ハイスクール KIVA   作:寝坊助

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33話 オーバーウェルム・最強の戦車

「さぁ、『タイムプレイ』の始まりだぁ!」

 

ルークと名乗った男は、片腕に付けたストップウォッチを起動させる。

 

「『俺は制限時間内に、各陣営のトップを抹殺』する!」

 

そう宣言して、ズンズンと進んでいく。

 

「キバット!」

 

「おうよ!」

 

「待て渡!今のお前では…‼︎」

 

リリスの言葉を無視して、渡はキバに変身する。

 

「ほう、お前が『キバ』を受け継ぎし者か!面白い!」

 

ルークは歓喜し、両手を広げる。

 

(っ、最初の一撃はワザと受ける気か⁉︎)

 

「さぁ、来ぉい‼︎」

 

(舐めやがって!)

 

キバは拳に魔皇力を集め、思い切りぶん殴る。

 

ドオオオオオオオオオンッ!

 

先程のアザゼルの光の槍の威力には遠く及ばないが、生物共通の急所、『鳩尾』に直撃した。

 

(やったか⁉︎)

 

そう思った瞬間、

 

 

 

フワッ

 

『………な』

 

突然、浮遊感を感じる。

そこには平然と、ニタリと笑っているルークの姿があった。

ルークはキバの首を掴み、拳が鳩尾に突き刺さっているにも関わらず持ち上げる。

 

「この程度か」

 

そう吐き捨てて、そのままダッシュした。

 

『く、おおおおお!』

 

何とか地面に足を付けて止めようとする。

しかし、

 

ズザザザザザザザッッッ!

 

止まらない。

スピードが落ちる気配もない。

逆に足に激痛が走る。

 

(ま、マズイ!このままいくとリリス達の所へ!)

 

『ハッ!』

 

キバは地面を蹴り、首を掴んでいる腕に足を絡ませる。

『腕ひしぎ十字固め』。

キバは容赦無く、ルークの腕を破壊しようとした。

 

『何………だと⁉︎』

 

しかし、ビクともしない(・・・・・・・)

まるで絶対に壊れない何か(・・・・・・・・・)を掴んでいる感覚だった。

 

「ボサッとするな渡!放れろ!」

 

『ハッ!』

 

気が付くと、ルークは腕に絡みついているキバをそのまま地面に叩きつけた。

 

ゴシャッ‼︎‼︎

 

『ッッッ〜〜〜〜〜〜‼︎‼︎‼︎』

 

キバを中心に巨大なクレーターが現れる。

肺の空気が強制的に口から吐き出される。

 

『ガハッ!ゲボッ!ゴホッ!』

 

倒れたキバにトドメを刺す為、拳を振り上げるルーク。

 

「ッ!」

 

しかし、ルークに向かって数十もの光の光弾が放たれた。

 

「お前はこちら側だろう、ヴァーリ」

 

光弾を受けながら(・・・・・)ヴァーリを睨むルーク。

 

『お前がアザゼルにした事が気に入らない。それだけだ』

 

白い鎧を纏ったヴァーリがルークに向けて殺気を放つ。

 

「ふむ、そうだな。腕じゃなく、首を引き千切った方が良かったか?」

 

『下衆が!』

 

激昂と共に、ヴァーリがルークに突進する。

 

「誇り高き魔王の血統の癖に、下らない情を持ちおって」

 

『黙れぇ!』

 

(こ、光速の攻撃を…‼︎)

 

その巨体に似合わない俊敏な動きで、ヴァーリの光速に匹敵する拳を悉く避ける。

 

「お前の白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)は確かに恐ろしいが、当たらなければ意味が無いだろう」

 

バギィィィンッ!

 

「グアアアアアア‼︎‼︎‼︎」

 

ルークの拳一撃で、ヴァーリの鎧は粉々に砕ける。

 

「歴代最強と言っても、お前と俺とじゃあ『経験の厚み』が違うんだ。出直して来い、小僧ーーーー()

 

バギィィィンッ!

