俺と彼女のハイスクールライフ   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

14話突入。

八幡、変わります。


14話:俺と彼女の心境アルターレイション

自分は何がしたいのかがはっきりわかり、風音から勇気をもらった遠足の日から2日後の月曜日の4限目。外は雨が降っていて、少し湿気がある。現在は、遠足のグループが集まり、先生から遠足の感想を書けと紙を渡され、俺達は、それに取り組んでいる。

 

わざわざ集める必要なかったんじゃないかと思ったが、むしろ好機だった。今まで抱いていた疑念を晴らすチャンスがきたんだからな。

 

八幡「なぁ、ちょっと話をしていいか?」

 

俺は目の前で感想を書いている2人、八重島と九重に話しかけた。

 

凛「ん?どうしたの?」

 

八幡「何で、俺達とグループを組む気になったんだ?クラスで常に1人の奴と一緒に遠足に行きたいとは思わない気がするんだが・・・」

 

この俺の質問に、2人は目を見開いて、ポカーンとしていた。

 

飛鳥「あ、やっぱり気付いてなかったんだ」

 

え?何に?

 

凛「この際だから、教えた方がいいかもね。比企谷君ってクラスでは誰にも気づかれていない、存在が希薄な人だって思ってるでしょ?」

 

八幡「そ、そうだけど」

 

なにこの子、エスパー?普通に見破られちゃってんだけど・・・。

 

凛「全然そんな事ないよ」

 

八幡「え?」

 

俺さっきっから驚いてばっかりだな。それを構わず2人は話を続ける。

 

飛鳥「あのね、比企谷君ってちゃんとクラスの人には認識されてたんだよ。けど、その目と俺に関わるなっていう雰囲気を出していたから、誰も近寄らなかっただけなんだよ」

 

凛「そうそう、それと眼鏡かけてから、人に見られるようになったでしょ?」

 

八幡「そうだな。凄い視線が痛かったな」

 

凛「その眼鏡の影響で、目と雰囲気が変わっているように見えたから、皆気になったんじゃない?」

 

マ、マジかよ・・・衝撃事実だ。今まで自分のステルス能力だと自負していたのに。まさかの自惚れだったとは・・。

 

飛鳥「私達、前から声かけようとしても掛けられなかったんだからね」

 

八幡「そうだったのか?」

 

凛「そうだよ。逆に何であそこまで他人と関わりたくなかったのか気になってくる・・」

 

話すべきなのか・・・。いや、一歩進むって、風音と約束したんだ。勇気をもて、比企谷八幡。

 

八幡「実はな、ちょっと重い話になっちまうんだが、過去に色々あってな。人が信用できなくなってたんだ。そのせいか人と関わることが嫌になって、むしろ他人の交友関係を色々悪しざまに言ったりとか、最低な事をしてたよ。

けど、高2になって、人と関わることが増えて、それを嫌と感じていない自分がいるんだ。遠足だって、こんな楽しい日になるなんて思わなかった。やっぱ人が嫌いでも、心のどこかでは、そういうのを求めてたのかもしれない」

 

凛「・・・」

 

飛鳥「・・・」

 

彩加「・・・」

 

皆、俺の話を聞き入ってくれている。その真剣な顔に、嬉しさが込み上げてきた。

 

八幡「けど、やっぱり人に対する不安は拭えない。そんな葛藤をしていたら、彼女から『素直になったら』って言われて、一歩進もうと決めたんだ。それに、彩加に八重島、九重は、こんな俺と関わりをもってくれた。だから、3人を信用したいと思って、今こうして話そうと決めたんだ」

 

俺が話を終えると、左手に温かい温もりを感じた。彩加の手だ。

 

彩加「八幡、ありがとう。話してくれて」

 

凛「それが、比企谷君の本物の気持ちなんだね・・・」

 

飛鳥「よかったよ。比企谷君の気持ちが分かって」

 

凛「私たちを信用したいって言ってくれて、嬉しいよ」

 

っ!・・・今までの俺だったら、この言葉に不信感を抱いていた。けど、彩加たちの言葉には、嘘偽りがないと、そう思えたのだ。

 

八幡「なぁ、その・・・俺と、友達になってくれないか?」

 

彩加「僕たち、もう友達なんじゃないの?」

 

