クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者   作:オービタル

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今回の話は、スターオーシャン1の最初のキャラとも言える彼等が出ます!


第47話:もう一人の英雄

 

陽弥は部屋の中にいる2体の獣の王に驚愕していた。するとカイオウが2体の名を言う。

 

「久しいなぁ.........極幻帝"エンオウ".........極幻皇"シンオウ"........」

 

「お主もなぁ........極幻王"カイオウ".......」

 

エンオウが言うと、シンオウも言う。

 

「我等、三極幻獣........この次元に捕らわれ........下等種族の実験台にしようとしたが.......」

 

「我等の力は膨大.........奴等はそれを分かって逃がさないようにしていた.........」

 

「だが、ここにスペクトロブスマスターが降臨成された..........」

 

「「よって、我等、三極幻獣は..........マスターの力に成ろう!」」

 

エンオウとシンオウが光輝く球体へと変わり、陽弥のコスモバイルに入っていった。

 

「三極幻獣............なるほど、空(エンオウ)、陸(シンオウ)、海(カイオウ)........生命には必要な理だな.........」

 

陽弥はコスモバイルを見つめていると、側にいるレイナが言う。

 

「ハルヤお兄ちゃん.........!」

 

「ん?」

 

扉の前に数体のキマイラが待ち構えていた。

 

「下がっていて..........」

 

陽弥はレイナを後ろに付かせると、陽弥のオッドアイが光、キマイラに威圧させた。

 

「失せろ.........この愚か者共がっ........!!」

 

キマイラの表情が一変し、キマイラが陽弥の恐々に怯え、扉から下がる。

 

「行こ.........」

 

陽弥はレイナを連れ部屋から出た。陽弥はキマイラ達を睨みながら、威圧させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽弥は、シャーラとラフィ、子供達を守っているスペクトロブス達と合流すると、頭の中で念じ、シグムディア、ヴィクトルー、オメガプライムスを呼ぶ。

 

「さて、...........シグムディア、ヴィクトルー、オメガプライムス........そして我が僕達よ........聞こえるか?」

 

「マスター?!........記憶が戻られたのですね?!」

 

ヴィクトルーの声が聞こえると、陽弥はヴィクトルーに言う。

 

「心配かけてすまない............生き残っているガーディアンビットとゲオルギードロイドの事を教えてくれ........」

 

「はい!.........現在生き残っているガーディアンビットは30機の内10機が解体され、ゲオルギードロイドは70機の内17機が解体されてしまいました.......」

 

「なら、話が早い........生き残っているガーディアンビットとゲオルギードロイドをオメガプライムスに搬送させろ.........解体されてしまったガーディアンビットとゲオルギードロイドは即時自爆させろ!データも残すな...........奴等に俺達のテクノロジーを使わせないようにする......」

 

「かしこまりました!」

 

ヴィクトルーは陽弥の命令に従い、オメガプライムスのシステムへと入っていった。

 

「さてと........シャーラ、ラフィ.......」

 

「「何?」」

 

「お兄ちゃんは.......クラウスさんを探しに行ってくる........お前達は皆を守ってくれ.........」

 

「けど、ハル兄ぃがいなかったら、私達死んじゃうよ.......!」

 

「心配するな..........俺が嘘を付いたことがあるか?」

 

「ううん.......」

 

「そうよね?..........皆!」

 

陽弥はスペクトロブス達を呼んだ。

 

「お前達は、シャーラ達を連れて、オメガプライムスの所まで、誘導してやってくれ!」

 

スペクトロブスは吠え、子供達をオメガプライムスへ誘導させた。陽弥は急いでクラウスを探しにいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クラウスさん........!一体何処に!?」

 

陽弥が通路を走っていると、向こうから、腹を抱えたクラウスが壁に這いずりながら歩いていた。

 

「クラウスさん?!」

 

「やぁ........陽弥君.........君がここにいると言うことは..........彼等も出ていると思う.........」

 

「何を言っているのですか?!......しっかり捕まってください.......!」

 

陽弥走っていると直ぐにクラウスの体を支えた。

 

「すまない.........本当にすまない事をした..........陽弥君...........君に頼みたいことがある...........」

 

「何ですか?」

 

「ミラの所まで.........連れていってくれないか?..........決着をつけたい...........」

 

陽弥はクラウスの指示に従い、ミラ の所まで同行する。

 

