トラウマの原因が覆されたら、その世界はどうなるか。   作:袖野 霧亜

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あのえっと、霧亜っす。色々報告かあります。前回お気に入り登録やら投票してくれると嬉しいなって言いました。ええ、言いましたよ。そしたらですね、前作を出した後にですね、

お気に入り者数500人増え投票が30ほどありました。

更にはなんと日刊ランキング5位にまで登りつめていました。ありがとうございます。主もビックリしてスクショしてしまいました。いや、本当にありがとうございます。今後ともまたよろしくお願いします!

あ、あと1話から6話まで少し、ほんの少し書き直しました。よろしくです(`・ω・´)ゞビシッ!!


やはり俺の妹は天使である。

「たでぇまぁ〜……」

 

 折本達に強制的に買い物に付き合わされボロボロになりながらなんとか自分の家に着くことが出来た。

 現在時刻は短針が6と7の間くらいだ。いつもならすでに部屋着になってゴロゴロしている時間だ。

主の折本達め……、小町が泣いてたらどうしてくれようか! あ、でも返答が来ないから居ないのかな? 居なかったら一大事だ。探しに行かなくてわ。

 

「小町ー、いるかー?」

 

 リビングに入り小町がいるか確認する。するとソファーに丸まってすやすやと眠る妹の姿があった。よかった、また前みたいに家を飛び出してなくて。

 

「はぁ……、癒しだ」

 

 昨日今日で色々ありすぎて小町が天使に見え始めてきた。元からかわいくて癒しだったが、この2日で精神を磨耗していたので天使、いや女神にも見えてきた。絶対嫁にやらん! とか言ってると小町にキモがられるので自重する。

 さてと、小町の無事を確認出来たし飯の準備をするか。オムライスでいいよな? 米も冷凍のがあったはずだし、その他もろもろはあれば入れよう。

 ふっ、専業主夫志望の俺の実力、思い知るがいい! 誰に向かって言ってるんだ俺は。

 

「よっしゃ、出来たっと」

 

 作り始めてから十数分、小町と俺の2人分のオムライスが出来た。しかし小町は未だに眠ったままだ。仕方ない、ゆすって起こしてやるか。

 

「小町ー、ご飯だぞー。起きろー」

 

 少し肩を掴み揺らす。これで起きなかったらオムライスの匂いを嗅がせる。それでもダメなら両肩を掴みガンガン揺らす。最後のやつは絶対にやらないが。

 

「んー、……んぅ?」

「お、起きたな。小町、ご飯だ。冷めないうちに食べてくれ」

「……だぁれ?」

「…………what?」

 

 誰、誰だって言った? まさかお兄ちゃんの顔を忘れちゃったの? ショックのあまり顔を覆い隠して泣きそうになったところで気がついた。そう言えば俺まだ折本達に無理矢理付けさせられた眼鏡かけてたんだな。そりゃわかんねぇわ。

 俺はそれを外して小町に顔を向けて俺だと言うとまだ寝ぼけているのか「あ〜、お兄ちゃんだぁ〜」とかわいらしくほにゃんと笑顔を向けてくれる。やはり俺の妹が千葉で一番だ! 高坂家には悪いがこれだけは譲らんぞ! 

 

「ほら、起きたなら顔洗ってこい」

「はぁーい」

 

 とてとてと洗面所に歩いていく天使を見送り席に着く。そして今日のオムライスのデキを見てみよう。卵の焼け具合、キレイに包んであるか、匂い、とりあえずはそこら辺だな。

 いや、見ただけで味までは流石にわかんねぇっす。勘弁してつかんさぁい。

 

「お待たせお兄ちゃん」

 

 おっと、さっきまでのほにゃんとした表情からいつも通りに戻ったな。いつもあんな顔でいられたら困るけどな。かわいすぎて。

 

「おう、はよ席に着け」

「うん!」

 

 またしてもとてとてと歩く小町。その歩き方流行ってるの? かわいいから許すけど。

 

「「いただきます」」

 

