俺と彼女のハイスクールライフ   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

13話突入。

読み返し、修正を何回も繰り返した話です。

それでは、ご覧ください。


13話:俺と彼女の横浜サイトシーン

7月某日、総武高の行事の一つ、遠足が今日始まろうとしています。今は、風音と一緒に学校へ向かっている。

 

八幡「暑くなってきたな~」

 

風音「本当に・・・。暑い」

 

ぐったりと腕をぶら下げている。風音は暑いのてんでダメだからなぁ。

 

俺はカバンに入れてある保冷剤を手に持ち、風音のうなじにピタッと当てる。

 

風音「ひゃっ!・・って、ちょっと八くん!」

 

八幡「ほら、こうすれば涼しいだろ」ピトッ

 

風音「冷たっ・・・もう!お返し!」

 

風音は素早く俺の手元の保冷剤を盗り、俺のYシャツの中に入れた。

 

八幡「うお!ちょっ、冷てぇ!」

 

風音「あっははははは」

 

 

 

保冷剤の奪い合いをやりながらも、総武高に着いた。校門近くの駐車場には、バスが何台か並んでいた。結構デカい。

 

明菜「あ、おーい!風音ー!比企谷君ー!」

 

一華「おはよう~」

 

俺達の名前を呼び、こっちに歩いてきたのは、風音と班になった神童と神崎だ。

 

風音「おはよう」

 

明菜「比企谷君、おはよう」

 

八幡「ああ、おはよう」

 

一華「私たちの乗るバス、奥の方だよ。もう行ったほうがいいかも」

 

風音「分かった。じゃ、八くん、また後で」

 

八幡「ああ」

 

一華「しばらく離れるんだよ?さぁ、キスを」

 

また、それ言うのかよ。もう大分生徒集まってきたのにできるわけねぇだろ。

 

八幡「あのなぁ、こんなとこrッ!」

 

風音は構わずに、俺にキスをしてきた。

 

一華「」ニヤニヤ

 

明菜「おお~・・」

 

風音「じゃ、八くん♪」

 

八幡「お、おお。楽しんでこいよ」

 

風音「八くんもね♪」

 

風音、すごいご機嫌だったな。ヤバい、ニヤついちまう・・。

 

さて、俺も乗るバスの確認をしなきゃ。

 

飛鳥「//」ジ~

 

凛「」ジ~

 

彩加「///」ジ~

 

後ろを振り向くと、バスの陰で顔半分だし、ジ~っとこちらを見ている同じ班の人がいた。

 

あれ?デジャヴ?なんか前にもこんなことなかったっけ?ていうかクラスメイトに見られた!?

 

八幡「なにやってんだ?お前ら・・・」

 

俺は彩加たちの下へ行き、質問を投げた。

 

飛鳥「へ?いやぁ~、あはは」

 

凛「思ってた以上にお熱いね~」

 

彩加「あ、八幡//」

 

クソゥ・・。よりによってこいつらに・・。そして彩加、何故お前が恥ずかしがっている、明らかに一番恥ずかしい思いをしてるのは俺なんだけど・・。

 

凛「あ、写真撮ったよ」

 

八幡「今すぐ消しなさい!?」

 

 

なんやかんやあって、バスに乗り始めた。・・・なんやかんやは、なんやかんやです。

 

結構豪華だぞ。2人ずつ正面を向き合いながら座れて、間にはテーブルが置いてある。こういうのって電車でしか見たことなかったが、バスにもあったのか・・・。

 

分かりやすくするとこんな感じだ。

 

 

通路側

―――――――――――――

 

八幡 テ 飛鳥

   | 

彩加 ブ 凛

   ル 

―――――――――――――

窓側

 

担任「よし、それじゃあ、横浜へ出発します。走行中は立ち上がらないでください。その他は何をしててもいいです」

 

そこまで自由にしていいのか?先生・・・。

 

ここから、横浜までは約3時間かかるらしい。どうしよう・・寝ようか?

