俺と彼女のハイスクールライフ   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

17話突入。

今回は凛と飛鳥が出てきます。そして、八幡の過去が明らかに・・。

それではご覧ください。



17話:俺と彼女の起因ロットアイ

八幡「あぢ~・・・そして暇」

 

風音「暑いよ~・・・以下同文」

 

現在俺達は、夏の暑さにやられて、アイスを頬張りながら、ソファにグデ~、と座っている。風音の家のクーラーが故障してしまったので、隣には風音がいる。何でこの時期にクーラー壊れるかねぇ・・。

 

俺と風音は『I LOVE 千葉』とプリントされたTシャツを、着ている。ペアルックだ。そして、横に目をやると、薄着だから、体のラインがくっきり見えて、地味に汗ばんでいるから、妙に艶めかしい。

 

あ、ちなみに小町は受験生という事で、勉強合宿に行っている。

 

八幡「あ、飲み物きれてんじゃん・・」

 

喉を潤そうと、冷蔵庫を開けたが、麦茶やマッカンが切れていた。

 

八幡「しゃあねぇ。買ってくるか。風音、何飲みたい?」

 

風音「私も行くよ」

 

 

 

近くのコンビニで、麦茶とマッカンを数個購入し、さっさと店を出た。

 

うぅ・・紫外線が皮膚を攻撃してくるよぉ。・・煩わしい太陽ね!

 

「あつーい。ねぇ、外で何するの?」

 

「何も考えてない~」

 

家に向かっている途中、聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「・・ん?あれ?」

 

俺達に気づいたそいつらは、手を振りながら近づいてきた。

 

凛「おー、八幡、風音。やっほ~」

 

飛鳥「おーい。偶然だね~」

 

その正体は、夏用のコーディネートを着こんだ、凛と飛鳥だった。

 

飛鳥「2人共、何してたの?」

 

風音「八くんの家の飲み物が切れたから、買い物してたの。今はその帰り。2人は?」

 

飛鳥「目的もなく、暑いなか、外を徘徊している・・・」

 

何でだよ・・。

 

凛「そういえば、八幡の家って言ってたね。私たちも行っていいかな?」

 

八幡「いいぞ。俺も風音も暇してたし」

 

凛「やった~。じゃあ、行こう」

 

 

≪比企谷家≫

 

凛&飛鳥「「おじゃましまーす」」

 

八幡「取り敢えず、風音とリビングでくつろいでてくれ。飲み物用意するから」

 

飛鳥「うん。ありがとう」

 

凛「うはぁ、涼しい~♪」

 

勢いよく、ソファに背を預けた凛。あなた、結構遠慮しない子ね・・。

 

人数分のドリンクを用意し、4人でソファにもたれかかった。

 

風音「何しようか?」

 

八幡「パーティーゲームなら、結構持ってるぞ」

 

そう言って俺は、テレビ台の引き出しから、WiiU、PS4、ゲームキューブ、64等を取り出した。

 

飛鳥「うわぁ・・いっぱいあるね。懐かしいものもある」

 

凛「あ!あれやろうよ!」

 

凛が指を指したゲームソフトは4人まで対戦できる『スマブラ』だ。ちょうど4人だし、これでいいだろう。

 

八幡「んじゃ、やるか」

 

ゲーム機にソフトを入れ、起動。

 

凛「私は、ピット」

 

飛鳥「私はピカチュウ」

 

風音「私はカービィ」

 

八幡「俺は、昔からルカリオ一択だ」

 

はどうだんカッコいいよね!昔、はどうだんができるリオルが特に好きだった。

 

ルールは、残機が3、制限時間なし、ステージは終点。バトルスタート!

