円卓系弓兵の願い   作:彰吏

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fate goの六章の動画を見て、トリスタンみたいな人がいて興奮し書き上げてしまった。
そんな気持ちで書いたせいで、すげぇやっつけ仕事で倒されてしまうけど許して。




第5話

アルトリアside

 

 

「ぐうっ」

 

 

そんな声をあげながらガウェインが吹き飛ばされた。

私はそれでも諦めずに聖剣を構え直しながら、目の前の竜に変わったヴォーティガーンを睨んだ。

この戦いが始まってからもうどれぐらいたっただろう。ランスロットは遠征に行っていておらず、ガウェインは私と2人でヴォーティガーンを抑えていたがとうとうやられてしまい、他の円卓の騎士では全く歯が立たない。それにヴォーティガーンが連れてきたサクソン人や飛竜種に対応に追われている。

この背中に背負っている聖槍を使えば倒せるかもしれないが、使うにはそれなりに時間がかかってしまう。

その隙を作るために戦っていたが、ガウェインがやられてしまってはそれもできなくなってしまった。

こんな時にトリスタンがいてくれたら......

彼の騎士ならどこにいてもその必中の矢で援護してくれるのに。

私にしては夢見がちなことを考えてしまったのは、先日マーリンから聞いた報告のせいだろう。

そもそも私がクレタナを見付けて届けようと思ったら、めずらしくマーリンが行くと言った時におかしいと思うべきだった。トリスタンにこのヴォーティガーンとの戦いのことを話して、私たちでは手が回らなかった各地の竜種たちの掃討を押し付けてくるなんて。それもトリスタン自身は私の為にやると言ったとか...

申し訳なさでいっぱいになったのを今でも覚えている。

そんな時、ヴォーティガーンの周りを飛んでいた飛竜種が一斉に撃ち落とされ、ヴォーティガーン本体にも何ヶ所も爆発が起こった。

 

 

「なん…だと…」

 

「これは」

 

 

私とヴォーティガーンは同時に同じ方向をみた。だが、ここからではないも見えなかった。当然だろう。飛竜種を撃ち落としヴォーティガーンに攻撃した人は、私がよく知る射程が500kmの化物なのだから。

 

 

「トリスタン貴方なのですね」

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

トリスタンside

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マーリンからクレタナを受け取ってから約2週間が経った。

この2週間で俺はいろんなことをした。

雑竜種と飛竜種たちを見つけた先から狩るのはもちろんのこと、狩る時の武器をクレタナと決めて狩り続けた。別にフェルノート(双剣)でもいいと思うかもしれないが、このフェルノートはあくまでも弓なので弓として使いたいというのもあるし、せっかく強そうな武器を貰ったので竜殺しとしての逸話とか残らないかな、とかそんなことを考えてクレタナを使い続けている。

あとは安定して盗賊の方々にも襲われる続けている。それに関してはフェルノートを使うようにしている。弓も長いあいだ使わないと腕が鈍りそうで怖いし、双剣のほうも使っておいて損はないだろうと思って使っている。

盗賊の方々も俺と一緒に竜殺ししてくれないかね。あれでもあいつらもとは騎士だったぽいし手伝ってくれないかね。そんなことを襲ってきた盗賊の方々に言ったら、あんな人の心がわからない王のために働くなんてやだ、とか言われた。

そういえばアルトリアさん円卓の騎士以外だと意外と嫌われてたりしてるんだな。そんなこと言う奴はもれなく永久に喋れなくしてもらったけど。

なんであんなに美少女を嫌うのかね。絶対にいい匂いとかするのに、嗅いだことないけど。嗅いだら最後、円卓の騎士たちと楽しい楽しい殺し合いになるから絶対にやらないけど。

