ハイスクール KIVA   作:寝坊助

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63話 ニューアレンジ・サガの新たな力

ロキ戦を終わらせた数日、ロキはオーディンが自国に連れて帰された。

ただなぜか余計な者が残った。

 

「もう、終わりだわ!」

 

何故かオーディンに残されたヴァルキリーの少女、ロスヴァイセだ。

 

「うぅぅぅぅっ!酷い!オーディン様ったら、酷い!私を置いていくなんて!」

 

彼女は会談を終えたオーディンに放置されてしまったらしい。

今頃気付いている筈なのだが、何の連絡もやって来ない恐らく意図的において行かれたのだろう。

 

「うわぁぁぁぁぁぁんっ!リストラ!これは紛れもないリストラよ!私、あんなにオーディン様の為に頑張ったのに日本に置いていかれるなんて!どうせ私は仕事が出来ない女よ!処女よ!彼氏いない歴=年齢よ!ふえぇぇぇぇぇぇんっ!」

 

「やけくそだな」

 

「テンションフォルテッシモですね〜」

 

新しく渡のパートナーとなったタツロットが、パタパタと飛ぶ。

 

「いよぅしタツロットよ!俺は先輩だからな!さん付けしろよ⁉︎」

 

キバットはキバットで、後輩ができて嬉しそうだ。

 

「もう、泣かないでロスヴァイセ。この学園で働けるようにしておいたから」

 

リアスがロスヴァイセの肩に手を置く。

 

「……グスン。ほ、本当に?」

 

「ええ。希望通り、女性教諭って事でいいのよね?女子生徒ではなくて?」

 

「もちろんです……私、これでも飛び級で祖国の学び舎を卒業しているもの。歳は若いけれど、教員として教えられます。けど、私、この国でやっていけるかしら……?かと言って国には戻れないし……うぅっ……せっかく安定した生活が送れそうな職に就けたのに!」

 

再び嘆くロスヴァイセにリアスが書類を取り出して見せる。

 

「今冥界に来ると、住居とこんな特典が付いてくるわよ?」

 

「ウソ!保険金がこんなに……?こっちのは掛け捨てじゃない!」

 

そのままドンドン話が進んでいき、リアスがポケットから紅い駒を取り出す。

 

「……そんな訳で、冥界で一仕事するためにも私の眷属にならない?貴女のその魔術、『戦車』として得る事で動ける魔術砲台要員になれると思うの」

 

「……どこか運命を感じます。私の勝手な空想ですけど、それでも冥界の病院で貴方達に出会った時から、こうなるのが決まっていたかもしれませんね」

 

ロスヴァイセが紅い戦車の駒を受け取ると、背中から悪魔の翼が生えた。

 

「皆さん、悪魔に転生しました。元ヴァルキリーのロスヴァイセです。グレモリーさんの財政面も含め、将来の安心度、素敵な住居もあるので悪魔になってみました。どうぞ、これからもよろしくお願い致します」

 

「と言う訳で、皆、私、リアス・グレモリーの最後の戦車は彼女、ロスヴァイセとなりました」

 

ロスヴァイセを歓迎するかのように皆拍手を行う。

勿論、渡達も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってあーーーー!暁 渡さん!言っておきますけど、父親の件の責任とってもらうのは忘れてませんからね!」

 

「え⁉︎あれ冗談じゃなかったの⁉︎俺関係ないじゃん!」

 

「私にとっては大問題なんですぅ〜!」

 

「ちょ、ま⁉︎ええええ〜〜〜〜‼︎‼︎‼︎」

 

 

**********

 

 

その頃、ロキを配送している者達が襲撃にあっていた。

 

「お前達……禍の団か」

 

ヨロヨロと歩き、ローブを着た集団を見る。

 

「如何にも。旧魔王派を仕切っていたシャルバ、クルゼレイ、カテレアが破れた今、悪神の手も借りたいのだ」

 

「ふん、いいだろう。俺もこのまま終わる気はないからな!」

 

ロキが旧魔王派の提案に乗った瞬間、魔法陣が展開される。

 

「何だ」

 

「あ、あいつは」

 

現れたのは戦いの中、フェンリルとミドガルズオルムを連れ去ったサガだった。

 

『数が多いな。まぁ、丁度いい』

 

