クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者   作:オービタル

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グダグダになってしまいましたが、どうぞ!


第35話:二人の決断

 

陽弥はエミリアにユグドラシルの事や、新しい仲間を紹介していた。

 

「じゃあ、紹介するね?先ずはラルフだ」

 

「どうも、ラルフ・フレイです。」

 

「彼は、俺が死にかけた時に助けてくれた者で、俺と同じヴェクタ人で俺の従兄に当たる人物で、別世界であるヴァナヘイムの護星神の一人......ラルフは8人兄弟の中で一番しっかりとした長男なんだ...で、次はキャリー、」

 

「はい、キャリー・シアローゼです。初めまして、エミリアさん...........」

 

キャリーがエミリアに御辞儀するとエミリアは慌てて御辞儀をする。

 

「あ、こちらこそ............」

 

「彼女も俺と同じヴェクタ人だけど、父親がアルブエイムのエルフ族で母親がヴェクタ人のハーフエルフなんだ、で、アルブエイムの護星神の一人...........次は、スヴァルトアルブヘイムの護星神の一人、ダークエルフのデュラン・シュヴァルツァーだ..........えぇ、っと次は?」

 

「俺だ♪」

 

巨人族のバルトが元気良く、エミリアに挨拶した。

 

「彼はムスペルヘイムの護星神のバルト・フェルド.........母親が炎の巨人族で父親がヴェクタ人のハーフタイタンなんだ...........そして彼と同じく、ヨトゥンヘイムの護星神のダーマ・フォッセン........バルトと同じ父親がヴェクタ人で、母親が氷の巨人族だ...........そして、」

 

「ドミニカ・シェレンツだ..........!」

 

「彼女は小人の世界ニルヴァーナの護星神で、ドヴェルグ族と言う小人なんだ............最後に.......この二人は......」

 

するとサム・ギデオンが陽弥を押し退け、エミリアの前で膝ま付き、御辞儀をした。

 

「どうも姫殿下.........私はサム・ギデオンです。訳あって霊界から来まして、アースガルドの護星神を務めております。いつも孫がご迷惑掛けております。」

 

「おい!迷惑ってどう言うことだ?!」

 

「迷惑掛けているではないかぁ.........こんなに綺麗な美少女を1650年も待たせて.........それでも姫殿下の恋人なのか?」

 

サムの言葉に二人は顔を赤くする。

 

「「///?!」」

 

「それと、マナの両親でもないのか?.........」

 

「あ............嫌.......その........」

 

陽弥が焦っていると、エミリアがマナを抱き、陽弥の腕に自分の腕を組むとはっきりとサムに答えた。

 

「え!?」

 

「いいえ、マナは確かに私達の子供です♪」

 

陽弥はアースガルドの護星神に張り合った事に驚いた。するとサムは鼻で笑った。

 

「フッ.......頑張れよ、次世代ギデオン夫婦.......♪」

 

サムはそれを言い終えると、何処かへと消えた。

 

「って、お~~い!!」

 

陽弥が呼び止めるが、遅かった。

 

「ったく、爺ぃめ..........後で覚えておれよ.........」

 

「あ~、良いかな?」

 

アルベルトが陽弥に問い出す。

 

「良いですよ」

 

「私はアルベルト..........ヘルヘイムの護星神だ.........サムと同じ霊界の者で、陽弥のお父さんに会いに来たんだ。」

 

「まぁ!御義父様を?!」

 

エミリアが陽弥の父親の事を急に御義父と言った事に驚愕した。

 

「御義父様!?」

 

「アイツは頑固な弟ですからねぇ.........私とサムがいると知ったら、涙目で、私や実父であるサムに抱き付くでしょう。」

 

「え?!父さん.........泣くの!?」

 

「あぁ、リベルタスを終えた時、ちょっと顔を見せたら、涙目になっていたよ.........」

 

アルベルトが困った表情をすると、陽弥の表情がちょっと笑顔になった。

 

