クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者 作:オービタル
陽弥はオメガプライムスの内部にある格納庫でシグムディアと会話していた。するとそこに、シンがやって来た。
「父さん?」
「陽弥.........ちょっと来てくれないか?」
「良いけど.....?」
陽弥はシンに連れられ、本部にあるパラメイル試験場まで来た。
「ここで何をするんだ?」
「お前のシグムディアの性能が見てみたいんだ........パンドラメイルのオリジナルでも言える...........何て言ったら?」
「人造生命体だろ?」
「...........それだ」
「良いよ......別に、そう言えば父さん達はシグムディア.......と言って良いのか........シグムントの性能と機動力を見るのは始めてだからなぁ.......」
「ありがとう」
試験場にて、陽弥はシグムディアに乗り込んだ。
「行くぞ!シグムディア!!」
「応!」
シグムディアは答え、起動し、テスト用の180㎜バルカン砲台がシグムディアにターゲットロックし、乱射してきた。
「シグムディアの性能と機動力をお手並み拝見だ.......」
シンやタスク、リュウガは観覧席から、シグムディアのデータと性能を調査していた。シグムディアはバルカンの弾道を読み取るかのように、素早い行動で、回避していた。その速さに、シン達は驚いた。
「速いッ!?」
「あれが最後のパンドラメイルで御座るか!?」
「本当にあれはパンドラメイルなのか..........?」
タスクがシンに問うと、シンは冷静に答えた。
「そうだ.........陽弥が言うんだ........」
話している途中、シグムディアの手首と肘から、サーメットブレードが展開され、バルカン砲台を切り裂いていく。
「手首や肘からブレードを展開して、相手を切り裂く...........こう言うサブウェポンもあるのかぁ.........なら、これはどうかな?」
シンは何かのスイッチを押すと、模擬のビルの中から、無人型ドロイド『ゲオルギー』が銃剣型のアサルトライフルとグレードランチャーを乱射してくるが、シグムディアの頭部から粒子キャノンが発射され、ゲオルギーは熔解した、
「頭部の粒子キャノンはプロセアンの粒子ライフルと同じく、敵の装甲を熔解することが出来るのかぁ........便利だな」
そしてシグムディアは飛び上がり、左右に別れているそれぞれの高層ビルの屋上に、バルカン砲台がシグムディアを狙っていたが、シグムディアは七星剣と魔剣グラムを抜刀し、二台のバルカン砲台を破壊した、
「あの二刀流は陽弥と同じ武器.........とてつもない程の切れ味を持っている........」
最後にシグムディアの後方からバルカン砲台がシグムディアに乱射した。するとシグムディアから、ハイパーノバビームライフルが展開され、バルカン砲台を破壊した。
「「「何だ!?あのビームライフルは!!?」」」
「今までのビームライフルとは違うで御座る.......!?」
「一体......何の粒子を!?」
「............もしかしたら、」
シンは陽弥に言う。
「良し、陽弥......今から、フェイゾンの特殊装甲防壁"フェイザイト"を展開する......それを破壊してみろ」
「え?、分かった........」
シンはスイッチを押すと、シグムディアの目の前にある模擬ビルが下へ収納され、現れたのは、フェイゾンジェルが張られている防壁だった。シグムディアはハイパーノバビームライフルをフェイザイトに射つが、フェイザイトはハイパーノバビームライフルの粒子を吸収し、無力にしてしまった。
「父さん!やっぱり破壊出来ないよ!だってフェイゾンの特殊装甲防壁だよ!?」
「う~ん.........あれを使うときが来た!」
シンは何かを思い付いた。
「あれって?」
「今から、お前のバイザーをアップグレードする......一時降りて、休憩だ.........」
「分かった」
陽弥はシンにフェイスガードとヘルメットを渡した。
数十分後、陽弥はシグムディアのコックピットで和んでいた。
「父さんは一体何をしているんだろう?.........俺のフェイスガードとヘルメットを持って............」
和んでいたその時、シンがヘルメットを持ったまま、現れた、
「出来たぞ!」
「何が?」
「被ってみろ......」
シンは陽弥にフェイスガードを装備したヘルメットを返し、陽弥はヘルメットを被った。
「そして脳波でXレイバイザーと言ってみろ」
「Xレイバイザー......?」
すると画面が切り替わり、周りの物が透けて見え、それに映っているシンは骨が見えていた、
「何これ!?」
「エックス線仕様のシステムをお前のフェイスガードとバイザーに組み込んだ..........これなら、ステルス状の敵も見え見え........さらに体温が物凄く赤くなっている所を狙えば、強大な敵もあっという間に倒せる.......フェイザイトもそうだ」
「ふ~~~ん」
「........信じないのか?なら、試しにやってみろ.......」
陽弥は言われた通りにシグムディアに乗り込んだ。
陽弥はXレイバイザーを使用したままフェイザイトを見ると、右上の所だけ、赤く光るアイコンが出ていた。
「あそこの部分だけ赤くなっている........良し!」
陽弥はシグムディアを起動させ、手に持っていたハイパーノバビームライフルをスナイパーライフルモードに切り換えた、陽弥はハイパーノバビームライフルの長距離スコープを使い、集中しながら狙いを定め、赤く光るアイコンにノバビームを放った。ノバビームが赤く光るアイコンを貫通すると、フェイザイトのジェルが溶け始めた。
「おぉ~!!」
「良し、次はこれだ」
シンはまたスイッチを押すと、今度は、メイルよりも大きく、四足歩行できる巨大なロボットが現れた。
「パワー重視の無人機だ..........存分に戦え」
