クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者 作:オービタル
では、どうぞ
陽弥はその広大な領域に唖然していた。
「驚いた?」
「..............あぁ、」
「そんじゃ、これから俺の家まで案内してやる。付いてきな、」
ラルフが先導して行くと、何かの音が空から聞こえてきた。
「ん?」
すると空の彼方から、旧人類が作り出した戦闘機に似ているファイター3機が旋回していた。(分かりやすく言えば、マクロスF"VFー25 メサイア"の間接部がパラメイルの間接部になっている機体と思って下さい。)
「あれは?」
「あぁ、あれは俺ら多種族次元革命連合の主力兵器『ガルドメイル』」
「ガルドメイル?」
「乗りたかったらこのユグドラシルを創った神様に会うと良いぞ」
「神様?神様って............あの?」
「そう、何年か前の俺らヴェクタの先祖はドゥームの奇襲に会い、ギャラリック・リングのハイパーゲートで運良く、この聖地にたどり着き、ここで1200年も住んでいる。」
その事に陽弥は驚く。
「1200年も!?」
「あぁ、正確に言えば俺は............1220歳だ」
「じゃあ、俺の歳は.......650年眠って.........18を足すから.....668歳?!」
自分の現在の歳に驚く。陽弥にラルフは笑う。
「ハハハ.....そうなるね、それ........着いたぞ」
そこは紛れもない普通の家だった。
「これが?」
「そう、よろしくな.......新人♪」
ラルフは陽弥の肩を"ポン"と叩くと、ドアを開けた。
「ただいま、」
すると階段から4~5人の男の子と女の子が喜びながら、下りてきた。
《お帰り!!》
「ねぇ!ねぇ!他の世界どんなだった?」
「僕も行ってみたい!」
「腹へったー!」
「お腹すいた~!」
「にぃにぃ、その人誰?」
「にぃにぃのお供?」
「う~ん...........俺と同じヴェクタ人だ」
「ヴェクタ人?!」
子供達は陽弥がヴェクタ人だと知ると大喜びを上げた。
《ヤッター!!》
「ラルフ..............この子供達.......まさか」
「俺の弟と妹たちだが.........それが?」
「えぇ~~!!?」
「俺含めて、7人だ」
「スゲェ......」
「両親は.........あの襲撃時に俺と弟と妹を助けるために死んだ...........それでも、俺は弟と妹を守りたいと思っているんだ........今日は遅いから、早くご飯と風呂を済まして、寝よう...........明日、リニアレールのモノレールでユグドラシル9のコロニーの町と9つの世界を紹介する..............」
陽弥はラルフの実家に寝泊まりした。
陽弥はラルフと共にモノレールに乗っており、ヴェクタ人の町へと向かっていた。
「早いなぁ、」
「辺り前だ............昔にあった技術を応用してさらに改良したのだ........そろそろ見えるぞ........」
トンネルを抜けると日射しで半径数百キロもあるドーム型のコロニーが見えてきた。
「あれが?」
「あぁ、俺達ヴェクタ人のコロニーの町.............NV(ニューヴェクタ)シティだ........そして、」
モノレールがコロニーに入ると大きな建物が見えてきた。
「町の中心にある大きな建物がΝVSA(新・ヴェクタ保安局).........これから俺とお前の新しい本部になる。」
陽弥とラルフはNVSAの階段を上がっていると出入口の方にシェパードが待っていた。
「おぉ、来たかラルフと陽弥も」
「シェパード艦長!」
ラルフはシェパードに向けて、敬礼をした。
「下ろして良いぞ.........」
「そういえば、陽弥は9つの世界に住む種族の事は知っているかな?」
「え?いえ..........っ?!」
すると陽弥の後ろから大きな大男が現れた。
「紹介する...........彼はヴェクタ人の男性と9つの世界の一つ炎の巨人の住む世界ムスペルヘイムの女巨人のハーフの...........バルト・フェルドだ」
「よろしくな!」
バルトと名のる巨人は陽弥に挨拶する。
「そして此方は.......」
「御会いできて光栄です。陽弥さん」
現れたのは金色のロングヘアーをしており、美しい羽をした綺麗な女性が陽弥に礼儀正しく、御辞儀する。
「彼は9つの世界の一つアルブヘイムに住む光の妖精ライトエルフの男性とヴェクタ人の女性のハーフ......キャリー・シアローゼ........」
「皆ヴェクタ人のハーフなんだ..........」
「そうだ.......まだいるぞ、霜の巨人の住む世界ヨトゥンヘイムのハーフ女性とスヴァルトアルブヘイムのハーフ男性とそこにいるラルフ・フレイもヴァナヘイムに住む神支える使者の息子だからなぁ、」
「え!?ラルフって..........神の子!?」
「正確に言えば、デミゴット(半神半人)だ.........」
「そして君は.........ヴェクタ人であるサム・ギデオンとミットガンド(人間世界)の女性アリア・リーヴの血を受け継いでいるクォーターだ。」
「え!?じいちゃんを知っているのか!?」
「あぁ、プロセアンの使者でもあるジャヴィックと共にミットガンドへ偵察に向かわせたのだが........ジャヴィックがサムの死亡を知らせた時........悲しんだ.......だが、サムにはご子息が二人もいた。そのご子息であるシン・ギデオンが悪き我らヴェクタの敵ドゥームを倒したとき.......サムの死は無駄ではなかったと思っていたよ......」
「じいちゃん.........そんな事を隠していたんだ.........」
「そして今.......そこにいるラルフはお前の祖父サムの姉の子でもある。」
「あぁ、納得!」
「そして..........お前は.......その守護者であり.........9つの世界、嫌...........第4銀河を守る護星神になるのだ..........」
突然、シェパードの放った言葉に陽弥は...........