「............見てみたいなぁ.........父さんの泣きわめく所........前は泣きながら、笑っていたんですよ..........自分の過去と母さんの事でちょっと.........」

 

「そうか、多分.........私とサムがいたら号泣するだろうなぁ........」

 

「........そうですねぇ」

 

その後、陽弥はラルフが教えてくれたアパートに引っ越した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○△月□◎日...........陽弥とマナは調査兵のボリスの頼み事に、オメガプライムスがある発着場に来ていた。

 

「デケェなぁ........!」

 

「オメガプライムスの事ですか?」

 

「あぁ、こんな馬鹿デカイのを一体どうやって造ったんだろうなぁ?」

 

「確かに.........クアンタ人は謎の種族だからなぁ........」

 

「...........あ!そうそう、オメガプライムスの事であることが分かったの!」

 

「何が?」

 

「このオメガプライムスの艦橋以外の内部から、膨大な熱量とエネルギーが確定されたの!」

 

「..........どう言うこと?」

 

「オメガプライムスの内部には、森や水と空気で溢れており、街があるんだ!」

 

「つまり?」

 

「つまり!このオメガプライムス自体が...........巨体なコロニーを要塞戦艦にしたと言う事だ..........だが、それを開けるためのコードと最悪な事に、レーザー指紋スキャナーとアイ・スキャナーも備えられている..........」

 

「アイ・スキャナーって?」

 

「簡単に言うと、目の遺伝子コードをスキャンすると言う事だ............」

 

「なるほど、それに手こずっていると?」

 

「そうなんだよ!見てみたいんだよ!オメガプライムスの内部が!!」

 

「..............」

 

陽弥が考え込むと一緒に来ていたマナが陽弥に言う。

 

「パパ♪」

 

「ん?」

 

「それなら.........開けれるよ♪」

 

「.................マジッ?「.............嘘っ!?」」

 

陽弥は何度も体験しているから、ちょっと驚き、ボリスは驚く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽弥はボリスに連れられ、巨大な扉で閉められた場所にいた。

 

「未来のパパは何でも出来ちゃうから........それが私にも遺伝しちゃったの.........」

 

「へ~」

 

「嫌々、レーザー指紋スキャナーとアイ・スキャナーもあるんだぞ?..............そう簡単に........」

 

「アスカさん.........その不可能はやがて可能になるんですよ.......」

 

陽弥が話していると、マナが端末を開き、キーボードを打ち始め、数秒で終えた。

 

「出来たよ♪」

 

「嘘...........だろ?!!」

 

ボリスが唖然すると、開かずの扉が開き、中から光が見えてきた。

 

「開いたぁ♪」

 

中は高層ビルが建つエリアや、住宅エリア、商業エリア、工業エリア、浄水場、大きな公園、さらに豊かな森や山々、林、草原、複数もある農場エリア、綺麗な湖、地球に存在するナイアガラ見たいな滝が見えていたが、陽弥のいる商業エリアの周りに、無数の白骨死体が転がっていた。ボリスは無傷の建物を見て、興奮していた。

 

「これほどのテクノロジー...........素晴らしい!!」

 

陽弥が道を歩いていると、足下に何かを踏みつけた。

 

「ん?」

 

陽弥の足下に、大きくて一冊の本を抱えた白骨死体があった。陽弥は、お経を唱え白骨死体から本を抜き取り、中を開くと、年月日と長文が書かれていた。

 

「日記?............っ!?」

 

陽弥はその日記を眺めていると、陽弥の片方の目が緑に光だし、日記から映像が飛び出る。

 

「どうなってるんだ........!?」

 

それはかつて、クアンタ人達があらゆる生命体や、恐竜、種族、動物、そして人類を造り上げている映像や、クアンタ人の母星がダークマタージュエルによって変わり果てたドゥームに襲われ、巫女姫が魔方陣からヘリオスとセレーネを召喚し、ドゥームを封印している映像が見終わった直後、陽弥がいる街に転がっていた白骨死体が消え、急に明るくなった。

