クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者   作:オービタル

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第60話:アルマロス再来

 

ある一方、ヴァランドール皇国に近い砂浜では、あるスターシップが不時着していた。そのスターシップにエッジとレイミ、リムル、バッカス、メリクル、ミュリア、サラ、エイルマットが乗っていた。

 

「イツツッ......どうやら、無事にワームホールから出られたみたいだな、」

 

「そうね.....良く耐えてくれたわ.....」

 

レイミが心配そうにエッジ達やカルナスを見た。エッジ達は皆を呼び集め、任務を通達する。

 

「.......これより僕達はこの未開惑星を探索、そしてはぐれたケニー司令と合流する。」

 

《了解!》

 

レイミ達はエッジに敬礼し、外に出た。エッジは不時着したカルナスを見る。

 

「不時着した所が海岸で良かった.......」

 

エッジはホッとすると、レイミが言う。

 

「エッジ!」

 

レイミの指差す方向に港が見えていた。

 

「港か.......行ってみよう!」

 

エッジ達はヴァランドール皇国の港町へ向かっていった。中に入ると、たくさんの商店街や屋台が並んでいたが、人々は店を後回しにして、何やら救援活動をしていた。

 

「ここは.....港町か.....だけど、」

 

兵士や市民の体のあちこちに包帯が巻かれていた。するとバッカスがある電波をキャッチした。

 

「ん?」

 

「バッカス、どうしたんだ?」

 

「この国から複数の電波を感知した。」

 

「え!?」

 

「文明レベルは惑星ロークと略一致している筈なのに、」

 

「つまり、この星にもあの地球の様やレムリックと同じ事になっている.......そう言いたいのか?」

 

「その通りだ.......だが、」

 

「だが?」

 

「この惑星の至るところから複数の電波が流れている......まるで暗号を送信しているのだ。分かる暗号は.........『援軍を要請』と言う知らせなのだ.........」

 

「........?」

 

その時、何処からともなく変な音が聞こえてきた。するとエイルマットがヴァランドール皇国の東門に目を向く。エッジ達も東門の方を向いた。

 

「何だろ?行ってみよう!」

 

エッジ達は急いで東門へ向かった。そこにはたくさんの包帯だらけの兵士やブルーシートで覆い隠している遺体が並んでいた。

 

「何だ!?この大勢の人達は?」

 

するとバッカスがあるものに目が入る。それはヴァランドール皇国市民と違う服装をした市民が搬送されていた。

 

「服装はこの国にいる人達と違う......包帯が巻かれて治療されていると言うことは..........!」

 

「避難民か......」

 

「何が起こっているんだ.........この惑星で....?」

 

エッジ達は考えていると、また変な音が聞こえてきた。

 

「..........何の音だ!?」

 

「エッジ!」

 

「........!?」

 

レイミの指差す方向を見ると、同盟軍のクルーザーやセイクリッドメイル、パラメイルが現れ、中から同盟軍兵士が搬送されてきた。

 

「あれは......異星人!?でも、何でこの星に!?」

 

「聞いてみましょう!」

 

エッジ達は見張っているザンダー兵に話し掛けた

 

「すみません!」

 

「君達は?」

 

「僕はエッジ・マーベリック。SRF所属スペースシップ"カルナス"の船長です。」

 

「副船長のレイミ・サイオンジです。」

 

「リムなのよ~」

 

「自分はバッカス・Dー79と申す。」

 

「メリクルだよ~♪」

 

「ミュリア・ティオニセスよ」

 

「サラ・ジェランドと申します~♪」

 

「.........エイルマットだ」

 

ザンダー兵士はエッジ達の名前に驚く。

 

「っ!?SRFとエイルマット将軍!?」

 

「?.....どういう訳だ」

 

「あ!いえ、まさか現在ヴァルヴァトール帝国で戦っているエイルマット隊長がここにいることに驚いたのです!」

 

「ヴァルヴァトール帝国で戦っている?...........ソイツは容姿も俺と似ているのか」

 

