自身も確認はしているが故に知ってはいる、別動に回る艦娘達の事を。

 

だが、軽巡棲鬼からしたら、それよりも先にあの深海棲艦相手に好き勝手してくれた片割れの氏真の排除が何よりも優先であり…そして、軽巡棲鬼は二つ嘗めていたので有る。

 

 

一つ、それは艦娘達の事を。

 

確かに、真正面からのタイマンならば、艦娘と言えど軽巡棲鬼の相手には分が悪かろう。

それに、パラオの艦隊は…言ってしまえば、金剛と神通以外は弱兵の軍だ。

生え抜き組の実力は、ぶっちゃけて言えば、質も量も平均以下でしかない。

 

あの、さっきの背後からの不意打ちですら、金剛以外の艦娘は沈める程のダメージはおろか、敵艦娘を多少混乱させる程度のダメージしか与えられていない。

数秒間は指揮系統はぐらつくだろうが、それも直ぐに立ち直せるだろう。

 

だが、逆に言えば…

仮に、格上の艦隊が相手になろうとも、条件さえ整えば『数秒間は敵艦隊の行動を完全に麻痺させるぐらいの実力はある』のだ。

 

そして、それは…氏真にとっては、蹂躙するには充分過ぎる時間だった。

 

 

そう…軽巡棲鬼が艦娘以上に嘗めていたもう1つの事。

それは、殺そうとしても死なない、生きる生存フラグの様な男、今川氏真の事であった。

 

氏真の号令の下で挟み撃ちの形になるように、背後から加賀・金剛・龍田の3人の一斉攻撃に併せて氏真自身もフラフラだった演技を投げ捨て、音よりも速く疾走する。

そして、両面から繰り出される一の太刀と一斉攻撃の前に…敵深海棲艦は面白いように屍と化していく。

 

指揮系統が乱れまくっているタイミングで、艦娘の攻撃の前に中破・大破した深海棲艦は真一文字に切り払われてしまう。 

逆に、氏真が討ち洩らした死に損ないの敵深海棲艦は、加賀の空襲を中心とした砲雷の雨にミンチへと変わっていく。

 

気がつけば、マトモに動ける深海棲艦は軽巡棲鬼ただ一人になってしまった。

 

 

 

「バ…バカナ……!」

 

軽巡棲鬼は自軍の惨状を目の当たりにして思わずこう呟くが、氏真はそんな軽巡棲鬼に対して無表情なままで返す。

君は、弱いからこうなった、と。

更にこう付け加えたのだ。

 

「自分だけが可愛くて、自分だけが正しいと考えて、自分だけが強いと思い込んでいる気位が高いだけの指揮官なんて…『弱い』以外に、どう表現したら良いかわからないね。首級にする価値もない」

 

 

そう吐き捨てられた軽巡棲鬼は…氏真の言葉に激昂する。

そして、そんな激情のままに、シズメェェェ!と自分の主砲を氏真に向け、憎き怨敵に向かい大口を開けて攻撃しようとするが…それを、文字通り邪魔するものが居た。

 

「…アタシを…忘れんじゃねぇ!!」

 

…そう、加古である。

 

加古は氏真や金剛達に気を取られている軽巡棲鬼の隙をつき、ドラム缶を切り捨てて死角から背後に忍び寄る。

そして、いきなり軽巡棲鬼の前に現れて…その装着していたアーマー状の艤装の、主砲の付いた右手の砲門を軽巡棲鬼の口に突っ込むと、こう叫びながら主砲を放ったのだ。

 

「脳味噌…ぶちまけやがれェェェぇぇ!!」

 

そんな絶叫のままに…軽巡棲鬼は、加古の主砲を、文字通り『味わわされた』ので有った。

 

そうして、軽巡棲鬼の口内で、とんでもないスパークが数回迸る。

その反動で加古の主砲も滅茶苦茶になり、実質的に加古自身も艤装が大破状態になりながらも…その対価も絶大だった。

 

美しかった軽巡棲鬼の顔は半分以上吹き飛ばされ、首からも大量の青白い血が噴出されている。

全身はビクンビクン、と鼓動に合わせて不規則に痙攣するばかりであり、最早マトモに動けるとも思えない。

そして…

 

「軽巡棲鬼の下の口みたいなの中からビクビク動きながら何か光ってるな…そうか、アレがアイツの心臓か!」

 

加古は、軽巡棲鬼の心臓部たる露呈された『コア』を発見する。

それを見た加古は…こう吐き捨てながら、己の魚雷をぶちこんだので有った。

 

「せめて…演習で何度も死にかけた時の、あの『一の太刀』で執拗に狙ってくる氏真さん以上の怖さも無いってのに…アタシ達をなめるんじゃねえ!もう、深海棲艦に怯えたりなんかも、皆の足を引っ張る役立たずになりたくもねえんだこちとら!!だから…アタシの手柄になって死にやがれぇぇ!」

 

 

そうして、紅い火柱による、もう1つの深海棲艦の墓標が立ち上る。

 

そんな加古の手柄を…氏真はバシっと抱き締めながら褒め称える、良く頑張ったね、と。

加古はそんな氏真に向かい、さっきとはまるで異なる屈託の無い笑みで、それに答えるので有った。

 

 

後、反対側で見ていた金剛と加賀が、加古の戦闘センスとスキルに関心する中で…間近で残虐ファイトを見ていた龍田が泡吹いて倒れてた、とかなんとかだった。

 


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