クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者 作:オービタル
陽弥はホライゾンに来たラルフへと向かっていた。
「ラルフ!、バルド!、キャリー!、デュラン!、ドミニカ!、ダーマ!」
「「「「「「陽弥!」」」」」」
陽弥は皆に問う。
「皆!どうしてここに?!」
「お前が、何時まで経っても呼ばないから、此方から来たんだよ!」
「ゴメン!」
「ゴメンで済むなら.........と言っても俺等は神か............」
陽弥とラルフ達は仲良く笑っていると、ソフィアが来る。
「ちょっと陽弥!」
ソフィアは陽弥を連れていくと、陽弥はソフィアに問う。
「何.....ソフィア?」
「ちょっと!あの人紹介してよ!」
ソフィアの視線の先はラルフであった。
「何で?」
「何でって........あ~もう!///」
すると、ソフィアの頬が薄々と赤くなり始めた。陽弥はソフィアがラルフに好意を持ち始めたことに気付いた。
「お?.........ひょっとして、ラルフの事が好きになったのか?」
「えぇっ!?///そ!........そんな事ある分けないでしょ!?」
ソフィアは怒りながら、陽弥の頭を殴り続けた。
「痛い!痛い!.......お前!?俺、一応神だぞ!?神をボコボコにするなんて、無茶苦茶だよ~!」
「問答無用!!//////」
ソフィアはさらにヒートアップし、陽弥を追いかけ回す。その光景にラルフは笑っており、バルドは呆然していた。
「仲の良い二人ですねぇ.......」
「あ......あぁ、......」
ソフィアにボコボコにされている陽弥の所にサムが来た。
「陽弥........」
「何?爺ちゃん?」
「話がある...........来てくれ........勿論、皆にもだ........」
「分かった..........?」
陽弥はラルフ達とシンも連れて、医務室に連れられた。
医務室に連れられた陽弥は台に寝かせられていた。
「で、爺ちゃん話って?」
「あの時、クトゥグアの攻撃をした時............お前、一体何をしたんだ?」
「え?、普通に防御して、跳ね返したと思ったら、クトゥグアが突然、怯えた表情になって、逃げた.......それが?」
「...........やっぱり、覚えていないかぁ」
「何が?」
陽弥が頭を傾げると、シンが質問する。
「親父..........一体どういう事なんだ?」
「...........シン達は護星神ではないから、見えなかったかも知れないが...........陽弥の後ろに何かが取りついていたのだ..............」
「え...........?!」
「ソイツが、クトゥグアの攻撃を跳ね返し、さらに威圧させて、退却させたのだ..........たが、あの黒い影は普通ではなかった............この私と、アルベルトも威圧していた..........」
「そんなに...........まずいのか?」
「そうだ.........早いとこ、検査と状態、そして取り出さないと...........大変な事になるかもしれない..........」
「だけど、どうやって?!」
「8人の護星神........つまり、我々が、ドミニカの力でナノマシン化し、陽弥の体内にあるそれを除去する..........ドミニカ..........やって来れ、」
「分かった........!」
「じゃあ、行くぞ..........」
ドミニカが得意の錬金術でサム達を眼では見えないほどの微生物並みのサイズになり、陽弥の手に付いている点滴から、入っていった。
「爺ちゃんやラルフ達...........大丈夫かなぁ?」
「大丈夫だ.........親父がそう簡単に負ける筈がない...........絶対に.......」
「そうだな..........」
「何か買ってこようか?」
「嫌、良いよ........俺大丈夫だから、」
「嫌、患者は絶対に何か必要とするだから買ってくる.........タスクにお前の好きなカプチーノを頼んでくるからな.......」
「あ~........それで良いよ」
「分かった」
「爺ちゃん.......どうしているかなぁ.......」
陽弥がそう思っている一方、サム達は、陽弥の体内の中心部にたどり着いた。
「見つけたぞ.......」
サムが言うと、目の前に、紅炎なのか、砂なのか、水なのか赤黒い物が、赤黒い塊の周りを這い回っていた。
「あれが?」
「そうだ........陽弥の後ろにいた黒い影の正体だ...........行くぞ」
サム達は赤黒い塊に近付こうとした次の瞬間、彼らの横を何かが通り過ぎた。
《?!!!》
「今.........誰かが俺の肩に触れた?」
「俺じゃない」
「私も」
「あたいも.........」
皆が焦っているなか、さらに皆の後方からとてつもない殺気を感じた。
《っ?!!!》
「皆.........それぞれ自分達の後ろに何かいるみたい..........」
「いるみたい?........バカな?......お化けじゃあるまいし、」
「じゃあ、何で...........俺達神なのに............."こんなに震えて、脅えてるんだ?"...........」
デュランが言うと、皆の手が震えていた。
「私のデバイスから.........え?」
キャリーがデバイスを開くと、そこに映っていたのは........
