クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者   作:オービタル

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第52話:運命

陽弥達はサラが消えた壁に止まり、早速"導きの灯火"を使うと、壁があっさりと開き、奥へ通じる道が見えた。

 

「おー!開いた!」

 

リムルは感心し、奥へ歩む。

 

「どうやったらこんなカラクリを造れるんだよ......ムーア人は.....」

 

「それほど、ムーア人のテクノロジーが上だって言うことが分かる。」

 

「ふ~ん...」

 

ムーアのテクノロジーに陽弥達は感心した。陽弥は心の中にいるブラムに話し掛ける。

 

「どう思う?」

 

『分からん』

 

「そっか......」

 

「そう言えば、陽弥さんの中にいるブラムと言うのはどういう者なんですか?自己紹介しただけなので......」

 

「......元邪神かな?正確に言えば邪神の王の王とも言える。ブラムは俺の先祖アプスとニケが作った俺の二重人格でもある。見た目は怖いかもしれんが、話したら結構良い奴だから.....」

 

すると、陽弥からブラムが出てきた。

 

「見た目が怖いとは何だ?見た目とは.....」

 

「良いじゃないか、ブラム。お前のことを話してやってんだから、」

 

「.......ケッ!」

 

ブラムは頬を膨らます姿にエッジ達は笑う。

 

「まるで兄弟だね、陽弥とブラムは」

 

「「っ?!違~う.....!」」

 

「ミャッ!?」

 

陽弥とブラムが怒り、メリクルが驚く。

 

「三人とも静かに.....!」

 

レイミが注意し、扉を開けた矢先に蒼く輝く獣が威嚇していた。

 

《っ!!》

 

「何だこいつは!?」

 

「この神殿の守護獣か......、準備体操するにはちょうど良い相手だ......お前ら、先に行け.....」

 

陽弥とブラムはそれぞれの腕を展開し、構えた。

 

「だけど!」

 

「良いから行け!サラを救出し、魔王復活阻止するんだ!」

 

「......分かった!」

 

エッジ達は陽弥の言われた通りに、先へ行こうとするとガーディアンビーストがエッジの方を向き、襲い掛かってきた。陽弥は光の腕を伸ばし、ガーディアンビーストを掴み投げた。

 

「彼等を追いたければ.......この俺を倒してからにせっ!!」

 

陽弥がガーディアンビーストに光の爪を突き付け、コスモバイルを掲げた。

 

「ガルディオラ!ライパルド!アルグレオン!」

 

コスモバイルからガルディオラ、ライパルド、アルグレオンが召喚され、ガーディアンビーストに攻撃する。ガルディオラがガーディアンビーストの突進を受け止め、ライパルドが翼に付いている鋭い刃を斬り付ける。仰け反るガーディアンビーストにアルグレオンが烈火のレーザービームが直撃した。

 

「叩きのめせ!」

 

3体のスペクトロブスはガーディアンビーストの首と前足に噛み付いた。するとのんびりしていたブラムが闇の腕を突き付けてきた。

 

「俺も混ぜてくれよ♪」

 

「ブラム?」

 

「俺がいれば.....百人力だ」

 

ブラムが陽弥に笑顔を見せると、陽弥は七星剣と魔剣グラムを抜刀した。

 

「フッ.......剣を持て!」

 

「ああ!」

 

陽弥がブラムに魔剣グラムを投げ渡し、二人は神速の如く斬撃でガーディアンビーストの四肢の間接を切り、最後に二人揃って、

 

「「必殺!ダブル!プロミネンスフィンガーーッ!!」」

 

二人の指から同時に、紅炎が放たれ、ガーディアンビーストを撃破した。

 

「中々、やるな.....ブラム」

 

「そっちもな、陽弥」

 

「早いとこ、エッジ達に追い付かないと.....戻れ!」

 

陽弥はガルディオラ、ライパルド、アルグレオンをコスモバイルの中に戻り、ブラムも陽弥の体の中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

陽弥は神殿の奥へ進んでいた。

 

「だいぶん導きの灯火で進んでいるようだなぁ......ん?」

 

すると、陽弥は横の扉に明かりが照らされていることに気付き、中に入ってみると、それは何らかの薬品や容器、資料や、ブラックコルドロン(黒い釜)があった。

 

「これは?」

 

陽弥は水色の液体が入った容器を見ると、突然ブラムが陽弥に話し掛けてきた。

 

