クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者   作:オービタル

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ついに……ドレギアスが完全体へと覚醒します……


afterstory38:完全体、その名は……

 

惑星リィボラの中枢部に眠っていたザ・コア……陽弥とアリアード達はその輝きに見惚れていた。

 

「これが……ザ・コア……」

 

その輝きに圧倒されるアリアード、陽弥はそっと近づき、ザ・コアに触れると、ザ・コアから光の触手が伸び出てきだし、陽弥を包み込む。その時、陽弥は白い空間にいた。

 

「ここは?」

 

「よくぞ、ここへ参られたなぁ…陽弥よ……」

 

「その声は!」

 

すると陽弥の目の前から闇の瘴気が現れると同時に瘴気から、陽弥も知る人物"宵闇の男神 アプス"であった。

 

「アプス!?」

 

「フフ……それとニケよ、隠れてないで出てこい…」

 

アプスの声に導かれるように、陽弥の体から光が溢れ出て、現れたのは"曙光の女神 ニケ"であった。

 

「久しぶりだな、ニケよ…」

 

「お主もね、アプス……ここへ来た理由は分かっているよね?」

 

「あぁ……陽弥よ」

 

「はい…」

 

「ドレギアスが此方に来ている。」

 

アプスの言葉に、陽弥は驚く。

 

「え!?ザンジークは!?」

 

「「………」」

 

二人は無言のまま、首を左右に振る。

 

「…………そんな…」

 

「……嘆いても、変わらない…ザンジークは立派に戦った……誇りに思うべきだ……奴は最後に、ドレギアスに深手の傷を持ったまま、この星にやって来ようとしている。今の奴の状態ならば、解放できるかもしれない……」

 

「……ブラムとベリトだな」

 

「その通り…さぁ、陽弥よ……ザ・コアに願いを叶えるのだ……」

 

アプスの問に、陽弥は望みを言う。

 

「聞いてくれ、ザ・コアよ……ドレギアスに囚われているブラムとベリト……そして 労働国家"プリズン・ソウル"に囚われている人達を解放し、記憶を残したまま元ある人間に戻してくれ……」

 

陽弥が望みを答えた直後、ザ・コアが光りだす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、デススフィアでは、ドレギアスに異変が起きた。

 

「グゥッ!!!??」

 

突然ドレギアスが胸を抑え付け、玉座から立ち上がったと思いきや、地面に膝を付く。

 

「まさか!?」

 

その時、ドレギアスの体から、赤と黒の闇と地獄の炎が外に飛び出し、ドレギアスの前から消えた。

 

「ブラムの闇とベリトの獄炎の力が消えた!………陽弥・ギデオンめぇぇぇっ!!!」

 

ドレギアスはあまりの悔しさに、吼える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてザ・コアの側にいるアリアード達はザ・コアが突然光りだした事に眩き出す。

 

「何だ!?」

 

「眩しい!」

 

光は数分も経たないうちに弱くなると、ザ・コアから影が浮かび上がる。

 

「「「「?」」」」

 

現れたのは影は…赤髪で毛先が白銀をした断髪、しなやかな表裏赤と白の色をしたマントと赤と黒のスタビライザーマント、マントにはヴァルキュリアスの王家の紋章が縫い付けられていた。そしてヴァルキュリアスの胴体と足と腕に黄金の装飾、純白の鎧、ガントレット、脛当てが付いており、兜は頭頂部に付けられているクリスタルで出来ている角と、さらに頭の両脇に羽飾りが付けられており、後頭部に赤い毛の帯が結び付けられていた。そして背中には黒と白の色を持つスラスターウィングが大きく展開し、光と闇の翼を展開していた。ザ・コアから現れた人物にアリアードは問う。

 

「お前……陽弥?……陽弥か?」

 

「そうだが……それと、もザ・コアに頼んで、お前達に新しい装備をお願いしてやった…」

 

するとザ・コアから光の粒子が現れ、四人を包み込む。アリアードは白く透き通った肩部のショルダーマント。

 

メリダには羽飾りが付いたガットレットと腰部のスラスターブレード、シーラには背部に2本のアームとハルバード、エルネアには腰部にスラスターブレード、背部にスラスターウィングが装備されていた。

 