 

はい割愛。

 

飛鳥「そんなぁ・・」

 

凛「まさか、ルカリオがあそこまで脅威だったとは・・」

 

風音「また負けちゃったよ」

 

俺が1位でゲームが終了した。俺は今までルカリオしか使ってこなかったからな、完全に極めているのだ。

 

凛「うぅ~、次はアレ!」

 

八幡「よしきた」

 

次にやるのはマリオパーティ7。

 

飛鳥「ヨッシーで」

 

凛「ルイージ」

 

風音「マリオ」

 

八幡「俺はワリオだ」

 

なんかこの組み合わせ見たことある気がするな・・。

 

はい割愛。

 

 

 

風音「そろそろお昼だね。何か作ろっか」

 

飛鳥「あ、私も手伝うよ♪」

 

時刻は12時ちょい過ぎ、昼飯を作るため、風音と飛鳥はキッチンに行った。

 

凛「じゃあ、料理できない組はまだまだ遊ぼう!」

 

あ~、言った方がいいかな?うん、隠し事はあまりよろしくないよね。いずれ2人にもロットアイを教えなきゃいけないし。

 

八幡「俺も料理できるぞ」

 

凛「うそぉ!?」ガーン

 

 

凛「いやぁ~、美味しかった!」

 

八幡「ごちそうさん」

 

なんか普通に昼飯を共にしてるな・・。

 

風音「何しようか?ゲームも一通りやっちゃったし」

 

八幡「4人で遊べる奴なんて、結構限られてるからな。室内だし」

 

風音「八くんの部屋に何かなかったっけ?」

 

風音が俺にそう聞いてきた途端、凛と飛鳥の目が光りだした。嫌な予感しかしない。

 

凛&飛鳥「「八幡の部屋、入ってみたい」」

 

ほらね。絶対そう言うと思ったよ。

 

風音「2階にあるから、じゃあ行こうか」

 

あ、風音が決めちゃうんですね。

 

 

 

飛鳥「へぇ~、ちゃんと片付いてるね」

 

凛「本がいっぱいある。・・・さて、じゃあ探しますか!」

 

八幡「は?何をだ?」

 

凛「それはもちろん・・・ゴニョゴニョ」

 

凛は、俺にだけ教えず、風音と飛鳥にだけ耳打ちをした。

 

飛鳥「え///」

 

風音「は、八くんはそんなの持ってないよ!///」

 

八幡「マジで何言いやがった?凛」

 

凛「春画」

 

八幡「いや言い方変えてるだけじゃねぇか!んなもんねぇよ!?お前仮にも女子なら、そう言うの自重しろよ!」

 

凛「今仮にもって言ったね!正真正銘の乙女だよ私は!・・こうなったら、絶対見つけ出してやる。定番はベッドの下だね」

 

八幡「だからないって!」

 

凛はベッドの下に潜り込んだ。・・ねぇ、その体勢パンツ見えるぞ。スカートなんだから。そこらへんしっかりしてくれよ。乙女なんでしょ?・・。

 

凛「お!こ、これは!」

 

飛鳥「え、も、もしかして//」

 

風音「八くん・・・」

 

八幡「いやいやないから。からかってるだけだろ」

 

凛「これは、異世界召喚の原点にして頂点!名作ラノベのアニメブルーレイBOX!」

 

風音&飛鳥「「え?」」

 

八幡「・・知ってるのか?」

 

凛「もちろんだよ!私コレ大好き。よく見たら、本もラノベがたくさんある!すごーい!」

 

凛の意外な趣味を知った。

 

八幡「・・・語ろうか?」

 

凛「語りますか」ニヤ

 

その後2時間に及ぶ、アニメ議論が交わされた。

 

八幡「いやー、そこまで知ってるとは・・」

 

凛「私も、ここまで熱く語ったのなんて久しぶりだよ」

 

話し終えた俺達は、喋りすぎて乾いた喉を潤すため、水分補給をした。

 

飛鳥「ね、ねえ八幡」

 

飛鳥が風音を見ながら、俺を呼んだ。俺もつられて風音の方を見る。

 

風音「」プクー

 

