円卓系弓兵の願い   作:彰吏

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この話は本編に入る前のお話です。
あれ?これが本当の序章なんじゃ?




本編
第7話


夢をみる。

同じ夢をみる。

その度に彼との約束を思い出す。

簡単に諦めない、簡単に死なないと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私には異性の友達がいた。

彼は私が家族を全員失って、私がその後を追うように自殺しようとした時に止めてくれた。

その時彼は「諦めることは簡単だ。そして全てを諦めて死ぬことはもっと簡単だ。だけど、それは間違った考え方で弱いやつのやることだ。俺の憧れている遠坂凛は強いやつだ。だからこんなことは止めろ。俺の憧れる強い遠坂凛であってくれ」そんなことを言った。

今思い出してみるとなんで初対面のやつにここまで説得するのか、されているのかよく分からない。ついでに、言っていることもわからない。

だけど彼は続けて「もしも1人だと潰れてしまいそうなら俺が一緒に支えてやる。もちろん、一生な」とも言った。

今更ながら、これはもう告白なのではと思ってしまうがたぶんこれは嘘なのだ。なぜなら彼はもういない。

私と彼は私の自殺を止めるという衝撃的な出会いをしたがその後はよく一緒にいた。家がそれなりに近かったのもあり登下校を一緒にしたり、昼休みを2人で過ごしたり、休日には買い物にも出かけた。付き合ってると噂されることもあったが彼も私も気にしていなかった。

彼の誕生日には私が大切に魔力を貯めていた小さな宝石を綺麗な石と偽って無理矢理渡したりもした。

今思えば彼と一緒にいることで、私の人生は彼と会う前に比べて色鮮やかなものになっていたのだ。今でも忘れられない大事な思い出になるぐらいに。

そして、彼と共に行動するようになり1年が経とうとしていた頃のことだ。

その日は雨が降っていた。私は彼と一緒に下校し、いつもの様に彼は私の家まで私を送ると数分前に通り過ぎた自分の家に帰っていった。

私が家に帰ってきてから数時間後には雨が強まって、所謂雷雨になっていた。

突然、家の窓一面が青白く光るとほぼ同時に爆発のような雷の音がした。

私の家には落ちなかったようだがどうしても嫌な予感が拭えなかった。

居ても立っても居られなくなった私は大雨が降る中、傘を持たずに外に出た。

そうすると彼の家の方向から煙が上がっているのが見えた。

その瞬間私は魔術師としてのルールである魔術の秘匿を忘れ、両脚に強化の魔術をかけて走り出していた。

彼の家に近付くごとに煙の臭いが増していった。

それでも私は心の中で彼の家のはずがないとか、私を一生支えるなんて俺様なことを言っておいてそんな訳が無いとか考えていた。

だが、現実は残酷だった。

彼の家があった場所はもう何もなかった。

それでも何かに縋るかのように彼を探した。それでも私には分かってしまっていた。彼はこの世界から消えてしまったのだと。

この世界は私から大事なものを全て奪っていくのだと。

この時から私は他人とは必要以上に仲良くしないように生きてきた。

何度も死にたくなったけど、彼の分まで生きていこうと彼の言葉忘れないでおこうと私は歯を食いしばって今日まで生きてきた。

そんなことを誓ってから私はよく彼との夢をみるようになった。

彼とのいろんな思い出を見たような気がするが、1番見ることが多いのは彼との出会いの場面だった。

彼の夢をまたみるのだろう。

そこでまた誓うのだ。

明日から聖杯戦争が始まるがそれでも私は彼の憧れる強い遠坂凛であろうと。

 

 

 




誰だよお前とか思わないでね。
むしろ別人ぐらいに考えといてね。
だけど自分的にはこの話と次回が書きたくてこの話を始めたから許してくれ。


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