 

彩加「そういえば、バスでは何か遊ぶの?」

 

凛「うん、色々持ってきたから、有意義に過ごそう。ほら」

 

九重がバッグから取り出したのは、UNO、トランプ、知恵の輪、キャット&チョコレート、人狼ゲーム、ミニチェス、折り紙等々、多種多様の遊び道具を出した。あんた、何しに来たんだよ・・・。

 

飛鳥「そんなに必要ないでしょ・・。人狼ゲームとかマニアック過ぎない?」

 

彩加「知恵の輪って、皆黙っちゃうんじゃないかな?」

 

凛「確かに・・。やみくもに持ってきたのが間違いだったか」

 

飛鳥「まずはトランプでいいんじゃない?」

 

凛「そうだね。よし、大富豪をやろう!ルールはわかる?」

 

大富豪か、あれ地域によってカードの効果とか違ってくるよね・・。結構ややこしい。

 

8切ってあるけど、俺なら本当の8切ができるぞ。八幡だけに・・・。なんちゃって。

 

 

※大富豪の勝負描写はカットです。

 

 

彩加「はい、上がり」

 

飛鳥「えぇぇ!」

 

八重島が最下位、大貧民となった。ちなみに俺は富豪、九重が大富豪だ。

 

凛「はい、それじゃあ飛鳥。罰ゲーム」

 

飛鳥「えええ!聞いてないよ!」

 

凛「嘘嘘。いやぁ~思った以上に盛り上がったね」

 

彩加「そうだね。すごい燃えちゃったよ!」

 

その後もUNO等のカードゲームで遊び、折り紙も何故かやった。ていうかなんで折り紙持って来たんだ?

 

折り紙に関しては、俺の作った作品である折り猪を見て3人とも目を輝かせていた。その後、3人に希望の動物を作ってほしいと言われ、八重島には犬、九重には馬、彩加には兎を折ってあげた。おかげで、超絶疲れています。

 

飛鳥「すご~い。どういう仕組みなんだろう」

 

凛「本当に・・折り紙だけでここまでの再現度とは・・・」

 

彩加「可愛い♪ありがとう、八幡」

 

八幡「よ、喜んでくれて、何よりだ・・・」

 

ぐったりと机に突っ伏す俺。

 

凛「折り紙、ありがとね、比企谷君。・・・え~と、あと1時間ぐらいだね。じゃあ、お喋りでもしてようか」

 

九重は、バッグからお菓子類をテーブルに並べた。いや、だから何で持って来たんだよ・・・。ちょっと楽しみにし過ぎじゃない?いや、いいんだけどね。

 

飛鳥「比企谷君は彼女いるけど、戸塚君は彼女欲しいとは思わないの?」

 

彩加「え?僕?う~ん、まだ考えたことなかったなぁ。僕が男女交際なんて想像できないや」

 

凛「そっか~。でも、告白されたことはあるんでしょ?」

 

彩加「まぁ、されたことはあるけど//でも、何故か男子にも好きって言われた事あるんだよね。何でだろう?」

 

八幡&飛鳥&凛「「「(((納得できる)))」」」

 

彩加「そういう2人は?恋人とかいないの?」

 

段々高校生らしい会話になってきたな。

 

凛「私?いないよ」

 

飛鳥「私も、好きな人も特にいないし」

 

八幡「え、そうなのか?」

 

彩加「へぇ、意外だね」

 

俺達のこの言葉に、戸惑いの顔を見せる2人。いや、実際に結構驚いた。てっきりいるものだと彩加も思ってたらしいし。

 

飛鳥「何で意外って思ったの?」

 

八幡「2人とも顔立ちは整ってるし、普通に可愛いからいると思ってた」

 

彩加「うん、美人さんだからね、2人とも」

 

俺と彩加の嘘偽りない返答に、2人は次第に顔を赤くしていった。

 

凛「え//・・・・あ、ありがとう///」

 

飛鳥「び、美人//・・ありがと//」

 

あれ?俯いちゃった。なんかゴニョゴニョ言っているが、触れないでおこう。

 

凛「そ、それよりも次、比企谷君。彼女さんとはどうなの?」

 

八幡「え?俺も話すのか?」

 

凛「うん。皆話したから、比企谷君の番」

 

八幡「まぁ、俺だけ言わないのは卑怯だな。言える範囲で話すよ。なにが知りたいんだ?」

 