「.......なるほど、そう言うことか」

 

「何がだ?」

 

「......これは、石化病を広めるための薬だ」

 

「石化病を広めるための薬?!」

 

「あの魔王崇拝者達が風土病を広めていたんだ........それにこれも見ろ」

 

ブラムの目線にあるものがあった。それはあの黒鷲に頼んで、渡すはずだった報酬金と手紙であった。

 

「これは!?」

 

「あの若造が取っ捕まえた賊に頼んだのはコイツらだ......なんと卑劣な奴等め......」

 

「クソッ.....!」

 

陽弥は拳を壁にぶつけ、歯を食い縛っていると、ブラムが箱の上にあるものを見つけ、驚愕した。

 

「.......嘘だろ」

 

「え?」

 

ブラムがそれを持って陽弥に見せた。

 

「そ!......それは!?」

 

それは........パージ神殿の行き方を教えてくれた遊牧民の黒いマントだった。しかもマントに赤黒い血痕が残っていた。

 

「嘘だろ........遊牧民も......!」

 

「こりゃ......生かしては置けん.........!」

 

ブラムは黒いマントを自分の心の中にしまうと、拳を握り締める。

 

「........許さん!俺はあの狂信者がっ!れ」

 

「「絶対に許さねぇっ!!」」

 

陽弥とブラムの瞳が同時に緑へと変わり、シンセシスを発動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして奥の間ではエッジ達がようやくサラを見つけると同時に、魔王崇拝者のリーダー、タミエルがおり、エッジ達はタミエルの言葉を否定したその時、扉が木っ端微塵に吹き飛び、緑の炎を纏った陽弥とブラムが鬼神の表情になっていた。

 

「タミエル!!」

 

《っ!?》

 

「陽弥!ブラム!」

 

「お前だけは.......絶対に許さねぇ!罪を償ってもらうぞ!!」

 

鬼神の如く陽弥は七星剣をタミエルに突き付けると、タミエルは語り出してきた。

 

「さてさて、貴方は何を仰っておられるのですか?それに仰っている意味が分かりませぬが.....」

 

「「何っ!?」」

 

「惚けても無駄だ。君達が人為的に石化病を広めたことを、自分達は既に認識している。」

 

バッカスがあの部屋で見たものを証言した。

 

「ふむ.........それの何処が罪だというのですか?」

 

《!?》

 

タミエルの言葉に陽弥達は驚愕する。

 

「世界は緩やかに滅びの道へ進んでいるのす。我々はその流れに、少し差し伸べただけ、あなたの友人はその礎となる存在.......友人であるあなたが何故それを祝福しないのか?......私には理解できません。」

 

「当たり前だ!この世界を滅ぼしたいだなんて、サラはそんなことを望んでいない!!」

 

「いやはや、本当におかしなことを言う人だ。彼女は、それを望んでおります。私は知っているんです。ええ、知っているんです。私だけは知っているんですよ......!」

 

タミエルの語り事とその眼差しにエッジ達の心を揺さぶった。

 

「ミスタ・エッジ!この男は何だ!?今.....自分達の目の前にいるこれは......!?」

 

「これが......狂気.....底無しの闇がこの獄闇の皇神帝を飲み込もうとしている.....!」

 

ブラムが鬼のように威嚇する。

 

「この姿をとったことでよく分かりました.......人間の欲望とは限りないものです。今あるものではすぐに満足できなくなり、また新たな幸福を求めるようになっているのです.........しかし、今のこの世界はそうできていない、限界があるのです。でもね、私は足りないんです。地位、名誉、金.....いくら手に入れようとも、もうこれ以上はこの世界では、手に入らないんです。でも、私はもっともっと欲しいんですよ...そう、たとえ今、この身が朽ち果て滅びようとも、人間の欲望とは限りないものなのですよ!」

 

タミエルの下らない目標に、ついにエッジと陽弥とブラムの頭のネジが取れた。

 

「ふざけるな........ふざけるなよ!お前!」

 

エッジは拳を握り締め、タミエルに怒鳴った。

 

「そんな下らない理由で.....サラを!....この星に住む人々を!!」

 

「護星神として.......俺はお前を......倒す!」

 

その時、エッジの左手と陽弥の首もとからムーアの紋章が浮かび上がり、光輝き始めた。

 