「ブラム…用意は出来ているか?」

 

陽弥が体の中にいるブラムに問う。

 

「当たり前だろ!俺は充分に準備万端だよ!」

 

「フフ♪」

 

陽弥はそう言うと、新しく進化したグラムと七星剣……双剣銃グラム、双剣銃セブンスター、そして皇帝の剣とも言えるガイアブリンガーを口で咥える。すると惑星リィボラが暗くなり始めた。

 

「?」

 

真上を見ると、ザ・コアを狙いに来たドレギアスが率いる帝国軍と、デススフィアが存在していた。そしてリィボラの大地にドレギアス及び、新生フェメシス騎士団達が転移してきた。ガイラスは至る所に重装甲をしており、カロルも腰部にジェットブースター、手にはブロードソードからロングソードへと切り替えており、シェレナも両腕がアームキャノンへと変わっていた。そして洋介は恐ろしい事に、囚われていた陽弥の力により、ディアブロと同化、そして脳らしき機関がむき出しになっており、容姿が正に悪魔へと変わっていた。するとドレギアスに続くかの様に、グリニア帝国兵、コーパス兵、ネブラ銀河帝国兵、シャンドゥ親衛隊、ゼルトラン帝国連合兵も現れ、五大宇宙帝国が揃った。

 

「等々、来たか……」

 

「貴様か……陽弥・ギデオン!!」

 

「あぁ……だが、ここまでだぞ…お前の野望はここで終わる…俺を本気で怒らせたからなぁ…リミッター解除と全身全霊のフルパワーで駆逐してやるから…」

 

「ほざけ!!我はまだ終わらないぞ!たった五人で何ができる!?」

 

「嫌、できる……何故なら…」

 

陽弥は双銃剣グラムと双銃剣セブンスターをライフルモードからブレードモードに切り替える。セブンスターは青く光り輝くエネルギーブレードへ、グラムは赤く光るチェーンソーブレードを展開する。そして……

 

「クロスエアイレイザー!!」

 

陽弥は二刀流でクロス字を描くように真空を斬る。そしてグラムを腕にぶつけ、音を立てた直後、兵士達の首が吹き飛び、血が噴水の様に噴き出した。

 

「ッ!!?」

 

首が無くなった兵士達はかかしの様に次々と倒れていく。つまり、陽弥は先の技によって、僅か0.02秒で地上にいる兵士達を全滅させたと言うことになる。ドレギアスや四大皇帝達が陽弥を見て、恐怖する。

 

「ば、化け物ぉぉーーー!!!!」

 

「あんなの勝てるわけがねぇ!!」

 

「こんなんゴメンだぞ!!悪いが俺は退却する!今すぐに!!」

 

「お、お!俺もだ!!」

 

暴力と欲望で支配するシャンドゥアとゼルトランの勢力が一斉に尻尾を巻いて退散して行く。

 

「待てぇぇ!おまえらぁぁ!!逃げるつもりかぁぁ!!」

 

ドレギアスは逃げていくシャンドゥアとゼルトラン帝国連合に咆える。

 

「どうやら、コーパスとネブラ銀河帝国はお前の味方らしいなぁ♪」

 

「何をした!?」

 

「決まっているだろ……切っていない奴には……心を斬ったんだ…奴らに恐怖を与えたのだ……それが戦乙女の流儀『戦場において死を定め、勝敗を決する』……」

 

「死神め!!」

 

ドレギアスはディザスターを抜き、陽弥に突き向ける。

 

「貴様を倒して、ザ・コアで完全体になる!!」

 

「殺れるものなら……殺ってみろ!!」

 