「え?はい、........もしかしたら、貴殿方は彼が言っていたエッジさんと......レイミさん.......バッカスさんですね?」

 

ザンダー兵士の問いにエッジ達は首をコクりと降った。

 

「っ!!.......やっぱり!まさかあなた方が救援に来てくれるなんて!感激です!」

 

「救援?どういう事なのだ?」

 

「はい、現在ヴァルヴァトール帝国付近での戦争があっているのです。邪神軍団と護星神達の最終戦争が起こっているのです。」

 

護星神と言う名にエッジ達は"ハッ!"と気付く。

 

「護星神........っ!?エッジ!」

 

「ああ!間違いない!...........僕達は陽弥の世界に飛ばされてきたんだ!」

 

「なるほど、すると自分達がいるこの星が.......ミスタ・ハルヤが言っていた"ホライゾン"か.......」

 

「僕達も、陽弥のいるヴァルヴァトール帝国へ行ってみよう!」

 

エッジが言うと皆は決意し、輸送機を借りてヴァルヴァトール帝国へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

その頃、バルト、ダーマ、ドミニカと交戦しているガタノトアはカイオウであるシグムディア ザ・リヴァイアサンに苦戦していた。

 

「グッ!何て言う強さだ!」

 

「どうだ!この我、シグムディア ザ・リヴァイアサンの力は!」

 

カイオウは三又の矛槍を振り回しながら、ガタノトアに槍先を突き付ける。するとガタノトアが独り言を始めた。

 

「あり得ない!あり得ない!.......絶海であるこの我が.......武者震いしている!?」

 

「どうした?.....壮絶な荒波は出さないのか?」

 

カイオウはさらにガタノトアを挑発する。

 

「こうなれば!」

 

ガタノトアは巨大な触手とタコ足、鋼の鋏を出すと口から黒い障気を吐き出し、塊を作り始めた。

 

「受けてみろ!我が最大の力を全て注ぎ込んだ究極奥義!」

 

黒い障気から紫に発光する粒子が溢れ、叫んだ。

 

「全て........石に変われぇぇぇぇっ!!」

 

ガタノトアは黒き塊を放出し、カイオウ目掛けて投げ付けた。

 

「そう来ると思ったぞ......」

 

するとカイオウは矛槍を地面に突き刺すと、槍先から水が溢れ、一気に荒波へと変わり、ガタノトア目掛けて直撃した。そしてガタノトアが放った黒き塊が波によって吸収され、ガタノトアに直撃した。

 

「何っ!?」

 

「お前の石化ビームには弱点があった.........海水に含まれる塩分が粒子をタンパク質に変えることだ。そんなことになったら、石化ビームを通じて、お前も石に変わってしまう......だからあの時、下は絶海....上空には石化ビームと言う戦略に出た。奥義を出したのが間違いだったな....」

 

カイオウが説明している中、ガタノトアの足が顔まで徐々に石化していった。

 

「クソォォッ!!」

 

「さて、止めを刺すか.......フンッ!」

 

カイオウが次元跳躍を発動し、ガタノトアの近くまで移動し、ガタノトアを天高くまで蹴り上げた。そして同じ頃、リョウマもダモンを切り上げ、吹き飛ばされたダモンは蹴り飛ばされたガタノトアとぶつかった。

 

「「グァァァァァァァッ!!」」

 

ガタノトアとダモンが怯んでいる隙にローレライが父親からの秘奥義を放った。

 

「ウルトラ・マリン!!」

 

セイレーンの手から巨大な渦潮が放たれ、ガタノトアとダモンを呑み込んだ。

 

「ドミニカ!お前の錬金術で我の海水に灯油を巻いてくれ!」

 

ドミニカはカイオウに言われた通り、錬金術で灯油を作り出し、ローレライのウルトラマリンに流し込んだ。

 

「次にダーマ!お前の氷結で奴等の手足を突き刺せ!」

 

「おう!」

 

ダーマは手から氷の玉を出し、ウルトラマリンに投げ入れた。するとウルトラマリンが凍りつき始め、ガタノトアとダモンの四肢に氷柱が刺さっており、2体は身動きが取れなかった。