飛鳥「じゃあ、まず、出会いは?」

 

八幡「生まれたときだな」

 

飛鳥「・・・・・え?」

 

凛「どういう意味?」

 

八幡「ああ、彩加はもう知ってるが、俺と彼女は同じ日に同じ病院で生まれたんだ。そこで親同士が知り合ったって感じだ」

 

凛「なんとも運命的な出会い方・・・」

 

飛鳥「凄いね!それじゃあ、幼馴染みってわけだ」

 

八幡「そうだな。それで、いつも2人で遊んで、小学校卒業を機に告白したんだ。そして今に至るな。後は特になし」

 

あれ?俺普通に話しちゃってる・・・、大丈夫かな?なんか後から怖くなってきたんだけど・・。

 

飛鳥「おお~、いいね。素敵だよ~」

 

凛「うんうん、いい話が聞けたよ。あ、これ食べよ~」

 

まだ食う気かよ。この後中華街行くのに、そんな食って大丈夫か?

 

飛鳥「はい、比企谷君」

 

八幡「もらっていいのか?」

 

飛鳥「水臭い事言わないの。はい」

 

八幡「あ、ああ」

 

半ば強引に、俺はチョコ菓子をもらった。うん、美味いな。

 

 

色々遊んだり、喋っているうちに、あっという間に横浜に着いた。現在は10時。ちょっと楽しみになってきた。

 

担任「それじゃあ、ここからは自由行動です。15時までには再びここに集合してくださいね」

 

凛「取り敢えず、中華街まで行こう♪」

 

 

《中華街》

 

凛「どこの店が美味しいかな~?」

 

飛鳥「そうだね、いっぱいあるからどこにすればいいか迷うよね」

 

彩加「あ、僕美味しい店知ってるよ。一度来た事があるんだ」

 

飛鳥「本当!じゃあ、そこにしようか」

 

行先が決まったらしいから、彩加についていく形で、俺達は昼食を食いに向かった。

 

彩加「ここだよ」

 

店の名前は『竜海飯店』と言うらしく、オーダー式食べ放題という何とも嬉しいシステムだ。

 

中国人店員に誘導され、俺達は丸いテーブルを囲うように座る。

 

飛鳥「お~、凄い。回る回る♪」

 

中華料理店名物の回るテーブル。誰しもが一回は遊びで回してしまう代物だ。

 

しばらく待って、ようやく注文の品がきた。

 

俺と彩加はチャーハン、意外と量がある。八重島と九重は、エビチリだ。その美味しさに舌鼓を打つ。

 

食っているうちに、どんどん料理が運び込まれ、テーブル全体が料理によって埋め尽くされた。

 

八幡「おいおい、こんなん食いきれるのか?」

 

凛「あはは、つい頼みすぎちゃったね。でも美味しいから食べきれるよ!」

 

飛鳥「あ、これも美味し~♪」

 

彩加「あ、八幡。その小籠包、一個もらっちゃだめかな?」

 

八幡「おう、いいぞ。熱いから気を付けろ」

 

彩加「ありがとう♪」

 

 

凛「美味しかったね~♪」

 

八幡「まさか本当に食い切るとは・・・」

 

こいつ、普通に俺より食ってたぞ。いくら美味いからってそこまで胃に入るか?あの量・・・。

 

彩加「お腹いっぱい♪」

 

彩加は、小柄にしては結構大食いだった。男子高校生の平均よりちょっと上。

 

飛鳥「次は、関帝廟だよね?」

 

凛「そうそう」

 

 

紆余曲折を経て、関帝廟に辿り着いた。

 

関帝廟というのは、関羽という商売の神様が祀られているところらしい。

 

飛鳥「おー、デカい!」

 

凛「写真撮ろうよ」

 

関帝廟のゲートを背景にスマホを取り出し、撮影を始めた。俺は無理矢理引っ張られた。

 

彩加「じゃあ、上に上がってお参りしよう」

 

階段を上がり、お賽銭を投げ、手を合わせる。・・・何を願おうか。

 

ちなみに風音との恋愛成就は願わない。そんなものは、自分の力で手に入れてみせる。

 

日本の平和でも祈っとこうか・・。商売関係ない。

 