 

「カッッッハーーー‼︎‼︎」

 

『イッセー⁉︎』

 

アザゼルの腕輪で禁手化して突っ込んで来たイッセーをカウンターで返り討ちにするルーク。

 

「そういえば歴代最弱の赤龍帝がいたな?殺す価値はなさそうだが、まあいい。能力だけは(・・・・・)驚異だから消しておくか」

 

血反吐を吐き散らすイッセーに手を伸ばそうとした瞬間、

 

 

《イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ》

 

ドスッ!

 

「ヌゥ?」

 

背後から『イクサ・ジャッジメント』で突き刺される。

 

「人間の分際で悪魔に刃向かうとはなぁ!」

 

『キャア!』

 

身体中から魔力を放出して、イクサを吹き飛ばす。

 

『無事か⁉︎』

 

『う、うん。ありがとう』

 

吹き飛ばされたイクサをキバが抱き抱える。

 

「……………」

 

〈ヴァーリ!また禁手が解けてるぞ!〉

 

「………ハッ⁉︎」

 

 

 

 

「ムウ」

 

ルークはイクサに付けられた傷を見ると、

 

「………フンッ!」

 

キュッ!と筋肉を縮小させて傷を塞いだ。

 

「マジかよ!」

 

『そんな…』

 

『無茶苦茶だわ…』

 

『それがチェックメイトフォーだ。兵藤 一誠、お前は下がった方がいいんじゃないか?』

 

『ざっけんな!まだ戦えるさ!』

 

キバ、イクサ、ヴァーリ、イッセーがルークの前に立つ。

 

『ッ、イッセーのオーラが上がってる』

 

〈『神器』は単純で強い想い程、力の糧となる。兵藤 一誠の純粋な想いに神器が応えているのだろう。真っ直ぐな者、それこそドラゴンの力を引き出せる真理の1つ〉

 

『そうか。そう言う意味では俺よりも彼の方がドラゴンと相性が良い訳だ』

 

4人はは揃って地面を蹴り、戦闘態勢になる。

 

『ラアァァァァァァアアッッ!!!』

 

《Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!》

 

イッセーはタックルをかますが、ルークは棒立ちで受け止める。

 

(な、何だこりゃぁ⁉︎まるで山にでもぶつかってるみたいだ!)

 

だが、まだキバとイクサが残っている。

 

『『ハァァァァァァァァア‼︎‼︎‼︎』』

 

《イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ》

 

キバの拳とイクサの『ブロウクン・ファング』が同時にルークに当たる。

 

ズザッ……

 

(((これだけ⁉︎⁉︎⁉︎)))

 

3人同時の攻撃をでも、数センチ下がる程度だった。

 

「オオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

雄叫びと共に、放出された魔力の渦が3人を吹き飛ばす。

 

(けどこれは予想通り!)

 

本命は、

 

 

「っ、ヴァーリか‼︎」

 

いち早く気づくがもう遅く、ヴァーリは直ぐそこまで来ており、片手を突き出していた。

 

(俺がルークに触れ、『半減』させる!)

 

(そして全員での一斉攻撃!)

 

(これは避けられないだろ!)

 

ヴァーリの手がルークに触れようとした瞬間、

 

 

 

『消えたッ⁉︎』

 

ルークの姿が消え、ヴァーリは素通りした。

 

『消えてないヴァーリ!』

 

ルークは背中を後ろに曲げ、マトリックス避けの如くヴァーリの手を避けていた。

 

『あの巨体でなんつう柔軟さだよ⁉︎』

 

「如何にも子供らしい浅はかな作戦だったな」

 

『クゥッ!』

 

それでもルークに喰らいつくヴァーリ。

 

ガッ!

