クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者 作:オービタル
では、どうぞ!
その頃、ホライゾンにいる陽弥達は北の国、雪原が広がる大地に上陸し、そしてそこに、ヴァランドール皇国の3倍もある国、ヴァルヴァトール帝国に到着した。もちろん、ヴァルヴァトール帝国兵には警戒されたが、陽弥がリチャード陛下に渡された手紙をヴァルヴァトール帝国兵士の一人に渡し、手紙の内容を見て、入国を認めてくれた。
「すいませんでした。まさか、あなた達が星の海から来た守護者だったとは、」
「いえいえ、よくあることですから、」
「では、入国を許可します。」
巨大な城門が開門され、ウラノスはヴァルヴァトール帝国へと入国すると、ヴァルヴァトール帝国の住民達が唖然した表情で、ウラノスを見ていた。ローレライとリョウマはウラノスの窓からその光景を見ていた。
「凄い建物が並んでいますわねぇ、」
「拙者の故郷は緑溢れる都市なんだが.............ここは何だろう?...............何故か、寂しく感じる........」
リョウマが悲しそうな表現で、ヴァルヴァトール帝国の都市を眺めていた。
ヴァルヴァトール帝国の帝都の中心に入ると、その奥に魔法で浮遊している機械と鉄塔から煙が上がっている大きな建物が見えてきた。
「あれが...............ユージーン皇帝陛下の城............」
そして、陽弥達はウラノスから降り、ユージーン皇帝がいる玉座の間に足を踏み入れた。そしてそこに、ユージーン皇帝が厳しい表情で陽弥達を見ていた。
「お前らが、星から来た守護者か...........?」
ユージーン皇帝はアリスに問うと、アリスは答える。
「はい、ユージーン皇帝陛下..........我々はエミリアの奪還とホライゾンの救護するために、遥々星の彼方にある地球から、やって来ました。」
「そうか..............なら、良い.......とにかく、長旅で疲れているだろう.........帝都ボルグを歩き回って良いぞ..........」
「ありがとうございます..........では、」
アリスはそう言うと、陽弥達と共に、玉座の間を出ようとした。
「..........それから、お願いがある........」
「何でしょうか?」
「私の息子がいるかもしれない.........」
「見かけたら、声を掛けて連れ戻してくれないかなぁ?」
「分かりました。」
アリスはユージーン皇帝の頼みを受け、玉座の間を出ていった。
陽弥達は城から出て、帝都ボルグを観光すると、帝都ボルグの風景が偽の地球に似ている事に気付く。
「偽の地球と同じ風景だ........」
「うん、」
「きっと、アジマス連邦の攻撃で貧しくなっているんだよ..........ほら、」
陽弥はソフィアの指差す方向を見ると、アジマス連邦の攻撃で、住宅街の屋根瓦や壁が酷く損傷していた。
「本当だ.......」
「そして.......」
陽弥達が見たものは、城壁の塔の上に巨大な結晶石がヴァルヴァトール帝国の各城壁の塔の上に浮遊していた。
「あれが.......リチャード陛下が言っていた電磁シールドを発生させる城壁...........嫌、城壁と言うより、クリスタルか............」
すると、ルナはあちこち辺りを見回しながら、陽弥に言う。
「あれっ?!.......アレクトラさんは?」
「え?.........そう言えば...........!」
陽弥達は帝都ボルグで迷ったアレクトラを捜索していった。
その頃、仲間とはぐれたアレクトラは..........
「あちゃ~、完全に迷ってしまった.........」
アレクトラがあちこち歩いていると........
