トラウマの原因が覆されたら、その世界はどうなるか。   作:袖野 霧亜

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EXステージ・GWの一時(ひととき)

 ゴールデンウィーク。

 新生活等の新しいことが起き続ける四月の疲れをとるために与えられる素晴らしい日々……と、言いたいところだ。

 実際はその長い休みのせいで生活バランスを崩してしまい、心を病ませてしまう。

 例えば、学校や会社に行きたくない、集中が出来ない、眠れない等々あるがもっと知りたい人はググッてくれ。

 

「ひぃ〜まぁ〜だぁ〜」

「突然来てベッドを占拠して何を言ってんだ。三木」

「すまない八幡。うちのバカ姉貴の思いつきで突貫しに来てしまい」

「刻、頼むから連れて帰ってくれ。折本がそろそろ来るんだよ」

 

 朝早くに我が家に来た三木ブラザーズに睨みを効かせる。朝九時に友達の家に遊びに来るとか小学生くらいじゃねぇのか……。俺その頃友達一人もいなかったからそうかどうか知らんけど。

 

「いーじゃないか〜。別に今日かおりと大人の階段登るわけでも無し」

「……そういえばお前達はどこまで進んでいるんだ? 俺の知る限りだと手を繋ぐまでなのだが……。付き合ってから何年経った」

「……そろそろ三年、だな。さすがにそれだけ時間あれば手を繋ぐ以上は──」

 

 と、そのタイミングで言葉が詰まってしまう。

 ぐっ、おぉ……! なんだこれ! 顔が熱いし動悸がする……。

 そして俺の反応から察知したのか三木がベッドから床に座る俺たちの近くに迫る。

 

「さて、八幡とかおりの進捗について聞くために絶対帰れなくなりました。刻もそれでいいよね? ねっ?」

「……スマン比企谷」

「ノーコメントだ。いいから帰れよ! なんも話さねぇからな!」

「話すって、何が?」

 

 ばっ、と全員で声が聞こえた扉の方に体を向けるとそこには件の人物、折本かおりが立っていた。

 

「折本、どうやって入って……?」

「えっ、こまっちゃんに入れてもらったけど。それでー? 何の話〜?」

「ちょうどよかった。かおりって八幡とどこまて進んだかって話してたんだよ」

「…………」

「それでどこまで進んだんだい? ほれほれ〜、お姉さんに教えてみなさいな〜」

「…………」

「あれ、かおり? ……返事がないただのしかばねのようだ」

 

 いや、本当に固まってるぞ。瞬きすらしてねぇ。

 三木が折本の顔にひらひらと手を振っても全然反応が無い。

 

「……まさか八幡、お前たちまさか最後まで、その、したのか?」

「「ぶふっ!」」

「うわ汚っ! えっ、本当かかお前たち!?」

「ちちち違うってば! 頬にキスしただけだってば!」

「そそそそうだぞ! 決して最後までとか、してないからな!」

 

 恐らくこの時、俺は盛大に顔を真っ赤にさせていただろう。

 そしてさらに折本が口を滑らせていることに気付かずそのままわちゃわちゃとどうでもいい説明をし続けていると、何故か呆れたように二人してため息をつかれる。

 

「かおり、まさか本当にほっぺにちゅーしただけなの?」

「八幡、まさか本当に頬にキスされただけなのか?」

「そ、そうだけど」

「まぁ、そうだな」

 

 その返しが決定打になったのか今度は更に深ーく、それも長くタメを作った上でのため息を二人してつく。

 二人のその仕草は完全にシンクロしており、さすが双子だなという感想が出ました。

 でも酷くないか? そんなに呆れられるような事でもないだろうに。頬にとはいえキスだぞ? かなり進歩してると思うのだが……。

 

「いいかかおり、八幡。お前たちのそれはもはや小学生レベル、もしくはちょっと進んでる幼稚園生だ」

「「なっ」」

「刻の言う通り。二人はマウストゥーマウスすら済ませられてないお子ちゃま」

「「マッ……!」」

 

 マウストゥーマウス……だと!? それってあれだろ? 口と口をくっつけたり粘液交換したりするあれの事だろ?

 ……無理っ! たぶんした瞬間心臓止まる! いや、でもしたい気もしなくもない。でもあんまりガッツリ行くと引かれるだろうし……。なんかで読んだぞ。そういうことすると異性にキモがられるって。それは嫌だしなぁ。

 

「ささっ、ちょっと一回ちゅっといっちゃいなよYOUたち! 大丈夫、先っちょだけでいいから!」

「姉さん、あまり煽るな。元から出来ないものが更に出来なくなる」

 

 フォローするならちゃんとしてくれ、刻。その通りだから何も言い返せないけど……。

 ようやく少し余裕が出来始めたので俺の左隣りに来た折本の方をちらっと見る。そこにはこちらをじっと見つめる折本の姿。

 バチッ、と目線があう。次に視線が下に行って唇へ。

 

「っ!」

 

 いかんいかん。また意識がそっちに向いてる。落ち着け俺。平常心だ。

 

「さて、そろそろ帰るぞ姉貴。聞くもの聞いたしな」

「そうだね〜。おじゃま虫は早々に帰ろっか。ほんじゃまたバイビー」

 

 マジで何しに来たんだあの二人は。まぁどうせ三木の思い付きの行動だろうとは思うけども。

 でも、でもさ? どうしてくれんのこの状態。お互い気まず過ぎて顔見れないんだが!

