トラウマの原因が覆されたら、その世界はどうなるか。   作:袖野 霧亜

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初デートは買い物で始まる。〜②〜

 ららぽで昼飯を食べ終わった俺と折本は……俺の……服を…………見に行く…………事に…………。

 

「どしたの比企谷。そんなに疲れた顔して」

「…………疲れるに決まってるだろ……ふぅ」

 

 いや本当になんで折本はピンピンしてるの? 午前中にも歩き回ったのお忘れですか? 無尽蔵の体力だなホント。 

 

「あっははは! へばりすぎでしょ! 少しは運動とかしたら? 休みの日とか家にこもって本ばっか読んでるでしょ」

「俺をただの引きこもりだと思うなよ。軽い運動くらいなら毎日やってる」

「へぇ、意外」

 

 意外と思われるのは仕方ないだろう。いつも本を読んでるか寝た振りをしているかしか学校では見せてないからな。

 ぼっちの俺を守ってくれる奴は誰一人としていないから自分の身くらい守れるだけの力は必要になってくる。いつぞやかのホモさんにも壁ドン(物理)とか大外刈りが出来たのはそのお陰だ。ていうか運動してなきゃあんなこと出来るわけ無いしな。

 しかし運動しているといってもそこまで体育の成績が良いわけでは無い。さすがに運動部のような運動量をしているわけでもないし、目立たないようにする技術の一環として多少手を抜いているからな。決してダルいからとか面倒くさいからじゃないよ? いやホントホント。いつも言ってるでしょ? ハチマンウソツカナイ。

 

「まぁ運動がバリバリできる比企谷って想像できないけどね! ウケる!」

「はいはいウケるウケるー」

「……なんか千佳達と同じ反応でウケない」

 

 じゃあどんな反応すればいいんだよ。ていうかなんでそんなにむくれてんだ? かわいいゲフンゲフン、少し萌えたじゃねぇか。萌えとか二次元の産物じゃねーの? 

 

「そういう折本はどうなんだよ。結構運動してるんじゃないか?」

「え? あー、趣味でサイクリングするけどその程度だし」

「じゃあなんでこんなに疲れの差が出るんだ? 慣れの差か?」

「小町ちゃんの買い物にも着いていくんでしょ? ちょっとくらい買い物にも慣れてるでしょ?」

「いや、いつも誰得なファッションショーとかもあったからな。そのせいもある」

 

 本当に疲れた。何回着せ替えさせられたことか。服なんて基本買ってきてもらったものを適当に組み合わせて着るだけだからどうにもな……。

 

「慣れないことをするのは良くないっていうのが身に染みるな」

「遠回しに引きこもり発言してるし! ウケる!」

「いや何が遠回しなのかわからんし何がウケるのかわかんねぇよ」

「まぁまぁ。ていうかこれも慣れてもらわないと。これからも一緒に買い物とか付き合ってもらうんだから」

「……そうだな」

 

 これからって言うのがいったいどれくらいまで続くかわからんが、中学生の男女の付き合うって言うのはあまり長続きしないというのは聞いたことがある。ソースは学校の連中。俺がソース? そんなものあるわけないだろ。男女の付き合いどころか男同士の付き合いすらないんだぞ? ……なんかちょっとゾワッてしたんだが、気の所為か? 

 

「さて、と! 休憩も買い物も済んだし、少し遊んでいかない?」

「帰る」

「荷物もロッカーにいれとけばオッケーでしょ」

「あれ、俺今帰るって言ったよね? 聞いてた? いや聞こえてなかったんだよね? 頼む聞こえてないことにしてくれじゃないともうなんかヤバい。語彙力も無くなるくらいヤバい。ウケる」

 

 人に無視されるのは慣れないことなので心にくるものがある。今日慣れないことしすぎじゃない? 俺もう頑張ったよ。もう疲れたよパトラッシュ。しばらく何もしたくない。お家で寝ていたい。食う寝る遊ぶの遊ぶを抜いた2連コンボで休日を終わらせたい。頼む、もう俺に慣れないことをさせたりしないでくれ。お願いします、何でもしますから! 

