ハイスクール KIVA   作:寝坊助

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どうも、寝坊助です。
ハイスクールAGITΩを楽しみにしている皆様、申し訳ありません。
偶々、暇潰しに見た仮面ライダーキバが余りにも面白かったのでついこの作品を作ってしまいました。
できるだけ面白い作品にしようと思いますし、ハイスクールΩもちょくちょく新話も出そうと思っています。


ワイバーン城のキングオブヴァンパイア
1話 日常・暁 渡


とある屋敷。

一見みれば大きく、造りの良い建物だが、怪しげなオーラを纏い、近寄りがたい。

 

俺、暁 渡はその屋敷に住んでいる所為で、昔から「お化け太郎」と呼ばれている。

 

小、中学の頃から虐められて、拒絶されてきたが、もう慣れた。

 

「言ってきまーす」

 

いつも通りに俺は家から出ると、いつも通り、そいつはそこにいた。

 

「ちょっと遅かったわね」

 

青い髪のポニーテールの美少女、青森 結菜。

学歴優秀、運動神経抜群でかなり有名。

学園でのあだ名は『クールプリンセス』

俺の数少ない友人だ。

 

「ニス造りに没頭しててさ」

 

「またなの?十分良い出来なのが作れるのに、更に高み目指す気?」

 

「父さんの『ブラッディローズ』に比べたらまだまだだよ」

 

「はぁ、その情熱をもっと恋愛に向けてくれれば…」

 

「ん?何か言った?」

 

「な、何でもないわよ!///」

 

「ちょ、おい」

 

顔を赤くして学園に向かった結菜を追いかける。

 

 

**********

 

 

さて、もうすぐで学校だ。

学校に近くなるってことは人も多くなるって事で…周りの視線が痛い。

それは何故か……

 

 

「おい見ろ!青森さんだ!」

 

「今日もキリッとした目が素敵だぜぇ!」

 

「抱きてぇ…!」

 

「つうか何で『お化け太郎』といっしょにいるんだろ?」

 

「不釣り合いだよな」

 

「根暗だし、何考えてるか分からないし」

 

「絶交すればいいのに」

 

「暁死ね!」

 

 

という訳である。

 

眼鏡をかけ猫背で髪を前にして目元に影を作っている俺は、他の生徒から見れば根暗で暗くて不気味な奴と思われている。

 

まぁ俺、注目を浴びるの苦手だし。

 

「気にしないの」

 

と、結菜は俺を励ましてくれる。

そんな感じで周りから殺気をかんじながらも学校に着いた。

 

「じゃ、お昼ご飯で」

 

「おう」

 

俺と結菜はクラスが別の為、別れる。

 

クラスへと辿り着くや否や、周囲から何やらクスクスと小さな声で、笑っているような声が聞こえた。

そんな声を気にも留めず、机に座る。

 

「暁〜、お化け達とのお遊びは楽しかったか?」

 

「お化け太郎は幽霊しか友達いないんだよな〜?」

 

教室に入るや否や、馬鹿どもが俺を茶化しにやってきた。

 

さっきの通り、俺のあだ名『お化け太郎』の所為で虐めの対象になっている。

毎度、無視しているんだが逆にそれがあいつらを調子に乗らせている要因だ。

それに俺はケンカも弱いし、勉強も然程良くない。

虐めるにはピッタリの獲物だろうな。

 

「は~い!邪魔邪魔!」

 

「バカは退いてろ!」

 

すると、後ろから茶化しにやってきた奴らを押しのけて2人が俺の傍にやってきた。

『変態3人組』の松田と元浜。

学園では俺とは違う意味でかなりの嫌われ者だが、別に俺は嫌いではない。

何故なら、俺を『お化け太郎』としてではなく、『俺』として見てくれているからだ。

 

 

「渡!是非、お前に見て欲しいものがある!」

 

ドン!と俺の机の上に置いた物を見た女子が恐怖に顔を引きつらせ、俺の周りからズザザザ!と一斉に後ろに下がった。

俺の机の上に置かれたもの……所望、世の男性があまりある性欲を発散させる為に作られた18歳以下は見てはいけない……ストレートに言えばAVだ。

 

「是非、これを見て渡も俺達の世界に来てもらいたい!」

 

「断る。ていうかイッセーはどうした?」

 

即答して、逆に質問する。

 

兵藤 一誠。

俺の数少ない親友の1人だ。

『変態3人組』の1人で、いつもこの2人と一緒なのに。

 

「あいつのことは知らん!」

 

「奴は俺達を裏切った!だから新しい同士を集めているんだ!」

 

裏切った?

新しい同士?

どういう意味だ?