凛「私たちはもう、友達だと思ってたんだけどな~」

 

飛鳥「比企谷君は、違うの?」

 

八幡「え?いや・・・そうなのか?」

 

俺が曖昧に返事をすると、八重島と九重は、俺の手を片方ずつ取り、握手の形で握ってきた。

 

飛鳥「私たちは、もう友達だよ」

 

凛「今の話を聞いてた限りでは、完全な信頼はされてないと思うけど、比企谷君が私たちを信用できるように、頑張るよ」

 

俺はこの時、風音とは違う、また1つの『本物』を垣間見た気がした。そう、第2の『本物』というやつを・・。

 

八幡「その、ありがとな。俺と、友達になってくれて・・」

 

飛鳥「アハハ、友達になってくれてありがとうって、初めて聞いたよ」

 

彩加「じゃあ、この後の昼休み、このメンバーで昼ご飯食べようよ!」

 

凛「あ、いいねいいね♪そうしよう!」

 

風音、何度も言うけど、ありがとう。俺は、少しだけ、克服できたのかもしれない。頑張るよ・・。

 

 

4限が終わり、約束どおり、彩加、八重島、九重が集まった。

 

各々持ってきた弁当箱を開く。今日の風音の弁当は野菜中心だな・・。

 

「「「「いただきまーす」」」」

 

うむ、風音、また腕を上げたじゃないか・・。もう店に出していいレベルだぞ。

 

凛「ほぉ~、やっぱり飛鳥の弁当綺麗だな~」

 

飛鳥「え?そうかな、普通だと思うけど・・」

 

褒められるのが恥ずかしいのか、微笑を浮かべる八重島。でも、正直本当に綺麗だからな。

 

凛「しかも自分で作ってるからね」

 

彩加「へぇ~、八重島さん、料理できるんだ」

 

飛鳥「そんなできるわけじゃないよ。主婦並みだよ」

 

それ、高校生からしたら、結構凄いことだからな。

 

飛鳥「比企谷君のは、やっぱり彼女の手作り弁当なの?」

 

八幡「ああ。毎日作ってもらってる。栄養バランスも考えられて、すげぇ美味い」

 

凛「愛妻弁当だね」

 

八幡「まぁ、過言ではないな」

 

凛「お、言うねぇ~」

 

飛鳥「戸塚君のは、お肉が中心だね」

 

彩加「うん、僕運動してるからね。多めに入れてもらってるんだ」

 

八幡「テニス部だもんな、彩加。どうだ?アレから・・」

 

彩加「そういえば、あの試合見てテニスに興味をもって、入部してきた人が結構来たんだ♪部員が増えて嬉しかったよ」

 

八幡「そうか・・。よかったな」

 

いやぁ~依頼達成できててよかった。疲れたかいがあったな。

 

その後も、他愛のない会話が続いた。別に何も思いつかなかったわけじゃないんだからねっ!うん、すっげぇ気持ち悪い。

 

 

人生で初めての友達との昼食も終わり、5限も6限も何事も無く終わった日の放課後。彩加たちに話しかけられた。

 

彩加「八幡、この後って時間ある?」

 

八幡「ああ、少し前に色々あって、今は部活休止してるから、大丈夫だぞ」

 

凛「この後、遊びに行こうかな~、とか話してたんだよ。比企谷君も、彼女と一緒に行かない?」

 

八幡「じゃあ、ちょっと聞いてみるわ」

 

スマホを取り出し、風音に電話を繋げる。

 

八幡「あ、もしもし、風音。実は、ちょっとF組に来てほしいんだ。・・・・そうか、分かった、ありがとう」

 

風音から、いいよ、と了承を得たという事で、しばし待つ。

 

数分後、風音がやってきた。

 

風音「あ、八くん。・・・・ふふっ、一皮むけたみたいだね」

 

八幡「まぁな、風音のおかげだよ。・・・・俺の後ろにいる3人が、俺の人生で初めての、友達だ」

 

俺は少し体を逸らして、風音と彩加たちを対面させた。

 

風音「初めまして、八くんの彼女の新島風音です」

 

凛「九重凛、よろしくね」

 

飛鳥「八重島飛鳥です」

 

彩加「新島さん、久しぶりだね」

 