それとこれは旅を始めてからやっていることだけど料理をするようにしている。

なんでこんなことを始めたかと言うと、そもそもそこら辺の獣を狩っていたから肉はあったのだが肉ばっかりだと飽きてしまい、野菜を食べたくなったのが発端だった。

最近になってやっと村を見つけて、そこで盗賊から有り難く戴いたお金で料理器具を作ってもらい、そして食べれる木の実なども教えて貰った。

鍛冶屋の方に料理器具を作ってもらった時、こんなもの何に使うんだよ、みたいなことを言われた時俺はブリテンの食文化の残念さを悟った。

そんなこんなで最近では塩っぽい味の木の実や胡椒っぽい味の木の実を見つけたおかげで、料理が劇的に進化したりしたことが個人的にはこの2週間で一番嬉しかったことだ。

正直もう狩り尽したとか思ってたけどいまだに竜がわき続けるんだよな。

はじめは同時に2体までが限度だったけど、2週間たって同時に5体まで相手できるようになった。

個人的には凄い進歩だと思ってるんだけど、もとのスペックが異常だったからこれぐらいできて当然なのか。

竜や盗賊と戦闘してる時に何度か思ったことだけど、俺って心眼(偽)持ってるよな。

持ってると自覚したら、頭のなかで開ける謎のステータスのところに心眼(偽)が追加されてた。確か心眼(偽)って先天性の心眼のほうだよな。

トリスタンってアーチャーのくせに心眼をもとから持ってたってことか。弓兵なんだから接近戦しないだろうに。

赤い外套のアーチャー?そんなの知りませんね。

 

 

「こんなどうでもいいこと考えながらでも竜を倒せるって人間としてどうなんだ...」

 

 

正直自分でもドン引きである。ここまでくるとルーチンワークと言ってもいいぐらいだよな。

そんなことを考えていると遠くで爆発音がした。正確には爆発音みたいな鳴き声がした。

かなりの距離があるが、この変態スペックの体を持ってしたら余裕で聞こえる。逆に聞こえて欲しくない陰口まで聞こえるってことだがそれは考えない方向性で。

ひとまず音のした方向を見てみるととんでもなく遠い距離で凄いでかい竜とその周りを飛び回る飛竜種たち、そしてその足元で戦う人が見えた。

 

 

「なんだ...あれ......」

 

 

驚いたのは竜種ってあんなにでかいのかってことだ。竜種と人間を比べてみると本当に大きく見える。それこそ人がゴミのようだとか思ってしまうほどだ。

竜種に果敢に戦いを挑んでいる2人に目が向いた。よく見ると片方はアルトリアぽいな。

 

 

「てことは、あの竜種はヴォーティガーンかよ」

 

 

これからあんなの倒すのあの人達。俺だったら敵前逃亡決めて、あとからみんなに責められて追い出されるまであるな。

そんなことを思って見ていたら、アルトリアと一緒に戦っていたたぶんガウェインと思われる男がヴォーティガーンの攻撃によって吹き飛んだ。

普通は死ぬであろう吹き飛び方をしたけど、あれでも生きてるんだろうなぁ。だけどあれじゃあすぐには戦闘に戻れないだろう。

このままだとアルトリアがやられるのも時間の問題だろう。てか、ランスロットさんはどこに行った。やつがいればそれこそステーキみたいに切れるぐらいとんでもなく強いんじゃ......

あ、そういえばマーリンが別れ際にランスロットもいない的なことを言っていたような。

本当に使えんな湖の騎士。

 

 

「見えちまったもんは助けるしかないよな」

 

 

俺はフェルノートを双剣から弓にして矢を放った。

初めて本気でやるけど凄いな。流石に1本の矢を何千本に増やすとかはできないけど、目にも留まらぬ早さで矢が放てる。

流石にこれは普通の人にはできないだろうと思えるぐらいの早さである。

それで周りに飛んでいた飛竜種をあらかた撃ち落とし、ヴォーティガーンにも矢を放ったけど、大したダメージがなさそうだったので作戦変更だな。

俺は新たに最近作った比較的に神秘が強いものを放った。

 

 

壊れた幻想(ブロークンファンタズム)

 

 

これ1回でいいから言ってみたかったんだよな。

着弾した瞬間に爆発したけど、俺が思っていた以上に爆発が大きかったらしく、アルトリア以外の人はみんな爆風で吹き飛んでるよ(唖然)

使い所は考えないといけないけど、今は使わないといけない場面だよな。たぶん......きっと......