陽弥は三刀流を構え、バイザーを起動し、スラスターウィングやスカートマントの裏にある腰部のスラスターブースターを噴射する。アリアード達も騎兵銃槍を構え、メリダもブロードソードとシールド、シーラも2本のハルバード、エルネアもブレードアローを構え、上空目掛けて矢を放った。すると放った矢が無数に拡散し、帝国兵やコーパス兵に矢が突き刺さる。陽弥とアリアードは突撃し、メリダ、シーラ、エルネアは後方支援をする。陽弥は三刀流でコーパス兵を切り裂き、アリアードも騎兵銃槍で突進や突き攻撃、砲撃や銃撃を繰り返す。メリダもシールドから魔法障壁を展開し、シーラの後ろに立つ。シーラもハルバードを振り回し、矛先からエネルギースピアを放出し、向かってくる兵を武人の如く切り裂いていく。陽弥もブラムの力を解放し、ブラムと共に光の腕と闇の腕の爪で襲いかかる。すると陽弥の前にドレギアスと新生フェメシス騎士団が襲い掛かってきた。カロルがコンドルレッグとロングソードを突き付けてきたが、陽弥はスラスターウィングから放つ光と闇の翼を広げ、膜を作るかの様に、翼で覆い尽くし、バリアを作った。そしてカロルのコンドルレッグとロングソードが意図も簡単に防御された。

 

「何っ!!?」

 

カロルが驚くと、シェレナが吹き飛ばされたカロルを蹴り飛ばした。

 

「退け!カロル!コイツはアタシが殺るよ!!」

 

シェレナも蜘蛛の脚の先端部に付いているガトリング砲とアームキャノンを乱射してきた。陽弥は三刀流を収納し、グラムとセブンスターをライフルモードに切り替え、それぞれ撃ち合いが始まった。銃弾が飛び散り、帝国兵を巻き込む。

 

「チッ!奴の火力強すぎる!なら……」

 

すると陽弥が持っていたグラムとセブンスターが変形していく。グラムは巨大な二門のガトリングキャノンへ、セブンスターは巨大なハイメガキャノンへと変形し、シェレナに向けて叫んだ。

 

「ジャスティス・セイバー!!!」

 

二門のガトリング砲から弾丸が発射され、それを広範囲に撒き散らす。

 

「セイント・バスター!!」

 

砲口から収束荷電粒子が放たれ、ジャスティス・セイバーと共に回転しながら、シェレナに向かってきた。

 

「コイツ!ビームと弾丸を撒き散らしっ!!グアアアアアア!!」

 

シェレナは陽弥の二つの技により、各部位に風穴が開く。すると上空からガイラスがギガントメイスを振り下ろしてきた。

 

「この野郎!!!」

 

陽弥は上空にガイラスがギガントメイスを振り下ろして来るのに気付き、グラムとセブンスターを連結させ、ロングライフルへとなり、ガイラスに向けて高エネルギービームを放った。ビームはガイラスのギガントメイスを溶解し、胸部に風穴を開けた。

 

「馬鹿な!!この俺が飛び道具に負けるなんて!!!」

 

ガイラスは余りの悔しさと共に、消滅し、赤い蛇へとなり、消えた。

 

「ガイラス!!糞ぉぉ!!」

 

カロルがガイラスが消滅した事に、陽弥を睨み、襲い掛かってきた。

 

「よくもガイラスをぉぉっ!!」

 

カロルはロングソードを振り回し、陽弥を圧倒するが、アリアードが騎兵銃槍で突進してきた。

 

「陽弥!コイツの相手は私がやる!お前はドレギアスの方を!」

 

「…分かった!」

 

陽弥はスラスターウィングの出力を最大に上げ、ドレギアスのいるデススフィアに殴り込む。デススフィアの外壁を壊し、内部をドリルが上へ上がっていくかの様に突き進む。そして終着点に到着すると、ドレギアスとブラッディレオン、洋介が玉座で待っていた。ブラッディレオンはビームセイバーを抜刀し、洋介も巨大なモーニングスターを持つ。陽弥はガイアブリンガーとブレイブリフレクターを持ち、飛び掛かってきたブラッディレオンと洋介に奥義を放つ。

 

「邪魔だ!!行くぞブラム!ベリト!」

 

陽弥の体からブラムと解放されたベリトが現れた。

 

「おう!!」

 

「行くぜ!!」

 

「「「秘奥義!!」」」

 

陽弥はスラスターウィングからエネルギーソードビットを展開し、ブラムも闇の矛槍を持ち、轟叫んだ。

 

「光の剣よ!」

 

「闇の矛よ!」

 

「獄炎よ!」

 

「「「光明と闇夜と煉獄よ混じりて、全てを滅せよ!!ディバイン・エクセリオン!!!」」」

 