 

「何をっ!?」

 

「バルト!お前の炎をリョウマの刀に!!」

 

「分かったぜ!」

 

バルトは手から炎を出し、それをリョウマの刀にやる。

 

「そして......我の聖水をその刃に!」

 

カイオウは手から光輝く聖水を取りだしリョウマの刀に掛けた。するとカイオウの聖水とバルトの炎、そしてリョウマの雷が合体し、3つの属性の力を持つ光の刃へと変わった。

 

「斬れ!リョウマ!」

 

「承知!」

 

リョウマは刀を鞘に収め、雷の翼を羽ばたかせ、ガタノトアとダモンへ飛んでいった。そしてリョウマは渾身を込めて刀を抜刀し、叫んだ。

 

「ネイル秘奥義!天雷旋龍斬!」

 

リョウマの斬撃の速さがガタノトアとダモンを襲い、2体の体がどんどん消えていく。

 

「馬鹿な......我がこんな下等生物に殺られる!?..........嘘だぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「ガタノトア様ぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

最後の一振りでガタノトアとダモンの欠片を無くし、塵と化した。その様子を見ていたリュウガとサラマンディーネが見ており、リュウガはバスターライフルを掲げ、叫んだ。

 

「我が息子リョウマ・ネイルが護星神と共に邪神"ガタノトア"とダモンを討ち取ったぞぉぉぉぉ!!!」

 

《おおおおおおお~~~!!!!》

 

ドラゴンとドラゴンレイドの兵士達が勝鬨の声を上げるそれを聞いていたクトゥグアは歯を食い縛り、悔しがる。

 

「グッ!」

 

「どうやら、ガタノトアが倒されたようだな!」

 

「クッ!」

 

クトゥグアは二刀流で陽弥に襲いかかるが、陽弥の四刀流で弾き飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてシン達が応戦しているナトラータホテプはハスター、ガタノトアが殺られた事に怒り狂っていた。

 

「クソォォッ!クソォォッ!糞っ!糞っ!糞っ!糞おっ!!!あの2体........しくじりやがったな!!」

 

するとウィルがトマホークを降り下ろしてきた。ナトラータホテプは間一髪でトマホークを防御すると、ウィルがナトラータホテプに言う。

 

「ざまぁねぇなっ!」

 

「っ!?」

 

「あんなに風に殺られているんだ!お前らひょっとして........本当は弱いんじゃないか?」

 

「グッ!」

 

ナトラータホテプはウィルを蹴り飛ばし、怒鳴った。

 

「黙れ!ヘルガスト人がっ!!我はナトラータホテプ!皇帝でもあるんだぞ!!お前らのような下等生物に負ける気がしない!!」

 

するとナトラータホテプの周りから植物や木々が生え、ナトラータホテプに襲い掛かった。

 

「何だ!?この植物は!?」

 

ナトラータホテプの部位が木々によって削られると、自信の再生で修復するが、襲いかかる木々が妨害する。

 

「っ!?」

 

「我.....シンオウの力だ.......」

 

シグムディア ザ・ケリュネイアになったシンオウが紅き瞳を光らせ、植物を操っていた。

 

「小生意気な獣の王が!」

 

ナトラータホテプはビームバスターを発射しようした直後、ナトラータホテプの周りからセイクリッドメイル、パラメイル、インゼクティアメイル、ガルドメイル部隊が一斉射撃してきた。

 

「何っ!?」

 

ナトラータホテプは防御するが、相手している勢力差に押されていった。

 

「貴様等!邪魔だ!」

 

「さてと、時間稼ぎはそろそろ終わりにしますか......」

 

シンオウが言うと、謎の轟音が世界に響いた。

 

「何!?......っ!しまった!!」

 

ナトラータホテプは本来の目的を思い出した直後、真上からステルスで移動してきたグランドスフィアが現れた。

 

 

 

 

 

グランドスフィアが現れたことにより、クトゥグアは慌てる。

 