《.....!》

 

「これが.......エッジと陽弥さんのムーアの力......エッジと陽弥の中にあるムーア力......」

 

「綺麗な....光」

 

「なんとも、熱い.....」

 

「戦おう!俺達の手で!エッジ!」

 

「ああ!ちっぽけな存在の僕に、今、できることはそれだけだ!そして、僕はやって見せる!ロークはこんな滅びなんか望んでいない!」

 

陽弥達はそれぞれの武器を取りだし、タミエルに突き付ける。

 

「サラを救い!魔王アスモデウスの復活を阻止する!」

 

《応!!》

 

皆は掛け声を出すと、タミエルは杖を取り、戦闘体制をとる。

 

「分かりました.......では、貴殿方に新しき世界のために.......滅びをさしあげましょう」

 

するとタミエルの後ろから転送呪紋が現れ、数十人の戦闘員を召喚してきた。

 

「愚かな人々よ!欲望の渦に沈むが良い!!」

 

タミエルの目が赤黒く染まり、戦闘員達も一斉に襲い掛かってきた。

 

「行くぞ!ブラム!」

 

「おう!」

 

陽弥とブラムは七星剣と魔剣グラムを振りかざし、呪紋を唱えた。

 

「ライトニングプラズマ!」

 

「スカーレットイーター!」

 

七星剣から閃光に輝く無数の稲妻が放たれ、グラムから赤黒い禍々しい手のような形をした口が襲い掛かり、二人の合体技で撃破したと思いきや、あちこちからシュドネイ教の戦闘員が現れてきた。

 

「どんだけ増えるんだ!コイツら!」

 

ブラムが戦闘員の仮面のしたの目を見ると狂喜に満ちた眼差しであった。

 

「死を覚悟してやがる目だ.......そんなに崇拝したいなら蓮獄の業火に包まれた地界に叩き落としてやる!」

 

ブラムの手から赤い球体が現れ、地面に押し付けると、ブラムは叫んだ。

 

「ヘルブレイザー!!」

 

ブラムを中心に地面から裂け目ができ、中から暗黒生命体の兵隊達が戦闘員に襲い掛かかり、ブラムと陽弥を守るように囲んだ。陽弥とブラムの戦闘にエッジ達は驚いていた。

 

「凄い.....」

 

「これが....神の力....」

 

「俺達も行こう!」

 

エッジ達も陽弥とブラムを助けるべく、戦闘員の大軍に飛び掛かった。

 

「紅時雨!」

 

レイミは弓矢を取りだし、前方の戦闘員に向けて紅く輝く七つの矢を放った。

 

「ファイアボルト!」

 

「ディープフリーズ!」

 

リムルとミュリアは得意の呪紋攻撃で敵を焼き付くしたり、凍らせていった。

 

「スキャッター・コメット!」

 

メリクルは爪武器を使い、引っ掻き、そして渾身の猫パンチを戦闘員の顔にいれる。

 

「ジャスティス・セイヴァー!!」

 

バッカスが両腕から二門のガトリング砲を呼び出しを戦闘員の大群に向けて乱射する。

 

「シャドウニードル!」

 

「グラン・ザッパー!」

 

フェイズがエッジに迫ってくる戦闘員に闇の針を撃ち込み、エッジが光の刃を発した剣を地面に叩き付け、戦闘員に衝撃波で撃破する。その光景にタミエルは慌てながら、陽弥に言う。

 

「何故です!?何故分かっておられないのです!?アスモデウス様こそ、この世界の救世主!なのに何故っ!?貴殿方は偉大なる魔王アスモデウス様の復活を邪魔をなさるのですか!?」

 

「未来に生きる者達の世界のためだ!」

 

「っ!?」

 

「生まれてくる新しき命!それは、未来への希望を託す!それが命なんだよ!お前のような勝手に世界を創り直すなんざぁ......つまらん!例えいろんな神様や仏様が許しても!この俺と!」

 

「ブラムが!」

 

「「許さねぇ!!」」

 

陽弥とブラムのそれぞれの腕が虹色に光だし、腕を掲げる。

 

「地に堕ちれ!タミエルゥゥゥゥッ!!」

 

二人はその腕をタミエルに突き付け、飛び掛かった。

 

「「必殺!ビックバン!フィンガー!」」

 

陽弥とブラムの光と闇の指から、虹色に輝く波動が放たれた。

 