煉獄の炎を纏った剣と矛が螺旋状を描き、ブラッディレオンと洋介を吹き飛ばした。煙が舞い上がると同時に中から、陽弥が飛び出し、ドレギアスに斬りかかる。ドレギアスもディザスターを抜刀し、陽弥の攻撃を防御した。

 

「ドレギアァァァァァス!!」

 

「陽弥・ギデオォォォォン!!」

 

互いは剣をぶつけ合い、王座の間や各ブロック、格納庫も破壊していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、アリアード達は次々と帝国兵を薙ぎ払っていた。シーラがシェレナと交戦し、アリアードはカロルを相手していた。

 

「何でだ!?ギガオロチの力で復活し、パワーアップした俺達が、圧されているだと!?」

 

その直後、カロルに隙きができ、アリアードは騎兵銃槍の引き金を引く。

 

「喰らえ!!」

 

銃槍の砲口から、炸裂弾が放たれ、カロルのロングソードが砕け、腕がなくなる。

 

「グァァァァァァァッ!!」

 

「秩序の名において!民の無念!晴らさせてもらうぞ!!」

 

銃槍の槍がカロルの胸部を貫き、砲口から爆裂弾が放たれた。

 

「クソォォォォォォォォッ!!」

 

カロルの上半身から火が吹き、アリアードは地面に叩き付けた。するとカロルから青い蛇が出て来て、消えた。

 

「カロル!!クソォォォォォォォォ!!」

 

シェレナは最後の最後まで重火器を乱射する。シーラとアリアードはメリダが展開した魔法障壁内で身を保つ。

 

「これじゃ近付けない!エルネア!」

 

「えぇ!」

 

エルネアが軌道を予測し、上空に目掛けて矢を放つと、矢が8本に増え、シェレナの蜘蛛の脚に突き刺さり、地面に付く。

 

「このっ!何で壊れないんだよ!!」

 

シェレナは地面に突き刺ささって抜けなくなった矢を破壊しようとしたが、ビクともしなかった。そしてシーラが前に出て、シェレナに突進する。

 

「ッ!!このぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

シェレナはアームキャノンを乱射するが、シーラがハルバードを回しながらビームを拡散・無効化させていき、背部のアームが持っているハルバードが伸び、シェレナの喉にハルバードの矛槍が突き刺さった。

 

「おぉっ!おのれぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

シェレナは悲鳴を上げながら、消滅し、中から緑の蛇が出て来て、消滅した。アリアードは一息付き、残っている兵を睨み付ける。

 

《ッ!!》

 

兵達は怯え、武器を構える。アリアード達はデススフィア内で戦っている陽弥を見守るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

闘技場エリアまで来た陽弥とドレギアス、両者はガイアブリンガーとディザスターをぶつけながら戦っていた。

 

「よくも…よくも我が軍勢を!!」

 

「フンッ!アイツ等は意外と臆病者だったようだなぁ、そうなるって言うことは"ドレギアス"と言う最強最悪の存在がいたからへっちゃらだったんじゃねぇのか?」

 

「黙れぇぇぇぇ!!」

 

ドレギアスは怒りながらディザスターで斬撃を繰り返す。陽弥はドレギアスの攻撃交わし、距離を取る。

 

「ふぅ…ここまで手強くなってきたなぁ…ブラム、今こそ、"あの力"を使うか?」

 

陽弥はブラムに問う。

 

「あぁ、奴には恨みがあるからなぁ……倍返しにしてやれ!!」

 

「OK!、じゃあ……やるぞ、ブラム!」

 

「おう!!」

 

陽弥はガイアブリンガーを鞘に収めると、鞘を前に出し、ガイアブリンガーを引き抜くと同時に叫ぶ。

 

「白き曙光、黒き宵闇…勝利と淡水の二柱を一つに!!」

 

陽弥の体から現れたのは、なんとアプスとニケであり、二柱の神が陽弥と合体した。

 

「さらに……超・龍装光!!」

 

今度は超神星煌龍帝ノヴァ、陽光神龍アポロドラゴニス、黒陽神龍アポロドレイク、太陽神龍アポロブレイブも現れ、陽弥に身に纏った。ニケの羽衣、アプスの黒の猛牛と獅子の頭部が、肩に装備されており、天女の如く光の翼と闇の水龍の尻尾が目立っていた。陽弥の左右の目は虹色に輝いており、髪も断髪から長髪へと変わり、黄金のマスクを付けていた。