 

「ここは?..............一体何処なんだ?」

 

陽弥が辺りを見回していると、目の前に緑に光る人々がいた。

 

「あの!すみません!ここは一体.........え?」

 

陽弥がその人に触れようとしたが、あっさりと陽弥の体ごと、透き通った。

 

「透けた?!.............ひょっとして..........これって.....ホログラム映像?!.............にしては街が綺麗だなぁ..........」

 

街には灯りが灯っており、人々が盛んに店を見て回ったり、ペットと散歩をしていた。

 

「マナ!.........ボリス!」

 

陽弥は二人を呼ぶが、返事はなかった。

 

「ん?」

 

陽弥のいる歩道からガードレール見たいな物が出てきて、路線に道を避けるように、人々は歩道へ移った。すると歩道橋の奥から、白と緑の装甲をした戦車が通過してきて、またその奥から、今度は陽弥が着用している鎧と異なる鎧を着た兵士と、ユニコーンに乗っている騎馬隊や重装備をしたドラゴンに乗っている龍騎隊、さらにシグムディアに似ている虫の様な機体が現れ、コックピットから、パイロット達が、機体の手のひらに乗り、パレードを見ている民達に敬礼を見せていた。すると隊長クラスの機体の背部から、ビームの旗を放出しながら行進していた。

 

「パレード?」

 

すると、今度は高貴な二人を乗せた大型のオープンカーの様な乗り物が現れた。女の方は大きなお腹を撫でながら、民達に手を振っていた。

 

「あの人は..........?」

 

陽弥がパレードを見ている直後、映像が切り替わり始めた。

 

「っ!?」

 

今度は、何かの施設へと転移され、陽弥は辺りを見回していいた。

 

「ここは........空気清浄施設?.........ん?」

 

陽弥の目の前に、空気清浄のメインシステムのコントローラーに触れている者がいた。

 

「あの人は..........誰だ?」

 

するとコントローラーから、緊急のスイッチが出てきて、その人物は関係なく押した。するとその人物は腰部のポーチからマスクを取りだし、それを顔に装着し、何処かへと逃げた。陽弥は急いでコントーラーを見ると、画面上に『ガス排出』と映し出されていた。

 

「ガス!?.........まさか!!?」

 

陽弥は急いで街へ戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽弥が街へ戻ると、既に多くの人達が、ガスで苦しみながら死んでいた。

 

「アァっ!!」

 

兵隊や動物がガスでもがき苦しんでいた。

 

「何て事を!...........」

 

すると高家を乗せたオープンカーが民を見捨てるかのように、防護シャッターの中へ避難していった。すると段々と空間が捻れて行き、陽弥は空間から追い出され、目を覚ました。

 

「うわぁっ!!?」

 

陽弥の目の前に、ボリスとマナが気を失った陽弥を心配していた。

 

「大丈夫か?」

 

「大丈夫..........大丈夫」

 

「本当に.....?」

 

「それより、真相が分かった..........」

 

「何の?」

 

陽弥はボリスに日記を見せた。

 

「前にシグムディアが言っていた.........."クアンタ人の移民船で恐ろしい宇宙病が出たと"..........でも、違う.........これは誰かが遺した日記なんだ...........ホログラム映像でしか分からない空間で...........で、内容は........シグムディアが言った宇宙病と言うのは、あれは空気清浄施設で誰かが艦内に猛毒ガスを撒き散らして、それでクアンタ人は絶滅したんだ...........王家の者を除いては.........」

 

「つまり、誰かがオメガプライムスの艦内にガスを撒き散らし、.................お前の恋人であるエミリアの先祖だけを生かしたと?」

 

「そして、この日記には.......その犯人の行動を知っていたクアンタ人が最後に記録したんだと思う.......」

 

「その日記が........一番の鍵を握っていると?」

 

「あぁ、もしかしたら.......クアンタ人が俺のインフィニティソウルと..........エミリアのクアンタニウムハート、ジュリオのダークマタージュエル、クロウさんのアークで何をしようとしたのかも記されていると思う.........」

