クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者   作:オービタル

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第27話:絶望の瞬間

 

その頃、ホライゾンでは、ヒルダとルナがジュリオが陽弥に驚愕な真実を放った映像を見て、怒鳴る。

 

「ふざけんな!!陽弥が死人!?デマを言ってんじゃねぇぞ!!ゴラァッ!!」

 

「そうよ!お兄ちゃんが死人な訳ない!!」

 

ヒルダとルナはジュリオの暴言を吐き続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正にその頃、陽弥はジュリオの解き放った言葉に混乱し、問出した。

 

「どういう事なんだよ.........!?俺が死人て!?」

 

「まだ分からないのか?死人死人だよ!」

 

「クッ!」

 

陽弥はジュリオに頭突きをして、怯んだジュリオの隙を見て、掴んでいた陽弥の心臓でもあるインフィニティソウルを取り返した。するとインフィニティソウルは陽弥の体の中に入り、皮膚が再生していく。

 

「流石、インフィニティソウル!不老不死どころか無限の再生能力を持っているとは..............正に死人だよ君は.........」

 

「違う!俺は人間だ!!」

 

「まだ言うか............殺れ」

 

ジュリオがエヴァとエミリアに指を陽弥の方に指し命令すると、エヴァとエミリアが猛スピードで陽弥の腹に強烈な右ストレートが襲い掛かった。

 

「ゴブッ!!」

 

陽弥はあまりの痛さに耐えれなく、口から血を吐くと、今度はエミリアのギムガルムのビームセイバーがアーキバスⅡの背部を切断した。陽弥は血を吐きながら、倒れた。その光景にシンは怒り食らう。

 

「ジュリオ!!貴様!!」

 

シンのアーキバスⅡはビームナギナタを振り回しながら、ジュリオの頭上に降り下ろそうとした直後、ジュリオはアーキバスⅡのコックピットの上に立っており、ジュリオの膝蹴りがシンのアーキバスⅡの頭部を破壊した。

 

「メインカメラを破壊しただと!?.........グアッ!!」

 

ジュリオは伸びた腕でシンのアーキバスⅡを吹き飛ばした。

 

「シン!クソッ!」

 

クロウはビームライフルでシンを助けようとジュリオに乱射する。ジュリオはクロウのビームライフルの攻撃を弾き、下がっていく。

 

「フハハハ!!!そんな光学兵器で私を倒せるかな?」

 

「大丈夫か!?」

 

「あぁ.........!!」

 

シンがアーキバスⅡから降りて、手元からビームセイバーを抜刀した。

 

「こうなったら............皆で!!」

 

シンがジュリオにビームセイバーを構えると、倒れていたアーキバスⅡの中から血だらけの陽弥がカーニフェクスハンドガンと太陽神剣を持った龍装光を発動したまま、よろよろと出てきた。

 

「陽弥!」

 

「俺も戦う.........!コイツをぶっ殺す!!」

 

陽弥は大声を上げ、太陽神剣をジュリオに突き付けると後方から、ΒとΣが陽弥を護衛するように囲んだ。

 

「俺も........同じだ!!」

 

ルーもジークフリードからビームサーベルを抜刀した。

四星騎士と四将軍はジュリオを守ろうとしていると、

 

「下がれ...........」

 

「しかし、陛下!」

 

「ソイツ等は............本気で死にたいようだ............」

 

「此方も..........本気で掛かる!!」

 

「殺れるものなら..........殺ってみろ!!」

 

ジュリオがアメズヤクラを振りかざすと、クロウとルーは龍装光を発動し、シンもARSモードを発動した。ジュリオはアメズヤクラをクロウに突き刺そうと襲い掛かり、シンはビームセイバーでアメズヤクラを防御し、ルーもビームサーベルでジュリオに斬りかかろうとした。するとジュリオの腕が変異し、ドゥームドラゴンの頭部に変わり、百の眼がルーを鋭く睨むとルー目掛けて伸びて行き、ジークフリードごと噛み殺そうとしたとき、Βがガトリングガンを乱射し、ドゥームドラゴンの気をそらすと、陽弥はジュリオの腕に乗り、ドゥームドラゴンの首の上を走りながら、カーニフェクスで首目掛けて、発砲し、太陽神剣でドゥームドラゴンの頭部に突き刺した。

