「ガブッ!」
「変身」
《レ・ディ・ー》
「変身」
《フィ・ス・ト・オ・ン》
2人はキバとイクサ・バーストモードに変身し、ロウドと対面する。
『ッ、何だあれは』
最初に気づいたのはキバだった。
ロウドの身体からオーラが吹き出し、そのオーラが3メートルはあろう巨大な半透明の鎧となっている。
ロウドが一歩進む事により、その動きに同調して鎧も一歩進む。
「行くぜ?」
そう言い、ロウドは半透明な槍を握り締め斬りかかってくるが2人は、同時にその場から飛び去り、ロウドの攻撃を避ける。
しかし、ロウドはイクサを無視して、キバだけに斬りかかってきた。
「『ケルベロスアックス』!」
『ケルベロスフォーム』になり、ケルベロスアックスでロウドが振り下ろしてきた槍を防ごうとするが、槍はケルベロスアックスの刃を素通りしてキバに向かってきた。
『っっ!』
直様、炎を集中させて防御すると槍は炎にぶつかった。
『やぁ!』
ロウドの後ろからイクサが、跳躍し落下する勢いを利用したパンチを繰り出すが、ロウドは腕を突き出し、それと同じ動きをした鎧が片腕でイクサの拳を受け止めた。
(厄介だな)
ロウドの腹部に蹴りを入れるが直様、ロウドの膝が上がって来て防がれる。
『エリカ!奴のあのオーラの鎧は厄介過ぎる!連続で叩きこめ!』
『了解!』
キバは距離を取るとイクサがガンモードの銃弾を連続で放つ。
ロウドは槍と鎧で防ぐが、背中がガラ空きになる。
「Wake up!」
『エリカ!』
封印の鎖・カテナを解き片足で跳躍し、同時に蹴りの態勢に入った瞬間、イクサは姿勢を低くし、ロウドは防御の態勢に入る。
『ダァァァァァァアア!!!』
「ぐっ!」
『ダークネスムーンブレイク』が喰らった直後、イクサカリバーの刺突がロウドの腹部に突き刺さり、そのまま力が緩んだロウドは口から血を吐いて、吹き飛んでいった。
だが、背中から悪魔の翼を生やして体勢を整えて再び地面に足をつけた。
「流石だな。『無能悪魔』の俺じゃあ到底倒せない」
『抜かせ、まだ本気じゃないだろ』
「そう焦んなよ、まだ始まったばかりだぜ?」
ロウドは槍をキバに向けて投擲する。
キバはそれを跳躍で避けた瞬間、ロウドの蹴りが迫っていた。
《イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ》
しかし、『ブロウクン・ファング』が直撃し、ロウドは床に叩きつけられた。
「やれやれ、随分と豪快なお嬢さんだ」
攻撃を意に介さないかの如く、ロウドはムクリと立ち上がる。
それを見た2人は同時に地面を蹴る。
『はぁ!』
ケルベロスアックスから炎の斬撃を放つがロウドは槍を片手でクルクルと高速で回転させて、炎を掻き消していく。
『ハァァァァァア!』
イクサカリバーを振り上げ、斬り掛かるイクサ。
だが、ロウドはそれを先程と同じように鎧で防いだ瞬間、イクサが大きく吹き飛んだ。
(しょ、衝撃だけを私に返した⁉︎)
『エリカ!』
「よそ見か?」
イクサの方を見ていた時に上から声が聞こえ、無意識でケルベロスアックスを構えた瞬間、
バキィィン!
『ナッ⁉︎』
無残な音ともにケルベロスアックスが一瞬で砕かれ、縦にまっすぐ槍で切り裂かれた。
『ぐぁ!』
「キャァッ!」
『キバフォーム』に戻り、分裂されたヘルはアーシアに癒してもらう。
『よくもぉ!』
イクサカリバーとロウドの槍が鍔迫り合いを始める。
『やぁ!』
「ッ!」
鍔迫り合いの瞬間、すかさずガンモードに切り替え、至近距離からの銃弾を浴びせる。
「っか〜、やるねぇ!」
流石のロウドも一時後退する。
しかし、それを逃すイクサではなかった。
ガッ!
「ッ、グオ!」
後退した瞬間に、イクサの蹴りがロウドを撃ち抜き、壁に叩きつける。
「ここまでやるとは、ちょっとビックリ♪」
(まだ立つの⁉︎)
底無しのスタミナに驚くイクサ。
ズバッ!
「おおう!?」
背後から何かに斬られ、振り向く。
そこには『クロカフォーム』となったキバが『クロカデスサイズ』を振り上げていた。
(む、あの斬撃の時に仙術エネルギーを注入してたか……体が動かない)
「『クロカバイト』!」
『オオオオオオオオオオオオオ!!!』
『クロカ・デスカット』を、無防備なロウドに向けて放つ。
「すぅ………………フンッ!」
ガキンッ!
『バカな⁉︎』
(注入された仙術エネルギーを、膨大な魔力で無理矢理中和した⁉︎)
解放されたロウドは真剣白刃取りで、『クロカ・デスカット』を受け止めていた。
「そうら」
『クッ!』
『キャッ!』
そのままキバをイクサの方に放り投げる。
それと同時に、黒歌を分離してしまう。
コォォォォォォォ…………!