流石にアルトリアも俺が援護してることに気付くだろうし、あと数分ヴォーティガーンの意識を俺の方に向けられたら倒せるだろ。

 

 

「さてとやりますかね」

 

 

そう言いながら俺は新たに矢を番えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルトリアside

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「凄い」

 

 

思わず言ってしまった。それだけ驚かされたってことなのだろう。

1回目のトリスタンと思われる弓の攻撃では、周りにいた飛竜には効いてもヴォーティガーンにはお世辞にも効いてるとは言えなかった。

だが、先ほどから放たれてくる矢はヴォーティガーンに当たるたびに爆発し、援護としては申し分ない働きをしている。

私も負けてられない。

このトリスタンが作ってくれた隙を逃さぬためにも、聖槍の準備をしなくては。

 

 

「遅れて申し訳ありません」

 

「ガウェイン」

 

 

吹き飛ばされたはずのガウェインが私の隣まで来ていた。

 

 

「この遠距離狙撃はトリスタンですね。流石ですな。聖槍の方も準備が出来ているようですね。王よ、それでは私が隙を作るのでそしたら決めてください」

 

「わかった」

 

 

私の返答を聞くよりも早く走り出したガウェインは、トリスタンの攻撃に意識を向けていてこちらに気付いていないヴォーティガーンの懐まで入っていった。

 

 

「この剣は太陽の映し身。もう一振りの星の聖剣……転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)

 

「くっ....小癪な、まだ生きておったのか」

 

「よし出来た。ガウェインありがとうございます、下がってください」

 

「キサマ、その槍はまさか...」

 

「これで終わりです。突き立て、喰らえ、十三の牙!最果てにて(ロンゴ)

 

「させるか」

 

 

ヴォーティガーンが私に向けて攻撃してきた。その速度は私が思っていたよりも早く、私が聖槍を構えて使うよりも先にヴォーティガーンの攻撃が届いてしまう。

 

 

(まずい...)

 

 

そう思った時、ガウェインの攻撃の時には止まっていたトリスタンからの援護射撃が行われ、私に迫っていた腕による攻撃を払い除けていた。

 

 

「しまっ」

 

輝ける槍(ミニアド)!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トリスタンside

 

 

 

「うわー、あれって最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)じゃん。アルトリアさんあんなの持ち出してたのかよ」

 

 

あれって確か世界の楔とかそんなんだったっけ?あんまりよく知らないんだけどともかく凄い槍なんだよな。

あんなもん食らったら流石のヴォーティガーンでも消し飛ぶんだな。いやマジで、消し飛ぶってのが正確な表現だと思えるぐらいな綺麗な消し飛び方だった。綺麗な消し飛びってなんだよ。

 

 

『お前だな、我の邪魔をしていたのは』

 

「誰だ?」

 

『卑王ヴォーティガーンと言えばわかるかな』

 

 

突然声がしてびっくりしたけど、それよりもヴォーティガーン本人から俺に声をかけてくるなんて驚きである。

てか、この人今さっき吹き飛ばされてなかったっけ?

 

 

『確かにもうこの世界から私は消える。だが白き竜のおかげであと少しの間だが時間を作れたのでな。我が消された原因と言ってもいい男を呪いに来たのだ』

 

「呪いとかいらないので早く消えてください、マジで」

 

『そう言うと思ってな、もうかけてしまった。これでお主はあと数年の命だからな。せいぜい余生を愉しむがいいさ。そして我の邪魔をしたことを後悔しながら死にゆくがいい』

 

「そうかい。俺はそんな簡単に死ぬつもりはねぇし、お前の邪魔をしたのことも後悔しねぇよ。それに俺はよくわからん竜より可愛い女の子の味方だからな。助けるのは当たり前だ」

 

『まぁいい。絶対にお主にこのことを後悔することになるだろ。そのざまを我はずっと見ておるからな』

 

 

そう言うと声が聞こえてから吹き荒れていた風が止んだ。この感じだとやっとこさ消えたかな。

それにしてもどうしようかな。なんか余命1年宣言されたんだけど...それも医者じゃなくて竜に。なにそれ嬉しくない。

だけどどうせいつかは死ぬんだし、それが遅いか早いかの違いだよな。ひとまず、アルトリアたちも助けられたし後顧の憂いは断てられたしアイルランドを目指しますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 





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fate goにトリスタンがでたら絶対に引くんだ(フラグ)

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