「偉大なる邪神よ!我に力を!ダークイーター!」

 

タミエルは自信の体から怨念の塊を呼び出し、口へと変わり、陽弥とブラムのビックバンフィンガーの押し合いが始まった。

 

「「うおおおおおおおっ!!」」

 

すると二人の体が金色に輝き、ビックバンフィンガーの波動が大きくなる。

 

「そんなっ!?」

 

「「止めだぁぁぁぁっ!」」

 

タミエルのダークイーターがビックバンフィンガーの巨大な波動によって砕け、タミエルに直撃した。

 

「ギャァァァァァァッ!!.......アスモデウス万歳~~!!」

 

ビックバンフィンガーで全身がボロボロになって倒れたタミエルは語り始めた。

 

「申し訳ございません、アスモデウスよ...........我が欲望が足りぬゆえ、復活はなりませんでした。あぁ、偉大なる我らが魔王よ......彼らに滅びと...そして、新たな世界で祝福を........」

 

タミエルはそう言って絶命すると、倒れている地面が割れた。

 

《っ!?》

 

皆は驚くと同時に地面は崩れ、タミエルの死体は落ちていった。

 

「何者だったのだ........あの男は?」

 

バッカスが問うと、エッジは返答した。

 

「分からない.......でも、最後の最後まであの男は....狂信者のままだった。あれは......まるで......」

 

エッジはあの地球のミラ・バークタインの光景を思い出す。

 

「.....」

 

陽弥もポーチからクラウスとミラ、そしてケビンの写真を見て、胸を押さえる。

 

 

 

 

 

 

そして、陽弥達はサラを起こす。

 

「サラ.....」

 

サラは目が覚め、周りの状況を見る。

 

「エッジ君?......それに皆さんも.....え~っと、おはようございます~♪」

 

その能天気差に陽弥達は笑った。するとサラがエッジの顔を見る。

 

「ん?」

 

「ど、どうかした?」

 

「どうやらイレーネさんに会ったみたいですね~。ちょっとだけ良い顔になってますよ~。うんうん、良かったです~♪」

 

サラはそう言うと、エッジの頭を撫でる。

 

「サラ.......僕.......僕は.....」

 

「はい~?」

 

エッジの目に涙が溢れた。

 

「ありがとう......ありがとう...........今度は.......今度は間違えなかったんだ........サラも......ロークも......生きて......」

 

エッジは自分の過ちを繰り返させないよう決意するが、フェイズの方はもう一つの台の崖の下にあの子の髪飾りが落ちていたことを誰も知るよしもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽弥達はサラと共にパージ神殿から出ると、ロークの太陽が陽弥達を照らしていた。

 

「何だか、久しぶりに青空を見た気がするよ」

 

「うん....そうだね」

 

「えー、それでは皆さんにお知らせです~。魔王さんが復活しなかった事を私、イレーネさんに報告してきます~♪皆さんにはいっぱいお世話になりました~♪それでは行ってきます~♪」

 

サラはそう言い、崖から飛び下りた。

 

《!?》

 

皆は驚くが、下はそんなに深くはなく、サラは翼を使い、地面に下りた。

 

「ミャッ!?突然の事で、何も言えなかったミャッ!」

 

「サラたん、行っちゃったのよ」

 

リムルとメリクルはサラに手を振る。

 

「サラた~ん!」

 

するとサラもメリクルとリムルに手を振る。

 

「随分と......呆気ない別れだったなぁ.....」

 

「サラさんらしいけど、ちょっと寂しいね」

 

「.......さて、そろそろ俺も行くわ。向こうであいつらが泣きべそ掻いていると思う。エッジ」

 

「?」

 

「そっちも頑張れよ!」

 

「ああ、陽弥も.....向こうの世界でも頑張るんだ!」

 

陽弥とエッジは互いに握手を交わした後、陽弥は指輪を天高く掲げ、名を呼んだ。

 

「......来い!シグムディア!」

 

陽弥の指輪が紅く光、目の前からシグムディアが次元跳躍で現れた。

 

「そんじゃ!」

 

陽弥はシグムディアに乗り込み、皆に手を振った。

 

「ハルた~ん!」

 

リムルやメリクル、エッジ達も手を振り、彼らの姿が見えなくなるまで陽弥は手を振った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エッジ達と別れを告げた陽弥はオメガプライムスに乗り込み、ロークから離れると、陽弥はオメガプライムスにあることを問う。