「クッ!グランドスフィア!貴様!この為に我等を分担させていたのか!」

 

「その通りだ、クトゥグア..........そうすればお前らを糸も容易く倒せる..........まぁ、アンタ達をグランドスフィアが来るまでの時間稼ぎの為に利用させて貰ったし、おまけに準備体操の相手になってくれたからな♪」

 

「っ!?........準備.....体操.......だとっ!?」

 

「グランドスフィアが来たことだ........良いものを聴かせてやるぜ!」

 

陽弥はグランドスフィア内にいるトレーネルに通信を入れる。

 

「トレーネル....準備は出来てるか?」

 

『何時でも、響かせられますよ!』

 

「良し!バハムディア!モードチェンジ!」

 

陽弥は七星剣、魔剣グラム、鬼羅丸を収納すると、ウルティメイト・バハムディアを投げた。するとバハムディアが光だし、剣からエレキギターへ変形した。

 

「エレキギター!?」

 

「カイオウ!シンオウ!エンオウ!戻ってこい!後、ついでにナトラータホテプを此処まで吹き飛ばしてくれないかな?」

 

「分かりまし......った!!」

 

シンオウはナトラータホテプをクトゥグアの方まで蹴り続けた。そして渾身を込めた蹴りが炸裂し、クトゥグアに直撃した。

 

「グェッ!」

 

「ナトラータホテプ!?」

 

カイオウ、シンオウ、エンオウが揃うと、三体は手からそれぞれの楽器を取り出した。陽弥はエレキギター、エンオウはバイオリン、カイオウは三又の矛がフルート、シンオウはトロンボーン。陽弥は三獣王達に言う。

 

「皆!用意は出来ているか!!?」

 

するとグランドスフィアから赤黒い流星が降りてきた。その流星から現れたのはブラムであった。

 

「俺も混ぜろよ」

 

「ブラム!」

 

「ったく、一人でアルマロスに挑むとは、この.....馬鹿たれがっ!」

 

ブラムが陽弥の頭に拳骨し、陽弥は頭を抑えながら謝罪する。

 

「痛てっ!?悪かったな!」

 

ブラムは呆れ、ドラムを出すと、今度は上空からオメガプライムスが降下してきて、体のあちこちから音響スピーカーを展開し、グランドスフィアも装甲から無数の音響スピーカーを展開した。

 

「行くぜ!俺等の歌と爆音のメロディを耳の穴をかっぽじって聴け!」

 

陽弥はそう言うと、ギターの弦を弾き始めた。それに続きをブラムもドラムを叩き始め、カイオウやシンオウもフルートとトロンボーンを吹き、エンオウもバイオリンを弾き、オメガプライムスとグランドスフィアが音響スピーカーでアヴァロンに音楽を響かせた。

 

「何だ!?」

 

するとクロウと交戦しているアポカリプスに異変が起きた。

 

「っ!?グァァァァァァァァっ!!!!何だこの音楽は!?」

 

アポカリプスは頭を抑えながら苦しみもがき、他のアジマス兵達や義勇軍も頭を押さえ始めてきた。クロウにはさっぱり分からなかったが、陽弥の音楽で心が高ぶってくるのを感じた。

 

「この音楽を聴いていると......何か力が湧いてくるぞ!?」

 

するとホライゾンの人達が次々に立ち上がり、気合いが入り込み、雄叫びを上げ始めてきた。

 

「皆!恐れるな!陽弥さんのこの爆音と歌が俺達に力を与えてくれてるんだ!」

 

「つまり!?」

 

「このメロディが鳴り響いている間..........俺達は"無敵"状態ってことになるぜ!」

 

「マジかよ!?」

 

「なら、素手で相手しても良いって言う事だな!」

 

兵士達は一斉に義勇軍とアジマス兵に突撃してきた。義勇軍は苦しみながらも、陣形を取り、攻撃体制へ移った。義勇軍は一斉に射撃し、兵士に直撃した。だが、その兵士達の周りに次元バリアが展開されており、義勇軍は迫り来る兵士の圧迫差に怯え、逃げ始め出した。その光景にクトゥグアは陽弥を睨む。