「よぉ!姉ちゃん!」
「?」
アレクトラの後ろにチンピラが三人がおり、不潔な目でアレクトラの体を眺めていた。
「迷子かぁ?.....迷子なら、俺らが送ってってやるよぉ?」
「別に.........」
「ヒヒヒ、」
チンピラが不気味な笑い声をするとアレクトラは何か決心した様な表情になり、鋭い目付きでチンピラ三人を睨んだ。
「アンタ等は私にボコられる覚悟は出来ているのか..........?」
「ハァ?何言いやがってんだ、コイツは?」
チンピラの一人が言うとアレクトラはため息を吐くと同時に戦闘体制をする。
「フゥ..............どっからでも、掛かってきな!このチンピラ共が!!」
その言葉に三人は切れ、殴り掛かってきた。
「「「うらぁ~~!!」」」
アレクトラは一人目の攻撃を簡単に回避し、右肘を殴り掛かってきたチンピラの背中にぶつけ、もう一人のチンピラに右ストレートが炸裂し、三人目のチンピラにはドロップキックをした。
「ホラホラっ!どうしたぁ?!」
アレクトラが手をクイックイッとし、三人のチンピラに挑発をする。
「私を強姦したいんだろ!?」
「「「やぁ~!」」」
今度は、三人がかりで飛びかかったが、アレクトラは飛び上がり、三人の頭を蹴り上げた。
「アホど...もっ!?」
倒れた一人がアレクトラを転ばし、二人のチンピラがアレクトラの両手を拘束した。
「捕まえた!!」
「クッ!!」
アレクトラが必死に抵抗するが、二人の力が強く、このまま強姦されると思いきや、アレクトラの頭上から、マントとフードで姿を隠した人物がアレクトラを拘束しているチンピラに殴り掛かかった。
「フッ!」
フードの少年は華麗な素早さで二人のチンピラを翻弄し、同士打ちさせると、あっという間に気絶した。
「このガキっ!!」
最後になってしまったチンピラの一人が少年に右ストレートを振りかざすと、少年は高く飛び上がり、
左足を上げ、チンピラの頭目掛けて踵落としで止めを刺すとチンピラはゆっくりと倒れた。フードの少年は手に付着していた埃をはたき落とすと、アレクトラに近付き、手を差し伸べ、安否確認をした。
「..........大丈夫?」
「え?........ありがとう.......」
アレクトラは少年の握り立ち上がると同時に強い風が吹き、少年のフードが後ろに下がり、素顔が露になった。
「あ.........!」
その少年の肌は白く、左右の瞳の色が黒と白に別れており、灰色の髪をしているイケメンだった。その少年の魅力
にアレクトラの頬が赤く染まった。すると少年はアレクトラに問う。
「あのぅ.........僕の顔に何か?」
「....................」
「ん?、あの........」
「え!?...........あ、嫌.........何も........!」
「そっか..........良かった.........」
「自己紹介がまだだったね?.........僕はルチル.......君は? 」
ルチルと名乗る少年はアレクトラに名前を聞く。
「............アレクトラ.....」
「アレクトラ........良い名前だよ♪」
するとアレクトラとルチルの逆方向から、多数の足音が聞こえてきた。
「いけない........もう、ここまで来たのか..........」
「こっち!」
「え?!ちょっ!?」
アレクトラはルチルの手を引っ張り、壁と壁の隙間に入り込み、身を隠した。そしてそこに、ヴァルヴァトール帝国兵士が駆け付けて来た。
「どうだ!いたか?!」
「駄目だ........ここにもいない、」
「ハァ.......困ったなぁ、とにかく、俺は向こうを探す!」
「分かった!速いとこ皇子様を見つけないと、ユージーン皇帝陛下に怒られる........!」
兵士はその言葉を言うと、直ぐに立ち去った。そして兵士が立ち去った事を確認し、アレクトラとルチルは隙間から出る。
「行った?」
「行ったよ、速く出てきなさい。」
「うん、分かった.........」
「ハァ、苦しかったぁ.........」
その後、アレクトラはルチルに連れられ、帝都ボルグにあるお店や工業所へ案内された。するとアレクトラが大きな歯車が回転する工場を見ると、ルチルはアレクトラの視線
を見て、答える。
「この工場の動力源はヴァルヴァトール帝国付近に鉱山があって、その鉱山からフォドラニウムのエネルギーを採っているんだ。」
「フォドラニウム?」
「未知の力を持っている鉱石の事だよ、このエネルギーで、暖房やお湯を沸かす様になっているんだ........けど、」