頬を膨らませて、眉を吊り上げながら俺を見ていた。あー、さすがにほったらかしにし過ぎたか・・。拗ねちゃったよ。

 

八幡「風音」

 

風音「」プイ

 

可愛いなそっぽ向くとか・・。

 

俺は風音の頭を胸辺りに寄せ、耳に口を近づけ

 

八幡「拗ねてる風音もまた可愛いな。食べちゃいたい」

 

風音「ちょ///」

 

風音はそのまま顔を赤くして、俯いてしまった。でもまたそれが可愛いんだなぁ・・。

 

飛鳥「ねぇ凛。私、口から砂糖出そう」

 

凛「耐えるんだ飛鳥・・。これからもこれはずっと続くの。頑張って慣れよう」

 

なんか失礼な事言ってない?俺の気のせい?

 

 

皆俺の部屋に集まり、今は俺VS風音&飛鳥&凛で大富豪を行っている。俺一人に対して3人は相談し合いながら、ゲームを薦めていく。もちろんカードの枚数は人数に応じて違う。あっちの方が圧倒的に多い。

 

けどあんま意味ないんだよな。枚数多いっていう事は、その分被ってるカードも多いからすぐなくなる。

 

ちなみに負けた方は、相手が出した要求に答えるという結構鬼畜な罰ゲームが待ち受けている。

 

現在はお互い1勝1敗で3戦目。俺は今、かなり追い込まれています。最悪ロットアイ使う。

 

・・・・・・

 

激闘の末、俺が負けてしまった。実に惜しかった。あとちょっとだったんだよ。風音達も俺の奮闘ぶりに焦ってたし。

 

飛鳥「あ、私が決めていい?」

 

凛「いいよ~」

 

飛鳥「実はさっき部屋の奥からこんなものを見つけたんだけど・・・」

 

そう言って飛鳥は、後ろから黒いノートを出してきた。そしてパラパラとページを開き、皆にも見せている。

 

八幡「お、お前・・それ・・」

 

そのノートは、俺が中学生特有の病気にかかった際に書いた中二病全開の設定集。誰にも見つからないように隠していたのに・・。いつの間に。

 

八幡「ま、まさか・・」

 

飛鳥「ここに書いてある呪文を全力でカッコよく詠唱してもらおうかな」

 

うわああぁぁぁぁ!嫌だ嫌だ嫌だ!俺の黒歴史をーー!

 

風音「・・・ぷ」プルプル

 

凛「あっはっはははは!」

 

やめてぇぇぇ!笑わないで追い込まないでーー!死にたい!死にたいよぉー!

 

飛鳥「さぁ、は、やく」プルプル

 

八幡「うう・・くそぅ。・・・・我に宿りし濁の(まなこ)よ。モノクロ世界を創り出し『ピンポーン』・・ア、オキャクサンダ、イカネバ」

 

よっしゃぁぁ!ナイス!神は言っている、ここで死ぬさだめではないと。

 

風音「あ、ずるい!」

 

俺はその場から退却して速足で階段を降り、玄関のドアを開けた。

 

結衣「や、やっはろー・・」

 

そこに立っていたのは、飼い犬?を抱えた由比ヶ浜だった。

 

結衣「あ、あの実はね」

 

凛「八幡逃げるなー!」

 

飛鳥「さあ、早くこの呪文を唱えなさい」

 

風音「誰だったの?」

 

八幡「おーい、お前らいっぺんにしゃべるな。俺は聖徳太子じゃないぞ。んで、なんだ?由比ヶ浜」

 

結衣「え?・・・・あーやっぱりいいや。・・・・じゃあね」

 

何だったんだ?あいつ・・。何か言いたげだったが、すぐに帰ってしまった。何しに来たんだ?・・・・まぁ、どうでもいいや。

 

風音「結衣ちゃん。何しに来たんだろう?」

 

八幡「さぁな」

 