風音「そうだね。テニスの一件以来だね。それで、八くん、どうしたの?」

 

八幡「ああ、風音も誘って、一緒に遊ばないかって話になったんだよ」

 

飛鳥「大丈夫かな?」

 

風音「うん、大丈夫だよ。誘ってくれてありがとう。・・・あ、八くん、ちょっと話したいことがあるから、外してもらっていい?」

 

八幡「ああ、分かった」

 

 

 

凛「どうしたの?」

 

風音「うん、ちょっとお話がしたくて。皆は、昔の八くんの事聞いた?」

 

飛鳥「はい、今日聞きました」

 

風音「それを聞いて、何か思ったことはある?」

 

凛「・・・嬉しいなって、思った。私たちに話してくれて。ああいう話って、中々他人に言えることじゃないからね。だから、嬉しかった」

 

飛鳥「私も。比企谷君の本音が聞けて良かったと思ったよ。私たちを信じたいって言ってくれて、嬉しかった」

 

彩加「だからね、僕達は八幡と友達になって、お互いが信頼し合えるように、頑張ろうって、約束したんだ」

 

風音「・・・そっか。ありがとう♪変に詮索しちゃってごめんね」

 

飛鳥「彼氏の事なんだから、気になることはしょうがないよ」

 

風音「じゃあ、八くん呼んでくるね」

 

 

 

壁に寄りかかって、物思いにふけっていたら、風音が呼びに来た。どうやら、話が終わったらしい。

 

そして、彩加たちの下へ、2人で戻る。

 

八幡「何を話してたんだ?」

 

風音「八くん、いい友達をもったねって話」

 

八幡「なんだそれ・・・。まぁ、そうかもな」

 

凛「それじゃあ、遊びに行こっか♪場所はもう決まってるんだ」

 

八幡「どこに行くんだ?」

 

凛「ムー大陸」

 

 

そんなわけで俺達は、稲毛駅近くのムー大陸にやってきました。学校帰りに同級生とゲーセンって、リア充っぽいな・・・。

 

八幡「どうだった?彩加」

 

彩加「うん、いいって」

 

彩加は門限があるから、今は親に交渉してたんだ。

 

彩加「何度かお願いして、許しもらえたんだ~♪」

 

飛鳥「・・・ちなみに、どうやってお願いしたの?」

 

彩加「え?・・・・いい?って」ウルウル

 

凛「ぐはぁ!」

 

あまりの透明感のあるエンジェルボイスに、九重がノックアウトされた。

 

こんな声出されたら、誰だろうと断ることができない。断った日には、罪悪感に苛まれるレベルだ。

 

風音「おお・・これは・・。目覚まし時計にセットしたい」

 

俺もしたい。

 

彩加「早く入ろう!」

 

彩加は楽しみにしていたのか、ウキウキしながら入っていった。なんだろう・・この、子を持った親の気分は。

 

 

飛鳥「まずは、UFOキャッチャーのコーナーにやってきました」

 

凛「急にどうしたの?飛鳥」

 

飛鳥「いや、なんか言わなきゃって使命感が突然きたの」

 

あ、それ俺にもあるんだよな~。なんなんだろうな、見えない何かの力が働いてるのか?

 

風音「いっぱい種類あるね。・・・ほとんどが八くんの好きなフィギュアだけど」

 

え、ちょっと風音さん。何いきなり俺の趣味暴露しちゃってるんすか!?皆俺を見てる、やめてぇ・・。

 

彩加「八幡、ああいうのが好きなの?」

 

彩加は頬を朱くしながら、水着の二次元キャラフィギュアを指さした。ちょっとまてぇ!?

 

八幡「いやいやいやいや、誤解するな。フィギュアって言っても、ジャンプ系だからな。勘違いするなよ」

 

弁解をしても、俺に対する視線は変わらない。

 

すると、九重が口を開いた

 

凛「うん、人の趣味は、人それぞれだよね♪」

 

飛鳥「うん、どんな趣味を持ってても、私たちの友情は、変わらないよ♪」

 

優しい笑顔で言ってきた。

 

八幡「誤解だーーーー!!」

 

嘆きの叫びをあげながら、風音の方を見ると、悪戯が成功した子供のように笑顔で舌を出した。クソッ、可愛いじゃねぇか。

 

 

凛「あ、これいいね」

 

飛鳥「うん、可愛い♪」

 

ガラス越しで指を指した先には、アンゴラウサギのもふもふしてそうな大きいストラップだ。

 

彩加「わぁ!ウサギウサギ!」

 

彩加は目をランランに輝かせている。そういや、ウサギ好きだったな。

 

それにしても、アンゴラウサギか・・。なんかこう、心がぴょんぴょんするな!