 

「.......オメガプライムス」

 

『何でしょうか?』

 

「........前から思ったんだけどよ、」

 

『?』

 

「お前には仲間がいたのか?」

 

『......はい?』

 

『陽弥.....一体どういうことなんだ?』

 

ブラムが問うと、陽弥は言う。

 

「嫌、だから、今さっきもいった通りのことだよ。エッジ達のような仲間を見て.......それで、オメガプライムスにも仲間がいたのかなぁ......」

 

『ハァ.....あのなぁ、陽弥。オメガプライムスは"機神"。いくら何でも機神が何体かおるなんてーー』

 

『.......いました.......』

 

『何!?』

 

突然の言葉にブラムは驚く。

 

『機神には.......必ずやそれぞれのエレメントを持っております。火、水、風、土、光、闇、機がありまして、私は機のエレメントを司る機神であります。そもそもオメガプライムスと言う名は、7つのエレメントを司る機神が一つとなった機神の呼び名です。ですからアヴァロンを造られたのは私含めて、7体の機神のおかげです。』

 

「ふぅ~ん......」

 

『......会って見たいですか?』

 

「......会って....見たいかな.......クトゥルフにはケイトスがいる......何なら、それを超越してしまうほどの戦力が必要だ。それに......」

 

陽弥はポーチからイレーネから貰った絵本を取りだし、オメガプライムスに見せる。

 

『何ですか?その絵本は?........"守護者と26人の使徒"』

 

「知ってるの?」

 

『はい、何千億年前の話です。ある惑星に住む魔族と妖精族とプロセアンの合同軍がプロセアンに似た謎の種族"コレクター"との戦いをモチーフにした物語です。その話に、何処から途もなく現れた一人の守護者....所謂、"導師"が26人の使徒を引き連れて、コレクターから守ったと言うお話です。』

 

「コレクター?」

 

『ご存じなかったのですか?コレクターと言う種族は謎多き種族なのですよ』

 

「......そのお話に、7つのエレメントも出てくる?」

 

『はい、何せ7つのエレメントはその話から始まったのですから、』

 

「.......オメガプライムス」

 

『はい』

 

「今すぐ、残りの6体の機神の所に会わせてくれ、そしてそのお話の通り.......過去に行く!」

 

『えぇ、もちろんですとも、何かお考えがあるのですか?』

 

「ああ、クトゥルフの野郎に......リベンジする!それと、格納庫に武器や資料、道場見たいな施設はあるか?」

 

『ええ、ありますよ』

 

陽弥は絵本を閉じると、決意する。

 

「.......アイツ等を、みっちり鍛える!」

 

オメガプライムスとヴィクトルーは陽弥の目が、物凄く輝いていた事に驚いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽弥はオメガプライムスの各施設から武器や資料、道具を揃え、さらに道場を作った。

 

「良し、これだけあれば充分だ。」

 

『何をなさるんですか?』

 

ヴィクトルーが問うと、陽弥は心の中で自分の夢を言う。

 

「........俺、憧れていたんだ。教師や師匠になりたいって.....いつも父さんと母さんに英才教育されていたから、やってみたいなと思ったんだ。皆にこれからのことやいろんなことを教えてみたいって。まさかそれが叶うなんて.......」

 

『びっくりと?』

 

「うん......それと何人か教師が必要だな。ブラム、お前もなれ」

 

『嫌だ......』

 

「そんな固いことを言わずに......それに、あの子達に黒魔術も教わった方が良いと思うぞ。もちろんお前のためでもある」

 

『........考えておく』

 

ブラムは頬を紅くし、オメガプライムスやヴィクトルーも賛同した。そして陽弥はシャーラやラフィ達がいる教室に入り、教卓の前で笑顔を見せて言う。

 

「さてと.....皆、席について.........授業を始めるよ♪」

 

《はい!》

 

皆は元気よく挨拶し、陽弥の出題を学んでいった。たくさんの生き物との触れあい、学び、強くなるための武器の使い方や、扱い方、スポーツ、個性の育成、乗り物、パラメイルとセイクリッドメイルの操縦の知識を学んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから16年......うっすらと顎に髭が生えた陽弥は小説を読んでいると、成長したシャーラとラフィ達が話し掛けてきた。

 