 

「グッ!卑怯だぞ!」

 

「ハッ!?お前が言うか.........よっ!!」

 

陽弥はギターを振り回し、クトゥグアの顔面にぶつけた。

 

「グァッ!!」

 

「諦めろ!もう大銀河帝国は壊滅寸前だ!そんなに抗っても無理だ!」

 

「黙れぇぇぇぇ!!!」

 

クトゥグアとナトラータホテプは最後の力を振り絞り、不完全のクトゥルフへ合体した。

 

「仕方ない.......使いたくなかったけど、行くぞブラム!」

 

ブラムは陽弥の体の中に入り、闇の腕を展開した。

 

「くたばれ!!陽弥・ギデオォォォォォンッ!!!」

 

クトゥルフは肩部を露出展開し、ディスコード・ネビュライザーを発射しようとした。

 

「この技は俺とブラム直伝の技だ........受けてみるが良い!」

 

すると闇の腕が右腕に移植し、左腕が無くなり、変わりに右腕が白く輝く巨大な爪を持つ腕へ変わった。

 

「超・神羅万象!ゴッドイーター・フィンガァァァァァァッ!!!」

 

陽弥の指が龍の形を変え、巨大な口を開け、クトゥルフに突撃した。クトゥルフもディスコード・ネビュライザーを放ち、陽弥を消そうとした。が、陽弥のゴッドイーター・フィンガーがクトゥルフのディスコード・ネビュライザーを食べ始めた。

 

「何っ!?」

 

《えええええええええぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~~っ!!!!!?????》

 

クトゥルフ及び、シンやルナ、アンジュ達もその光景に驚く。そしてディスコード・ネビュライザーを食い終えた直後、渾身を込めた一撃が炸裂した。クトゥルフの胸に大きな風穴が空いており、陽弥の手にダークマタージュエル(グリゴリ)を持っていた。

 

「神を喰らう如く指は!」

 

「悪しき神も喰らう!」

 

陽弥とブラムはそれぞれの台詞を言い終えた直後、クトゥルフの体が爆発を起こし、苦しんでいった。

 

「ガァァァァァッ!!!?.........そんな!?........こんな事が!!??........アアアアアアアアァァァァァァァッ!!!!!!!」

 

大爆発が起こり、煙の中から負傷したクトゥグアとナトラータホテプが出てきた。陽弥は持っていたグリゴリを砕き、その闇をブラムが吸収し、自分の力に変えた。

 

「終わりだ.......クトゥグア.....ナトラータホテプ」

 

ナトラータホテプはグリゴリが無くなったことや、陽弥に負けたことに悔しがる。

 

「.......己れ!......己れぇぇぇっ!!」

 

「ヤバイな.......陽弥の奴」

 

その光景に父親のシンは驚いていると、βが何やら慌てて報告してきた。

 

「大将!」

 

「どうした?」

 

「アヴァロンから緊急放送が流れています!」

 

「緊急放送!?」

 

すると空から巨大なモニター画面が浮かび上がり、現れたのはアルマロスであった。

 

「アイツは!?」

 

「我が名は.....新・超次元生命体アルマロスだ!」

 

「........アルマロス!」

 

陽弥はモニター画面に映っているアルマロスを睨む。

 

「復活した我はこれより.......役立たずである邪神達を........皆殺しにする!」

 

《っ!!!?》

 

突然の言葉に皆は戸惑う。

 

「.......アイツ、今なんて?」

 

「クトゥグア.......ナトラータホテプ.........もう良い....この役立たづが.......」

 

突然、陽弥の後ろから声がし、急いでその場から離れると進化したアルマロスが立っていた。シン達がアルマロスがいることに驚く。

 

「お前は!?」

 

「何だ!?アイツは!?今までの邪神より、遥かに超越しているぞ!?」

 

「..........久し振りだな、ミッドガンドの護星神.....」

 