 

「あ、あのさ比企谷」

「お、おう? なんでしゅか」

 

 ダメだ。どもる、声が裏返る、噛むの三連続コンボ決めたわ。もうどう足掻いても動揺してるのが折本に伝わってますね。タスケテダレカー!

 折本も動揺しまくってるのかいつものタイミングならウケてくれるはずなのだがそれが来ない。

 

「比企谷もあれだよね。キスとか、したいって思ったりする?」

「……したくない、と言ったら嘘になる。正直、したいと思ってはいる」

「! そ、そっか。ひひっ、ウケる」

「……折本」

 

 そっと折本の右肩に手を乗せる。

 その際ピクっと折本の身体が震える。

 折本の身体が強ばっているのがわかる。

 顔どころか耳まで赤く染めている。

 

「……いや、ダメだな」

「へ?」

 

 折本から半歩離れ、そう告げる。

 いやだって、今やったら三木たちの思う壺だし。それにそんながっちがちに緊張しい状態になってるやつに無理矢理奪うってのも……。

 

「…………ちょい待ち」

「へ、あぁ!?」

 

 強引に襟を引っ張られバランスを崩す。そしてすぐその後に感じる左頬への柔らかい感触。

 ……まっ、またコイツは!

 

「おっ、おま! にゃにお……っ」

 

 折本に視線を捉えると、それはもうジョ○ョの如く背面にゴゴゴと効果音が流れそうな程にオーラを出している姿にたじろぐ。

 あ、これオラオラされるやつですねわかります。えっ、でもなんで? 俺なんかした? 何もしてなくない?

 ……もしかして、何もしなかったからこうなった?

 

「比企谷さぁ、ヘタレにも程があるでしょ」

「えっ、いやだってお前、あまり好ましく思ってなかったろそういう事」

「いつまでの話してんの。ウケないよ、それは」

 

 いつまでの、ということは今は全く違うという風にも取れる。

 実際いつまでがNGでいつからOKになったのかはわからない。

 

 しかし、だ。

 

 ここまで言われ、やられて何も出来ませんじゃ折本に呆れられる。それに恥をかかせてしまう。

 

「折本」

「……ん」

 

 覚悟は決めた。あとはやるだけだ。大丈夫、俺ならやれる。出来る。

 あと数センチ、あとそれだけ近づけるだけ。そんな時だった。

 

 ──きぃ。

 

 と、扉の方から音が響く。

 ほぼ条件反射で折本と共にそちらを見るとそこには妹と、帰ったはずの三木姉弟が部屋を、というより俺たちをの行為を覗き込んでいた。

 

「「「あっ、気にせずどうぞ」」」

「「出来るかァァァ!!!」」

 

 折本と付き合ってから史上とも言えるほどの良い雰囲気は、第三者の介入により終わった。

 この後三人を追いやったものの、互いに意識しすぎて部屋でソワソワしてたらその日が終わってしまった、というのはまた別の話である。




この作品の八折キスシーンとか俺は認めねぇからなぁ!!!???

どうも、作者の霧亜です。
いきなりめんどくさいオタク感出して申し訳ない。でもこれは俺悪くないです。悪いのはこれを書いてるやつです。あれ? 俺が悪いわ。
でも言い訳をするとあれなんです。八折のイチャラブ書きたかったのは事実なんです。でもキスは許せねぇ。
じゃあどうする? ということで、折衷案の頬にキスをするで決まりました。いやぁ、これには私もほっこりです。
ちなみに、これ書いてる時に思いついた八折なのですが、中学は友達、高校一年で友達以上恋人未満、高二の千葉村でオクラホマミキサーのシーンで八幡からの告白でゴール。というのを思いつきましてね? 書きてぇな〜。誰か書いてくんねぇかな〜とか思いつつ……ね? 書いてくれないかな? って霧亜さんは未来の作家さんに期待を込めた目線を送ってみたり!
いや、元々この作品も上記な感じでやろーかなーとは思ってた時期はあった。けどこの作品で手一杯なので断念っ。んなわけで誰か書いて。ねっ?

さて、余談ですが私も俺ガイルをやっと買い始めました。読んでいくうちにあー、コイツはいけねぇ。この作品のワード力の稚拙さが滲み出てきてしまっている。ユーモアも足りねぇ。ってなりましたね。
やはり原作。素晴らしい。
まぁ原作を褒めるのはここまでにしておきます。
それでは最後に、ここまでご覧頂き、ありがとうございます。のんびり書いていきますのでのんびり待っていてください。

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