「これって............俺達..............!?」
デバイスを除き混んでいる皆の姿を後ろにいる誰かが写した写真であった。
「さらに後方から、複数の気配が..............こっちを..........」
アルベルトが持っていた広範囲レーダーに赤のアイコンがどんどんと増えていった。
「後ろに..........滅茶苦茶いる........数は...........4奥以上!!」
皆が脅えているなか、後ろから、ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、と何かの音が聞こえてきた。
《?!!》
「何かの........足音だ.........」
「しかも音から判断して.........裸足で...........子供の様だよ.........」
サムは歯を食い縛り、勇気を持って、振り替えた!
「......................クッ!」
しかし、後ろには、誰もいなかった。
「誰も............いない.........」
「さっきの気配が消えた.........」
「レーダーにはもう映ってないよ........」
レーダーに表示されていた赤のアイコンがいつの間にか消えていた。
「ほぉ...............」
サムはホッとしたのか、落ち着きを取り戻し、前へ向いた直後、目の前に、髪は銀色、肌はドス黒く、体中に紅い刺青、両肩には牛の頭部と野獣の頭部の鎧が装備しており、悪魔王の様な禍々しき翼を持った者がサム達の目の前にいた。
「っ!!!!!!!」
サムは驚き、フリーズガンを向けた。
《え?》
皆は、サムの行動を見て、前へ向いた。
「あ.........ああ......!!」
「で!」
「で!」
「で!」
「で!」
「で!」
「で!」
「で!」
《出たぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!》
皆はフリーズガンを抜き取り、一斉に赤黒い人物に向けて、アイスビームを乱射した。フリーズガンの銃撃音と皆の断末魔の悲鳴が、陽弥の体内に響いた。
その頃、医務室のベットでアストラッド王から貰った古文書を読んでいると、ドアが開き、現れたのは、婚約者であるエミリアと未来の娘マナであった。
「あのぅ.........陽弥様?」
「ん?エミリア.......」
「パパ♪」
「おぉ~、マナ.......」
マナが陽弥に抱き付くと、エミリアは心配そうに陽弥に言う。
「御父様から聞きました、陽弥様が病室にいると、」
「うん...........何か爺ちゃんが言うには、俺の体の中に何かがいるって..........それで皆が小さくなって、除去すると、俺の体の中に入って..........」
「まぁ、そんな大変な事に?」
「うん........もしかしたら、未来.......生まれてくるマナにも影響が出ると思ってやったんだろう..........」
二人はマナを見てると、またドアが開き、タスク特製のカプチーノを持ってきたシンが現れた。
「陽弥、カプチーノ持ってきたぞ」
「ありがうっ!!!!?」
突然陽弥が口と腹を抑え、ベットから、転げ落ちた。
「どうした!?」
「陽弥様?!」
「パパ!」
「グァァァァァァァァァ!!!!」
陽弥は腹を抑えながら暴れた。
「どうしたんだ陽弥!?」
「体の中で!!...........何かが暴れている!!!!ウプッ!!?」
そして陽弥は口を抑えると、何かを吐き出した。
「ウッ!..........ウッ!..........ゴベェェェッ!!!」
陽弥の口から吐き出てきたのは、サムであった。
「親父?!!」
「お義祖父様?!」
「じぃじ!」
シンがサムに近付き、立ち上がるのに手を貸してやった。
「大丈夫か!?」
「はぁ........はぁ.........はぁ.......強い.....!」
「え.......?」
「陽弥の体の中にいたアイツが..........あまりにも強すぎる.........しかも........」
陽弥も落ち着きを取り戻し、頭を押さえ込んでいるキャリーどダーマに声をかけた。
