トラウマの原因が覆されたら、その世界はどうなるか。   作:袖野 霧亜

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マジですみません。


由比ヶ浜、ハピバ ~⑤~

 

 時は進み、比企谷宅。

 由比ヶ浜の誕プレを取りに家に着き、自室に置きっぱなしになっていた例の物をカバンの中にしまい、折本を待つ……はずだった。

 

「はー……。おっす、比企谷」

「いや早すぎねぇか?」

 

 同じく誕プレを忘れた折本が、すでに俺の家の前まで着いてた。

 いや、ホントに早いな。どうなってんのコイツの脚力。世界狙えない?

 

「ほら、早く行くよ。結衣ちゃん達が待ってるって」

「おう」

 

 マイチャリに乗り、折本の後を追うように漕ぐ……ホントに早い。カラオケ店に着くまでに疲れで動けなくなりそう。

 

「ほらファイトだよ比企谷! 急いで!」

「わかったから、前見ろ前! 危ねぇぞ!」

「わかってるってー!」

 

 スピード出してる時に後ろを振り向かないでほしい。事故ったら大惨事だぞ。

 

「おっし、着いたー!」

「はぁ……はぁ……。はえぇよ……」

 

 なんで通常より五分近くタイム縮めて走ってんだよ。疲れるわ。

 

「比企谷もだいぶ早くなったよね~」

「まあ昔と比べたら、な。それより自転車置きに行くぞ」

「はーい」

 

 あ、そうだ。カラオケの部屋番号知らないな。

 雪ノ下に確認の連絡……する前に来てたわ。さすが、話が早いな。

 俺達以外の全員はもう着いて部屋に入ってるのか。まぁ、誕プレを忘れるとかいう失態をするのは俺と折本だけだよな。

 幸い、まだ入ったばっからしいしのんびり行くとしよう。これ以上急いでも疲れるだけだし。何なら今の時点で疲れてるから帰りたいまである。いや、今帰ったら折角買ったプレゼントが無駄になるか。

 仕方ない行くか、急がずのんびりな。

 

「折本は誕プレ何にしたんだ?」

「へっへーん、ヒミツ! サプライズだかんね」

「いや、サプライズの相手は俺じゃないんだから秘密にしなくてもいいんじゃないのか?」

「えー、でももし被ってたりしたらそれも面白いじゃん? その楽しみも誕生日会にとっておかないとさ」

「そういうものなのか?」

「そーゆーもんなの」

 

 そうなのか。俺等で誕生日祝うときってポンポンプレゼント渡して今回みたいにカラオケボックスみたいな一室借りて遊ぶか、誰かの家で遊ぶか、みたいな感じだからな。世間一般だとそういうものらしい。

 

「比企谷はさー、そろそろ他の世界を知るべきなのかもね」

「なんだそれ。知らん世界知って何になるんだ?」

「世界って言っても、そんな広義なことじゃないよ? ただ、比企谷はアタシらのせいで世間知らずに育っちゃったじゃん?」

「なんで俺が折本達に育てられたことになってんだ」

「だからさ、今日の結衣ちゃんの誕プレは練習」

 

 なんか、折本の様子がおかしい。

 いつもこんな真面目な雰囲気こんな長く続かないのに、茶々を入れても全くいつものコイツに戻らない。

 え、ナニコレ、どっきりか何かか? もう今の時点で驚きが沢山だからドッキリのプラカード持って出てきていいぞ。由比ヶ浜の誕生日にやることじゃないけどな。

 

「だからさ、覚悟してね比企谷」

 

 隣にいたはずの折本が、急に立ち止まって俺の手を握る。

 思わず俺も止まり、折本の方を見る。

 そこには、いつも、何があっても崩れない笑顔に、

 

「比企谷の知らない世界、いっぱい見せてくからね」

 

 どこか、影が差してるように思えた。

 




 ホントにすみません、別垢で活動が始まったり一次とルウタの三股してました。
 裏で色々活動してはいますが、表に出せるものがほとんどないので、こっちに短編集でも投下しようかと……あ、それやってる暇あるなら本編が欲しいな。すみません、やっぱこっち書きます。
 さて、思った事と考えたことそのままあとがきに書いてるので、話が二転三転する私です。さっさと恒例のものを言っておきます。

 そんなわけで、次回も首をキリンにして待っていてください★

 ……あ、比企谷の原作とはまた違う欠落してるものは、またいずれ。

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