凛「今のって同じクラスの由比ヶ浜さんだよね?」

 

飛鳥「知り合いだったの?」

 

八幡「ん?ああ、単に同じ部活なだけだ」

 

凛「そういえば、部活やってるって前言ってたね。何部?」

 

八幡「奉仕部っつうんだ。俺は強制だけど」

 

風音「私も入ってるの。八くんについていった形でね」

 

飛鳥「なんか意味深・・・」

 

凛「きゃー、ご奉仕されちゃう♪」

 

八幡「おいこら、一体何を想像してる。このビッチ共」

 

飛鳥「ビ、ビッチ!?冗談に決まってるでしょ!//」

 

八幡「ご奉仕されちゃうー(裏声)・・ぷ」

 

凛「なっ!//この~!」

 

風音「2人共。もしかして、そういうネタ好きなの?」

 

風音の目がちょっと冷たくなった。

 

凛「いやいや違うよ!真に受けないで!」

 

凛と飛鳥の弁解は、約5分かかった。

 

 

風音「冗談だよ~♪」

 

風音・・。5分も弁解させておいてそれは・・。

 

飛鳥「うぅ、してやられた」

 

風音「ふふ、楽しいな♪」

 

八幡「あ、そうだ。彩加も誘おうぜ」

 

まだ4時だし。遊ぶ時間もあるだろう。

 

凛「そうだね。彩加にも八幡のノートを見てもらいたいし」

 

八幡「マジでやめてくれ」

 

 

彩加「お邪魔しまーす」

 

八幡「来てくれてありがとな」

 

彩加「僕こそ誘ってくれてありがとう♪」

 

彩加に連絡したところ、ちょうどテニススクールが終わったらしく、そのまま俺の家に来た。

 

飛鳥「おーい、彩加」

 

凛「こっちこっち」

 

彩加を誘導している2人はとあるゲームに夢中になっていた。とにかくインク塗って、時には攻撃、時には生き物に変化して戦略を立てる、という人気のゲームに勤しんでいる。

 

風音「なんか、自分の家みたいにくつろいでるね」

 

八幡「そうだな。俺達もやろうぜ」

 

風音「よし、私たちの力を見せようか!」

 

その後俺達も加わり、俺と風音の無双劇を3人にお見舞いしてやった。

 

そして、あのノートを彩加にも見られ、結局俺は呪文を詠唱するはめになってしまった。皆大爆笑。心を抉られた。

 

飛鳥「あ、そろそろ帰らなきゃね」

 

時刻は7時30分。時間も忘れて遊んでいたな。こんなこと久しぶりだ。

 

凛「またね。八幡、風音」

 

彩加「お邪魔しました」

 

3人が帰ろうとドアを開けたとき

 

ザアァァァァ!・・・ピカーン!ゴロゴロ・・・・

 

見事な雷雨。とても帰れる状態ではなかった・・・。うわ、これに気づかないとかどんだけ楽しんでたんだよ。

 

3人はそっとドアを閉めた。

 

飛鳥「ど、どうしよう・・・」

 

凛「帰れない」

 

どうしようか。これだとおそらく俺の両親も帰るの苦労するだろうな。・・・と噂をすれば、母ちゃんからメールだ。

 

『なんか急に降りだしちゃって。これだと外に出るの危険だから、会社に泊まることにするわ。悪いけど・・。それと、私たちがいないからって、風音ちゃんとヘマはしないでよ。避妊はちゃんと』

 

ほい削除。あのバカ親共帰ったら説教してやる。

 

八幡「風音、どうやら俺の両親も帰れないらしい。会社に泊まるって」

 

風音「そうなんだ」

 

しばらく考え込む5人。

 

凛「泊めて♪」きゃぴるん

 

八幡「そんなかわいく言わなくても、そのまま帰すほど俺は鬼畜じゃねぇよ。風音の家は大丈夫か?」

 

風音「問題ないと思うよ。布団も人数分あるし」

 