「お前らも大丈夫「嫌ぁ!!こっち来ないで!!触れないで!!」っ!!!?」
突然キャリーが陽弥から遠ざかろうと、抗っていた。
「見ての通り........キャリーとダーマは奴の力で、トラウマになってしまった.........」
「何で.......?」
「奴の素顔が.............."お前"自信なんだ.........」
「俺..........?!」
すると、サムはポーチから小型のカメラを取り出した。
「この小型携帯カメラで奴の顔と映像を映してある.........見てみろ........」
陽弥はシンに頼み、小型カメラからアクセスし、映像を再生した。映し出された場所は、陽弥の血管内であった。
「これが俺の体内......?」
「呼吸、体温は感じなかったが、体内の細胞は生きていた..........これもインフィニティソウルのおかげかな........」
「.............見えてきた」
よく見ると、虹色に輝くインフィニティソウルが陽弥の人工心臓にエネルギーを分けていた。
「これが.......」
「お前の力の源..........インフィニティソウルだ........ここからが本当の修羅場だった...............始まるぞ..........」
すると、インフィニティソウルの横に赤黒い塊の様な物が見えてきた。
「何だ.......これ........?!」
「これは明らかに、インフィニティソウルに似ていたが獄炎の様な物だから、..........安っぽいネーミングを付けるとしたら.....『インフィニティ・インフェルノ』........頭文字を使って"ダブル・アイ"と名付けたんだ...........そしてここからなんだ.........」
サムが見渡していると、何か黒い人物が映った。
「今、カメラに何か写っていた!?」
「あちらにも.........!?」
そしてこれまでの様に黒い人物と出くわし、戦闘が始まった。黒い人物はあまりにもすばしっこく、フリーズガンが直撃したが、氷結した氷の塊がみるみると溶け始めた。
「「「?!!!!」」」
「フリーズガンが効いていない!?」
「言っただろ?、奴自体が獄炎........嫌、無限の獄炎を放つ.......だから、フリーズガン見たいな初歩的なサブウェポンすら..........赤子の肌を捻るかのようにあっさりと溶かしたんだ............つまり、あれだけフリーズガンのアイスビームが溶けるとしたら..........お前が体内から奴を解き放てば...........」
「...............大地は........焦土化して..........生命が朽ち果てていく............」
「そうだ...........」
そしてサム達は、一旦、体内から逃げ出すことになっと、
午前1時........陽弥は天井から星を眺めていた。
「俺の体の中にいる闇を解き放てば大地は........焦土かぁ.........」
陽弥が考えているその時、誰かの声が聞こえてきた。
『まだ悩んでいるのか?』
「っ!?.......誰っ?!!」
しかし、医務室には誰もいないすると、また声が聞こえてきた。
『ここだ..........ここ..........』
すると、陽弥の胸から、赤黒い症気が飛び出し、段々と形を整え、映像で見た黒い人物になった。
「お前はっ..............!?」
すると、黒い人物は陽弥に御辞儀をし、挨拶した。
『御初に申し上げる.............我はアプス......そう、...............3000奥年前までは"闇の皇神帝"...........原初の極限大の獄闇王と呼ばれていた者だ........』
「つまり、..........最初の闇の王で................多次元宇宙の中で最強最悪災禍を呼ぶ者って言うことか............!!!!」
『御名答.......♪流石、私の一部..........我妻、光の皇女帝ニケと...........我の子孫だ............!!』
アプスの言葉に陽弥は驚愕した。