「貴様、よくもフェンリルとミドガルズオルムを!返せ!」

 

『もうフェンリルもミドガルズもお前の者じゃない』

 

「何だと⁉︎」

 

「落ち着け」

 

旧魔王派の1人が前に出る。

 

「お前の情報は既に我々は掴んでいる。旧魔王サタンのクローンだとはな」

 

「どうだ?我々と共に来ないか?クローンといえど、誇り高き魔王の血を引く者。我々と世界をーーーー」

 

刹那、ジャコーダーが旧魔王の1人の首をはねた。

 

「な、貴様⁉︎」

 

『下らん。俺はそんな事の為にここへ来たんじゃあない』

 

サガは灰色のフェッスルを取り出す。

 

『お前達には実験台になってもらう。俺の”新しい力”のな』

 

「『スリーピングチェーン』」

 

フェッスルを吹き鳴らすサガーク。

 

瞬間、地中から数十本もの鎖が現れる。

それを掴んだ時、鎧全体にミドガルズオルムがとぐろを巻いた様な装甲に変化する。

 

「ば、バカな……あれは……まさかぁ!」

 

最後にミドガルズオルムの幻影が浮かび上がりサガに吸収されるとサガの眼は灰色に染まる。

 

終末の大龍(スリーピング・ドラゴン)ミドガルズオルム(量産型)を眷属にし、同化した姿。

 

終末形態『ミドガルズフォーム』

 

鎧から先端にミドガルズオルムの頭部を模した『スリーピングチェーン』が数十本生えて、うねる。

 

行け(逝け)

 

サガの言葉に反応し、スリーピングチェーンが旧魔王派に向かっていく。

数十本ものスリーピングチェーンは一本一本に意思があり、迎え撃とうとする者や逃げようとする者を、その先端の頭部の牙で嚙み砕き、貫き、締め上げる。

 

「ギャァァァァァアア‼︎‼︎」

 

「グェェエ‼︎‼︎」

 

「ひぃ!だ、誰kーーーああああ‼︎‼︎」

 

旧魔王派は成す術もなく蹂躙される。

 

「畜生くらえぇ!」

 

旧魔王派の1人が魔力弾を放つ。

スリーピングチェーンは直ぐにサガの元へ戻り、何重にも重なりサガを包み込む。

スリーピングチェーンの壁は安安と魔力弾を防ぎ、再び牙を向ける。

 

「ミドガルズバイト」

 

ミドガルズチェーンの一本をサガークに差し込むと、周囲が闇に包まれ青い三日月が浮かぶ夜に変化した。

 

それと同時にサガが片手を天に掲げると、溢れだした魔皇力が、灰色の紋章を生み出す。

 

『ハッ!』

 

鎧から出た無数のスリーピングチェーンが次々と旧魔王派達を突き刺した。

サガは跳躍し、紋章を潜り抜けると旧魔王派達を吊し上げる。

 

『スリーピング・デスブレイク』

 

全てのスリーピングチェーンを通じて、強力な魔皇力を注ぎこむと、吊るされた旧魔王派達は爆発した。

 

『残るは、お前だけだ』

 

サガはロキを見据える。

 

「お、おのれおのれおのれおのれ!キバといい、貴様といい、何故俺の邪魔ばかり……!」

 

ロキは倒れた旧魔王派の懐からある物を取り出す。

 

『蛇か』

 

オーフィスの蛇により、ロキは更に力を増す。

 

「どうだ!これならオーディンすら超える最強の神だ!貴様如きに敗北はありえない!」

 

『神を倒す方法は…ある』

 

「ハッタリだ!そんなものがあるわ………け……」

 

ロキは、サガの取り出したフェンリルの頭部を模したフェッスル(・・・・・・・・・・・・・・・・・)を見て固まる。

 

「ま、まさか!」

 

『そのまさかだ』

 

「『フェンリルサーベル』」

 

サガークがフェッスルを吹き鳴らした瞬間、3匹のフェンリルの頭部を模したサーベルが現れる。

 

それを掴んだ時、鎧の左肩にスコル、右肩にハティ、胸部にフェンリルの頭部を模した装甲に変化する。

 

最後に3匹のフェンリル幻影が浮かび上がりサガに吸収されるとサガの眼は白銀に染まる。

 