 

あ、そんなこと考えていたら、UFOキャッチャーで遊び始めたぞ。頑張れ。

 

凛「うぅ~、難しいよ~・・・」

 

彩加「やった~。取れた♪」

 

飛鳥「え?」

 

彩加「ほら」

 

八幡「マジか・・。彩加、得意だったのか?」

 

彩加「そうだよ。僕、ゲームセンター大好きだからね」

 

八幡&風音&凛&飛鳥「(意外)」

 

凛「じゃ、じゃあ戸塚君!アレ、取れる?」

 

彩加「えっと、アレだね。任せて!」

 

飛鳥「小さい背中なのに、大きく感じる、頼もしいよ!」

 

そして、彩加はターゲットを難なくゲットし、九重に渡した。

 

凛「ありがとう♪戸塚君」

 

彩加の意外な特技を発見した。

 

飛鳥「戸塚君、私もお願いしていい?」

 

彩加「もちろん♪」

 

彩加は、慎重に見極めながら、ボタンを長押しする。そして、アームが上に上がると

 

彩加「やった~!3個同時取り♪」

 

ぴょんぴょんと跳ねながら喜ぶ彩加に対して、後ろの俺達は呆気に取られていた。

 

まさか、ここまでとは。【ロットアイ】でも、彩加よりも上手くできる自信がない。それくらい凄い。

 

飛鳥「あ、せっかくだから、比企谷君と風音ちゃんにもあげるね」

 

そう言って、俺達に残りの2匹を渡してきた。

 

風音「あれ?いいの?」

 

飛鳥「うん、これでみんなお揃いだよ♪」

 

俺は、渡されたストラップを目の前に掲げる。

 

嬉しくて頬を緩むどころか、口元から笑みがこぼれた。

 

彩加「あ、八幡笑った」

 

凛「何!しゃ、写真を」

 

八幡「撮らんでよろしい」

 

風音「私の携帯にはいっぱい入ってるよ」

 

飛鳥「本当に!」

 

八幡「送らんでよろしい!」

 

いや、本当に送らないでね・・・。恥ずかしいから。

 

 

UFOキャッチャーコーナーから離れ、見回っていたら、ある機体が目に止まった。

 

老若男女楽しめる太鼓ゲーム、『太鼓でドン!』だ。中学の時、風音と勝負したことある。全敗したけど・・。

 

凛「あのゲームね、飛鳥が凄く上手いよ。難易度鬼も普通にできるし」

 

八幡「ほぉ、すげぇじゃねぇか」

 

またしても、意外な事実を発見した。

 

飛鳥「そんな持ち上げないでよ・・。しばらくやってないから、腕落ちてるかもしれないし。・・ていうかこれ、やんなきゃいけない流れかな?」

 

凛「せっかく来たんだから、やってこう!」

 

飛鳥「それもそうだね。誰か一緒にやろうよ?」

 

風音「じゃあ、私がやろうかな」

 

今の話を聞いて、この中で八重島に対抗できるのは、風音ぐらいだろう。やったれぇ!風音ぇ!

 

2人は100円を投入し、バチを手に持ち、曲を決め、構えをとる。

 

その瞬間、八重島の雰囲気が、がらりと変わった。

 

周りの空気が徐々にピリピリとし、思わず息を飲むほど、険しくなっていった。

 

そして、曲が始まった。

 

八重島と風音、お互い譲らず、恐ろしい速さで太鼓を叩く、叩く、叩く!

