ハイスクール KIVA   作:寝坊助

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56話 出現・真のサガ

『うおおおおおおおおおおお‼︎‼︎‼︎』

 

『はあああああああああああ‼︎‼︎‼︎』

 

『■■■■■■ーーーー‼︎‼︎‼︎』

 

ド、ドゴゴゴゴゴガガガガガガ‼︎‼︎‼︎

 

互いに連打した拳を高速ぶつけ合う3人を

その戦いをリアスは悲しそうな瞳でみつめていた。

 

「イッセー……!」

 

 

『はぁ、これが「キバ」の真の力だとはね。二天龍2人がかりでやっとの互角……いや、確実にこちらが押されてる。参ったな、戦いを楽しむ暇がないと思ったのは初めて…だ!』

 

『うらぁ!』

 

『■■■■■■■■■ーーーー‼︎‼︎‼︎』

 

キバが攻撃する度に突風の様な魔皇力の余波が巻き起こり吹き飛ばされかける。

 

《BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost‼︎‼︎‼︎‼︎》

 

『だらららららら!!!』

 

『■■■■■■■■■ーーーー‼︎‼︎‼︎』

 

『ッ!』

 

キバはイッセーの倍加した拳を掴んで防ぎ、魔皇力の波動を放つ。

 

『チッ!』

 

《DivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivide‼︎‼︎‼︎》

 

ヴァーリが波動を半減させるが、効果はあまり期待できず、2人は余りの衝撃に吹き飛ばされる。

 

『■■■■■■■■■ーーーー‼︎‼︎‼︎』

 

《BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost‼︎‼︎‼︎‼︎》

 

『らぁ!』

 

鋭い拳の連撃がキバに当たる。

 

『固いな……!』

 

それでもヒビ一つできず、イッセーは驚愕する。

 

『■■■■■■■■■ーーーー‼︎‼︎‼︎』

 

『グアッ!』

 

怒り狂ったキバが高速で向かって来て、イッセーは簡単に地面に叩きつけられる。

 

《Half Dimension!》

 

『■■■?』

 

突然、キバの体は半分になる。

 

『■■■■■■■■ーーーー‼︎‼︎‼︎‼︎』

 

しかしキバは全身から魔皇力を放ち、それを掻き消した。

 

『底が知れないな!』

 

 

この戦いは結菜達ももちろん見ていた。

しかし表情は皆、芳しくない。

 

「イッセー……。」

 

「あの鎧……危険です」

 

「ッ!それは本当⁉︎」

 

「ええ、力を使う度に渡の生命力が減ってるにゃ」

 

その言葉に皆が絶望に包まれる。

このままでは渡が死んでしまうからだ。

悲観にくれていたその時、

 

 

 

 

「ちょっと、右に1センチずれてくれんかの?」

 

そんな声と共に、一筋の閃光が素通りし、キバに直撃する。

 

「オーディン様⁉︎」

 

そこにはロスヴァイセと共に戦いを終えたオーディンが立っていた。

 

「驚くのはまだ早いぞい」

 

『■■■■■ーーーー‼︎‼︎‼︎』

 

「やれやれ、グングニルを直撃したにも関わらずピンピンしておるわい。こんな生物がいていいのやら」

 

オーディンは一瞬でキバの近くに移動し、強烈な両手による拳打を叩きこんで殴り飛ばした。

しかし、キバは傷一つ付かなず、起き上がる。

 

「少しばかりこやつを痛めつけるが、構わんな?」

 

「……はい。渡君を止めてください!」

 

エリカは苦しい表情を浮かべながらも、涙ながらにオーディンに頼みこむ。

 

「グングニル」

 

オーディン様の左手に槍が出現し、それを持ってキバ目掛けて投げつける。

 

『■■?…■■■■ーーーー⁉︎⁉︎⁉︎』

 

先程と同じく受け止めようとするキバだが、

 

「舐めるな小僧、さっきは小手調べ。これからが本番じゃ」

 

その言葉通り、グングニルの威力に押されどこまでも吹き飛ばされる。

 