鎧の額の宝石に体力の魔力が集められる。
『ッ、何かヤバい!』
気づいた時はすでに遅く、特大の魔力弾が固まっている2人に発射された。
「くっ!」
後ろにいるイクサを見て、キバは魔力弾を迎え撃つ。
『ぐ!ぐぅぅぅぅ!』
魔皇力を更に消費し、受け止めようとした瞬間、間に合わず2人を飲み込んだ。
『渡……君…』
『げはっ!』
「へぇ……動けない仲間を庇って全ての威力を受け止めたか」
《イ・ク・サ・カ・リ・バー・ラ・イ・ズ・アッ・プ》
『イクサ・ジャッジメント』を振るうイクサ。
それを受け止め、槍で吹き飛ばす。
「クッ……ハア…」
変身が解けて、その場に倒れるエリカ。
『うおおおおおおおああああ!!!』
怒りで体を奮い立たせ、拳を振るうキバに槍が斜めに振り下ろされる。
痛みを耐えて、ロウドに殴りかかるが槍によって拳が防がれる。
『だぁ!』
蹴りをロウドの顔めがけて振るうも、鎧によって蹴りが防がれる。
が、直様足を降ろし間髪入れずに両拳を連続で何発も叩きこんでいく。
『おおぉぉぉぉぉぉぉお!』
「ハッ、いいねぇ!戦いはやっぱりこうじゃなきゃ!」
ロウドは楽しそうに笑う。
『ウグッ!』
「あ?」
突然、拳の連打を止めて後退する。
『クッ…ハァ、ハァ、ハァ』
「渡、やっぱりまだ……」
キバは暴走しそうな魔皇力を抑える。
「どうした、何を怯えている?」
『ッ!』
いつの間にか、ロウドはキバの背後に移動していた。
振り向くと、そこにはロウドの姿は無く、
「知らない自分が全てを破壊してしまうのがそんなに怖いか?」
肩を掴まれ、腹を蹴り飛ばされる。
『ガッーーーー!!!』
肺から空気が強制的に吐き出される。
追い打ちを加えようとするロウドの攻撃を避け、踵落としがロウド目掛けて叩き落とす。
しかし、ロウドはその場から姿を消して、踵落としを避けた。
「はぁぁぁぁぁ!」
『しまっ!』
上からロウド声が聞こえ、そのまま切り裂かれると思った瞬間、3つの人影がロウドを大きく奴を吹き飛ばした。
『結菜、リーヤさん、紫水』
「もう見てられないわよ」
「渡君、大丈夫?」
「渡君を、守る…ぞー……!」
3人は同時にロウドへと襲いかかる。
紫水の拳をロウドが避けた瞬間に結菜が長い尻尾を振りまわし、ロウドに当てようとするが空高く跳躍され、尻尾は空を切った。
「はぁ!」
リーヤの頭上にロウドが降り立ち、槍を振るってくるがそれを姿勢を低くして避け、ロウドの腹部にスクリューの水の魔力をぶつけるが、鎧に守られたロウドにはダメージは与えられず、衝撃だけが伝わり、大きく吹き飛ばした。
「リーヤ、紫水!」
「はい!」
「うん!」
結菜の掛け声でリーヤは特大の水の大砲を、紫水はそこらにあった巨大な柱。
結菜は爪に魔力を込め、五本の爪形の刃を出してロウドに向けて放った。
「ぬおぉぉぉぉぉ!はぁぁぁ!」
それでもロウドは槍を高速で回転させて3つの攻撃を掻き消すと、鎧の額から魔力弾を込め、3人に放つ。
「「「きゃぁぁぁぁあ!」」」
魔力弾は3人に直撃し、吹き飛ばす。
「皆さん!」
ヘルと黒歌、エリカを回復させているアーシアは声を上げる。
『結菜、リーヤさん!紫水!』
キバは3人の近くに寄る。
『賭けに出ようと思う!』
「はぁ、また無茶な事するんでしょ?」
「ふふふ、でも渡君らしいわ」
「渡の為なら何でもするよ〜」
『…………ありがとう』
キバは3人に感謝し、フエッスルを、3つ抜き取る。
「わ、渡⁉︎こんなの前代未聞だぜ⁉︎」
『言っただろ、賭けって』
「ふっ。いいぜ!こんな熱い渡は久しぶりだ!俺もキバっていくぜ!」
キバットは一つ目の笛を咥える。
「『ガルルセイバー』!」
次に二つ目、
「更に!『バッシャーマグナム』!」
そして最後に、
「そして!『ドッガハンマー』!」
3人は彫像になり、それぞれがキバに吸収される。
ガルルは左腕に。
バッシャーは右腕に。
ドッガは胸に。
キバの両手に鎖・カテナが巻きついていく。
以前のように弾け飛んだ後、現れた左腕はガルル、右腕はバッシャーの腕。
次に胸に鎖が巻かれ、弾け飛んだ。
現れたのはドッガの鎧。
キバの魔皇力が更に上昇する。
キバの奥の手『ドガバキフォーム』