 

「とにかく、それを持って戻ろう。」

 

「あぁ......ほら、マナ帰るよ」

 

「はーい!」

 

陽弥達はオメガプライムスの内部を後にし、家へ帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マナと一緒に家に帰ると、エミリアが出迎えてくれていた。

 

「陽弥様、お帰りなさい♪」

 

「ただいま、エミリア♪」

 

「ママ!」

 

マナはエミリアに飛び付いてきた。

 

「マナちゃん♪」

 

エミリアはマナの頭を優しく撫でると陽弥に言う。

 

「あ!陽弥様、今日私、キャリー様と御姉様と一緒に料理を作ってみたのです♪」

 

「本当に?」

 

「えぇ、将来マナちゃんのお母さんになると思い、早くも花嫁修業してみました♪」

 

「へぇ~、」

 

「良ければ、私が作った料理を食べてみませんか?」

 

「良いよ.......♪」

 

陽弥は早速、エミリアが作った料理を食べに、家の中へ入っていった。台所のテーブルの上に豪華な料理がズラァ~っと並んでおり、陽弥とマナは豪華な料理に目を光らせていた。

 

「お~~!!「わ~~!!」」

 

陽弥達は早速椅子に座ると、サムが祈ってながら、神様に謝罪した後に全員で言う。

 

「「「「「「いただきます」」」」」」

 

陽弥とマナはエミリアの料理を食べるとエミリアが問う

 

「二人とも、お味は?」

 

「おいしい!!♪」

 

マナが元気良く返事をした。

 

「良かった!陽弥様は?」

 

「美味しいよ!........父さんと母さんの作った料理の味とそっくりだ.........」

 

「まぁ!私の料理の味がお義父様とお義母様の味とそっくりなのですか?」

 

エミリアが驚いているとサムが言う。

 

「あぁ、これなら充分花嫁らしくなってるよ...........流石、俺の馬鹿孫の将来の嫁さんだ......我らギデオン家に相応しき女性だ」

 

「それと........ここに、父さんと母さん.......ルナと婆ちゃん...........ココ叔母さんやミランダ叔母さんがいたら...........ここの食事も........もっと賑やかになっていただろうなぁ...........」

 

「そうですねぇ.........」

 

二人の雰囲気にエスメラルダが話を変える。

 

「まぁ、それは置いといて!.........陽弥、今日の出来事は?」

 

「ん?、これ........」

 

陽弥は皆にオメガプライムスで見つけた日記を見せた。

 

「「「「「日記?」」」」」

 

「ボリスさんと共にオメガプライムスの内部を調査していたんだ...........運の良いことに、マナの超知識のおかげで扉が開いたんだ..........中に入るとそこは、」

 

陽弥は皆に日記に書かれている事を話した。エスメラルダは陽弥の話に問う。

 

「誰かが.........私達の仲間を猛毒ガスで?」

 

「そう、きっとシグムディアが言った事は、多分.......誰かに記憶を書き換えられたと思う........明日もボリスさんと共にオメガプライムスの内部調査をすると思う........」

 

「あのぅ、陽弥様..........その時は、私もご一緒に同行させてください.......」

 

「.........いいのか?危険だと.........思うけど、」

 

「でも、知りたいのです...........私達のご先祖様の事を.........」

 

「良いよ、連れていってあげる........」

 

陽弥とエミリアは明日に備え、早く寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、陽弥とエミリアはマナを連れて、ボリスと共にオメガプライムスの最深部.........街から見えた草原へと向かっていった。

 

「ここの通路は.........まだ有毒ガスが充満しているから、二人とも、ガスマスクを付けてね.........」

 

陽弥達はマスクを装着し、通路を歩いていた。

 

「ヴィクトルー.........建物内に生態反応は?」

 

「ありません.........ですが、この通路の奥に微かですが、未知の生命体のエコー(音波)を確認しました。」

 