「けど?」
するとルチルが悲しい表情をする。
「............空の橋の争奪戦の時に、帝国は大打撃を受けて..........貴重なフォドラニウムの採掘が酷くなって........」
「採れなくなっているの?」
「うん.........フォドラニウムのエネルギーが空の橋の争奪戦で減少してしまって、今、採れるフォドラニウムは僅かなエネルギーしかないんだ。けど、グラシオン連合の科学者達が何とか、フォドラニウムのエネルギーを増幅させようと懸命になっているんだ...........」
「............アタシの故郷も........同じだった............」
「え.........?」
「私の故郷も..........昔は酷い環境だったんだ............この国と違って.....空気は汚染されていて、難病で病死する人も多発していた。けど、陽弥の親父さんが、ヘルガストの人民を救おうと空気中の汚染物質を除去してくれる機械『フォトン』を開発してくれたおかげで...........皆が難病から解放されて、元気になった........」
「へ~、凄いなぁ.......!」
「だろ?、流石だよ......アタシの親戚は......」
「親戚?」
「ああ、親戚の種族ヴェクタとアタシの種族ヘルガストは.........言わば、双子関係の種族なんだ。それで.....」
アレクトラがルチルに皆の事を説明している頃、影でアレクトラを見守る陽弥達が覗いていた。するとソフィアが陽弥に質問してくる。
「ちょっとあの二人いつの間にあんな関係を持ったの?」
「知らないよ.....!」
二人が喧嘩しているとローレライが興奮状態で陽弥達に語りだした。
「きっとこうでしょう........!アレクトラさんが、迷っていたとき、不良に絡まれ、まぁ大変!その時、何処からともなく現れ、悪漢からアレクトラさんを守り、愛の逃避行をしているのですわ!なんてロマンチックな展開ですわ~!!♪」
ローレライの興奮状態に皆は呆れた顔をして、心の中で一斉に思い込む。
《この人魚姫さん..........何考えているんだ?》
すると何処からか途もなく警報が鳴り響いて来た。
「何だ?!」
「何だ......このサイレンは........?!」
アレクトラが辺りを見回しているとルチルが厳しい表情で城壁を見上げる。
「まさか........」
「え?」
「何でもありません、それじゃ、僕はこの辺で!」
ルチルはそう言うと何処かへと消えていった。
「あ!ルチル!」
アレクトラがルチルを追い掛けようとした時、陽弥達が駆け付ける。
「アレクトラ!」
「皆!」
全員集合すると皆のオムニツールから通信が来た。陽弥達は通信を開くとモニターにアリスが映った。
「『皆!まだ帝都にいる!?』」
「え!?あ、はい........!」
「今、ヴァルヴァトール帝国偵察兵が報告してきたの!アジマス連邦の軍勢がヴァルヴァトール帝国とグラシオン連合とヴァランドール皇国へ同時に進攻しているの!」
「何だって?!!」
「けど、ユージーン皇帝陛下に言うと、アジマス連邦は直ぐには襲撃しないと思う。必ず、前線基地を作り上げると思う。」
「つまり、警戒体制をっと言う事か?!」
「えぇ!」
「了解!」
陽弥達はアリスの通信を切ると急いでウラノスへと戻った。
暁が闇の中へ堕ちていくと時.....帝国ボルグの住民達は急いで荷物をまとめ、皇帝の城の地下へと避難しに行った。そして......その上空を陽弥とルナが見回っていた。
「この辺の人達..........皆、居らんくなったなぁ、」
「仕方ないよ........この辺りは電磁シールドのある城壁に近いから、」
「なるほど、つまり........この辺りが一番攻撃を受けやすいって事か...........」
「......だけど安心して、ヴァルヴァトールの女性、子供、老人はヴァルヴァトールの城に避難する事になっているらしいの......」
「へぇ~」
するとルナは陽弥に言う。
「それと、驚いちゃったよ.......まさかエミリアさんがQ人の生き残りだったなんて.........お兄ちゃんは何で疑問に思ったの?」
ルナが質問すると陽弥は答えた。
「.............エヴァが.........教えてくれたんだ.....」
「え?!」
突然の言葉にルナは驚き、陽弥はそのまま続ける。
「アイツが.........エミリアを連れ拐う直前に言ったんだ........」
陽弥はルナに前の事を言う。
マーメルド王国 城内..........