 

「アアアアアアアアアア~~~~!!!」

 

ジュリオはあまりの痛さに悲鳴を上げ、陽弥を睨み、ドゥームドラゴンの首がさらに伸び、陽弥目掛けて、突っ込むと、Σが体を分離して、ファンネル形態になり、ドゥームドラゴンに目掛けて、レーザーを発砲し続ける。するとレーザーがドゥームの眼を貫通し、ジュリオはまたしても痛がる。

 

「アアッ!!!」

 

ジュリオが怯んでいる隙にクロウが光の剣ファーウェルを二刀流で抜刀し、猛スピードでジュリオに近付き、叫ぶ。

 

「ブレードライジング!!」

 

2本の剣がジュリオの体をクロス字に切り裂き、最後に二刀流のファーウェルを合体させ、大剣に変わり、そのままジュリオの心臓に突き刺した。そしてクロウは飛び上がり、手から粒子の球体を出すとそれをジュリオに向けて、放った。

 

「セイントバスター!!!」

 

球体から無数の光線を放出し、ジュリオを焼き付くしていく。

 

「グアアアアア~~~!!!!!!」

 

そして爆発が起こりをアヴァロンが揺れる。クロウは降下した。

 

「やったか?」

 

段々と煙が晴れて行き、そこにはジュリオの姿はなかった。

 

「倒したのか?」

 

「そうだよ!俺達だけで倒したんだ!」

 

「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

誰もが喜んだその時、後方から黒い影が伸び、陽弥の胸を貫いた。

 

「...................え?」

 

《っ!?》

 

シン達は一斉に陽弥の方を見ると陽弥の胸にジュリオの腕でもあるドゥームドラゴンがインフィニティソウルを加えていた。そしてジュリオは笑っていた。

 

「ハハハハハハハハハ!!!!!!ついに手に入れた!!!」

 

ジュリオは渾身を込めて、陽弥からインフィニティソウルを奪い、陽弥は倒れる。それの光景にシンは叫ぶ。

 

「陽弥ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

シンは急いで息子所へ行こうとしたその時、上空からデストロイアが襲来し、シン達を囲み、クローアームでシンとクロウ、ルー、ΣとΒを取り抑える。

 

「グッ!!」

 

シンが抗っている間、ジュリオは陽弥から奪ったインフィニティソウルを強制的に押し込んだ。

 

「ついに!ついにインフィニティソウルが我が元に!!」

 

するとジュリオは倒れた陽弥を見て、鋭い目付きで、他のデストロイアに命令する。

 

「その汚ならしいゴミは処分せよ!」

 

『かしこまりました』

 

5体のデストロイアが解き放たれ、クローアームの砲口からビームサーベルを放出し、倒れた陽弥に接近する。

 

「止めろぉぉぉ!!」

 

シンは叫び、ホライゾンにいるヒルダやルナ達も叫ぶ

 

《止めてぇぇぇぇ!!》

 

5体のデストロイアは倒れた陽弥にビームサーベルを突き刺そうとしたその時、強力な光が5体のデストロイアを破壊した。

 

「何だ!?」

 

シン達はその光景に驚くと、光が消えていくと倒れた陽弥の側に大きな影見えた。段々と影が薄くなり、露になった。

 

「あ................あれは!?」

 

シンが見たもの.........それは........白い装甲をした...............ヒステリカだった。

 

「あれは!...........ラグナメイル!?」

 

「まさか!?エンブリヲ様!?」

 