 一口食べてみる。……うむ、いい出来だ。

 

「もころめおみぃみゃん! もうはもこまっためも、もこいってたの?」

「ん? 今日は買い物に付き合わされてな。あと口の中に物を入れながら喋るな」

 

 ちなみに小町は「ところでお兄ちゃん! 今日は遅かったけど、どこ行ってたの?」と言いたかったんだろう。良い子は口の中に物を入れながら喋っちゃダメだよ! お兄ちゃんとのお約束! よく伝わったなとか疑問に思ったそこのお前! 妹の考えてることくらいわからないで千葉のお兄ちゃんになれるわけないだろ! だからさっきから俺は誰に向かって言っているんだ。

 

「そうなんだ。……まさか荷物持ちさせられたり?」

「あー、いやそういうのではない。なんなら俺の買い物? なんだ」

「お兄ちゃんの? なんで?」

 

 なんでって聞かれてもなぁ。強いていうならアレだな。『比企谷改造計画』だっけか? 結局このメガネ買ったくらいだけどな。金とかもそんな無いし。その分服とか色々着せ替えさせられたけどな! 

 

「そう言えばお兄ちゃんメガネかけてなかった? どうしたのそれ?」

「ん? あーアレか。買わされたんだよ。これかけるとな、ほれ」

 

 ポケットに入れておいたメガネを装着する。するとなんていうことでしょう。小町ちゃんがスプーンを床に落としてしまったではありませんか。

 

「おい小町? 大丈夫か?」

「お、おお、おおおおおお兄ちゃんの腐り目が隠れてる!」

 

 小町ちゃん? ちょいと言いすぎでは? お兄ちゃん心に傷を負いますよ? 

 

「まぁ俺もこれかけて鏡見たら別人に見えたしな。どうだ? 似合ってるか?」

「うん! かっこいいよお兄ちゃん!」

 

 よし、これから毎日これかけよう。小町の好感度もうなぎのぼりみたいだしな。

 

「それでお兄ちゃんは誰と買いに行ったの? もしかして女の人?」

「そうだぞ。小町にも褒められたし今回ばかりは折本に感謝しねぇとな」

「へぇ〜、折本さんって言うんだ。そっかぁ。お兄ちゃんが女の人とね〜」

 

 そう言うとまたぱくぱくとオムライスを食べ始めた。しばらくテレビを見ながらオムライスを食べ、きちんとごちそうさまをした後食器を小町と一緒に洗い風呂に入ってリビングでまったりとし、時間もいい具合になったところで寝ることにした。

 

「それじゃあお兄ちゃんおやすみ〜」

「おう、おやすみ」

 

 ふぅ、今日は疲れたな……。早く寝るか。電気を消しベッドにダイブして目をつぶる。あぁ、そう言えば明日髪型もセットしてくるよう言われたなーなんて思い出しつつ意識を──

 

「お兄ちゃんが女の人とお買い物した!?」

「ぅおおお!?」

 

 手放そうとしたところで小町が廊下を走った勢いのまま俺の部屋の扉をすごい勢いで開けてきた。ちょ、小町ちゃん!? なんでそんなに慌ててるの? 

 

「お、お兄ちゃん! 女の人と買い物したってどういう事!?」

「ま、待て小町。落ち着け」

「だってあのお兄ちゃんだよ!? なんで!? どうしたらそうなったの!?」

 

 あのってどのお兄ちゃんでしょうか? まぁ確かにぼっちの俺が女子と買い物だなんておかしいからな。小町が取り乱すのも無理はないのか? 

 

「とりあえず今日はもう遅いから明日でいいか? お兄ちゃん今日は疲れちゃったんだ」

「うー、わかった。その代わりお兄ちゃん! 今日は一緒に寝ましょう!」

「おう、そのくらいならいいぞ。ほれ、枕持ってこい」

「はーい!」

 

 はぁ、明日は明日でまた忙しくなりそうだな……。

 やはり俺の中学生活はまちがい始めている。




もう後書きに恒例のものを書くようにするか。

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