「未知の生命体?」

 

ヴィクトルーの言葉に陽弥は疑心暗鬼になると、巨大な扉が見えてきた。

 

「また、扉だ.........」

 

マナは扉に触れるが、反応しなかった。

 

「ダメ、パパ.........開かない」

 

「マナでも、ダメかぁ」

 

誰もが諦め、陽弥が扉の装甲に触れた直後、何処からか、女性の声がしてきた。

 

「称号確認.............0085269..........DNAスキャン開始」

 

すると緑に発光するスキャナーが展開され、陽弥達をスキャンした。

 

「DNAスキャン完了いたしました..............シンセシスと判明.........................」

 

スキャナーが消えると、巨大な扉がゆっくりと上へと開き始めた。

 

「ようこそ、シンセシス 陽弥・ギデオン様、エミリア・ヴァルネア・クリーフ様、マナ・ギデオン様........及びボリス様...........架空の大地ウィーテラに..........」

 

扉が開き、曙光が陽弥達の目を眩ませた。そして曙光が消えた直後、陽弥達の目の前に神秘的な絶景が見えた。街から見えた通り、緑溢れる草原が広がっており、驚いたことに、空に雲があり、風も吹いていた。

 

「スゲェ!?..........要塞なのに.........どうしてこんな大地が?!」

 

マナは草原を走り出しながら興奮していると、陽弥の足下に石化した動物の化石が転がっていた。

 

「ん?.............化石?」

 

「陽弥様.........ここにもそれに似た化石らしき物がありました」

 

「こっちも!メチャクチャいっぱい転がっている!」

 

ボリスのいる所に行くと、あちこちに化石が転がっていた。

 

「何なんだ........これ.....?!」

 

するとマナが化石を持ってきて、陽弥に見せた。

 

「スペクトロブス!」

 

「スペクトロブス?............この化石が...........」

 

「パパ!コスモバイルを起動して!」

 

「え?!....お.....おう、分かった......」

 

陽弥は左腕のアーマーに収納していたコスモバイルを起動すると、広範囲レーダーが現れた。

 

「そして、スペクトロブス達を起こして!」

 

陽弥はマナの言う通りに、答えた。

 

「起きろ......起きろ!..............起きろ!!」

 

するとあちこちに転がっていた化石達が光だし、陽弥が持っていた化石から赤色のししこまが現れた。

 

「何だこれ.......ししこま?!」

 

「コマイヌ!」

 

マナが言うと、エミリアがオレンジ色の子獅子を抱いていた。

 

「陽弥様........こちらのは猫みたいな動物です」

 

「あの子はリグルス!」

 

「こっちは、そっちの猫と同じだけど、オレンジじゃなく、青いぞなぁ、しかも身体中が刃物だ.......!」

 

ボリスの足下に、全身が刃物だらけの、ヒョウ見たいな子供の動物がいた。

 

「青いのはライザー♪」

 

「ねぇ、マナ.........思ったんだけど、スペクトロブスってなんだ?」

 

「ん?.......スペクトロブスは、銀河と生命を護りし星獣なの♪」

 

「星獣.........」

 

「そして!」

 

マナが草原の彼方へ指を差し、陽弥達は指を差している方向を見ると、空の彼方から、γ以上に美しき白き龍が舞い降りてきた。

 

「何だ?!........あの龍は?!」

 

「スペクトロブスの王様!...........白き獣王.........極幻王だよ、パパ!」

 

マナが言うと、白き獣王.........極幻王が陽弥に話し掛けてきた。

 

「例を言う........私も含めて........同胞達を呼び覚ましてくれて............我等、星獣スペクトロブスはお主との契りを交わそう...........」

 

すると陽弥の目の前に、虹色に輝く結晶が現れた。

 

「これは?」

 

「ここにいる幼体のスペクトロブス達を........進化させるクリスタルだ.........それに触れるのだ........」

 

