クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 銀河の守護者   作:オービタル

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afterstory28:陽弥VSギガオロチ

 

衛星で陽弥の戦いはまだ続いていた。ギガオロチは火砕龍撃弾を放ち、陽弥を追い詰める。陽弥も口から高周波収束粒子弾を放ち、ぶつけ合う。するとギガオロチが火砕龍撃弾を放ちながら、突進してきた。

 

「フィア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ァァァッ!!!!」

 

「ガラ!ガラ!ガラ!ガラ!ガラ!ガラ!ガラ!ガラ!!」

 

「キシアァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

一つの山よりも巨大な蛇龍が咆哮を上げると、陽弥は動かず、防御体制を取る。

 

「掛かってこい!!」

 

陽弥はそう言い、ギガオロチの突進を身体ごと受けた。すると陽弥がギガオロチの突進を止め、押し出し始めた。

 

「ガラ!ガラ!ガラ!ガラ!ガラ!ガラ!ガラ!ガラ!!」

 

「キシアァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

右首と左首の牙が伸び、無限毒が滴り落ちる。

 

「っ!!」

 

陽弥は間一髪で右首と左首の噛み付き攻撃を回避し、地を裂く事ができるドラゴンクローを展開し、右首を切断した。

 

「フィア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ァァァッ!!!!」

 

「キシアァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

ギガオロチは悲鳴を上げると、陽弥が襲いかかる。左首に噛み付き、引きちぎった。

 

「フィア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ァァァッ!!!!」

 

真ん中の首だけになってしまったギガオロチは火砕龍撃弾を放つ。陽弥は急いで切断した右首と引きちぎった左首を持ち、盾代わりにする。徐々に接近し、真ん中の首を掴み上げると、ドラゴンクローを展開する。

 

「これで……終わりだ!!」

 

陽弥がとどめを刺そうとした瞬間、

 

ドスッ!!

 

「ウッ!?」

 

陽弥の背中に、紫に光る槍が刺さっていた。その槍を投げたのは、ゼロに乗っているドレギアスであった。陽弥は地面に膝を付き、ギガオロチを離してしまい、ギガオロチは逃げる。

 

「クソ!……ドレギアス!」

 

陽弥がそう言うと、ドレギアスはオロジャーグを持ち、ギガオロチに向ける。

 

「ギガオロチよ!五大帝国軍の絶望を吸収し、再生せよ!!」

 

ドレギアスが叫ぶと、オロジャーグから赤い血が大量に滴り落ち、蛇のように動き始め、ギガオロチの右首と左首に纏わり付く。するとギガオロチの右首と左首が元に戻り、再生した。

 

「クソ……余計なことを…!」

 

「フン……まだまだ……」

 

するとドレギアスはディザスターを抜き取り、轟き叫ぶ。

 

「亡者の強者達よ!!我と蛇龍に黄泉の力を!!」

 

するとギガオロチの体が溶けていき、赤い血へとなる。そしてその血がゼロに向かって飛んでいくと、ゼロの体に纏わり付く。そして血が段々と形状を変え、赤黒い蛇の鎧へと変わった。

 

「嘘だろ!!?」

 

「そう……ギガオロチも星龍の一種、そしてこれが……邪龍装光だ!!!」

 

ゼロの周りから紫に光る波動が広がると、消えた。

 

「消えた!?何処だ!?…何処に!?」

 

その直後、目の前に現れて右ストレートが胸に炸裂した。

 

「ごぉえぇっ!!!」

 

陽弥は吐くと同時に、吹き飛ばされ、凸っている岩石に直撃した。陽弥は胸を抑えながら、ドレギアスを睨む。

 

「無様だな……ミッドガンドの護星神…」

 

「クッ!」

 

するとドレギアスの背中から四つ首の大蛇が展開され、陽弥の四肢に襲いかかる。

 

「グアッ!!!」

 

身動きが取れなくなった陽弥に、ドレギアスがある事を問いかけた。

 

「率直に言おう…ミッドガンドの護星神、時空族は何処にいる?」

 

「は!?知らんな!そこ行って、何をするんだ?」

 

「………『ザ・コア』の居場所だ」

 

ドレギアスの言葉に、陽弥はおかしくて笑い飛ばした。

 

「……プッ!?…アハハハハハハハ!!?馬鹿かお前!?星を融合させないと出てこないんだぞ!どうやって?言っておくけど、あっちの世界のアンジュさんとサラさん、こっちの世界のアンジュさんとサラさんは絶対に拒否すると思う!……無駄だ!それにレオン達のフロンティアと種族大銀河連合がいるから、お前達の野望なんて打ち消せれることができる!」

 

「……何も、我はそんな傲慢な事はしない……ただ、ちょっと簡単な事をするまでた…」

 

「え?」

 

ドレギアスの言葉に陽弥は首を傾げると、ある物が頭に浮かんだ。

 

「っ!?まさか!!」

 

「そのまさかだ……先代時空族が見つけた『ザ・コア』……それを指し示す時空図『インペリアル アイ』が必要だからなぁ……」

 

「止めろ!」

 

「既に時空族の根城がある所在は掴んでいる……恐らく、時空族達は防御体制を取るだろう…」

 

「止めろ!止めろ!!」

 

陽弥が必死に抵抗するが、四肢に喰らいついている大蛇によって動けなかった。そしてドレギアスがデススフィアへと戻っていく。

 

「待てぇぇ!!」

 

特殊な鎖で縛られている陽弥は必死になるが、デススフィアはザンジークのいる時空族の根城『カリュプソ』へ進軍する準備をする。玉座に座るドレギアスはボゥ将軍に命じる。

 

「星を壊せ…」

 

「御意」

 

ボゥはデデススフィアの兵器ハイメデューサを起動し、陽弥を縛っている衛星やその星諸元、破壊した。縛られている陽弥は星が破壊され、その爆発と炎に巻き込まれた。すると爆炎の中から、黒い影が陽弥を助けた。そしてデススフィアはカリュプソを目指し、進軍していくのであった。

 

 

 

テスカトリポカが守護していた宇宙からドレギアスが去るのを確認したその黒い影は、腕に陽弥を抱えていた。

 

「……ドレギアス、見つけたぞ…」

 

その黒い影は陽弥を抱えたまま、姿を消した。

 


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