 

関帝廟を出て、歩くこと数十分。カップヌードルミュージアムにやってきました。ここに来るまでは特に問題も起こらなかったため、割愛とさせていただく。

 

チケットを各々購入し、入館。中は人でいっぱいだが、それをあまり感じさせないほどの広さがあった。

 

まずは、展示ブースに行く。

 

彩加「うわぁ・・・すごーい!」

 

彩加は、ガラスに張り付いて、凝視している。その姿はまるで子供・・・いや、正真正銘の子供に見える。

 

飛鳥「この緑色みたいな麺、千金蕎麦っていうんだ」

 

凛「凄い。和風チキンラーメンだって!食べてみたいな~」

 

こうして、展示ブースを堪能し、いよいよオリジナルを作りに行きます。

 

 

 

まずは、カップのデザインを描く。

 

凛「私、絵下手なんだよぉ」

 

飛鳥「う~ん、何を描こう・・・」

 

彩加「~♪」スラスラ

 

他の2人に対し、彩加は迷うことなく、カラーペンを走らせている。

 

俺は、どうしようかな・・。と悩んでいたが、何故か、ペンを握った手が勝手に動いて、デザインを作り上げていった。

 

彩加「じゃーん。僕はコレ」

 

彩加が、テニスのラケットやボール、その他のテニス用品を描いたらしい。そしてちらっと兎がいた。

 

飛鳥「私はこれ」

 

八重島のは、いろいろな種類の犬が並んで座っている絵だった。それに上手い。

 

凛「うーん、私はこれ」

 

九重が見せてきたのは、少し歪だが、白い馬と黒い馬が一匹ずつ描かれていた。

 

飛鳥「比企谷君のは?」

 

八幡「ああ、なんか、勝手に手が動いて、自分でもよくわからないんだ」

 

凛「へ?・・そんなことあるの?あ、でも、ちょっと言葉で表すのは難しいね」

 

飛鳥「なんだろう?」

 

俺のカップに描かれているのは、黒一色だけで、いくつかの影があり、その離れた方に、哀愁を感じさせる影が一つ。その影は、まるで、何か葛藤をしているように、ブレブレになっていて、期待と失望、対になる感情が、曖昧に、混濁されていることが、読み取れてしまった。

 

彩加「八幡、絵苦手だったんだね」

 

八幡「・・・そうかもしれねぇな」

 

凛「じゃあ、作りに行こうか」

 

デザインが終わり、残りの工程は具材選びに味選び、色々な種類が、あった。

 

「コロチャーコロチャーコロチャーコロチャーで」

 

小太りの帽子をかぶったおじさんが、味を決める前にそう言い放っていた。いやいや、まだまだ具材あるだろ、肉食かよ!

 

 

世界で一つのオリジナルカップヌードルを作り終わり、外へ出たら、俺の携帯にメールが来た。

 

風音からだ・・。

 

風音のメールには、文章はなく、一枚の写真が、添付されていた。

 

風音、神童、神崎が笑顔でピースをしている写真だった。そして、後ろから九重達がメールを覗き込む。

 

凛「あ、彼女から?・・へえ、楽しそうだね♪」

 

飛鳥「比企谷君、私たちも写真撮って、送ったらどう?」

 

八幡「え?」

 

彩加「あ、それいいね。撮ろう」

 

そう言って、彩加たちは、俺の横に立ち、ポーズを決めていた。その状況に、混乱する俺。

 

凛「比企谷君、早く」

 

八幡「え、ああ」

 

取り敢えず、言われるがままに写真を撮り、その写真を風音に送る。

 

 

明菜「今撮った写真、比企谷君に送れば?」

 

風音「あ、そうだね。八くん今頃どうしてるかな~?」

 

一華「浮気してたり・・・」

 

風音「八くんはそんなことしないよ~」

 

明菜「随分信頼し合ってるねぇ」

 

よし、送信、と。

 

写真を送ってから、一分後、八くんから返信がきた。・・・あれ?何も書かれてない。あ、写真。

 

添付されていた写真を見るとそこには、困っているように眉を下げてる八くんの横に、ピースをしている班員の姿が写っていた。

 