「.......お前もな.........アイホート...........嫌、"超次元生命体 アルマロス"!!」

 

陽弥の言葉に皆は息を飲み、警戒した。

 

《アイツが......アルマロスっ!!!》

 

「何時から、我がアルマロスだと分かった?」

 

「......最初からだ........クトゥルフが封印されるとき、お前の姿が見えた.............ドゥームを邪神にしたのも.......リーパーズを造ったのも.....クアンタ人を毒ガスで皆殺しにしたのも.........全部お前だろ.....」

 

「........まさかそこまで知られていたとは.......感服だよ♪」

 

「それより、何だ、その体?........新しい依代?」

 

「これか?.........これはお前の乗っている001"シグムディア"とそこのクアンタの姫さんが乗っている002"シグニュー"と同じ...........クアンタ人が造り上げた究極の超・人造生命体"000"だからなぁ!!」

 

アルマロスの衝撃な事に陽弥は驚いた。

 

「何っ!?」

 

《000っ!!?》

 

「000!?.......つまり!?」

 

「その通りだ......この生命体は最初にして最強.....全時空と宇宙.......嫌、全知全能を統べる事ができる生命体だからな........」

 

陽弥は七星剣とグラムを合体しバスターソードでアルマロスに斬りかかった。

 

「ここで倒す!」

 

「無駄だ....」

 

アルマロスは手を陽弥に差し伸ばした時、陽弥の動きが止まった。

 

「グッ!!」

 

「そんな!?」

 

「無駄だと言っているだろう.........我と000は完全に適合し、お前の武器の出力、火力をも遥かに超越している.........この合金はそこの姫さんの持つクアンタニウムハートの半分でもあり、クアンタ人のエネルギー源"クアンタニウム"を使っている。シグムディアのハイパーノバビームライフル等の近い威力を持つ兵器も無効にすることが出来る.......そしてあらゆる対象の時間を操ることもできる......」

 

《陽弥!/陽弥さん!/陽弥殿!/お兄ちゃん!/陽兄ぃ!/陽兄さん!/兄貴!/先生!/マスター!/陽弥様!/パパ!》

 

シン達が陽弥を助けに向かおうとした直後、アルマロスの頭部左右に付いている翼がリングを作り、リングの中枢から集束ハイパーノバビームを放った。シン達は吹き飛ばされ、陽弥が叫ぶ。

 

「皆!グァッ!!」

 

「長きに渡たる意味がなかったなぁ、ヴェクタの若造...........だが、今日もこれまでだ..........そうだなぁ、今日からコイツの名は........"『零(ゼロ)』"と名付けよう...........そして我、アルマロスとゼロはこれより、全ての存在をリセットする......」

 

アルマロスは陽弥を放り投げた。

 

「ガハッ!」

 

「陽弥・ギデオンよ.......我を止めたければ、エンブリヲが造り上げた偽りの地球へ来い.......我はその星を巣にする。」

 

アルマロスはそう言うと、ナトラータホテプを睨らんだ。するとナトラータホテプの頭からとてつもない程の電流が流れ込んだ。

 

「グァァァァァァァッ!!!!」

 

ナトラータホテプは苦しみながら、叫ぶ。

 

「ナトラータホテプ.......貴様に我のグリゴリの力に頼りすぎだ.......よって、貴様等邪神どもは我の手で駆除する......」

 

アルマロスは手のひらから光の槍を作り、ナトラータホテプ目掛けて投げた。光の槍がナトラータホテプの頭部に突き刺さり、消滅した。

 

「アアアアァァァァァァァッ!!!」

 

塵と化したナトラータホテプが消えると今度はクトゥグアを睨む。

 

「次は......貴様だ。生ける炎のクトゥグア」

 

アルマロスはまた光の槍を作り、構える。

 

「グッ!」

 

すると陽弥がクトゥグアを守ろうと前に出た。

 

「ん?」

 

「ふざけんな!お前!自分の一部なのに殺すって言うのか!?」

 