陽弥は太陽神剣をエヴァに突き付け、エミリアを守ろうとすると、エヴァが陽弥に語りかける。
「それと...............エミリア王女殿下は............普通の人間ではない........」
「え?!........どういう事なんだ!?」
陽弥が問うとエヴァが消え、陽弥の横に回り込み、陽弥の耳元に小声で言う。
「...........知りたければ.............エミリア王女殿下の故郷にいるリチャードに言え.........」
エヴァはそれを言うと陽弥の首目掛けて、エヴァの空手チョップが炸裂し、陽弥は気を失い、倒れた。
「うっ!」
「陽弥様ぁ!!.........っ!」
エミリアは倒れた陽弥を助けようとすると、エヴァはエミリアの口を塞ぎ、気絶させた。
「クソ..........!」
「彼なら.............エミリアの事を知っている............」
エヴァはエミリアを抱えたまま、城から出ると同時に陽弥はそこで気絶した。
陽弥の話が終わるとエミリアはさらに驚く。
「そんな事を!?」
「ああ、」
「だから、お兄ちゃんはリチャード陛下にエミリアさんの事を言ったのね?..........でも、何でエヴァがそんな事を......?」
「分からない.............だから俺は、アイツに聞いてみたいんだ........何で俺に、教えたのかをって..............」
「確かに..........エヴァは何を考えているんだろう..........」
二人は考え込むとヴァルヴァトール帝国兵が叫ぶ。
「敵だぁぁ~~!!」
「「っ!?」」
「敵が来たぞぉぉぉ~~!!」
「ついに来たか..........!」
陽弥がアーキバスⅡのメインカメラのズームを最大にすると、夕陽に多数の黒い物体が浮遊しており、その下に何万体の黄金のフレームをした兵隊達が進行していた。丁度その頃、別の場所で警戒していたウラノスの乗組員も言う。
「大丈夫だよ.............皇帝陛下が言うには奴等は必ず前線基地を建てる筈.........!」
乗組員が頷いた直後、無数のレーザーが先攻し始め、城壁の塔に浮いていたクリスタルが電磁シールドを展開し、レーザー攻撃を防御した。そしてアジマス連邦が先攻してきた事に混乱していた。
「っ!?」
「息なり!?」
「どうなっているんだ!!??」
「陣を確保するんじゃなかったのか!?」
「分からない!!」
陽弥達が混乱していると城壁に武装したミューとデルタが報告する。
「何でだろう?!........おかしい........!」
「何が?!」
「スキャンした結果..........彼等の受信コードとデータが誰かに書き換えられている...........それに詳細データも分からない!」
《えぇ!?》
陽弥達は驚くとデルタが答える。
「恐らく、プロフェッサー"E"が動き出したのでしょう........!」
「そうか..........ようやっと黒幕も動き出したのか!」
すると、アレクトラのレイジア mkⅡが高速で先行した。
「なら、息なり先攻してもおかしくないか.............!丁度良い!派手に荒れてやるぜっ!」
「待て!アレクトラ!!」
陽弥が止めるが、アレクトラは無視し、ネオ・ミスルギ皇国兵の攻撃を回避する。
「クッ!」
華麗な動きで敵陣に近付き、地上にいる小型のネオ・ミスルギ皇国兵にビームライフルを撃つが、ネオ・ミスルギ皇国兵の黄金のフレームが輝いた直後、ビームが弾かれた。それを見ていたアレクトラは驚く。
「ビームが弾かれた!!?」
その直後、ネオ・ミスルギ皇国兵の戦闘艦三隻の主砲がレイジアに向けられ、発砲してきた。アレクトラはレイジアのビームシールドで防御するが、敵の猛攻が激しく、押されていた。
「あああああ~~~~!!!!」
その光景に陽弥達は叫ぶ。
「あの馬鹿っ!!皆行くぞ!!」
「分かった!」
「承知!」
「たくっ、アレクトラったら、!!」
陽弥達は急いで、アレクトラの救出に向かった。
城門付近では、ヴァルヴァトール帝国兵のガンランスのビームが効果が無く、陣形ファランクスで身を守っていた。
「我々の攻撃が効かないだと!?」
「コイツら!........本当にあのアジマス連邦なのか!?」
「だけど、今まで見てきただろ!あの機械の姿を!」
「けど、何でアイツ等の体が金色になっているんだよ!?」
「それはっ!どわっ!」
ヴァルヴァトール帝国兵の盾がレーザーで貫通され、絶体絶命の時、上空から陽弥のアーキバスⅡが飛来し、シールドでヴァルヴァトール帝国兵を守る。
「大丈夫か!?」