八幡「じゃあ、飛鳥と凛は風音の家。彩加は俺の家に泊まってけ」

 

彩加「お泊りか~。なんだか楽しみになってきたよ♪」

 

飛鳥「パジャマとかどうしようか?」

 

風音「ちゃんとあるから心配ないよ」

 

凛「そういえば、風音の家ってどこにあるの?」

 

風音「この家の向かい側」

 

飛鳥&凛「「近っ!」」

 

 

それぞれの家に泊まるという事で、俺達は取り敢えずみんなで晩飯を食っている。風音と飛鳥が調理してくれた。

 

凛「まさか、泊まることになるなって思わなかったよ」

 

彩加「本当だね。でも、僕は楽しいから良かったよ」

 

飛鳥「私も結構楽しんでるよ」

 

八幡「そうだな。折角だからこれを機に俺から言う事もあるし」

 

今の俺の言葉に3人は?マークを頭の上に浮かべたが、風音は笑顔でそっか、と短く返事をした。

 

 

 

皆結構早く食い終わり、さっきの発言が気になったのか俺に視線が集中する。

 

八幡「んじゃ、話しますか。・・えーと、ここに何の変哲もない鉄パイプがあります」ドロドロ

 

飛鳥「どこから出したの?それ・・・」

 

八幡「ほい」

 

俺は鉄パイプを思いっきり握り、粉砕させた。

 

凛「凄い・・・」

 

彩加「どうなってるの?それ」

 

八幡「ん~、まぁ俺の能力みたいなもんだ。中学の時発覚した」

 

俺は【ロットアイ】について、3人に詳しく話した。7話参照。

 

彩加「どうしてその力がついたの?」

 

・・・・全部話しちまうか。遅かれ早かれこうなってただろうし。

 

あ、ちなみに『物語は過去編へ』なんて事はしないよ。過去編だけで1話とか使えないし。

 

八幡「前にある出来事で人間不信になったと言ったが、まぁ予想できるだろ。イジメだ。小5から何かと嫌がらせされることが多くてな。正直うんざりした。教師にも言ったけど、結局収まることは無かったから、我慢し続けてたんだ。風音には上手く誤魔化せてたから、巻き込まれることは無かった」

 

飛鳥「そっか・・・そんなことが・・」

 

八幡「最初は俺だって、友達はほしいと思ったし、青春というものを味わいたかった。・・・けど、絶望したよ。あんなのが青春だと。あんなのが友情だと。だったら、そんなものいらねぇよ、って悔しさで一杯だったよ。あんなのを求めてた自分にも腹が立ったね。

 

もう何もかも欺瞞にしか見えなくて、目に見えるものすべてが白黒、モノクロでしか見えなくなった」

 

凛「酷い話だね・・・」

 

八幡「でもな、全てが白黒でも、はっきりと色がついたものが俺を抱きしめて慰めてくれたんだ。それが風音だ。現に、ロットアイ状態でも風音だけが色づいてる。不思議だよな。それで風音に『八くんは何がしたいの?』って言われて、俺の中にあるものが芽生えたんだ」

 

彩加「それって・・・」

 

八幡「『撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけ』。俺は小6の時、復讐を決意した。俺はあらゆる手を使って、俺をイジメてた奴に制裁を加えた。録画に録音、体のアザの写真、これらを全校放送で流してやった。写真もばら撒いてやったさ。・・・そんで、彩加には見せたが、この肩の傷にも関係ある」

 

俺は喋りながら、傷跡がついている肩を見せた。

 

八幡「流し終わった後、教師たちが一斉に教室に入ってきて、イジメていた奴らを連れ出そうとしたんだ。けど、逆ギレされて、1人相手に俺をリンチしようと迫ってきたんだよ。まぁ、全員返り討ちにしたけど。おそらくこれが初めてのロットアイだと思う。でも、1人だけカッターを振りかざして、俺の肩を思いっきり切ったんだ。そこで俺は意識を失った。」