シンやジュリオも驚くと、白いヒステリカは腰部に収納されている見たことのない三つの銃口があるライフルを持ち、シンを取り抑えているデストロイアに向けて射つと三つの内二つの銃口から白と黒のビームが発砲し、シンを取り抑えていたデストロイア全機を破壊すると、白いヒステリカは次元跳躍を発動し、シン達を救出すると全機のデストロイアは爆発した。ジュリオはそれを見て、驚く。

 

「一撃だと!!?あり得ない!!」

 

すると白いヒステリカは次元跳躍でジュリオの目の前に現れるとヒステリカのコックピットが開き、中からシンが前に着用していた旧ARSスーツをした男性が現れると、その男性は手元からアンチアーマーピストルを取りだし、ジュリオに向けて、発砲するとピストルの弾丸がジュリオのバイザーを破壊し、左目に直撃した。ジュリオは左目を失い、悲鳴を上げた。

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!僕の目がぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~!!!アアアアアアアアアア~~~~~!!!!!!!!!」

 

ジュリオは左目を抑えながら倒れ、転がり、痛がっていた

 

《ジュリオ様!!!》

 

四将軍と四星騎士達は急いでジュリオの救出に向かう。その隙に白いヒステリカは陽弥を抱え、シンの所に行き、次元跳躍でアヴァロンから離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着いた先はヴァルヴァトール帝国付近の前線基地だった。

 

「あれ!?ここは.............」

 

「シン!!」

 

「お父さん!」

 

「?」

 

シンの目先にヒルダとルナ、そして医療班が駆け付ける。

 

「大丈夫か!?」

 

「あぁ、」

 

「それより、お父さん!お兄ちゃんを!」

 

「分かっている!」

 

すると陽弥を抱えている白いヒステリカはこちらに来る医療班を確認すると女神像の目からレーザーを放ち、警戒させる。

 

「っ!?」

 

「何するんだ!?」

 

「『この若者は.........我々が預かる!手を出すものは............殺す!』」

 

「ふざけんな!!陽弥を........息子を返せ!」

 

ヒルダが怒鳴ると、白いヒステリカは上昇した。ヒステリカから放たれる風圧に、シン達は圧される。

 

「クッ!陽弥ぁ!!」

 

白いヒステリカは駆逐形態から飛翔形態へと変形し、次元跳躍を発動し、陽弥を連れ何処へと消えた。その光景にシンは茫然する。

 

「..............陽弥...................クソォォォォォォォォォォ!!!!!!」

 

シンは悔しい思いに地面に拳をぶつける。ヒルダは空を見上げ、陽弥を心配する。

 

「陽弥.............」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、左目を失ったジュリオは怒り食らいながら、暴れていた。

 

「クソッ!クソッ!クソッ!クソッ!クソォッ!!」

 

「陛下......落ち着いて」

 

アポカリプスがジュリオを慰めようとしたとき、ジュリオは怒鳴る。

 

「黙れ!!」

 

「すいません.......」

 

「何故エンブリヲのラグナメイルが........あの場に........アポカリプス!彼奴のデータは?」

 

「分かりません」

 

「何............?」

 

「分析した結果......彼はこの次元の者ではありません........さらに彼の体温と呼吸、脈拍数を測りましたが、」

 

「測りましたが?」

 

「彼の体温は低温状態及び、呼吸や脈が動いていませんでした。」

 

衝撃な事にジュリオは驚く。

 

「何!?それだと奴はとっくに死んでいるではないか!?」

 

「恐らく、」

 

「一体何者なんだ.........奴は..........」

 

ジュリオは爪を噛みながら、深く考え込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、とある空間で陽弥は................闇の中をさ迷っていた。すると目の前にある世界の文明が浮かび上がる。

 

「これは............」

 

一つは辺り一面が砂漠でそこにピラミッドやスフィンクスがあり、もう一つは山の上に古代都市がまるで空中に浮かんでいた。

 

「これは........?」

 

さらに陽弥の頭の中に自分と同じ文明を持つ世界や、超古代のテクノロジーが頭の中に入ってくる。

 

「世界はこんなに広いんだ.............」

 

するとその中に自分の世界もあった。

 

「俺の住む世界...........」

 

すると惑星ホライゾンが見てくると、ヴァルヴァトール帝国が燃えており、辺り一面が炎と血の海になっており、その血の海に............