 

「比企谷に私の口癖が感染ってる! ウケる!」

「あーもうそれでいいや。わーいウケるー」

「テンションおかしくなってるけど大丈夫? ちょっと気持ち悪いんだけど」

「心を擦られてく感覚がたまらないなぁ」

 

 ホントに涙がちょちょ切れそう……。俺の心は硝子なんだから優しく扱ってほしい。

 

「ほら、せっかくの初デートなんだからもう少し付き合って!」

「……はぁ、わかったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほうほう、中々良い雰囲気じゃないかな?」

「ちょっと妬みが……パルパル……」

「パルパル? あ、2人が外に出る」

『かおりがこれで解散なんてありえないし、まだどっかでぶらつくんじゃない?』

『いや、比企谷が疲れてるし家に帰るとか──無いか』

「うん、それは無い」

「なんやかんやで比企谷がかおりに振り回されるに一票」

『荷物をロッカーに入れてゲーセン辺りでプリクラを無理矢理撮らされるに一票』

『なんやかんやで良い雰囲気になっていけるところまでいってしまえに一票』

「全部ありそう。最後のはともかく」

「比企谷だしねぇ」

『それよりかおり達追いかけないと見失うよ?』

『あ、ホントだ。見失わないようにかつ見つからないように』

「追跡追跡っと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、遊ぶよ!」

「へいへい」

「ゲーセンなんて久しぶりだなぁ」

「仲町さんと来たりするのか?」

「そうだねー。あとはたまに男子が混じって来たりするね」

「ほーん」

 

 やはり折本達のグループにも男も混じることもあるんだなと、まぁなんとも言えないものが来たがまぁ問題無い。何が問題なのかわからんが問題無い。

 

「聞いておいて反応薄すぎ! ウケる!」

「んで、何するんだ? 帰る? 帰宅?」

「帰りたすぎじゃない!? 何? 私といるのそんなに嫌?」

「いや別に?」

「……なんか比企谷ってよくわからないね」

「俺だからな。そもそも、他人がそいつを全てわかったつもりなのは傲慢すぎるだろ」

「んー? よくわからないな」

「要は人と人は全部をわかりあうことは無い、そしてわかったつもりになったら必ず何かしら悪いことが起きる。そんだけだ」

「じゃあまずはプリクラ撮りに行こう!」

「聞いておいて反応無さすぎ! ウケる!」

「ハイハイウケるウケる! ほら早く行くよ!」

「あ、こら手を引っ張るな! 惚れるだろ!」

「既に惚れてるくせに!」

「言うな恥ずかしい!」

 

 あー! なんか変なこと口走った気がするなぁ! よかった都合よく他に人がいなくて! 

 

「ほ、ほら! いいから早く行くよ!」

「あまり強く引っ張るな転けるだろ」

 

 慌てた様子で俺の手を引く折本に少し強めの注意を立て続けにしようとしたが、一瞬見えた髪に隠れた折本の耳がとても赤くなっていたため閉口する。

 ……照れるくらいなら最初から言うんじゃねぇよ。人のこと言えねぇけど。




 主だよ! というわけで今回はお知らせがあるから俺だけね! えっとね、新しい俺ガイルの二次創作のネタが思いついちゃって、それ書きたいんだけど3本目が加わると失踪になる可能性1000%だからこれとアナザーの方をとっとと高校生編までやって3年に上がるところで終わることにしました。ホントはダラダラ大学生編までやろうかなとか思ってたけど駄作になりそう(この作品が良作とは言っていない)だから、さっさと終わらせるよ。もちろん、中学生編もそこそこに終らせて1年生もバッサリカットする予定!

 はい! 以上だよ! アナザーのことはまたアナザーの方で報告するよ!

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