「...........え?!今............何て?」
「君は今日から...........神になるのだ........」
「................え?!............ええええええええええ~~~~~~!!?????」
「何をそんなに慌てるんだ..........良く聞くのだ......神!神だぞ........君を含めてラルフとバルト、キャリー他の5人もそれぞれの護星神になるのだぞ!」
「嫌々!俺が神って嘘だろ!?」
「嘘ではない.......本当の事だ.........既にアースガルドの主神オーディン様が決められたのだ。」
「何で俺が神に...........?」
「君も見ただろ?奴の..........ジュリオと言う愚か者のダークマタージュエルを.........」
「知っている........あれってドゥームの力何だろう?」
「確かに.......だが違うな.....あのダークマタージュエルはドゥームではない何かなのだ..........」
「え.......?!」
「あのダークマタージュエルから複数の邪神達の力が眠っているのだ........」
「邪神達の!?」
「その数........約500体だ」
「500体?!!」
衝撃の事実に陽弥は驚く。
「ドゥームはその500体の中で言うと...........レベル5のボスなのだ............」
「つまり.........父さんが倒したドゥームは............弱い方と言うことかよ.............」
「...........マジかよ?」
「その為..........陽弥とラルフやバルト、キャリーも含む9人は...........ジュリオをの持つダークマタージュエル.........またの名を........《業魔の怨念》を一刻も早く破壊しなければならない..........そして未来に生きる生命を護らなければならない..........我々も多次元にいる各多種族次元革命連合にも集合している...........」
すると陽弥は心を決心し、シェパードに言う。
「..................やってやるよ」
「?」
「やってやるよ!俺!.............護星神になってやる!あの時約束したんだ!この世界や他の世界も守るって!!500の邪神が相手してやるよ!!そして............あの糞ジュリオにこの世とは思えない程の痛い一撃を味会わせてやるよ!」
「なら、護星神になる準備が必要だな............9つ世界の力を習得しなければならない.......そして.......陽弥付いてきなさい........」
「え?はい...........」
陽弥はシェパードに連れられΝVSAの地下へ案内された。
陽弥が辿り着いた先は地下に古代神殿の様な場所だった。
「地下にこんな古代神殿が............ここは?」
「ここはかつて.........Q人.........クアンタ人が造り上げた神殿だ」
「クアンタ人が!?」
「あぁ、そして..........」
シェパードは電灯のスイッチを入れると、灯りが照らされた先に剣を地面に突き刺した古びた機体が立っていた。(分かりやすく言えば、聖戦士 サーバインがウルトラマンティガの様に石化した感じです。)
「これは!」
「かつて.............我々の先祖が造りし、3番目の禁断の機体............."パンドラメイル シグムント"だ..............!!」
「これが..........シグムント.........」
「だが、シグムントは普通の機体ではない............後継者を探しているんだ。」
「後継者を?」
「ペルシウス、ジャンヌ、ヘラクレス、ヤマトはそのパイロットの能力によって扱うことが出来る。そして双子機である、ヒミコ及び百鬼、百魂、百霊、百妖は感情によって扱うことが出来る。だが、シグムントは.............本当に相応しいパイロットを探している..........そうまるで虎の如く..........虎は、誰の言うことに従わない......そしてどんなに恐ろしい力が立ち塞がっても........虎は恐れない........その咆哮は悪鬼も怖れる.......シグムントはそう言う機体なのだ。」
「つまり.........シグムントは自分より強い奴にだけは言うことを聞くって訳か?」
「そうだ.........」
「なら、やってやるよ!護星神の道のついでにシグムントを乗りこなす!............待ってろよ.......父さん、母さん、ルナ、エミリア、皆!!」
陽弥は拳を握り締め、シグムントに向けて、雄叫びを上げる。
「やれやれ、頼もしい青年を連れてきてしまったか..........果たして..........彼はあれを引き抜くことが出来るか........」
シェパードは神殿の下の方に目を向ける。
その下に緑が溢れ、光が湖に射し込み、その湖の真ん中に蒼と紅に別れた剣が台座に突き刺さっていた。
次回から新章突入です!