 

「これが……俺の全身全霊を込めた全力……その名も"レガシー"だ…」

 

陽弥はそう言い、ガイアブリンガーを構える。

 

「お前はもう………俺に追いつけなくなる……」

 

その直後、ドレギアスの目の前に陽弥の膝蹴りが飛んできた。

 

「ッ!!?」

 

ドレギアスは陽弥の膝蹴りをくらい、吹き飛ばされたが立て直し、陽弥を見るが誰もいなかった。

 

「見えなかった!?一体どこにっ!!?」

 

今度は右から陽弥のガイアブリンガーが伸び、ドレギアスは急いでディザスターで防御する。

 

「速い!!」

 

それと同時に、陽弥は音速を鳴らしながら超高速でドレギアスを翻弄する。

 

「違う!パワーもスピードも遥かに我を上回っている!!!」

 

「どうした?……俺の動きに驚いているのか?……それでも異次元生命体か!!」

 

陽弥はガイアブリンガーを伸ばし、ドレギアスに突進する。ドレギアスはディザスターで防御した直後、ディザスターに罅が入る。

 

「ディザスターがっ!!?」

 

「どうやら、パワーによってその剣も保たなくなっているんだよ……所謂限度に耐えれなくなったと言ってもいい……フンッ!!!」

 

そして、陽弥のガイアブリンガーがディザスターを折った。

 

「馬鹿なッ!!」

 

それと同時に奥義を放った。

 

「銀河最強奥義!ビックバンスラッシュ!!」

 

陽弥は黄金に光るガイアブリンガーを上へ振り上げ。ドレギアスの右脇腹にあるザンジークが付けた傷向けて、大きく斬った。

 

「ゴフェッ!!!」

 

ドレギアスは口や傷から血が吹き出し、デススフィアからとてつもない程吹き飛ばされ、外へ投げ出された。

 

「「「「!?」」」」

 

アリアード達は帝国兵を殲滅し、休息していた時に、物凄い音が鳴り響き、上を見ると、ドレギアスが吹き飛ばされた姿を目撃した。

 

「あれは……ドレギアス!?」

 

そしてドレギアスはリィボラの大地に激突した。

 

「う……うう…」

 

デススフィアから、陽弥が舞い降り、ガイアブリンガーを突き付ける。

 

「降伏しろ……これ以上戦っても、無理がありすぎだ…」

 

「……フフ…フフフフフフ」

 

「?…何が可笑しい?」

 

「取って置きは……最後まで取っておくって言うだろ?」

 

「何?」

 

その時、陽弥の後方にゼロが現れた。

 

「さぁ!歌え!ゼロォォォォ!!」

 

ドレギアスが叫ぶと、ゼロがある歌を歌い出す。

 

「♪〜♪〜♪〜」

 

ゼロから禍々しいメロディーと歌が鳴り響く。

 

「っ!!」

 

陽弥がゼロから流れる汚れた音楽と歌に、耳を塞ぎ、苦しむ。ドレギアスは傷だらけになりながらも立ち上がり、苦しむアリアード達を無視し、ザ・コアに近付いた。

 

「ついに……この時を待っていた……我が永年の祝願が今……叶う!!ザ・コアよ!我は望む!!……我を、完全体へと覚醒し!!あらゆる次元や時空を…破壊する力ぉぉぉ!そしてギガオロチも……本来あるべき超魔獣…"ギガタノオロチ"へ!!」

 

するとザ・コアの色が、禍々しい紫へと変わり、闇の瘴気がドレギアスを覆い尽くす。苦しむ陽弥はドレギアスを見て、悔しがる。

 

「スマン、皆……失敗だ……」

 

そして黒い瘴気から純白の天使の翼、漆黒の悪魔の翼がそれぞれ六枚ずつあり、翼を展開する。禍々しい鎧、野獣の如く脚部、鋭い牙に爪、龍の尻尾も生えていた。腰部には新たなディザスターを持っていた。完全体へと覚醒したドレギアスの姿は……正に悪魔と言っても良かった。

 

「我がマントラに抗う護星神が……」

 