3匹の神喰狼フェンリルを眷属にし、同化した姿。

 

神殺形態『フェンリルフォーム』

 

「ミドガルズオルムだけでなく、フェンリルまでもぉ!」

 

『俺1人ではフェンリルとミドガルズオルムを倒す事は出来なかったのでな。それにミドガルズオルムは深海深くに眠っている。まず俺が眷属にする事はできない』

 

「そこでミドガルズオルムは量産型に、捕獲の際は奴らを利用したという訳か!セコイな!」

 

『いたずらの神に言われたくない』

 

フェンリルサーベルを振った瞬間、ロキの片腕を飛ぶ。

 

「グァァァァァァァア‼︎‼︎‼︎」

 

たまらず逃げようとするが、ジャコーダービュートにより、足を取られて引き摺り下ろされる。

その瞬間に、フェンリルサーベルがロキの身体を切り裂く。

 

『流石だ。刃はそのまま神殺しの力を宿している。しかし、少々ジャジャ馬だな。加減が難しい』

 

「『フェンリル・バイト』」

 

サガークのコールと共に、周囲が闇に包まれ青い三日月が浮かぶ夜に変化した。

 

それと同時にサガがフェンリルサーベルを天に掲げると、溢れだした魔皇力が、白銀の紋章を生み出す。

 

生み出された紋章はフェンリルサーベルに吸収されていき、刃は神殺しのオーラを纏う。

 

『フェンリル・ゴッドスラッシュ』

 

振り抜いたサガの神殺しの力でロキは完全に消滅した。

 

「矢張り、微調整がまだ慣れていないな」

 

変身を解き、感想を言う。

 

「まだ強化の余地はあ「ご主人様ー!」……はぁ」

 

瞬間、ロングヘアとショートヘアの白銀の髪を揺らす2人の美少女がタイガに抱きつく。

 

「【スコル】、【ハティ】離れろ」

 

「いや!もっとご主人様の匂いを嗅ぎたいの!」

 

ロングヘアのスコル。

 

「ちょっと、ご主人様の匂いは私のものよ!」

 

ショートヘアのハティ。

 

「違うわ、ご主人様の匂いは私のものよ!」

 

「「何でお父様は女体化してる(・・・・・・・・・・)の⁉︎⁉︎⁉︎」」

 

(これには俺も謎だ)

 

キュッと引き締まった腰、その所為で強調されている尻。

そして美乳であり爆乳の極上の乳を揺らすポニーテールの絶世の美女。

スコルとハティの父親(・・)、フェンリルだった。

 

「愛の力よ!これからはお母様と呼びなさい!」

 

「「いや、全然意味わからないから!」」

 

(眷属にした瞬間、何故か性別が変わった……何故だ)

 

疑問に思っていたその時、

 

「「「「「「「「「「ご主人様ぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん❤︎❤︎❤︎❤︎」」」」」」」」」」

 

数人もの美女が、タイガを取り囲む。

 

こいつら(量産型ミドガルズオルム)も、女体化したし)

 

「ご主人様、私とデートしよ!」

 

ぶりっ子のミドガルズオルム。

 

「ねぇーねぇー、キスしてーご主人様ー」

 

妹キャラのミドガルズオルム。

 

「ご主人様、私はいつでも初夜の準備はできてるわ」

 

クーデレのミドガルズオルム。

 

「ちょっと!ご主人様に触らないでよ!ちょ……な、何見てるのよ!ば、バッカじゃないの!……でも、少しだけなら…いい…かも///」

 

ツンデレのミドガルズオルム。

 

「好き好き好き好き好き、ご主人様大好き。だからチューして、抱き締めて、私だけを見て?」

 

ヤンデレのミドガルズオルム。

その他諸々、一大ハーレムを築き上げたタイガであった。

 

(まさか、一つのフェッスルに複数を眷属化できるとは)

 

3匹のフェンリル、数匹の量産型ミドガルズオルムもたった一つで眷属化する事ができた。

新しく開発された鎧なのか、そこら辺は前のフェッスルより特殊に作られているらしい。

 

「兎に角、戦力は上々。最後のフェッスル、これはもう決まってある」

 

「ご主人様、最後の眷属は誰にするの?」

 

「ご主人様争奪戦のライバルが増える!」

 

「ああ、最後の眷属は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)ティアマットだ」


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