「「え?はい!」」
陽弥はヴァルヴァトール帝国兵の安否を確認した後、搭乗したまま龍装光をすると、アーキバスⅡのヒートアサルトブレードが陽弥が使用していた太陽神剣に変わり、それを抜刀し、ネオ・ミスルギ皇国兵を切り裂いた。ビームでは無効果になってしまうが、銀河七聖龍の力を使えば、勝てると確信し、皆に通信回線を開き、教える。
「皆!アイツ等に対抗出来るのは、銀河七聖龍の力だけだ!」
するとルナが陽弥に報告する。
「けど、ヴィヴィアン隊長とエイルマットさんとミューとデルタさんとアリス艦長達はどうやってアイツ等に立ち向かうの!?」
ルナが戸惑っていると、ヴィヴィアンが通信してきた。
「アタシ達は城壁を守るから、存分に戦ってくれ!」
「ヴィヴィアン隊長!?」
それと同時にエイルマットも通信してきた。
「お前達は奴等に集中しておけ、ここは俺等が守る!」
「分かりました!師匠!」
リョウマは御辞儀すると搭乗のまま叫んだ。
「龍装光!」
そしてソフィアとルナも龍装光と叫んだ。
「それじゃ、御言葉に甘えて!龍装光!」
「「龍装光!!」」
赤、黄、青、緑の閃光がネオ・ミスルギ皇国兵の装甲を貫き、四人は奥義を発動した。
「剛火炎!!」
「絶対零度!!」
「雷竜破!!」
「火燐粉!!」
ソフィアが放った火燐粉を陽弥の剛火炎で周りにいたネオ・ミスルギ皇国兵達が火燐粉の爆裂により、粉砕され、ルナが絶対零度を放つとネオ・ミスルギ皇国兵は凍り付き、それをリョウマが雷龍破を放つと絶対零度の氷で感電し、ネオ・ミスルギ皇国兵はスタンした。そして陽弥はアレクトラを救出する。
「アレクトラ!大丈夫か!?」
「ああ!」
陽弥がプラズマビームライフルで応戦するが、敵の黄金のフレームでビームは弾かれ、陽弥達に迫っていた。
「コイツら、何れだけ増えるんだよ!?」
「敵が多すぎる!!」
それはルナ達も同じで、倒しても倒しても、増えるだけだった。するとアレクトラが辺りを見回していると、鎧を身に付けた白馬に乗っている騎士を見ると、何かに気付いた。
「ちょっと待って.........!?」
アレクトラはレイジアを飛翔形態へ変形し、白馬に乗った騎士を追い掛けた。
「アレクトラ!?」
陽弥が止めようとしたその時、上空から、4つの流星が落下した。
「なっ!?」
落下時.......煙で見えなかったが、段々と煙が晴れていき、4つの影が姿を現した。
「あれは.........!!!」
4つの影の一人は........マーメルドで陽弥達を苦しめたエヴァと......
「エヴァ!!」
別の地球で銀河連邦を苦しめ、ソフィアを馬鹿にしていたγと........
「γ!!」
陽弥の宿敵........イプシロンと......
「イプシロン!?」
そして、大きな装甲を装着されたアポカリプスだった。
「後、一人.........誰だ?」
するとエヴァがヴァルヴァトール帝国に向かって、叫ぶ。
「我等は 真・四将軍!!新星要塞国家ネオ・ミスルギ皇国の新皇帝ジュリオ・飛鳥・ミスルギ陛下に支える四天王だ!!!」
エヴァの突然の言葉に陽弥達は驚いた。
「ネオ・ミスルギ!?どういう事なんだ!!???」
陽弥が質問するが、エヴァ達は一斉に陽弥達に飛び掛かった。
その頃、アレクトラは彼の名を呼んでいた。
「おい!ルチル!.........ルチル!」
するとアレクトラの2時の方向に白馬に乗った騎士を見つけた。
「ルチル!」
アレクトラはレイジアの出力を最大にし、ルチルの所へ向かった。
ルチルはネオ・ミスルギ皇国兵に囲まれ、絶体絶命の時、アレクトラがラツィーエルでネオ・ミスルギ皇国兵を凪ぎ払った。
「ルチル!」
「アレクトラ!?」
「お前が、何でここにいるんだ!?」
「僕は.......」
「皇太子様ぁ!後ろ!!」
「っ!」
ヴァルヴァトール帝国兵がルチルに報告するとルチルの後ろに大型ネオ・ミスルギ皇国兵がハンマーを降り下げようとしたが、アレクトラはレイジアのビームライフルの銃口を大型ネオ・ミスルギ皇国兵の装甲に近付け発砲した。大型ネオ・ミスルギ皇国兵の胴体に風穴が空き、倒れた。そしてアレクトラはルチルに質問した。
「皇太子っ?!あんたまさか......?!」
ルチルは顔を上げ、アレクトラに言う。
「...........僕は.........第19代ヴァルヴァトール帝国皇帝ユージーン・ヘリッドの息子............次期ヴァルヴァトール帝国皇帝.........ルチル・ヘリッドなんだ........!」
ルチルの正体を知ったアレクトラは驚きを隠せなかった。
どうでしたかな?
中編から、アレクトラの銀河七聖龍とあの二人が駆け付けてきます!