「退屈だよね、その退屈はどうやって紛らわすのかな?」
ゾリショが屋上に寝ころびながら呟く
自分も来たばかりの頃は家で一人退屈だったから顔を隠してこっそり春亮についていったからその気持ちは解る
双眼鏡の先では銀髪の少女が男子生徒となにやら話してる光景が写ってる
「まあ、いいか・・・」
手にした双眼鏡を仕舞った
「ふふふ、来てやったぞ!春亮!」
銀髪の少女、フィアが教室の入り口で仁王立ちしていた
「フィア!?なんでここに!?」
「学校に来るなとは言わなかったから来た!」
「当たり前すぎて言わなかったんだよ!」
ワーワー言い合ってると
「キャー!ヤバい!かわいい!なにこの子!?春亮くんの友達!?」
渦奈がフィアに頬ずりする
「春亮め!このこの!このはさんに飽き足らず、こんなかわいい子まで!」
泰造も羨ましそうに春亮に絡んでくる
「ふむ・・・個人のことにはあまり詮索しない主義だが、学級院長としていくつか確認させてもらおうか?」
何とも言い難いオーラとともに霧霞が春亮に詰め寄る
「と、とりあえずこい!泰造、悪いけど席作っておいて!」
この場にいてはまずいと判断しフィアを教室の外に引っ張る
「うわっ!なにをする、呪うぞ!」
「あ、春ああああっ!」
購買部の帰りのこのはがフィアを見て叫んだ
「何で来たんですか!?」
「やっぱり暇だからな、それにこの女だけ学校に来れて私はダメというのは不公平だ!それにさっきの受け答えは完ぺきではないか!」
「見てるこっちは冷や汗モンだったよ・・・とにかく、日本に来たばっかていうキャラを崩すなよ!、ていうかお前、その制服どうした?」
「ウシチチかゾリショの部屋から借りた。しかしなんだあの部屋は?箪笥の上に何とも言い難い下着が」
「私の部屋じゃないですか!あれはちょっとした気の迷いというかなんというか・・・とにかくどうやって入ったんですか!?」
「窓を一枚ほどぱりーんと」
「割ったんですか!?
「さすがフィアちゃん、私ができないことをわびれもせずにやる。そこに痺れる憧れるぅぅぅー!!!」
「お前はいつも急に出てくるな、ゾリショ!」
窓から入ってきた《・・・・・・・・》ゾリショにツッコむ
「さっき霧霞ちゃんが日村先生に頼み込んでねフィアちゃんの授業見学を取り付けたんだって!」
どこからだしたのか「勝訴」と書かれた紙を掲げる
「マジか・・・」
「その通りだ」
後ろからやってきた霧霞が春亮をにらみつける
「このは君達がいるとはいえ年頃の女子といるのだ、なにか間違いがあるかどうか聞き出すから覚悟しろよ・・・」
授業見学ではなく確実にこっちがメインだろう
「よくわからんが、授業に出てよいのか?キリカ、おまえいいやつだな!」
そんときのフィアはとてもうれしそうだった
都内のホテルに陣取った彼女は煙草を吸いつつ荷物を確認する
金髪の美女はタクシーから降りた後ホテルに入り本国から届けられた道具のチェックをする
「・・・これは?」
覚えのないギターケースの蓋を開け顔を引きつらせる
「余計なお世話を・・・最悪《ビッチ》!」
中に入っていたカードを握り潰しケースを投げ捨てる
豪奢な赤いドレスが荒い呼吸と共に上下する
「ああ・・・ビッチ・・・」
苛立ちを抑えるために取り出した煙草を吸う。一本、二本、三本と三分程で吸いきる
そのとき荷物に中の携帯が鳴り響き電話をとる
『本作戦の後方支援員《オーグジラリ》の初期連絡』
「そうですか、ご苦労様・・・ところで、荷物の中に一個、余分な物があったんですが、それはあなたの仕業?
『・・・・・何のことかわからない?』
「知らないならよろしいですわ。では後方支援員よ、さっそく始めましょう」
『了解、支援を開始する』