「陽弥君...........君が..........私達の息子なら..........こんな風に優しさを持っていただろう............ミラは.....私達の息子......ケビンを亡くしたことに.........狂気に満ちた......者に変わってしまった..........これが力なき者に与えられる欲望と言うものだ...........他人の物を自分達の力に変えようと言うのは.........絶対にしてはいけない事なんだ........」

 

「..........クラウスさん........」

 

陽弥は次の角を左に曲がると、巨大なシャフトが見えてきた。

 

「ここだ........開けてくれないかな?」

 

「分かりました....」

 

陽弥はアナザーモードに変身し、光と闇の腕でシャフトを強制的に持ち上げ、クラウスを中に入れた。そして陽弥がみた物は、

 

「何だ?!........あの輝きは?!」

 

反応炉から、とてつもない電流が流れており、空間が少し捻れていた。

 

「マスター、あれはエクサリチウム結晶です!」

 

ヴィクトルーが反応炉の中枢部にある結晶体を見る。

 

「何だって!?」

 

「あの様子では、もうすぐ反応炉がとてつもない大爆発を起こします!急いでください!」

 

「けど、クラウスさんが!」

 

しかし、そこにクラウスはいなかった。すると、何処からかオカリナの音が聞こえてきた。

 

「?」

 

オカリナの音が聞こえてくる所に、クラウスがおり、クラウスが何らかの装置を起動すると、目の前の壁が開き、中から猫耳の少女や小さな女の子、金髪の男性と日本風の女性、緑色の髪をしたエルダーの少年や、サイボーグ男性のモーフィスが出てくると、クラウスが猫耳の少女に声を掛ける。

 

「ここだよ...メリクル」

 

「.......ハカセ!」

 

メリクルは急いでクラウスの所へ走ってきて、クラウスを抱いた。

 

「メリクル.......無事で良かった........元気そうで嬉しいよ.........」

 

「ハカセは何だか少し痩せちゃったね?」

 

「.........そうか」

 

するとクラウスは持っていたオカリナをメリクルに渡すとメリクルから離れる。

 

「.........ハカセ?」

 

「さぁ.....宇宙に帰りなさい......メリクル.......新しい仲間達と一緒に.......」

 

「それなら.......ハカセも一緒がいいよ!」

 

「私は行けないよ.......」

 

クラウスはエレベーターの装置を起動し、下へ降りていく。

 

「彼女に......言わなきゃいけないことがあるんだ」

 

「........ハカセ?」

 

メリクルはクラウスに手を差し伸ばしたが、金髪の青年に引き止められる。

 

「.........待って.........」

 

「ハカセ!」

 

メリクルが叫ぶと、クラウスは陽弥に言う。

 

「陽弥君........」

 

「........はい」

 

「シャーラと.......ラフィ......子供達の面倒を.......頼む」

 

「分かりました.........」

 

陽弥はクラウスの指示に従うと、片方の眼から涙が溢れていった。

 

「ハカセ!ハカセーーーッ!」

 

メリクルはずっと、クラウスを呼んでいると、金髪の青年は反応炉を見る。

 

「............ッ!?」

 

そして金髪の青年はメリクルに言う。

 

「..........逃げるよ メリクル」

 

「嫌だ!離して!ハカセも一緒に!ハカセも一緒に行くんだミャッ!」

 

「逃げるんだ.......逃げるんだよっ!」

 

青年はメリクルと皆と一緒に逃げる。

 

 

 

 

そして下へ降りて、暴走している反応炉の所にいるミラ をそっと抱いた。

 

「クラ......ウス......?」

 

「もう良いんだよ ミラ.........ケビンの事は 君のせいじゃない..........」

 

「あ........あぁ.....」

 

「君が一番辛い時に逃げ出してごめんよ......でも、きっとあの子はこんな事を望んではいない.......」

 

「私は思うんだ........陽弥君は........あの子の生まれ変わりだと.........」

 

「私も.........初めて会ったときは........驚いた.........でも、間違いなく........あの子は.......」

 

「次はあの子の夢を叶えよう......全ての異星人と仲良くできるよう..........人の手に余る力になど手を出さず、私達自信が生み出した力で......」

 

「えぇ、クラウス......そうすれば陽弥君.......いいえ.......あの子もきっと喜んでくれると思うわ.......」

 

クラウスとミラ は暴走する反応炉の影響に粒子変換され、消滅した。

 

 

 

 

 

 

その頃、金髪の青年や仲間達とメリクルと一緒に逃げている陽弥は心の中で二人の事を思い始めた。

 

「何でだろう.......こんな気持ち........初めてじゃない.........何でこんなに悲しいんだろう.........」

 

「急ぐぞ!皆!」

 