陽弥は極幻王の言う通りにクリスタルに触れた直後、クリスタルが光だし、クリスタルから複数の光が飛び出し、幼体のスペクトロブスに当たると、陽弥の側にいたコマイヌ、リグルス、ライザーが光だし、コマイヌは巨大な角を生やした巨大な獅子駒へ、リグルスは鬣が生え、鋭い牙を生やした百獣の獅子へ、ライザーは全身に生えていた刃物がさらに増え、頭や翼と腕や脚や尻尾にもブレードが生えている蒼きヒョウへと進化した。

他にも幼体のスペクトロブスが進化して、完全体になったスペクトロブスや成体のスペクトロブス、進化しなかったスペクトロブス達もいた。陽弥は進化したコマイヌやリグルス、ライザーを見て、驚く。

 

「デカッ!?」

 

その時、極幻王や、スペクトロブス達が陽弥の前で頭を下げた。

 

「我!極幻王カイオウは!............汝をスペクトロブスマスターと認め!.........全ての星々の生命を護るために!............汝に仕えよう!」

 

「この者に!極幻王カイオウ様の祝福あれ!!」

 

極幻王とスペクトロブス達が雄叫びを上げると、陽弥とエミリアの上から、シグムディアが飛来してきた。

 

「マスター、エミリア姫様.......」

 

「シグムディア」

 

「え?........はい」

 

「貴方方にある人からの贈り物があります.........」

 

シグムディアが地面に手を翳すと、陽弥とエミリアが立っていた地面が下へ降りていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

降りて着いた場所は、オメガプライムスの格納庫であり、目の前に2体の一角を生やした白銀のペガサスがおた

 

「このスペクトロブスは..........貴方の祖父が使用していたスペクトロブスです..........」

 

「私の.........お爺様が!?」

 

「貴方の祖父は.........誇り高きクアンタの皇帝でした...........彼はマスターのパンドラメイル"シグムディア"と同じ未来視できる能力をお持ちで、二人の為にこの2体の天掛けるスペクトロブス...........ニールを造られたのです。さらに.........」

 

シグムディアが側にあったレバーを引くと、2体のニール後ろから、シャッターが開き、現れたのはシグムディアと同じ装甲をした女型の機体だった。陽弥とエミリアは驚く。

 

「こ!.............これは!?」

 

「シグムディアの妹機............"002"です.......」

 

「002.......?!」

 

エミリアが002を見ていると、002のメインカメラが光だし、言葉を発した。

 

「シグムディア.......」

 

「久しいなぁ..........002よ........」

 

「貴方もですねぇ............001........それで?.......この小娘が私の新たな主人なのですか?」

 

「...............そうだ」

 

002はエミリアを見る。

 

「フッ.........貴方はそこのヴェクタの若造を主人にしたのですね..........まぁ、良いでしょう」

 

002が納得すると、エミリアに話し掛ける

 

「エミリア姫様.......」

 

「は!.......はい!」

 

「この私に..........新たなる名をお付けください.......」

 

「え........!?」

 

「あ~そっかぁ、エミリアは知らないんだった..........」

 

陽弥はエミリアにシグムディアの事ややり方を教えた。

 

「あぁ、なるほど.......意外と簡単な事なのですね?」

 

「うん、」

 

「それじゃぁ.......」

 

「決まったのか?」

 

「えぇ、............貴方の新たなる名は..........."シグニュー"です.........」

 

するとシグニューがエミリアの前で膝間付き、頭を下げた。

 

「貴方をマスターとして、このシグニュー..........命を張って貴方を御守りします...........」

 

するとシグニューが収納されていた場所の左右からシャッターが開き始め、中から陽弥が見たクアンタ人の機体がたくさん収納されていた。

 

「あ!........あれは!?」

 

「マスター...........あれは、クアンタ帝国の遺産です...........かつてクアンタ人は膨大なエネルギーの他に、圧倒的な未知の科学力で自分達の国家を築き上げてきました.........その一部が.............シンセシスに覚醒したマスターとエミリア様にしか使えない支援機.........ガーディアンビットなのです...........」