 

疑問に思っていると、その根源が来た………

 

 

 

 

 

物っ凄い満面の笑みで。

 

「渡!聞いてくれ‼︎なんと俺に彼女が出来たんだ!しかも無茶苦茶可愛くて清楚な感じでさぁ!あの三大お嬢様にも引けを取らない位なんだぜ!」

 

俺の目の前でイッセーは興奮した様子で声を荒げる。

 

「「裏切者には死をォォォォオオオ‼︎‼︎」」

 

「落ち着け」

 

しかし、イッセーに彼女とはな。

本音では「物好きな娘もいたもんだ」と思うが、ここは普通に労っておくか。

 

「良かったじゃないか。もうこれ逃したら普通の女の子と話す事も出来ないかもしれないしな!エロ発言して愛想尽かされないように頑張れ」

 

「ひでぇな‼︎ってか、お前だってまともに話せる女子、結菜ちゃんだけじゃねぇか!」

 

偶に的を射た事言うよなイッセー。

 

 

**********

 

 

さて昼だ。

俺はイッセーを連れて屋上に行く。

結菜には既に連絡してある。

先に結菜が場所を取っていた。

 

「おーす、待ったか?」

 

「ええ、待ってる間に何回も声かけられたわ」

 

「悪い悪い」

 

俺らはそれぞれ声を掛け合い広げられたビニールシートに座る。

 

それからは仲良く飯を食べた。

イッセーが付き合ったことを言った時は結菜も驚いていた。

 

「あ、そうだ!渡!デートの仕方を教えてくれ‼︎」

 

「ん?なんでまた」

 

「いや実は週末デートしようって事になってさー、俺どうすればいいのか分かんなくなっちまって」

 

「ンなもんお前が常日頃からしてる妄想の通りにすればいいんじゃ無いか?」

 

「流石の貴方でも始めて出来た彼女をホテルには連れ込まないでしょ」

 

「当たり前だろ!それくらい常識あるわ!」

 

「だよなー、はははは」

 

 

**********

 

 

放課後、俺は生徒会の仕事を手伝っていた。

 

「すみません暁君。しかし生徒会の仕事を一般生徒に任せるのは、やはり気が引けます」

 

ショートカットの黒髪に、知的な雰囲気を醸し出す眼鏡。

いかにも優等生といった感じの彼女は、まさしくこの学園の生徒会長、支取 蒼那先輩だ。

 

「いいですよ。俺、暇ですし」

 

「また虐めに会っていませんか?」

 

「会ってはいますが、もう慣れましたよ」

 

「それではいけません。一度、先生方にも話して……」

 

「いいですって。それより、仕事ありませんか」

 

「そうですか。では、このゴミ袋をゴミ置場へ運んでください。匙、貴方も」

 

「はい」

 

生徒会のメンバー、匙 元士郎は返事をして俺と一緒にゴミ置場へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これでよし」

 

ゴミ置場に袋を置き、さっさと生徒会室へ戻ろうとしたその時。

 

「おい」

 

ガンッ!

 

「ヴッ⁉︎」

 

いきなり匙に顔面を殴られた。

鼻から鼻血がポタポタと垂れ、鼻を抑えながら匙を睨む。

 

「何…すんだよ…‼︎」

 

「ウッセェんだよ!『お化け太郎』の癖に生意気なんだよ‼︎」

 

ああ、こいつもそういう奴か。

 

「会長にチヤホヤされやがって!大体、お前みたいな根暗で不気味で薄気味悪くて気色の悪い奴が会長と話しする事自体、重罪なんだよ!」

 

そう言いながら、匙は俺を足蹴りする。

 

「そんなお前が何で生徒会の仕事を手伝えると思うかわかるか?それはお前が便利なパシリだからだよ!」

 

「ああ⁉︎」

 

カチンときた俺は匙を睨みつける。

 

「ッ、何だよその眼は!ウゼェんだよ‼︎」

 

更にガスガスと踏みつけてくるが、それでも俺は睨むのを止めない。

 

「必要もされてねぇのに俺の会長に手を出しやがって!くたばれカスが‼︎」

 

そう言いながら、拳を振り上げたその時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと」

 

「ッ⁉︎」

 

「結菜

 

結菜が匙の拳を掴んでいた。

 

「渡に何してんのよ」

 

「ゆ、結菜ちゃーーー」

 

「あんたみたいな奴に名前で呼ばれなくないわよ。で?何してるのって聞いてるの」

 

匙は結菜の腕を振り払うと、ニヤリと笑う。

 

「俺も君に聞きたい事があったんだ。なぁ、何でこんな奴とつるんでるんだ?」

 

「はぁ?話を折らないでくれる?」

 

結菜の言葉を無視して、匙は続ける。

 

「こんな根暗な奴ほっといてさぁ。どう?生徒会に来ない?そうすれば俺がみっちり面倒を見て。ウベラァ⁉︎⁉︎⁉︎」

 

「人間、種族が変わると心の奥底のドス黒いモンまで出てくるらしいわね。これなら兵藤の方がまだマシよ」

 

結菜の拳1発で、匙はゴミ置場へ吹き飛んだ。

 

「一生ゴミに埋もれてろ」

 

そう吐き捨てて、結菜は俺に手を差し伸べてくれた。

 

「大丈夫?」

 

「ありがとう。1人で立てる」

 

