トラウマの原因が覆されたら、その世界はどうなるか。   作:袖野 霧亜

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どーも、皆さん、久しいですね。わて様です。
まぁ色々言いたいことはあるけど、それは後書きにでも。


そうして、比企谷八幡という存在をまた乖離する。

 

 職場見学。

 読んで字の如く、職場を見て学ぶ機会の事をさす。

 本来なら三人グループに分かれて行くはずなのにうちのクラスの大半は葉山が行く先を決めた瞬間、ほぼ全員が同じ場所を希望したためもはや団体行動というのが相応しい様相になっている。

 それでもちゃんと見学先の様子を見ている。時々楽しげにヒソヒソと話す姿もあるから、まぁそれで一先ず良いんだろうな。どうせこの後で出すレポートとか変な事書かなさそうだし。あ、そんな事するの俺と三木くらいか。てへぺろ。

 

「比企谷」

「ん、おぉ刻。お前もここだったか」

「まぁな。しかしお前のクラス、どうなってるんだ? ほぼ全員なんて、いつからこの集まりは団体行動制になったんだ?」

「さぁな。俺に言われてもわからん。原因は全部葉山だ」

「わからんじゃないだろうそれは。わかってるのに知らん振りをして秒速で手のひらを返すな」

 

 いやだって、実際意味わかんねぇし。なんなのうちのクラス、葉山がいないと寂しくて死んじゃううさぎ病なの? あ、実際は寂しくても別に死なないらしいなうさぎって。じゃあコイツらなんだ?

 

「ま、いいか。俺には関係ない事だしな」

「だな。ていうか、お前グループどうした? ここに居ていいのか?」

「ん、そうだな。少し待って貰っている。そろそろ戻ろう。また後でな比企谷」

 

 おう、と軽く返事をしてまた前方にいるクラスメイト達を眺める。

 以前まであったギスギスとした空気は無くなっており、皆が楽しそうだ。

 まるで、何も無かったかのように。

 

「……解消、か」

 

 ポロリ、とその言葉だけが口から零れる。

 俺のやった事はほぼ間違いは無かった、と思う。

 誰も傷を負わずに済ませられたんだ。

 そこに間違いは無いはずだ。

 それでも、どうしてだろうか。

 

「こんなんで直るものなんだな、コイツらって……」

「どした比企谷?」

「うひっ!?」

「ぷっ! ひひひっ、なにその驚き方っ、ウケるんだけどっ!」

 

 声がした方を向くと、いつの間にか折本がそこに立っていた。

 ビックリしたー。何、ステルス機能でも搭載してるの? やめてね? ステルス八幡の異名が奪われちゃうから。最初からそんな大層なもの付いてないけども。

 

「それで比企谷〜。何かあった?」

「あぁ、いやまぁ、別になんでもない。ほれ、遅れるぞ」

「……ふーん?」

「どした」

「いや〜? 別に〜」

「絶対なんかある様な言い方だろそれ」

「比企谷のマネだし」

「……やっぱり折本に対して隠し事出来なさそうだな」

「比企谷もアタシがなんか隠し事してたら絶対見破ってくるでしょ」

「違いない」

 

 のんびりと、見学しつつ折本の隣を歩く。

 

「それで、何があったん?」

「アレだよ」

 

 目の前の集団に指を向ける。

 それだけでは理解しきれず、こてんと首を横に傾げる。

 

「ちょっと前にクラスの中であんな事があったのに、少し問題解消させただけであれだけ近くで話をし合っている。それが異質過ぎてな」

「あ〜、なるほどねぇ」

「お前はどう思ってる? 俺がおかしいのか?」

 

 うーん、と腕を組んで悩む。

 そうして目を合わせてこう言った。

 

「おかしくは無いかもね」

「……そうか、そんなもんか」

「ちょい待ち。話がまだ終わってない」

「ぐえっ」

 

 だから歩いてる時に襟を引っ張るんじゃない。頸動脈が締まって落ちるぞ。

 

「とりあえず比企谷、もう一度あれ、見てみ」

「ケホッ……あぁ……あ?」

 

 もう一度、前を見る。

 最初は折本が何を言ってるのかわからなかった。

 でも、

 

「……あ」

「わかる? 別に全部が全部、元通りってわけじゃないんだよ」

「……マジか。これ、すぐに気付いたのか」

「まぁね、伊達に女として生きてないってもんだし」

「えぇ……女怖い……」

 

 どこか、壁のようなものが見える。

 それは一部に、もっと言うと、あの三人組辺りに感じる。

 三人がお互いにじゃなく、三人組とその他。

 そうか、俺がやったのは解消じゃなくて、臭いものに蓋をしただけだったのか。

 

「……はっ、考えが浅すぎたか」

「んー、でもこれ以上のやり方はアタシには思いつかないし、美咲達もそうじゃない? だから、別にアタシは何か言うつもりは無いよ。何もしなかったのに後からグチグチ言うのも性格悪いし」

「そうだな。そういう野次馬精神持ったヤツはもれなく同じ目にあってしまえばいい」

「ひひっ、性格わっるいなぁ」

 

 いいんだよ、別に俺は自分で性格がいい方だなんて思った事が無いんだから。

 

「それで、比企谷はアレをどうする?」

「何とかしなきゃダメか?」

「アタシは何もしないに一票。葉山くんの依頼と、実行犯への罰として考えるならそれでいいと思う」

「だよな。俺もこれ以上働きたくない」

「出た、比企谷のニート思考」

 

 仕方無いだろ。こんなめちゃくちゃな依頼とか何度も受けたいとか思えるわけが無い。

 まぁもし仮に働くことになったらそれは──

 

「折本とか養う時くらいだろうなぁ」

「ん? なんでアタシ? 養う?」

「…………なんでもないですさぁ行きますよ折本さん皆が遠くに行ってしまいますよ」

「あ、ちょっと待ってよ比企谷〜!」

 




まだまだ勝手に俺ガイル短編祭りやってるぞ!!!! やろうぜ!!!!!
はい、というわけで小説検索から勝手に俺ガイル短編祭りって調べると今四作品が参加作として出てきています。まだまだ欲しいです。強欲に行きます。

それと、最近書いておらず、申し訳ない。書こうと思えば一日で書けるけど、創作に使えるカロリーが足りねぇ……。最近マイクラしながらV追いつつスマホゲーするとか言う謎ルーティーンをしてるわ……。

まぁそんな感じで、のんびり投稿します。次は……なろうでやってる書き出し祭りの全感想終わらせてから、ですかねぇ……。

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