トラウマの原因が覆されたら、その世界はどうなるか。   作:袖野 霧亜

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どうも霧亜ですっ! どうも本編より前書きの方が面白いんじゃね? と心を病ませているところです。まぁ別にいいですが。ホントだよ? キリアウソツカナイ。

まぁそれはどーでもいいのさ。とりあえず続きです。


やはり俺が折本に告白するのは間違っていたらしい。

「おーい、比企谷ー」

 

 誰かが俺を呼んでいる。いや待て、ここは学校だ。俺に話しかけるやつはいない。更に言えば外であれば俺を苗字で呼ぶヤツは皆無だ。つまり俺じゃない別の比企谷だ。そうだ、そうに違いない。

 

「比企谷ー?」

 

 まったく、人騒がせなやつだ。一瞬俺のことかって机の上で伏せている顔を上げちゃうところだった。まぁ俺はプロボッチだからそんな安い手には引っかかるわけがないがな。

 

「ねぇ比企谷ってば」

 

 おいおい、いい加減反応してやれよ比企谷さん。君を呼んでいる人がかわいそうだろ?

 

「かおりー、どうしたのー?」

「なんか比企谷が呼んでも返事してくんないんだよねー。ウケる」

「なにそれ。無視されてるの? かおりを無視するなんてねー」

 

 どうやら比企谷さんは折本に呼ばれているらしい。そうだよな、無視は良くないよな。俺も虫は嫌いだ。あ、これ『むし』違いだ。漢字を間違えるとニュアンスがガラッと変わるよね。ほら、帰ると蛙も違うし。

 

「ほらかおり、最終手段使っちゃいなよ」

「そうだねー、まぁ仕方ないわ」

 

 なにやら不穏な空気を感じる。まぁどうせ俺の事じゃないし平気だろ。確証はないけど。まぁ比企谷さんとやら、せいぜい頑張って──

 

「おりゃ」

 

 がしっ、と俺のわき腹を折本の手に掴まれる。……は? 俺のですか? え、いやちょっと待て俺わきだけは、

 

「こちょこちょこちょ」

「〜〜〜〜〜〜っ!?」

 

 く、こ、こらえろ俺っ! 頑張れ頑張れお前なら出来る! ほら炎の妖精さんだって諦めんなよって言ってるよ! 大丈夫だ、俺ならでき──

 

「──に、ふっ、くぅ…」

 

 出来ませんでした。いや、無理だからね? こんなにも折本の指が的確に俺のツボ押してるんだから。足ツボマッサージで痛いって言わないくらい無理だからね? やってもらったことないけど。

 

「……昨日も思ったけど、なんか比企谷にくすぐりするとさ……こう、イケナイ気持ちになるよね」

「……わからなくないから何も言えないわ」

 

 そう、こんな状況になった原因は昨日の屋上での出来事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっ、比企谷うるさいよー? いきなり叫ぶとかウケるんだけど」

「わ、悪い……。じゃなくては? お前、は?」

 

 くそ、俺としたことが突然の出来事すぎて頭が追いついてねぇ。なぜだ。そんなフラグ無かったはずだぞ? 普通に振られる前提の計画だったからな……。俺の噂知ってるはずだろ? どうすりゃいいんだこの状況。

 

「何そんなどもってんの比企谷。ウケる」

「や、ウケねぇから」

 

 やっとまともに返せたのがこれだよ。どんだけテンパってんだよ。

 

「ところで比企谷君、これからどうすんの?」

「はっ? どうって?」

「いやいや、比企谷君が告ってかおりがOKしたんだよ? 付き合うの?」

「……」

 

 ぶっちゃけ何も言えない。いやまぁ折本が嫌いではない。むしろ好意的では…、げふんげふん。いや、何でもない。

 しかし折本はなんで俺の告白受けたんだ? 意味がわからん

 

「んー? 千佳と比企谷何話してんの? てか千佳ってば比企谷と知り合いなの? ウケる」

「や、だからウケねぇから」

 

 口癖か? 口癖なんだよな? いやもう口癖以外のなんだよってくらいウケるって言ってるよなコイツ。

 

「んで、千佳は比企谷と何か企んでた? まるで比企谷があたしに告白するのわかってたみたいな口ぶりだったけど」

「え、あー、それは」

「いや、俺が言った方がいいだろ」

 

 俺は折本に計画の概要を完結に伝えた。別にここで嘘ついても仕方ないしな。

 

「ふーん、そういうことだったんだー」

「怒らないのか?」

「んー、まぁ別に? ていうか比企谷があたしの予想通りのやつでウケるんだけど」

 

 予想通り? どういうことだ? いやまぁ、最低最悪野郎っていうのは認めるけど、言い方に棘が無い。ますます意味がわからない。

 

「かおり、予想通りって?」

「あー、なんか比企谷の噂知ってるっしょ? それがさー、全部人から聞いたとかちゃんと自分で見た人がいなかったんだよね。だから噂が流れ始めた時とその前にあった事を聞いて回ってたらこんなネタが出てきたんだよ」

「ネタ?」

 

 何故か俺の中で危険信号が鳴り響く。これ以上折本に何も言わせてはいけない、と脳が勝手に判断を下し俺の口から折本の言葉を遮るように声を出す。

 

「お、おい。それ以上は──」

 

 しかしそれを更に遮るように折本は言い放った。

 

「なんか、比企谷がイジメをしていた奴らに何か言ったらしいんだよね。そんで比企谷がイジメの対象になったんじゃないの?」

 


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