 

風音「八くんには何もするなって言われてたんだ。けど、まさかあんなことになるなんて思わなくって。私もパニックになっちゃって。すごい泣いちゃったの」

 

八幡「俺が目を覚ましたのはその2日後だ。カッターとロットアイの消耗で眠ってたんだと思う」

 

彩加「・・・それで、そのイジメてた人たちはどうなったの?」

 

っ・・!俺にそう聞いてきた彩加は、険しい顔になっていた。凛と飛鳥もだ。

 

八幡「どこかに引っ越したよ。おそらくかなーり遠くの方に。俺もそれ聞いて安心した。・・・んで、俺が目覚めたら風音が『八くん、よかった。八くーん!』って思いっきり抱きつきながら、泣いちゃって」

 

すると、皆の視線が風音に集中した。すんごい優しい笑顔で風音を見てる。

 

風音「それは言わなくてもいいじゃん・・・///」

 

八幡「その後に俺と風音の両親も駆けつけてくれたんだ。てっきりなんか言われるかと思ってたけど、『気付いてやれなくてごめんな』って逆に謝られちゃって・・。そんなんだとこっちが申し訳ないって思っちまうだろう

ま、昔の話はこれで終わりだ。悪いな、雰囲気暗くして」

 

凛「ううん。ありがとう、話してくれて」

 

八幡「俺が昔の事を話したってことは、もうお前らには信頼を寄せている。っていう事にしといてくれ」

 

飛鳥「本当にそう?八幡」

 

八幡「え?」

 

飛鳥「ちょっとそのロットアイってやつになってみて」

 

そう言われて、お望み通り目を濁らせた。

 

飛鳥「私たちに色はついてる?」

 

ッ!成程。そういう事ね・・。

 

八幡「ついていないな。正確には白黒だが、他と違ってはっきりと見える感じだな」

 

飛鳥「そっか。じゃあ、私たちは八幡に色を認識させることを頑張ろう。それでやっと、完全に信頼を寄せていることになるよ」

 

凛「そうだね。よろしくね、八幡」

 

お前らいいやつ過ぎるだろ・・・。そんなに俺を泣かせたいか?

 

八幡「わりぃな。こんなめんどくさい人間で」

 

彩加「はい。自虐は無しだよ、八幡」

 

風音「八くん、あんまり卑屈になっちゃダメだよ。じゃないと私たちが悲しむんだから」

 

凛「そうだよ八幡。もっと自分を誇りなさい!」

 

八幡「はは・・分かった分かった。と、そろそろ夜も更けてきたし、凛と飛鳥は風音の家に入っとけ」

 

飛鳥「そうしよっか。風音、お邪魔するね」

 

風音「うん。じゃあね、八くん」

 

凛「また明日遊ぼうね~」

 

八幡「その前にちゃんと自宅には帰れよ」

 

風音達に別れを告げ、俺と彩加だけになった。

 

八幡「彩加、先に風呂入っていいぞ」

 

彩加「そんな悪いよ。八幡が先に」

 

八幡「遠慮するなよ。テニスの後だったんだから」

 

彩加「うん、分かった。じゃあお先に」

 

彩加はそのまま浴場へ行き、俺は自室に入った。

 

八幡「」ポロポロ

 

1人きりになったと頭が認識した途端、抑えていた涙が滝のように流れ出した。

 

八幡「く・・・」ポロポロ

 

手で目を押さえても、止まらない。

 

その夜、俺はそのまま眠ってしまったようで、目覚めたら日が昇っていた。そして横には添い寝の形で彩加が眠っていた。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

個人的に由比ヶ浜は好きじゃありません(唐突)
pixivから由比ヶ浜に制裁を、という意見が寄せられました。

そんなわけで、由比ヶ浜退部というルートも考えてたりします。そして、書き溜め期間に入ります。

また次回。

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