 

「..................皆!!」

 

そして陽弥は意識の中から目を覚ました。気が付くと酸素マスクをしており、何か深緑液体が入ったカプセルの中にいた。陽弥は混乱していると、カプセルの外に数人の白衣を着た科学者が数人いた。そして科学者の一人がカプセルのスイッチを押すと、液体が外へ排水され、陽弥はカプセルから出され、その場に倒れた。陽弥は混乱しながら、周りにいる科学者達に話しかける。

 

「ここは........!?」

 

すると陽弥の目の前にある通路から数人の防護スーツを着た人達が駆け付け、陽弥の脈拍を検査する。

 

「脈拍は...........大丈夫です」

 

「よろしい.........この青年を部屋に案内しろ」

 

《了解しました!!》

 

防護スーツをした数人は隊長らしき人物に敬礼すると陽弥にタオルを渡し、部屋まで案内された。

 

「少々お待ちください.........服はロッカーの中にあります。」

 

防護スーツの人は陽弥にそう言うと去っていった。陽弥はロッカーの中を開けると白いスーツがあった。陽弥はそれを着るとスーツはブカブカだった。するとブカブカだっスーツが突然、陽弥の体に装着された。

 

「何だこれ!?」

 

そして陽弥の胸に太陽と思われるのマークが浮かび上がる。

 

「太陽のマーク?」

 

陽弥がマークを見落としていると、ドアが開き、軍らしき人が入ってきた。

 

「誰?」

 

「怪しい者ではありません..............私はシェパード.........第17艦隊を率いる旗艦アンブロシアの艦長を務めている。」

 

「...............アンブロシア?」

 

「まぁ、無理もない、君は今まで..............650年も眠っていたのだからなぁ..........」

 

「650年!?」

 

その年数に陽弥は驚く。

 

「そうだ............しかし、この次元の狭間ではなぁ」

 

「次元の狭間!?時空の狭間ではなく!?」

 

「そうだ............次元の狭間は時空狭間とは違う世界だ何故なら、お前がいた世界とこの狭間も時が止まっているのだからなぁ、」

 

「え!?」

 

「我々、多種族次元革命連合"『レボリュード』"はあらゆる多次元に生きる種族と交流し、共に歩んでいるが、次元の狭間の磁場の影響で我々と多種族は不老長寿になったのだ。」

 

「.............マジ!?」

 

「マジのマジ..........大マジだ......」

 

「つまり、俺のいた世界は今も時が止まっているのか?」

 

「そうだ............そしてジュリオとの戦闘で死にかけたお前を私の部下が助けたのだ..........ラルフ」

 

すると開いたドアから旧ARSスーツを着用している黒髪の青年が現れた。

 

「よぉ、俺の名はラルフ............アンタと同じ.............ヴェクタ人だ」

 

ラルフと名のる青年の言葉に陽弥は驚く。

 

「ヴェクタ人!!!!!!?」

 

「そうだ............分かりやすく言うと...........お前の従兄と言っても良いかな?」

 

「俺の........従兄.........」

 

「付いてきな、ここが何処なのか案内してやる.........」

 

陽弥はラルフに付いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

施設から出ると、陽弥が見た光景は.............多数の島が空に浮かんでおり、他にもドーム型のコロニーもあり、山や湖や海が広がっており、そして陽弥がいた施設の真上にこの世とは思えない程の惑星以上の高さを持つ巨大な樹木が聳えていた。

 

「ここは.......!?」

 

「..........ようこそ!我々多種族次元革命連合の本拠地...........北欧の神々の聖地とも言える場所....『ユグドラシル9』に!!」

 

「ユグドラシル9.............」

 

陽弥はその広大な領域に足を踏み入れ...........彼らに歓迎されることになった。


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