「ハカセ.....!」

 

通路を走っていると、巨大なシャッターがある部屋を見つけた陽弥は彼らに言う。

 

「君達!先に行ってくれ!!」

 

「え?!何を言っているんだ!?もうすぐここは!」

 

「やり残したことがある!頼む!先に行ってくれ!」

 

「...........ッ!」

 

金髪の青年は急いで逃げて行くと、陽弥はシャッターに向かって大声を出した。

 

「さてと、...........シグムディアーーーッ!!」

 

シャッターの中から、巨大な手が突き出て、シャッターを破壊し、中からシグムディアが出てきた。

 

「マスター!」

 

「シグムディア!もうすぐこの星は消えてしまう!急いでオメガプライムスの所に!」

 

「了解!」

 

シグムディアが駆逐形態へ変形し、陽弥は乗り込むと、コックピットの中に一枚の写真を見つける。

 

「ッ?」

 

陽弥は手にし、よく見ると、それはクラウスとミラ の写真であった。

 

「この写真........」

 

さらに、クラウスとミラ の間に小さな子供が写っており、驚いたことに、小さい頃の陽弥とそっくりであった。

 

「.........クッ!」

 

陽弥は写真をポーチの中にしまい、シグムディアを起動させた。

 

「一気に突破するぞ!」

 

陽弥はハイパーノバビームライフルの出力を最大値に上げ、壁に向けて、ハイパーノバビームライフルを撃つ。ビームは基地の外まで貫通し、陽弥はそれに乗り、基地から脱出した。

 

「マスター!オメガプライムスが見えてきました!」

 

アナザーアース成層圏にオメガプライムスが待機していた。

 

「オメガプライムス!ハッチを開いて!」

 

オメガプライムスがシステム音で返事をすると、格納庫のハッチを開き、猛スピードで来たシグムディアを収納させると、急いでハッチを閉める。

 

「行け!行け!」

 

オメガプライムスは急いで、旋回し、ワープした。そしてアナザーアースが反応炉の暴走により、縮小し、そして木っ端微塵にアナザーアースは消滅した。

 

 

 

 

 

 

数分後、陽弥はシグムディアのコックピットで目を覚ました。

 

「あれ?........俺等何処に?オメガプライムス状況を教えてくれ.......」

 

「了解しましたマスター」

 

突然オメガプライムスが音声を発した事に、陽弥は驚愕した。

 

「........え?オメガプライムス?!」

 

「はい、どうやら先の大爆発で起こった磁場が私の音声システムを復旧させたのでしょう........」

 

「なるほど、ッじゃなく!お前の女だったの?!」

 

「えぇ、」

 

「........まぁ、良いや........それよりオメガプライムス........ここは俺等のいた次元か」

 

「いえ、どうやらまた別の次元に跳ばされてきました様です........」

 

「そうか.......」

 

すると、ヴィクトルーが陽弥に何かを報告してきた。

 

「マスター、12時の方向に複数の高エネルギー反応を確認しました.........艦籍は......エルダー、人類の船です。後は.........」

 

突然、ヴィクトルーが話を溜める。

 

「後は?」

 

「他は........それが......クトゥルフと同じエネルギーです」

 

陽弥は驚いた。この次元に、クトゥルフのネオ・グリゴリア大銀河帝国の追撃部隊がいると言うことに、

 

「何?!.....オメガプライムス!今すぐそこへ向かってくれ!」

 

「分かりました」

 

オメガプライムスは陽弥の指示に従い、そこへむかっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丁度その頃、USTA所属 SRFスペースシップ三号機"カルナス"は赤黒く染まった同型船に追われていた。

 

「第13独立機甲部隊が戦っている隙に逃げろと言われても.......!!」

 

エルダーの青年が報告すると、カルナスの後方から赤黒いスペースシップ三機が追撃してきた。

 

「三機!追撃してきます!」

 

敵のスペースシップからショックカノン砲が発射され、カルナスに直撃する直後、別の方向から青い閃光のビームがショックカノンのエネルギー弾を破壊した。

 

《ッ!?》

 

カルナスの船員は、驚くと、カルナス上方から、オメガプライムスが光学迷彩を解除し、三機の敵機の前に立ち塞がった。陽弥はカルナスに通信を入れると、カルナスの船員が、陽弥の通信をキャッチし、モニターを展開すると、陽弥の顔が映った。

 

「き!君は?!」

 

金髪の青年は陽弥を見て、驚く。

 

「良いから、早く離れとけ.........巻き沿い食らうぞ......」

 