巨大なロボット通称『アルゴス』は主砲から、高出力プラズマ弾を放つと、シグムディアはアクロバットな動きで、回避する。陽弥はXレイバイザーを起動させ、アルゴスの弱点を知った。ハイパーノバビームライフルをマシンガンモードに切り換えると、ライフルのバレルが縮小し、ショートバレルに変わった。シグムディアはマシンガンモードのハイパーノバビームライフルを乱射しながら、アルゴスの四足の関節にビームを撃ち込む。ビームは見事に、関節部を貫通し、爆破した。
するとアルゴスは体制が崩れ、倒れ込み、主砲の上から、コアユニットが展開された。陽弥はハイパーノバビームライフルをライフルに切り換え、コアユニットに目掛けて、ビームを撃った。そしてコアユニットを失ったアルゴスは大爆発を起こした。
「終わったよ!」
「良し.....シグムディアの機動力は確かに、凄い..........ただ、一つ言えることは........シグムディアはその装甲を装着しているせいで、本来の力を発揮できていないみたいなんだ.........」
「と言うと........?」
「このシグムディアはまだ"不完全体"なんだ.........武装と機動力と性能は完璧だがなぁ........」
「どうすれば良いの?」
「シグムディアの推力を最大値にする........そうすれば、運動力、反動力もお前に追い付けると思う.......俺とメイがシグムディアを改造する......それが終え次第、ちょっと話がある......フィーリとタスク、リュウガもだ」
「拙者も?」
「俺も?」
「あぁ、だからタスク......俺の代わりにフィーリを呼んでくれないか?」
「俺が!?」
「何?.......嫌なのか?..........20年前のあの入れ代わった事件で.......俺はまだお前を目の仇にしているからなぁ.......」
「嫌.......その.......あれは誤解で!......俺は疚しいことなんて!」
「じゃあ、何故、アンジュの体で俺の妻の裸を見た、さらに見事な股間ダイブをしたのかなぁ~?」
「.........それはごめんなさい........」
「...........まぁ、良いや......」
タスクは悄気ながら、フィーリを呼びに行った。
フィーリが集まり、陽弥達はそれぞれのパンドラメイルに乗っていた。
「皆集まったか?」
「「「「あぁ.......!」」」」
「良し......今から説明する..................これより俺達は........ドッキングシーケンスを開始する!」
「「「「え!?」」」」
「ちょっと父さん!それどういう事.......?!」
「言った通りだ.........この5機でそれぞれの合体をしてみるんだ.........」
「あぁ!.......前にエリシアやアウラの都の防衛でシンさんリュウガさんとタスクさんでやったあれか!?」
「そうだ........俺のペルシウスとリュウガのヤマトが合体したら、ウロボロスに......」
「そして拙者のヤマトとタスク殿のヘラクレスでは、鳳凰に........」
「フィーリと陽弥のジャンヌとシグムディアでは、どんな機体へなるんだろうかぁ?」
「だから、一回やってみようと思うんだ........もしかしたら、戦力が増えると思う.......最初は、俺とフィーリだ.......」
シンとフィーリはペルシウスとジャンヌをそれぞれの位置に並んだ。そして二人は叫んだ。
「「ドッキングシーケンス!!」」
二人は叫んだ直後、ペルシウスとジャンヌが光始め、粒子へ変わり、二機は一つになった。
「これは!?」
光が晴れると、ペルシウスとジャンヌの装甲を纏った鎖鎌になっていた。
「ジャンヌとペルシウスが巨大な氷の刃を持った鎖鎌になった!」
「「これ.........凄いなぁ!?..........それじゃ、次!」」
次はタスクのヘラクレスとフィーリのジャンヌであった。
「「ドッキングシーケンス!!」」
二機が一つになり、現れたのは、ジャンヌ上半身がヘラクレスの肩部に装着されたキャノンになっており、脇には、ジャンヌの下半身が、二問のガトリングランチャーになっていた。
「バックパックにキャノンに、脇部にアイスビームガトリング!!?」
「次!」
次は陽弥のシグムディアとジャンヌで試してみた。
「「ドッキングシーケンス!」」
今度は、シグムディアの肩部にジャンヌの装甲が取り付けられており、手元に、氷の刃を持つ、ジャンヌの装甲をした大剣を持っていた。
「巨大な氷の刃を持った大剣!!?」
「じゃあ今度は、タスクと俺だ!」
次は、シンのペルシウスとタスクのヘラクレスを合体してみた。
「「ドッキングシーケンス!!」」
現れたのは、胴体が、ヘラクレスで頭部と背部のカノン砲がペルシウスになっている一角獣であった。その機体を見て、陽弥達は興奮する。
「「「うぉ~!かっこいい!!」」」
「タスクさんのヘラクレスが一角獣の胴体に変形して!」
「ペルシウスが一角獣の頭部になって、背部にリボルバーカノン砲が装備されているで御座る!」
「「次!」」
今度は、リュウガのヤマトと陽弥のシグムディアを合体させてみると、大剣型のチェーンソーになった。
「巨大なチェーンソー!?」
パンドラメイルの合体を試し尽くした彼等は、疲れはて、シンはパンドラメイルのデータを作成していた。
「ふむ.........なるほど、その機体に生かして、様々な形態になると言うことかぁ.......」
「ねぇ、もういいか?」
「何がだ?」
「これ以上、合体をするのを.........疲れてきました」
「良いよ、休んで」
「あ~、疲れたぁ~!」
陽弥達は、それぞれの位置に戻ろうとすると、陽弥はタスクに問う。
「父さんの仕事って........いつもあんなの?」
「そう.......仕事熱心なんだ.......」
「ふ~ん.......」
そう言いながら、シンは、データを作成しながら、燃えていた。
陽弥は基地の地下にある独房室に足を踏み入れた。そしてそこを見張っている隊員に頼み、面会することを許された。そしてその面会する相手は......