「お前らも成長したなぁ.....」

 

「はい!先生のおかげです!」

 

金髪のロングヘアーをしたシャーラが興奮していた。

 

「ラフィも.....しっかりと白魔術士としての勉強も身に付けた。」

 

金髪のツーブロックをしたラフィは片手に本を持っていた。

 

「はい、すべてはハル兄さんのおかげです。それとパラメイルの操縦や技術の基礎も.......」

 

「シャーラは銃士、ラフィは白魔術士、レイナは治療士でエミリーとリカとユミは看護兵、アレンは魔法戦士、ユーマは精霊戦士、アスカとロト、ユースケは聖騎士、ココルとシャルルは俺が生み出した猪神と犬神、猿神を出すことが出来る召喚士、ローゼは呪術士、シュヴァルツは黒魔術士、トレーネルは吟遊詩人、シェリアは錬金術、そしてアスベル、サーヤ、ミカは突撃兵、ララ、ライト、フレッド、ヒロキは狙撃兵、シェリー、ダスティは機甲兵士.........本当にお前らは.......成長したなぁ.....」

 

「当たり前だよ!兄貴!俺達をここまで強く、賢くしてくれたのは兄貴のおかげっすよ!」

 

「何を言ってるのよアスカ、兄さんは私達の先生でもあるんだから、もっと丁重に言いなよ」

 

「良いよ、ローゼ.....俺はここまでお前達を強くするために、鍛えてやったんだ。普通に言っても構わんぞ。」

 

「ですが、」

 

「それと....今回いく場所は怖がっているのか?」

 

「惑星セレス........魔族と妖精族が暮らす半分エメラルドグリーン、半分ダークパープルで覆われた星.......大気はほぼ僕たちが16年前にいた地球とロークの大気と一致している。僕たちはそこで最終試験及び、その魔族と妖精族を助けるのです。」

 

ローゼの変わりにラフィが説明した。

 

「そうだ。もちろん俺も一緒に行くぞ........最近、授業で鈍っていたからなぁ.......気分転換にって言うことだ」

 

「アハハハ.....」

 

ラフィは笑うと、陽弥は本を閉じ、大声で言う。

 

「......お前達!準備は出来ているか!?」

 

『『『『『『『応!!』』』』』』』

 

オメガプライムスの回りにそれ以上に巨体な要塞六機が返答した。

 

「全員席につけ!シートベルトもしろ!」

 

シャーラ達は乗席につき、シートベルトをした。

 

「.......シートベルトはしたな、良し!オメガプライムス!ドッキングを開始してくれ!」

 

『ドッキングシーケンス!開始!』

 

『オメガプライムス!』

 

『マーズプライムス!』

 

『ネプチューンプライムス!』

 

『ジュピタープライムス!』

 

『サターンプライムス!』

 

『ウラヌスプライムス!』

 

『プルートゥプライムス!』

 

七機の要塞がオメガプライムスを中心として合体し始めた。マーズプライムスが変形し巨大なブラスター砲へとなり、オメガプライムスの右腕と合体した。次に母艦型のネプチューンプライムスがオメガプライムスの左腕と合体し、ジュピタープライムスとサターンプライムスはオメガプライムスの右足、左足と合体した。次にプルートゥプライムスがオメガプライムスの背部に合体し、巨体なビームウィングを放出した。最後にウラヌスプライムスがオメガプライムスの胸部に合体し、さらに腰部に合体し尻尾へとなり、オメガプライムスの頭部が大きく変形し始め、ドラゴンヘッドへと変わり、赤きツインアイを光らせ、叫んだ。

 

『極限龍機神帝! オーバー・ザ・ワールドプライムス!!』

 

決めポーズをする機神のその姿に男達は興奮するが、女性達は呆然していた。

 

「.......なんか、スーパーロボット的な感じになりましたね。」

 

「.........それを言うな。」

 

陽弥が注意すると、ヴィクトルーが報告してきた。

 

『マスター、そろそろ.......』

 

陽弥はオーバー・ザ・ワールドプライムスに命令し、移動しながらスターシップ形態へなり、惑星セレスへワープした。ワープして、陽弥達の目の前に半分緑と半分紫色に染まっている星に見とれる。

 

「あれが......惑星セレス......この絵本の通りになるのか......」

 

陽弥は絵本のタイトルを見て、惑星セレスへと向かった。

 


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