カルナスの船員は陽弥の指示に従い、オメガプライムスの戦域から離れた。

 

「システムオン........リミッター解除...........オメガプライムス!バトルフォーメーション!」

 

オメガプライムスがみるみると変形し、人型の要塞ロボットへ変形した。

 

「要塞艦が.......ロボットに!?」

 

カルナスの船員はオメガプライムスの変形に驚くと、オメガプライムスは大咆哮をした。

 

「オオオオオオオオオオーーーンッ!!!!」

 

「オメガプライムス!奴等に目に物を見せてやれ!全砲用意!!」

 

オメガプライムスのあちこちにある主砲や副主砲、対空パルスレーザー、遊撃ミサイルを展開した。

 

「射て!」

 

オメガプライムスから一斉にエネルギー弾やビーム、パルスレーザー、ミサイルが放たれた。三機の赤黒いカルナスの同型船は大至急回避するが、オメガプライムスの攻撃をまともに受け、大爆発を起こした。

 

「凄い.........カルナスの武装でも勝てなかったのに.........」

 

カルナスの船員の少女がオメガプライムスの戦闘に驚くと、モーフィスのサイボークはオメガプライムスの技術に興味を持つ。

 

「彼らのテクノロジーは.......あれは一体?......」

 

戦闘が終えたオメガプライムスは、スタークルーザーモードに変形すると、陽弥がカルナスに通信回線を開いた。

 

「お前達......何処へ向かう?」

 

「え?......惑星ロークに、メンテナンスと修理するために........」

 

「良し、俺も.......そこに用があってなぁ.......コイツらの.....面倒を見るための食料確保と医薬も必要なんだ........同行しても良いか?」

 

エルダーの少年は落ち込んでいる金髪の青年に報告したが、

 

「エッジさん........どうしますか?」

 

「.........」

 

エッジと言う青年は黙っていると、副船長のレイミが判断した。

 

「船長代行 レイミ・サイオンジ........同行を許可します!」

 

「感謝する........」

 

オメガプライムスのハッチが開き、カルナスを中に招き入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

エッジ達は、オメガプライムスの農場エリアに到着すると、農場エリアの光景に皆は息を飲む。陽弥が連れてきた子供達が、スペクトロブスと遊んだり、一緒に寝ていた。

 

「凄い........要塞艦なのに........ここは.........居住エリア?」

 

「ほよよ~........何だか.....綺麗で、空気もおいしいよ」

 

「驚いた..........要塞の中なのに、空も雲も、風が吹いている............これは所謂」

 

「架空大地?」

 

すると、向こうから陽弥が現れた。

 

「さっきはありがとうございます」

 

エルダーの少年"フェイズ"は陽弥に礼をした。

 

「自己紹介がまだだッなぁ........俺は陽弥.........陽弥・ギデオン.........ヴェクタ人 シン・ギデオンとメイルライダー ヒルダの息子...............この可変式要塞艦オメガプライムスの責任者だ.......お前達は?」

 

「私はレイミ・サイオンジです」

 

「僕はフェイズ・シッファー・べレスです........フェイズと呼んでください.....」

 

「自分はバッカス D- 79.........気楽にバッカスと呼んでくれ.......ミスタ ハルヤ」

 

「リムなのよ.......」

 

「メリクルは知っている........クラウスさんが.......言っていた.........君の事も.......全部......」

 

「うん.........」

 

「そちらの男性は?」

 

陽弥はエッジの方に目をやると、

 

「エッジ・マーベリック.........」

 

「そうか............ヴィクトルー」

 

「はい、マスター」

 

「客人を、おもてなししてくれ...........」

 

「かしこまりました.....では、皆さんこちらへ」

 

エッジ達は、ヴィクトルーに連れられ、客室へと案内した。そして、陽弥はシャーラとラフィの所に走ってきた。

 

「シャーラ......ラフィ」

 

「あ!ハル兄ぃ!」

 

「ハル兄さん.....!」

 

二人は陽弥の足元に抱き付くと、シャーラが質問してくる。

 

「クラウスさんは?」

 

「.........クラウスさんは.......向こうでやり残したことがあるから行けないって.........でも、また会えると思うよ♪」

 

すると、陽弥は二人をそっと抱いた。

 

「「?」」

 

「大丈夫.......俺がお前らを守ってやるよ..........絶対に」

 

「ハル兄ぃ?」

 

「ハル兄さん?」

 

「..........絶対に守ってやるから.......」

 

陽弥の目から、大粒の涙が溢れていき、やがて、こぼれていった。




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