風音「八くん・・・」

 

思わず、頬が緩む。やっぱり、ちょっとずつ、八くんの心が開かれている。本人もそろそろ自覚し始めているころなんじゃないかな?勘です。

 

 

遠足の時間も終わり、バスに乗った俺達は、疲れた体を椅子に預ける。

 

彩加は座った瞬間に寝てしまった。

 

凛「あらら、寝ちゃった。まぁ、そうだよね、楽しかったし、疲れちゃったか」

 

飛鳥「うあぁ、寝顔が、すごくかわいい」

 

うん、そうだな、この寝顔は確かに反則級の可愛さだ。

 

飛鳥「楽しかったね♪」

 

凛「だね♪比企谷君も、楽しかったでしょ?」

 

八幡「っ・・・そうだな。楽しかった」

 

飛鳥「私も眠くなってきちゃったよ」

 

凛「私も~。ふぁぁ」

 

八幡「あ、俺眠くないから、寝てていいぞ。着いたら起こす」

 

凛「ほんと?ありがとう。じゃあ、お休み」

 

飛鳥「お休み~」

 

2人は、机に突っ伏して寝てしまった。後、彩加、肩に顔を置かないでくれ、すげぇいい匂いする。

 

起こさないように、そっと頭を離れさせた。

 

八幡「・・・・・・」

 

そして俺は、自分で書いたであろうオリジナルカップヌードルを見つめる。

 

この絵を見たとき、ふと、何かを感じたのだ。

 

 

それは、この絵がまるで、自分と重なっているように見えた事。

 

・・・・・・・・・・・

 

 

 

なぁ、風音。

 

 

俺に、人を信用する資格があるのか?

 

 

今まで、散々、人の交友関係を悪しざまに言ったりしてきた奴に

 

 

そんな奴が

 

 

期待なんてしていいのか?

 

 

今まで人と関わることなんてしなくなった。

 

 

けど、高2になって部活に入り、環境が少し変わった。

 

 

それなりに人と接することが増えてきた。

 

 

それを嫌とか不快と思わない自分がいる。

 

 

だから、分からないんだ。

 

 

俺は、どうしたらいいんだ。この、曖昧な気持ちを・・・。

 

 

ピロリン♪

 

その時、俺の携帯に一通のメールが届いた。

 

風音からだ。内容は・・・!

 

 

『八くんのしたいことをすればいいと思うよ』

 

・・・・・え?

 

『私は八くんの選択に、勧めも咎めもしない』

 

 

『けど、1人で抱え込まないで』

 

 

『八くんに何があっても、私はそばにいてあげることぐらいはできるから。だから』

 

 

『一回でいい。素直になってみたら?』

 

 

風音からの一通のメール。そう、たった一通のメールだけで、俺の黒い感情に、光が差し込んだような気がした。

 

俺の中で、覆いかぶさっていた黒い霧は霧散され、自分の気持ちが、何がしたいのか、わかることができた。

 

 

『ありがとう、風音』

 

一言、風音に返信した。

 

 

 

気付けば、バスは目的地である、学校に到着していた。俺は寝ている班員を起こす。

 

八幡「着いたぞ」

 

凛「ん?・・おお、着いたか」

 

飛鳥「ふぁぁ、よく寝た」

 

彩加「う、うぅん。あ、八幡」

 

八幡「ほら、着いたから、降りようぜ」

 

 

 

凛「じゃあね、戸塚君、比企谷君」

 

飛鳥「じゃあね~」

 

彩加「また、月曜日で」

 

八幡「じゃあな」

 

班員に別れを告げ、俺は風音と合流し、帰路に就く。

 

 

八幡「風音」

 

風音「・・ん?何?」

 

八幡「ありがとうな、メール。タイミングバッチリだったぞ」

 

風音「そっか、それはよかったよ」

 

八幡「自分の気持ちは分かったが、不安がないと言えば嘘になる。けど、一歩進むために頑張るよ」

 

風音「八くんが決めたなら、私は応援するよ。精一杯」ギュウ

 

八幡「・・・本当に、ありがとう。大好きだ、風音」ギュウ

 

風音「私も」

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

おや?ハチマンのようすが・・・

また次回。

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