トラウマの原因が覆されたら、その世界はどうなるか。 作:袖野 霧亜
はい報告終了。あ、あとお気に入り登録者数1000人行ったこと報告しておきますね。
翌日の朝、小町に昨日何があったのかめちゃくちゃ話させられた。そのせいで小町が少し登校するのが遅れてしまった。俺が女子とお出かけするのがそんなにおかしいのか? おかしいですよねわかります。なんなら男とも出かけたことなかったし。友達いないから!
さて、俺もさっさと行きたいところなんだが思いの
ところ変わって学校に着いたわけなんだがどういう訳かあちこちから変な視線を感じる。
え、なんですか俺の今の格好おかしいですかおかしいですよねわかります。俺でさえ誰だ貴様って感じだし。どうせ周りの奴らも「えー、イメチェンしたの?」「イメチェンが許されるのは1年生の夏までだよねー」「「きゃはははは!」」とかそんな感じの会話だろ?
大丈夫、少し目が湿ってきただけだから。うん、ホントに全然大丈夫だよ? だって八幡は強い子だもん!
そしてとうとう俺は教室の前に着てしまった。
……やっぱ今からでもメガネとって髪もいつも通りにしたい。したいんだけどまた折本とかが言ってきそうだ。それは大変面倒臭い。面倒じゃなかったらやらないんですわかりやがれ。まぁいつまでもここにつっ立ってると怪奇な目で見られるため覚悟を決めて入るか。いいか? 1、2の3だぞ? いくぞ? 1、2の──
ガラッ
3で開けようとしたら目の前にクラスの女子が現れた! ハチマンはどうする!
1.逃げる
2.謝る
3.土下座
4.死んだふりをする
とりあえず4は却下だ。そんなことしたら俺の中学生活は別の意味でも終わってしまう。そして3も相手に迷惑を被る! 1は1で失礼になる! なら俺の選択肢は1つ!
「あ、えっと、す、すみましぇん……」
バッカ! 俺のバーカ! なんで5文字の単語ですら噛むんだよ! あとどもりすぎだバーカバーカ! 俺のバカー!
『あ、いえ大丈夫です……』
ほら見ろ! 俺があまりにも俺が気持ち悪すぎて引いてるじゃねぇか!
あぁ、もうヤダ八幡お家帰りたい……。
はぁ、とりあえず自分の席に着くか。折本たちにちゃんと身だしなみ整えてることを報告するのはまた後ででいいだろ。まぁそんなこと思ってると来るんだろうなあいつら。
「おーい比企谷ー。ちょっとこっち来てー」
来るんじゃなくて俺が呼ばれるんことになりました。ここで無視してもいい事はないため素直に折本達が集まってる方に向かうことにした。
「んー、やっぱりこっちの方がいいよねー」
「たしかに。目がいい感じに隠れてるし」
「これはいいビフォーアフターの例だねー」
『『それなー』』
あのもういいですか? クラスの目線がズシャズシャくるんですよね。ちょっと効果音が痛すぎない? 皆どんだけこっちを凝視してんだよ。
「よし、とりあえず首から上の問題は完了だね。そしたら最後に……」
「美咲!」
「がってん」
何故か仲町と三木が俺の後ろに立ち両腕を掴む。ん? 何が始まるって──
「「せいやっ」」
「──っい!?」
俺の腕を後ろに回され、背中には足裏の感触がしている。いやそれだけではない。痛みだ。純粋な痛みが俺の身体を駆け巡るぅぅぅ!
「え、ちょなにこれ待て痛い痛い痛い!」
「比企谷ってばかなり猫背だから姿勢も直さないと」
いやだからってキツすぎやしませんかね!? 何事も急にやるのは良くないと思います!
「許せ比企谷。これは私のストレス発散のためのものでもあるんだ。ほれほれ、いい声を聞かせておくれ」
「美咲が変なキャラになってるけど気にしないでね比企谷君。なんやかんや言って美咲も比企谷君のために頑張ってるから」
「千佳、わざわざそういう事を言わないのも愛なんだよ」
「それはわかったからそろそろやめてくれっ。本格的に身体のっ、反り返りが、ヤバくなってきたっ」
身体からミシミシと聞こえたらいけない音が聞こえ始めた。いい加減離してくれないとどっかの骨が折れる。いや、実際折れるかは知らんけど。
「ん、じゃあそろそろいいかな」
「もう少しやりたかった」
なんとか両腕が開放された。にしてもかなり痛てぇな。女子2人がかりでまさかここまでやられるとは……。
「ほら比企谷もシャキッと立ってみ?」
シャキッって言われてもなぁ。そんな変わんねぇと思──
「あ? あれ?」
しっかり背筋を伸ばして立ってみると、だいぶ目線が高くなった気がする。もしかして俺ってそんなに猫背だったのか?
「よし! これで『比企谷改造計画』もだいたい終わったかな」
「そうだねー。てか比企谷めっちゃ見た目変わりすぎて受けるんだけど!」
「かっこいいかっこいい。鼻血が吹き出ちゃいそうなくらいかっこいい」
『あー、美咲のヨダレ垂れてるよ』
『まったく、ほらこれ使いな』
「ありがとーお礼にギュッしてあげる」
『『逆にギュッてさせて』』
そんな変わってるのか? たしかに昨日寝ぼけていたとはいえ身内の小町でさえ俺だとわからなかったしな。メガネしただけなのに。あれ? もしかして俺って小町に目の濁りで俺だって判別されてた? なにそれ泣きたくなってきた。
『あのー、折本さん。その人ってまさかあの比企谷なの?』
どうやらこちらの話が漏れていたらしく未だにクラスの視線が集まっている。そして折本は、
「そうだよー。あたしの彼氏の比企谷八幡だよ」
と言った。ヤバい何かデジャヴが。耳を塞ぐ準備をしなくてわ。同じことを思ったのか仲町さんたちも耳を塞いでいた。あ、もう想定してたんですねわかります。
『『『『『えぇぇぇぇぇぇぇ!?』』』』』
(((((もうテンプレになりそうだ(よね)(よな)このやり取り)))))
おそらく俺と仲町さんたちの思ったことは同じだったと思っている。いやなテンプレだなおい。
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