トラウマの原因が覆されたら、その世界はどうなるか。   作:袖野 霧亜

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やったね投稿早いねさすがわて様。
あとがきにまた宣伝書いておきますのでよろしければ……。


葉山隼人は比企谷八幡に頼る。

「おーす……」

 

 平塚先生にこってりと絞られた後、ボロボロのまま部室へと赴いた。

 今日はバイトも無いので家でゴロゴロとのんびりしたいところだが平塚先生との契約でバイトが無い日は参加することになってるから渋々だ。決して平塚先生に二度も学校に提出するものをふざけて書いた事に対する罰則とかそんなんじゃないぞ? ホントホント。平塚先生がそんな事をするわけないじゃないですかー。

 

「あら比企谷君。遅かったわね」

「ヒッキーおそーい!」

「悪い。てかヒッキー言うな」

 

 いつの間にか由比ヶ浜にヒッキーとかいうあだ名を付けられてるけど俺、認めてないからね?

 ヒッキーってなんか引きこもりみたいじゃん? 引きこもりたい気持ちは凄いあるけど折本達といると家に引きこもっていられないんだよ。名が体を表してないぞ。つけるならもっと相応しいあだ名を付けろ。いや、いらんけども。

 

「そうね、私ももう少しマシなあだ名の方が好ましいと思うわ」

「えー良くない? ヒッキー。語呂とかかなりいいと思うけど」

「いいえ由比ヶ浜さん。私のもそうだけれど、特に比企谷君のはもう少し良いものがあるはずよ。もっと頑張って」

「えー? ゆきのんもかわいいじゃん。ていうかゆきのん、ヒッキーに対してガチ勢過ぎるでしょ……なんでかおりんよりもそんなにすごいの?」

「今までの積み重ねよ。舐めないでもらえるかしら?」

 

 いや、百歩譲ってその理論を認めても俺が積んだの一つだけだろ。そっからは雪ノ下が一人でありもしないブロックを積み上げてジェンガしてたんだろ。

 ……あれ? よくよく考えたら雪ノ下って実はヤバくね? 何がってこじらせ具合が。

 

「まぁそこら辺はどうでもいいわ。で? 依頼は無いよな。無いんだよな?」

「どれだけやりたくないんだ。まぁ無いにこした事は無いけどさ」

「おう葉山。そうか、無いか。よかった。ホントによかった……」

「……どれだけ絞られてたんだ」

 

 聞くな。俺はもう疲れてるんだ。思い出しただけで更に疲れるんだよ。これ以上疲れさせるな。

 

「てか折本達はどこ行った? 今日はここに来てるはずなんだが」

「折本さんならバイトの助っ人に呼ばれて、他の人達もそれに付いて行ったよ」

「はっ? 助っ人? ……ホントだ。連絡あったわ」

 

 えー。マジか。でも俺にはバイト先からの連絡来てないから俺は行かなくていいのか。いや、後で連絡して合流できるならするか。

 

「まぁいいや。っしょっと」

 

 もはやお馴染みとなった部室での定位置にある席に、ちょうど雪ノ下の向かい側に座る。

 妹から借りてきた少女マンガを取り出してのんびり読もうとすると、突如由比ヶ浜と葉山の携帯が鳴り響く。

 おいこらお前等。一応学校の中なんだからちゃんとマナーモードにしとけよ。

 

「あ、私だー……うわー」

「…………」

 

 由比ヶ浜はキラキラゴテゴテした携帯を、葉山は普通の携帯を取りだした。

 おかしい。同じ携帯なのに何でこうも違うものに見えるのだろうか。不思議だ。

 

「どうかしたの?」

 

 由比ヶ浜達の様子に気づいた雪ノ下が本から目を離さずに言葉だけを投げかける。

 

「いやー、最近変なメールが多くてさ〜」

「ほーん」

「比企谷には来てないのか?」

「いや、来てないけど」

 俺のスマホには基本アマ〇ンくらいしかメール来ないからな。

 折本達ともL〇NEでやり取りするからメールを使う機会がほとんど無い。たまに平塚先生から業務連絡が来たりするがホントにそれくらいだな使ってるの。

 

「そうか……いや、それならそれでいいんだ」

「あーもう、携帯いじるのも嫌になった〜……暇だなぁ」

「それなら勉強しましょう由比ヶ浜さん。そろそろ中間試験なのだから少しは勉強した方がいいわ」

 

 由比ヶ浜がめんどくさいと嘆き、雪ノ下が勉強する事の有意義を切に説いていると葉山が俺に近づいて耳打ちをしてきた。

 

「頼む比企谷。手を貸してくれないか」

「……なんでだよ。お前の頼みとか厄介事の匂いしかしないから嫌なんだけど。あと近いから離れろイケメン」

 

理由(わけ)は後で話す。頼む」

「…………後でコーヒー奢れ」

 

 そんなに真っ直ぐな目で見られたらこっちが折れるしか無いじゃねぇか。これだからリア充の頂点は。

 その答えに葉山はいい顔でありがとう、と一言だけ俺に残して黒板側にある自分の定位置に戻る。

 うちのクラスの頂点、葉山隼人の頼み事とか絶対厄介事なんだろうなぁ、と思いつつ少女マンガに目を落とす。

 

「じゃーゆきのんが勉強教えて! そしたら私頑張れる気がする!」

「はぁ、仕方無いわね。今回だけよ?」

 

 雪ノ下と由比ヶ浜の話し合いも終わり、静寂が訪れる。

 しばらくそんな状態が続き、下校を告げるチャイムが鳴り響いたので俺と葉山、雪ノ下と由比ヶ浜のペアで別れる。

 葉山が雪ノ下達に挨拶をしてる間に少し先に廊下を歩き始め、後から葉山が追いかけてくる。

 

「さっきの話の続き、していいかな?」

「あぁ、それはまた後でだ。とりあえず行くぞ」

「え、行くってどこに?」

 

 足を止めて後ろにいる葉山に顔を向ける。

 

「俺のバイト先だ。そこでコーヒー飲みながら聞いてやる」

「バイト先……。あぁ、あの喫茶店か」

「おいコラ、なんでお前が知ってるんだよ」

「わかった。じゃあ行こうか」

「無視ですかそうですか」

 

 近いうちに雪ノ下を含めてコイツ等と色々お話しないといけないかもしれないな、と思ったそんな日になった。 




原作応援企画!
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
短編CP祭り!

はいっ、前の話のあとがきでも書きましたが、ただいま短編CP祭りの参加者を募集しております!
現在わて様達企画者を含めた十名の方が参加してくれることが決定しました! ありがとうございます!
ちなみにCPはカップリングの意味です。八折とか八オリとか、そんな感じです。
もちろん八幡を必ず絡めなくては行けない訳ではありません! 戸部と海老名さんでも、三浦と葉山でも、サブレとカマクラでもオッケーなのです!
まだ応募は受け付けておりますのでぜひぜひ! 参加してください!参加申し込みは下記のTwitterIDから受け付けております!

短編CP祭り公式垢!ぽでの ぽりあ(ぽぽあちゃん) (@popoachan666)さんをチェックしよう https://twitter.com/popoachan666?s=09

皆さんの参加、お待ちしております!

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