「下らん感賞だ.......我から出た擦り出た垢は処分........それは生命としての本能だからだ........」

 

アルマロスはそう言うと、クトゥグア目掛けてハイパーノバビームを放つ。陽弥はクトゥグアを抱え、回避した。

 

「グァッ!!」

 

「今だけは生かしてやろう.......だが、次に合間見えたときは.....必ずクトゥグアとヴォルヴァドスを殺す........あ、それから......」

 

次元跳躍よりも速いアルマロスはシグニューに乗っているエミリアに近付き、エミリアを次元跳躍で空間転送でアルマロスに捕まった。

 

「っ!?」

 

「.......まさか!?....っ!!」

 

「この姫さんとアヴァロンは人質だ........」

 

「エミリア!!」

 

「陽弥・ギデオンよ......愛する姫君を助けたければ偽りの地球へ来い.........我は待っているぞ........行くぞアポカリプス......」

 

アルマロスはエミリアを連れて、アヴァロンへ戻ろうとした。

 

「了解....クロウ・F・アルメディオ...覚えておけ、それからイプシロン.......あなたはもう用済みです.....」

 

アポカリプスはイプシロンの頭部に付けられている王冠を解除した。イプシロンはグラリと倒れ、アジマスとデルタが駆け付ける。

 

「っ!!」

 

「「イプシロン!/兄様!」」

 

「........う.......うう.....私は....一体何を.....?」

 

イプシロンが目を覚ますと、アルマロスはワームホールを開いた。

 

「それでは、あらゆる種族よ.........偽りの地球で」

 

「待てっ!!」

 

陽弥はシグムディアから降り、羽を広げ、ワームホールに入ろうとするアルマロスへ飛んでいった。同じくエミリアも必死に抵抗するが、アルマロスの力が強大で身動きが取れなかった。二人とも互いの手を差し伸ばし、叫んだ。

 

「陽弥様ぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「エミリアァァァァァッ!!!」

 

しかし、アルマロスはエミリアを連れてワームホールの中に入り、消えた。陽弥は後一歩の所で間に合わず、地面へ転げ落ちた。そしてアヴァロンが義勇軍を置き去りにして、何処かへと去っていった。

 

「お兄ちゃん!」

 

ルナが心配すると陽弥は地面を叩き付け、悔しがった。

 

「......クソォッ!...クソッ!クソッ!.......エミリアァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!」

 

戦火の中、陽弥は彼女の名を叫び続けた。

 

 

 

 

 

 

 

一方、アヴァロンは偽りの地球におり、偽りの地球を眺め、宮殿内にいるアルマロスが言う。

 

「さて、救済を始めよう........」

 

アルマロスは指を鳴らすと、偽りの地球の後方から黒紫の天体が次元跳躍して現れた。

 

「血の種よ......アヴァロンと偽りの地球......そしてバロックダークを融合させ.......これより、"MP (ミッシングプロシージェ)"を放出し、及び我の計画"終焉融合"を開始せよ........」

 

黒紫の天体"バロックダーク"から赤黒い触手が出現し、偽りの地球の地表に直撃すると、大地が砂漠化し、植物は枯れ、青かった海が血のように赤く染まった。

 

「さぁ、目覚めよ.........情報を取り組み、生命を狩りし我が眷属よ.......ファントム!」

 

アルマロスが言うと、全体黒い海で覆われたバロックダークの中から、赤黒いカラーをした艦隊が無限に湧いてきた。

 

「これで......我が望んだ理が完遂出来る.......」

 

アルマロスは台に寝かせている巫女服を着たエミリアを浮かび、呪文を唱え始めた。

 

「エミリア・レグレシア・クアンタ.........この姫巫女に宿るクアンタニウムハートと我とグリゴリを一つにせよ......」

 

アルマロスの体からグリゴリが飛び出し、白き胞子がエミリアとアルマロス、そしてグリゴリを包み込んだ。

 

「残るは.......アーククリスタルと.....奴のインフィニティソウルだけだ.....」

 

白き胞子の中で謎の物体が紅き目を光らせた。


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