 

す、すげぇ・・。なにこの一つのミスすら許されない戦いは・・・。

 

この勝負は、八重島の勝ちで終わった。風音は負けてしまったが、かなりの僅差だった。

 

飛鳥「凄いね。風音ちゃん」

 

風音「伊達に八くんと、勝負してきてないからね♪」

 

 

大分日も傾いた頃、最後は九重の提案で、プリクラを撮ることになった。九重と八重島は手馴れた手つきで、画面をタッチし、進めていく。

 

そして、皆が一斉にピースをした。え、ちょっと待って、もう始まるの?と、取り敢えず、カメラを見てるか・・・。

 

パシャッ!と瞬間にカメラが発光した。

 

八幡「うわっ、すげぇ補正されてる・・・」

 

皆、目が大きくなって、キラキラしてる。・・・・あれ?補正されてるよね?俺の目は濁ったままなんだけど。最早機械ですら敵わなくなっちまったというのか。泣けてくるぜ。

 

俺以外の4人は写真をデコレーション?している。ちょっと覗いてみようかな。どれどれ・・

 

4人の背中越しに、画面を覗きに行くと、そこには・・

 

『友達記念』

 

と、描かれていた。

 

・・・やばい・・マジで泣きそう・・。目頭が熱い。こらえろ・・こらえろ、俺。

 

 

 

風音「はい、八くん」

 

プリントされた写真を渡された。

 

そこには、無表情の俺の横に、他の4人がピースをしたり、何かとポーズを決めている姿が写っていた。

 

八幡「ありがとな」

 

彩加「楽しかったね♪」

 

飛鳥「うん♪」

 

凛「どうだった?比企谷君。初めての友達との遊びは」

 

八幡「・・・ああ、すげぇ楽しかったよ」

 

凛「そっか。それはよかった」

 

風音「皆、ありがとうね。私も楽しかった!」

 

凛「うん、私も楽しかったよ。・・・じゃあさ、皆下の名前で呼び合わない?」

 

八幡「え?・・・いや、さすがにそれは・・」

 

ハードルが高すぎる・・。

 

飛鳥「凛、さすがに無理じゃない?ほら、さすがに彼女の前だとね・・・」

 

凛「え・・う~ん、そっか~・・」

 

風音「私はいいよ」

 

え?・・許しちゃうの?そんな緩いと、逆に俺が少し拗ねてしまうんだが・・。

 

風音「八くんの初めての友達だし。それに、私も今日楽しかったから、名前で呼び合いたいな。あ、でも『八くん』って呼ぶのはダメだよ」

 

凛「やった!ありがとう。・・じゃあまず、比企谷君、呼んでみて!」

 

へぁ!いきなり俺っすか?ちょっ、勘弁してくださいよ~マジ。お願いだから、俺に視線を集めないでぇ・・。

 

風音「ほ~ら、八くん」

 

八幡「分かったよ。・・・り、凛」

 

凛「よし!」

 

八幡「飛鳥」

 

飛鳥「は~い♪」

 

彩加「じゃあ僕も、凛と飛鳥って呼べばいいんだよね?」

 

飛鳥「もちろん♪・・私たちは比企谷君のこと、何て呼べばいいかな?」

 

風音「普通に下の名前でいいんじゃない?」

 

凛「あ、いいんだ。・・じゃあ、八幡」

 

飛鳥「八幡」

 

うおぉ・・なんだこの感じ。ちょっと照れ臭い・・。

 

凛「じゃ、明日からよろしくね」

 

飛鳥「また明日~」

 

風音「うん、じゃあね~」

 

八幡「じゃあな」

 

 

≪帰り道≫

 

八幡「なぁ、風音は俺が名前呼びされたりとか、呼んだりとか、その、嫌とか感じないのか?いや、この質問自体していいのか分からなかったんだけど・・」

 

風音「他の人だったら、もちろん嫌だよ。あの2人は特別、八くんが一歩踏み出して、信頼を寄せた友達だもん。それに、私も凛と飛鳥と遊んで、楽しかったし♪」

 

八幡「そうか」

 

ちゃん付けしてないという事は、風音はもう信頼を寄せているのだろう・・。

 

 

《翌日》

 

教室に入ると、先に来ていた凛と飛鳥が駆け寄り

 

凛「おはよう!八幡!」

 

飛鳥「おはよう!」

 

と元気よく、片手を挙げて挨拶をしてきた。

 

そして、人間の習性である、同調行動が発動し、同じ行動をしてしまった。

 

八幡「お、おはよう」

 

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

また次回。

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