トラウマの原因が覆されたら、その世界はどうなるか。   作:袖野 霧亜

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まぁ、あれこれは後書きを読んでくだちい。Twitterをフォローしてくれている人は知ってると思うけどね。


やはり俺が折本にデートの申し込みを受けるのは……その、照れる。

「…………それで折本、何の用だ?」

 

 股間の痛みに耐えること数分。やっと治まってきたので折本の話を聞くことにした。男の子ならわかるよね? 股間を打ちつけるこの痛みが。

 

「あー、えっと、ちょっと話がしたいから家に入ってくれないかなーって思ったんだけど……ダメだよね〜?」

「え、あ、あぁ。家に居るとはいえさすがに小町をこんな時間に一人にしておくのは心配だしな」

「そっか……。うん、じゃあ次の土曜遊びに行かない? ほら、付き合ってから美咲達とずっと一緒だったから二人きりで、っていうのが無かったでしょ? だからさ、いいでしょ?」

 

 つまりそれはデートの申し込みですか? えぇ、いきなり?

 でもそうだよな。付き合ってるならデートの一つや二つくらいするよな。俺が愛読している少女漫画もデートしてる描写もあるからなぁ。

 でもなぁ……、デートだろぉ?

 俺に出来る気がしない、というか俺ってリード出来るのか?

 いや、出来まい。

 今までずっと他人と距離を置きまくってた俺だ。一般学生のそれとは明らかにかけ離れているだろう。小学生の頃なんて一緒に遊べる奴いなくて一人野球とか一人テニスとか一人バレーくらいしかした事ない。……おかしいな、全部一人じゃ出来ないはずなのに出来てる俺マジ強ぇ。

 じゃなくて、さてどうしたものか。デートだろ? デートなら受けるべき……いや待て。別に折本はデートとは言っていない。いやでも話の流れ的に2人っきりでのデートを示しているからやっぱりデートなのは間違いないはずだ。しかし現国のテストには絶対や言い過ぎ表現はほぼほぼバツだ。ならこの場合も合っていないことに──

 

「比企谷? おーい?」

「…………あ、あぁすまん。ちょっと考え事をだな」

「そっか……。それで返事は?」

「へ?」

「だから、土曜のデート! 嫌なら嫌でいいから!」

 

 で、ででででデートですって!? 俺と折本が!? やっぱり正解だったの!? よ、よーし落ち着け。ここはビシッと決めるところだ! あ、待って顔熱いし心臓バクバクして声が出せない! こ、この! 出ろっての! 

 

「あ……、い、いいじょ。行くか」

 

 ぐぅあああ……! 噛んだしどもり過ぎだ俺のバカっ! 格好つかねぇじゃんかよぉ……! これ絶対折本ウケるとこ──

 

「──っ! そ、そっか! じゃ、じゃあまた後で詳しい時間とか送るから!」

「お、おう? わかった」

「それだけ! じゃあまた!」

 

 そそくさと家に帰っていく。俺もその勢いに釣られるように小町が待つ家に帰る。帰路では特に問題は無かったが、家に着いて小町に色々聞かれた気がするが何も反応出来ずにそのまま部屋に入りベッドにダイブすると今まで溜め込んでいたものが思い切り飛び出してしまい小町からとても怒られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どしたのお兄ちゃん。昨日からずっとぽけーってしてるけど」

「……ん、あぁ、いや何でもない」

 

 朝ごはんを食べていると小町からそう指摘される。昨日の事が脳裏にこべりついて離れない。

 なんか悪い事が起きたみたいな言い方をしているがまぁいいだろう。いや、悪い事では無かったよ? ただ衝撃的だっただけで別に嫌悪するような事じゃないからね? むしろ役得ゲフンゲフン。何でもないです。

 いやー、マジでどうしよう。昨日の折本かわいい……、じゃなくて土曜のデート、でもなくてお出かけだお出かけ。いつかはする事になるだろうとは思ってたけどまさかあっちから誘ってくるとは。いや、アイツなら当然か。でもこういうのって普通男の俺から誘うものだよな? いや俺は普通じゃないからいいのか。自分で普通じゃないって言うのはなんだかなぁ。

 

「ふーん、それでお兄ちゃん。かおりさんと何かあった」

「んぐっふ!?」

 

 口に含んでいたみそ汁を思っきし吹いた。一応卓上に撒き散らさなかったからよかったけどヘタしたら向かいにいる小町に吹きかけるところだった。

 

「うわっ、汚いなー。それで、どうしたの?」

「けほっ。いや、別に何も無いぞ。むしろ何も無さすぎて俺の人生は折本と付き合えたことでこれからのイベントは無いも等しい」

「ふーん? かおりさんと何かあったんだ」

「こふっ」

 

 飲み込もうとしていたみそ汁の具材が逆流した。今度は全部口の中で留まってくれたがそれでも少し苦しい。

 小町ちゃん鋭すぎない? 見た目は子供の頭脳は大人で苗字がエドガーさんの名前を日本名に無理やり変えてペンネームにした人と同じのアイツなの? 