「無理しないの。会長には私から言っておくから、渡もう帰って。こいつは……このまんまでいいか」

 

「ああ、お言葉に甘えて」

 

 

**********

 

 

「とりあえ牛乳…後、何か切れてたっけ?」

 

学園の帰りで、俺は店で買い物をしていた。

 

「ん?…へぇ、珍しい髪してるな」

 

ふと俺の目に入ったのは、小豆色の長い髪を揺らす女の子だった。

 

「あんな可愛い娘、この辺りに住んでたっけ?」

 

「グラム換算するとこっちの方が安いけど、全体で考えるとこのパックの方が安いんだよね〜」

 

どうやら肉をどっちにするか選んでるらしい。

俺は女の子を素通りしようとしたが、

 

「あ、ねぇねぇ。どっちを買った方がいいと思う?」

 

「は、はい?」

 

いきなり俺に質問してきた。

 

「一応、この2つのどっちかまでは絞り込んだんだけど…家には良く食べるお方が1人いらっしゃるので、こっちの中パック2つでいくか、それとも大きいのを1つでいくか!悩みモード全開中〜!」

 

随分と拘りがあるんだな…。

 

「ねぇ、どっちがいいかな⁉︎」

 

「え、ええっと…そんなに食べるんなら、やっぱり2パックいるんじゃないか?」

 

「あ、やっぱり⁉︎よーし、このパックを2つでいっちゃおおっと!どうもありがとう!」

 

女の子はパックを2つ買い物カゴに入れる。

 

「折角会えたのに、これから駅の薬局でトイレットペーパーのタイムサービスなの。それじゃあ、またね渡君」

 

そう言って、女の子は行ってしまった。

 

 

**********

 

 

「はて…俺名乗ったっけ?」

 

俺は先程の少女に疑問を持ちながら帰宅していると、

 

 

♪〜〜♪〜

 

「歌?」

 

公園のブランコに座り、歌を歌っている青髪の少女がいた。

 

「!」

 

「あ」

 

ふと、少女と目が合った。

 

「あ……ゴメン、驚かしたかな?」

 

咄嗟に謝る。

 

「いいえ」

 

少女はブランコから立ち上がり、俺の方を向く。

 

「あの、もしかして…ずっと聞いていたんですか?」

 

「うん、まぁ……歌、上手いんだな」

 

「そんな事もないんですよ。私なんかより上手方はもっと大勢いらっしゃいますから」

 

えらく恐縮してるな。

 

「そんな事…」

 

「あ、すみません。丁度、戻らないといけない時間ですので」

 

少女は公園の時計を見て、そう言う。

 

「ああ、ゴメン。じゃましちゃって」

 

「いえ、少しでもお話ができて嬉しかったです」

 

「また、さっきの歌が聞けるといいな」

 

「機会があれば。それではまたお会いできる時を楽しみにしています、渡様」

 

少女は頬を赤くして、去っていった。

 

「あれ?自己紹介したっけ?」

 

 

**********

 

 

「……ふむ」

 

家に帰った俺は早速、バイオリン製作に取り掛かった。

 

「お〜うい、渡〜」

 

パタパタと作業中の俺の周りを飛びながら、黄色い蝙蝠が話しかける。

 

「どうした、キバット」

 

「『バカ狼』が来たぞ〜い。フギャッ⁉︎」

 

「誰がバカ狼よ、『アホ蝙蝠』」

 

結菜が、キバットを鷲掴みしながら部屋に入ってきた。

 

「アホ蝙蝠⁉︎何言ってやがる!俺は誇り高きキバットバット家の三代目!キバットバットⅢ世だ!」

 

結菜の言葉にキバットが激怒し自分の家について話し始める。

しかし、結菜それをどうでもいいと無視して、俺の方に近寄る。

 

「相変わらずいい出来ね………やっぱ渡は天才だわ」

 

「そんな事ないさ。父さんの『ブラッディ・ローズ』に比べたら」

 

一旦作業を止め、大切に保管され置いてあるバイオリンの方を向く。

 

「あれを超えるバイオリンを作るのが、俺の目標だ」

 

「けど勿体ねぇよなぁ〜」

 

キバットは部屋の隅に置いてある……というより、雑に投げ捨てられたバイオリンの山の天辺に止まる。

どのバイオリンも、ブラッディ・ローズには敵わないものの、数千万単位の値がつくような傑作品ばかりだ。

 

「これでも十分なのに、更に上を目指そうなんてな」

 

「いいだろ、別に」

 

俺はブラッディ・ローズを取り出す。

 

「聞くか?」

 

「当然。その為に来たのよ?」

 

結菜の表情がワクワク顔になり、キバットも定位置の止まり木に止まる。

 

「それじゃあ……」

 

この瞬間、屋敷はブラッディ・ローズの音に支配された。

 




楽しんでいただけたでしょうか?
オリ主は既に悪魔の存在を知っている設定です。
キバは次話、必ず出します。
感想お願い致します。

次狼をヒロイン化しました。

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