『■■■!■■■ーーーー‼︎』

 

何とか受け切ったキバは鬼の形相でオーディンを睨む。

 

「あれを食らってまだ立ち上がるか、全く歳はとりたくないものじゃ」

 

ドッーーーーーーーーー‼︎‼︎‼︎‼︎

 

『■■■■ーーーー⁉︎⁉︎⁉︎』

 

キバの頭上から巨大な魔法陣が展開され、その魔法陣から巨大な光がキバに落ちる。

 

「効くじゃろう、北欧の魔術は?」

 

彼方此方に煙を出してヨロヨロと歩くキバ。

 

「ふむ、体は限界…そうか、鎧自体が動いておるのか。面倒な」

 

そう言ってグングニルを持ち、斬りかかる。

キバはそれを身体で防ぎ、オーディンを捕まえようとするが、オーディンは寸前の所で首を傾ける事でかわす。

 

「殺気で思惑が見え見えじゃ」

 

ガラ空きになったキバの背後に回り、先程と同じ北欧の魔術を放つ。

 

『■■■■■ーーーー‼︎‼︎■■■‼︎』

 

「北欧の主神の首を取れると思ったか?」

 

そう言いながらオーディンは地面に足をつけ、地上に降り立った。

たった、数秒の出来事だった。

 

「……あれを直撃してまだ立ち上がるか」

 

オーディンは驚いた声を上げる。

キバはまだ立ち上がり、獣の様に四つん這いになって、狙いを定めていた。

 

「blood……Wake…up…」

 

「む、そればマズイの」

 

キバの背後に紋章が現れる。

それを即座に危険とみなしたオーディンはグングニルを構える。

 

『■■■■■■■■■■ーーーー‼︎‼︎』

 

跳躍し『ブラッドムーンブレイク』を放つと同時に、オーディンがグングニルを構えたその時、

 

「むっ!」

 

 

突如感じた強大な殺気と、キバと同じ気配(・・・・・・・)を感じる。

次の瞬間だった。

結界をぶち抜いて天から何かが出現する。

その光景にイッセー達だけでなくキバも反応し、その一瞬を付いてグングニルを飛ばす。

グングニルはキバの片足に直撃し、衝撃により溜められた魔皇力が不安定になり暴発。

体勢を崩してキバはその場に落ちる。

 

「……何者」

 

土煙に隠れてしまった新手。

土煙が晴れる事で露わになると、そこには渡やイッセーと同じ位の青年がいた。

 

旧魔王サタン(・・・・・・)⁉︎⁉︎)

 

自分の記憶にある、若きサタンの姿にオーディンは驚愕するが直ぐにその考えを否定する。

 

(いや、復活したとしてもあそこまで若くなるのはありえん!だとしたら息子?)

 

オーディンの警戒心が高まる。

そんなオーディンを無視して、青年はキバの方へと視線を向ける。

 

 

 

 

「………サガーク!」

 

「ーーーーー」

 

青年の声に応じて、サガークが召喚された。

 

「嘘、あれは⁉︎」

 

サガークを見て、皆が驚愕する。

回転体当たりでキバを攻撃し、青年の傍で浮遊するサガーク。

 

「貴様の相手は俺だ」

 

青年はキバをを睨むと、変身キーである、『ジャコーダー』を手にした。

青年の意思に導かれ、サガークがベルト状に変化して青年の腰に巻きつく。

 

「変身!」

 

「ヘンシン」

 

ジャコーダーをバックルに挿入して引き抜くと、バックルが回転して、青い波動が青年を包み込む。

魔皇力が高まった青年の顔に、ステンドグラス状の模様が現れ、青い波動が弾け飛ぶと、白銀の鎧が装着された。

青い目が光る仮面と白銀の鎧には、チェスのキングと蛇の意匠が施され、ステンドグラス模様の装飾品を神神しく輝かせる。

 

サイラオーグの時と違う、あれこそがサガの真の姿。

 

『キバ、お前には死んでもらうぞ…俺が俺である証明の為に…!』


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