 

「お兄ちゃん大丈夫?」

「大丈夫じゃないからこの話は無かったことに」

「出来るわけないよね」

「ですよねー」

 

 小町のヤツ、そんなに折本が気に入ったのか? まぁ長年ボッチだった俺に近づいてきてくれただけで小町的にはポイントは高かったんだろう。それに公園でのやり取りも見て大丈夫だと確信してくれたんだろう。まぁもし折本に悪意があれば付き合うことは無かったけどな。

 

「あー、実はだな、折本と出かける約束をしてな」

「二人で?」

「二人で」

「いつ?」

「次の土曜」

「何時に?」

「まだ決まってないが」

「服は?」

「俺にそのセンスは無い!」

「そこは小町に任せて。うん、とりあえず土曜までにコーディネートしないと。お兄ちゃんはどこ行くかちゃんと考えてよ! 初デートなんだから!」

「え、あ、はい。え、いや小町? たぶんデートってわけじゃ」

「何言ってるのおバカちゃん。男女交際してる2人がお出かけするっていうのはデートなんだよ?」

「なん……だと……?」

 

 なら今まで目を背けていたデートの3文字は正しかったと? うお、意識すると顔が熱くなってきた。これが俗にいう照れるっていうやつ? 

 

「はぁ、しょうがないんだから。じゃあお兄ちゃんも自覚したところで今はとりあえずここまでね。遅刻しちゃうしね」

「あ、あぁ。すまんな」

「いいよ。ただ、帰ってきたら対策会議だからね?」

「おう。世話を掛ける」

「もー、それは言わない約束だよ」

 

 ウインクしてにぱっと笑う。良い妹を持ったなぁ。こんな可愛くて兄思いな妹なんてそういないだろう。ましては俺みたいな兄だと尚更だ。

 

「あぁ、ありがとうな」

 

 だから、小町には聞こえない程度の声量でそう言った。さすがに直接言うのは照れくさいしな。




主「遅れてごめんなさい」

???「おっそ」

美咲「遅すぎ」

主「いやあの、確かにね? 俺もうわぁ、俺の投稿スピード遅すぎ? とか思ったよ? けどね? 学校の部活のイベント全部主催者側で参加してたりバイトしてたら書く暇なかったんだよ。ちゃんとテストの後書こうとしてたしね?」

???「じゃあ夏休み入ってから今まで何してたの?」

主「またウイルス性胃腸炎になってた」

美咲「八オリはよ」

主「少しは俺に労りの言葉をかけてくれてもいいのよ!? あぁ、ちなみにまだ完璧に治ってないよ?」

???「寝てなよ」

主「え、でもお医者様には日常生活は問題なく送れるよって言ってたから大丈夫だよ。ただ前なった時より凄い長引いてるから戸惑ってるけどね。かれこれ1週間はなってるし」

???「へぇ。それなら体重もだいぶ落ちたみたいだね」

主「今週が始まった時くらいに計ったら3キロ痩せてた」

美咲「やったね。減量成功じゃん」

主「嬉しくない」

???「ま、とりあえず遅れた理由はそれだけ?」

主「ん? そうだね」

???「そう。ならちょっと質問なんだけど、エドガーさんって誰だい?」

主「あー、その人は推理小説の父って言われている人でね。フルネームはエドガー・アラン・ポオ。この人の名前を文字ると江戸川乱歩っていう日本名になるんだよ。聞いたことない? 文ストとか観てる人ならわかると思うけど」

美咲「主は観てないでしょ?」

主「気にしたら負け。とりあえずエドガーさんのことわかったよね。あと江戸川乱歩はペンネームだから。エドガーさんと江戸川乱歩は別人だからね? か、勘違いしないでよね!」

美咲「ツンデレの使いどころがおかしい-114点」

主「淫夢を使わないでおくれ。美咲ちゃんには清純派な女の子になってもらうんだから」

???「そろそろ終わらせない? ちょっと長すぎ」

主「あ、そうだね。それじゃあ皆様!」

主・???・美咲「ご愛読、感謝致します。お気に入りに追加、投票、感想を頂けると幸いです」




???「……何コレ」

主「新しい挨拶だけど?」

???「えぇ……?」


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