 

「ガーディアンビット.......」

 

「マスター........これで、準備が整いました..........」

 

「え?」

 

「惑星ホライゾンで起こる悲劇............第三次惑星間戦争での準備です............我々はいつでもどこでも貴殿方二人に付いて参ります..........」

 

シグムディアも陽弥の目の前で膝間付き、頭を下げた。その時、陽弥の左目の瞳が緑に光、エミリアの右目の瞳が桃色に光った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして陽弥は皆にその事を話すと、急いでホライゾンでの戦に向けて準備していた。

陽弥は疲れを癒しに温泉に入っていた。

 

「何だか........ぶっ飛んだ事になってきたなぁ...........」

 

陽弥は星を眺めながら、考え込む。

 

「第三次太陽系外惑星間戦争かぁ..................前にあったヴェクタとヘルガストの第一次、第二次の戦争と同じ運命になるんだなぁ.......」

 

陽弥は温泉で心を安らいでいると、後方から戸が開き、誰か入ってきた。

 

「ん?」

 

陽弥は振り向くとそこにいたのはタオルで体を隠しているエミリアであった。陽弥は赤くなり、驚く。

 

「ブッ!!?エミリア?!!」

 

「失礼します.......」

 

エミリアは温泉に入り、陽弥の側に近付く。陽弥は慌てながら、答える。

 

「ななななな!!!何でエミリアが!?」

 

「たまには、混浴もしてみたいと思いまして........それに、未来の旦那様でありますからね♪」

 

その後、二人はお互いに背を向けて、シグムディアが言った事を語っていた。

 

「陽弥様は..........シグムディア様が言った事に.......賛同しますか?」

 

「え........?」

 

「私は..........アジマス人を殺したくないのです.........彼等も私たちと同じ生命体..........ちゃんと生きようと頑張っています............新しく産まれてくる命や尽きる命を正しい方向に導きたいのです。陽弥様は何を決断しましたか?」

 

「俺は..................全ての星の生命を護る...........1650年前から、決めている............それが.......ミッドガンドの護星神の使命だから........それに.........」

 

陽弥はエミリアに自分の右腕と左腕を解放して、おぞましき姿を見せた。

 

「俺はもう.....人間じゃない.........俺の右腕に宿る光の龍と左腕に宿る生まれ変わった元邪神皇の力を持つ闇の龍と..........古の銀河七聖龍と太陽神龍.........そしてスペクトロブスの王........極幻王カイオウやスペクトロブス達はコスモバイルの中に入っている...........しかも、シンセシスだ..........もしかしたら、皆は俺の事を本物の化物って言うのかもしれない...........それでも、皆の事が.......大好きだ............知り合った仲間や、必死に頑張ろうとする人達.......スペクトロブスのような穏やかな心でいろんな星々を護っている..........俺なんか........1650年も皆をほったらかしにしてきた最低な奴だ...........誰も俺なんて........」

 

陽弥が悲しき表情をするとエミリアが言う。

 

「そんなことはありません.........!私は.........貴方の事が好きなのです!..............今も愛しています!」

 

「..........知ってるよ」

 

「え!?」

 

「お前がエヴァに拐われたときに、ルナが教えてくれたんだ....................俺も、お前を愛してる.......エミリア」

 

「陽弥様.........」

 

陽弥とエミリアはお互いの唇を近付け、星が出ている夜空でキスをした。

 

調度その頃、格納庫に収納されているシグムディアとシグニューが謎の言葉を発していた。

 

「この愛が全てを超越する...........そして二つの愛が一つに成りし時、大いなる禁断の姿へと覚醒する...........その力は..........どんな災いを持つ終焉と混沌をもたらす者も凌駕してしまう............さらに........総合生命体"シンセシス"の............真の力を発揮する事になるだろう............」

 




「あぁ..........やっと二人をカップリングできた..........二人とも.........頑張れ!」

次回はテスタ、ミラーナ、オルトが動き出します。

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