 

しかし、どこからともなく取り出した

『棍棒』で防がれる。

 

『砕けないだと⁉︎何という硬さだ!』

 

「1つ教えてやるヴァーリ」

 

ルークは棍棒を巧みに使い、ヴァーリの両腕を弾き、非情な言葉を言い放つ。

 

「幾ら俺の力を『半減』した所で、お前達との差は埋まらない」

 

ガギィィィィンッ!

 

「ヴッッ⁉︎」

 

容赦無く振り下ろされた棍棒により、ヴァーリは鎧が砕け、地面に叩きつけられる。

 

『この野郎オオオオオオ!!!』

 

イッセーが激昂と共に勢い良く飛び出しす。

 

「ドライグ!収納しているアスカロンに力を譲渡だッ!」

 

〈おうッ!〉

 

《Transfer!!》

 

イッセーの左手に力が譲渡され、アスカロンを収納した籠手でルークの顔面に拳を入れる。

 

「んんん⁉︎⁉︎」

 

ズゾゾゾ……と、数センチ下がる。

 

アスカロンは聖剣。

それを収納した拳で殴れば、悪魔であるルークに大ダメージを与えられると考えた。

 

ガシッ!ジュゥゥゥ……!

 

『ウソ……だろ⁉︎』

 

しかし、ルークは直撃したにも関わらずその拳を掴む。

聖なる力で肉が焼ける様な音がするが……

 

「ふむ、やはり少し痛いな」

 

『痛い………だけかよ』

 

驚愕しながら、イッセーはルークの拳に沈む。

 

ドドドドドドドドドドドド‼︎‼︎‼︎

 

「ッ?」

 

その時、キバ『バッシャーフォーム』と、イクサのイクサカリバー・ガンモードの一斉射撃がルークを襲う。

 

「いい加減、トドメを刺したいな」

 

受けながら(・・・・・)キバに向かって行き、首を掴む。

 

『グ………アア!』

 

ドドドドドドドド‼︎‼︎

 

キバは首を掴まれながらでも、ゼロ距離でバッシャーマグナムの銃弾を放つ。

 

『放せ!』

 

ガリバーモードにして背後から斬りつけるイクサ。

それでも、前後から攻撃をされているルークに、ダメージは無かった。

 

『ッ…………エリカ!』

 

『ッ!……うん!』

 

アイコンタクトで互いの意思を理解する2人。

 

「『ガルルセイバー』!」

 

《ドッ・ガ・フェ・イ・ク》

 

キバは『ガルルフォーム』に、イクサは『ドッガハンマー』を装備する。

 

「姿を変えても無駄だ!」

 

ガンッ!ドンッ!バキッ!

 

「無駄だ」

 

ドッガハンマーによる攻撃をモロに喰らっても平然と立っている。

 

『ガアッ!』

 

ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!

 

「無駄だと分からないか?」

 

持ち前のスピードによる、ガルルセイバーの高速斬撃を何十も喰らっても平然と立っている。

 

「もう飽きた」

 

ガシッと2人の頭を鷲掴みし、

 

ガンッ!とぶつけ合わせる。

 

『あっ…………!』

 

『カハッ‼︎』

 

2人の意識は一気に霞み、地面に倒れる。

 

「お前らはいつでも倒せる。先ずは各陣営のトップ共だ」

 

そう言って、ルークはサーゼクス達の方に歩み出す。

 

 

 

 

 

『ドラ……イグ…』

 

〈…どうした相棒。言っておくが、腕輪の効果はもう直ぐ切れるぞ〉

 

『最後の……賭けだ…!』

 

 

 

 

 

 

『え、エリカ……!』

 

キバは変身が解け、頭から血を流して気絶しているエリカに手を伸ばす。

 

『もっと……力が…あれば‼︎』

 

「ダーリン❤︎」

 

『ッ⁉︎』




ルークのチートっぷりはどうだったでしょうか?
絶体絶命の状況を打破する事はできるのか⁉︎
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