「調子はどうだい?」
陽弥が話している人物は、仮面を外し、シンと瓜二つのエヴァであった。
「何だ...........?」
「嫌.......」
「「...........」」
空気が静まり返った直後、突然エヴァが立ち上がった。
「っ!?」
「どうした?」
「..............来た」
「え?」
その直後、施設内に警告音が鳴り響いた。
「っ?!」
「緊急命令!.....総員に告ぐ!総員に告ぐ!ホライゾン成層圏に多数の熱源反応を確認!なお、多数の熱源体はそれぞれの三大国家に分担し、突入しています!至急ライダー隊はこれを迎撃せよ!繰り返す!」
「熱源体......!?............まさか?!!」
「そうだ.......しかも、この国へ来ている邪神は......只者ではない.......」
陽弥は急いで、シグムディアの所へ向かっていった。
ヴァルヴァトール帝国から数十キロ離れた山奥.........猛吹雪が降るな中、積もっていた雪や凍っていた湖が激しく溶け始め、地面は熱気に溢れ変えり、溶けた湖が激しく干上がり、森が燃え始めた。そこにクトゥグアが体から炎を出しながら、周りを見ていた。
「さぁ........私の1000億℃の高熱に耐えれる者は.......何処だ?」
クトゥグアが周りを見ていると上空から、危険信号の彩光弾と照明弾が見えた。
「こっちか.........」
クトゥグアは照明弾を頼りに、ヴァルヴァトール帝国へと向かっていった。
そして、ヴァルヴァトール帝国付近で、同盟軍は警戒体制をしていた。
「ルナ!」
「お兄ちゃん!」
「何が起こっているんだ!?」
「分からない!けど、お爺ちゃんが言うには邪神だって!」
「何だって!?」
すると、陽弥達が踏んでいた地面に積もっていた雪が一気に溶け始めた。
「何だ!?」
「雪が溶けて!?...........熱~い!!!!」
ルナが突然、悲鳴を上げた。
「え!?」
他の人達や、軍人が急いで、ヴァルヴァトール帝国の電磁シールド内に避難した。(陽弥だけを置いて......)
「え.......!?皆........何で熱がってるの?」
「お兄ちゃんは平気なの!?」
「何を?」
ネオ・アウローラにいるシンはその光景を見ていると、βがシンにあるものを見せた。
「シンの旦那!これを見てくれ!」
それは、ネオ・アウローラの艦外の現在の気温が表示されているデバイスであった。シンはデバイスに表示されている気温を見て、驚愕する。
「気温が..........1000億℃だと!?」
「来ました!」
アウローラのオペレーターが言うと、陽弥の目の前にある森林から、火が吹き出し、中から赤く燃え上がる邪神が現れた。
「お前が邪神か!!?」
「そうだ.........我が名はクトゥグア..........旧支配者大銀河帝国第1界四神柱の一人......『生ける炎のクトゥグア』..........お前は何者だ?」
陽弥はクトゥグアに名を答えた。
「ヴェクタ人 シン・ギデオンとメイルライダー ヒルダの息子 陽弥・ギデオン!ミッドガンドの護星神だ!」
「陽弥・ギデオン..........覚えておこう..........今回はナトラータホテプの命により、一人だ.............ここはお互い.....一騎打ちと行こうか?」
「分かった..........」
陽弥とクトゥグアは共に近付き、クトゥグアはムラサメを抜刀し、陽弥も魔剣グラムを抜刀した。
「「伊座!..........尋常に!」」
両者武器は陽弥の剣とクトゥグアの刀と言う.......二種類の最強の武器を構えた。
「参る!」
「勝負!」
二人は共に叫び、剣と刀の刃がぶつかり、最大の戦いが幕を開けた。
二種類の最強の武器の刃が..........次回、ぶつかり合います!!