ドレギアスはゆっくりと陽弥の方を振り向くと、手を差し伸べた。すると陽弥の首に何かに締め付けられ、ドレギアスの方に引き寄せられた。

 

「グッ!!このパワー……凄まじ過ぎる!!」

 

「悔しいか?…護星神よ…流石だ…」

 

「クッ!……ッ!」

 

「だが、我から全ての種族を守ろうとは…思い上がりもはだはだしい……奴等はいずれ、飽きもない争いを起こし、己の欲望に満ちる……お前達には全ての世界に生きる資格などない……勿論、神々もだ…」

 

ドレギアスはそう言いながら。陽弥を睨む。

 

「長き時を無駄にし、そして仲間の死も無駄死にしてしまったなぁ…ヴェクタ人よ……だが、もう終わりだ………黄昏の歌姫を喰らい、我はさらなる進化へと覚醒し、貴様らを破壊し尽くしてやろう……崇めよ、我が名は『ドレギアス・ゾーク』……全て消滅させる…"破壊神帝"だ……」

 

するとドレギアスの顔を覆うかのように闇が溢れ、フルフェイスとマスク、そして紫の粒子帯と悪魔の角を出した。

 

「邪神皇の墓場であるこの星は……やがてお前の墓場になるだろう……」

 

ドレギアスはそう言い、陽弥を投げ捨て、ゼロに乗り込み、ザ・コアを奪ってデススフィアヘ帰還する。そして残った兵もデススフィアに収容し、ワープ準備へと入った。

 

「先ず最初に……貴様の仲間達を八つ裂きにしてやろう……そしてレオン・マクライト…我が積年の恨みを晴らさせてもらうぞ!!!」

 

再生した玉座に座ると、王座の間にブラッディレオンと洋介が敬礼すると同時に、ドレギアスは新たな戦力である異次元生命体軍団を召喚した。

 

「さぁ、黄昏の歌姫をいただきに往くぞ……」

 

ドレギアスはそう言い、デススフィアと共に陽弥の世界へワープした。惑星リィボラに残された陽弥達は、絶望へと陥っていた。

 

「……大変だ!!」

 

陽弥は急いで脳波で…向こうにいる他の護星神達であるラルフ達に、警告サインを送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ホライゾンでは……夜空の上空に謎のサインが届いたのであった。それぞれの世界で修行を終えたレオン達は久しぶりにジュン達と共に夜空に浮かぶ警告サインを見る。

 

「あれは一体?」

 

レオンは問うと、ラルフやキャリー達が驚く。

 

「あれは!……ルーン文字!!」

 

「しかも、陽弥君からだわ……『皆に……大至急警告する……』」

 

「『クアンタの末裔と共に、ザ・コアを守っていたが……』」

 

「『ザ・コアは奪われ、ドレギアスは"ドレギアス・ゾーク"へと完全体へとなり…』」

 

「『デススフィアと共にここへ侵攻しようと迫っている……』」

 

「『気を付けろ……今回のドレギアスは……俺だけでは勝てない……』…だと?!」

 

「……グランドスフィアやモーフィス……種族大銀河連合軍の総力をここに………大至急!!!」

 

ラルフやシンが急いで各国に知らせるのであった。

 

 

 

 

 

 

一方、ヴァランドール皇国の砂浜に、勇人とシンディがデートをしていた。

 

「綺麗な景色ですね♪」

 

「うん、……僕達のいた地球と似ている……」

 

二人は海を眺め、互いを見詰め合い、そっと唇を近づけようとした瞬間、ヴァランドール皇国から、警報が鳴り響く。

 

「「!?」」

 

勇人とシンディはヴァランドール皇国へと走っていくと、シンディが砂浜に打ち上げられている綺麗な貝殻を見つける。

 

「わぁ…綺麗…」

 

シンディは綺麗な貝殻にうっとりしていると、海面に何かが浮かぶ。

 

「?」

 

それは魚の死体であった。

 

「え…?」

 

すると海面に無数の魚の死体が浮かび上がり、辺り一面が魚の死体に埋め尽くされていた。

 

「!!?」

 

シンディはその光景に恐怖すると、彼女の首に割れ目が開き、エラとなるのであった。

 




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