このすば*Elona 作:hasebe
ベルゼルグから海を隔てた大陸にある長閑な湖畔の村、レーヌにて期せずして再会した、魔剣の勇者の仲間である盗賊フィオと戦士クレメア。
後学のために二人がレベル1になった理由を知ろうとしたあなただったが、ゆんゆんがあなたを引き止めている間に騒ぎを聞きつけてやってきたクレメアがフィオを連れて帰ってしまい、その場はお流れになってしまった。
「フィオさん、これからどうするんでしょうね。クレメアさんもですけど」
夢破れて故郷に逃げ帰ってきた少女に同情し、こうして戻ってきた宿で日記を書いている今も心配し続けている様子のゆんゆん。
あなたの知る限り、ゆんゆんがフィオとまともに顔を合わせたのはデストロイヤー戦を除外すれば鉱山の町で偶然出会った時だけ。その時だって軽い自己紹介しかしていなかった。会話らしい会話をしたのは今日が初めてだろう。
この紅魔族の少女が善性に偏っているのは論ずるまでもない事実だが、それにしたってほぼ初対面の相手に対して、そこまで気を揉めるものなのだろうか。
「そりゃあ心配しますよ。確かに私はフィオさんと親しくないですけど、それでも知っている人がレベルが1になっちゃったんですよ? レベル1ですよ? そんなの心配するに決まってるじゃないですか。それにもし私がそんなことになったらって思うと……」
顔を青くして体を震わせるゆんゆんだが、そんな事を言われても困るというのがあなたの偽らざる本音だった。
レベルダウンをスキルポイント稼ぎによる強化手段と認識しているあなたでは、ゆんゆんをはじめとしたこの世界の住人達が持っている、レベルダウンに対する本能レベルでの忌避感や嫌悪感を頭で理解こそすれども、共有することができない。
あなたがゆんゆんに出来ることといえば、冒険者の引退など珍しいことでもないし、むしろ命があるだけ儲けものだろうと、肩を竦めて答えることくらい。
争いの中に身を置く冒険者が挫折を経験してそのまま引退するなど、この業界では日常茶飯事だ。
イルヴァでも、この世界でも。
今回はそれが偶然フィオというあなた達の見知った相手だっただけに過ぎない。
イルヴァで一際過酷なノースティリスの冒険者であるあなたもまた今までに数え切れない冒険者達を見送ってきており、その中には当然あなたが懇意にしていた人物も存在する。
自身の経験から、薄っぺらい同情の言葉を口にするよりかは遥かにマシだと考えてのことだったが、そんな年上の友人の冷めた反応をゆんゆんはお気に召さなかったようだ。
「それは、そうかもしれないですけど……。でも、あなただってレベル1になったら駆け出し冒険者のステータスになっちゃうんですよ? 本当に気をつけてくださいね? あなたは凄く強いから仕方ないのかもしれないですけど、たまに……たまに? 危機感に欠けてる時がある気がしますし」
興味本位でレベルドレインを食らってみたいと考えているあなたは、確かにゆんゆんからしてみれば危機感が足りていないのだろう。
だが危機感云々に関してゲロ甘でチョロQのゆんゆんにだけは言われたくないとあなたは思った。
盛大なブーメランはさておき、やけに心が揺れ動いているゆんゆんの姿は、あなたに違和を感じさせるに十分すぎるものだった。
今回と似たようなケースとしては、あなたがアクセルの駆け出し冒険者の半数を引退させたというのがあるが、その時はこのような反応ではなかった。
それどころか、あなたの目から見て、今のゆんゆんは焦燥感が顔から滲み出ているようにも感じられる。
レベルダウンの忌避感や嫌悪感から来る同情なら、若干大げさなきらいはあれども納得はできる。だが焦燥を抱く理由となると皆目見当も付かない。
ベルディアと同じく、ゆんゆんもまた何かしらフィオに感情移入するところがあったということなのだろうか。
あるいは先ほどの嬉々としたあなたの様子を見て、友人兼冒険者としての師が自分のレベルダウンを目論んでいると本能的に察して警戒しているのかもしれない。
もしそうなら冒険者として一皮剥けた少女に対して、あなたは惜しみない賞賛を送るだろう。
だがそれはそれとして、レベル下げを諦めるつもりはないが。
■
交換日記ではなく、何の機能もついていない普通の日記を書き終えたゆんゆん。
あなたはこれからは自由行動なので、一人で村の外に出ないのであればゆんゆんの好きにしていいと告げた。自分と一緒にいるというのであればそれでも構わない、と。
「うーん、どうしようかな……あなたはどうするんですか?」
先ほどはゆんゆんの制止もあってうやむやのうちに失敗してしまったが、ほとぼりが冷めたらあなたはクレメアに接触してレベルダウンの詳細を尋ねる予定を立てていた。
冒険者を辞めるつもりのフィオと意見が対立していたようなので、こちらは冒険者を続けるのだろうと踏んだのである。
「ああ、まだ諦めてなかったんですね……じゃあ私もご一緒します。あなたがさっきみたいにならないように」
レベルが下がる前、あなたはフィオとクレメアという少女達に対して一切の興味を抱いていなかった。
魔剣の勇者の取り巻き、オマケ。
二人を知る多くの人間と同様に、あなたの認識もこんなものでしかない。
この認識自体は現在も一切変化していないのだが、二人のレベルが下がった今はそれだけではなくなっている。
あなたはレベル1になった冒険者が生還した例を他に知らない。ゆんゆんも初めて聞いたそうだ。
レベルを下げてくる敵はその全てがリッチーのような伝説や御伽噺に出てくるような強大で危険な存在であり、まず遭遇する機会が無い。
よしんば遭遇したとしても、マイナス1や2程度ならともかく、下限である1まで下げられるというのは、必然レベルでその者に死が訪れることを意味する……筈だった。
実際はフィオのように生還するも人知れず引退していたのかもしれないが、それくらい今回の一件は希少なのだ。
どんな相手と遭遇し、いかなる理由で生還を果たしたのか。あなたには是が非でも知る必要がある。
恐らくそこにキョウヤの姿は無かった筈だ。
あなたはゆんゆんと旅に出るまで彼らがパーティーを再結成したという話は聞いていない。
そもそもの話として、弱くなったフィオが自棄を起こして故郷であるレーヌに逃げたというのなら、二人と別れるつもりがないキョウヤが追ってこないわけがないのだから。
「それで、いつごろ行くんですか?」
わざわざ会いに行く必要があるかは疑問だ。
あなたの予想ではそのうち誰かがここに訪れる手筈になっている。
「それってどういう……いや、そもそもどうしてあなたはレベルドレインなんかに興味が……」
ゆんゆんが言い終わる前に、誰かがあなたが泊まっている部屋の扉を叩いた。
あなたがゆんゆんに無言で目線を送ると、彼女は小さく頷いて扉の向こうの人物に誰何する。
果たして、その結果は。
「どーもー……」
あなた達を訪ねてきたのは若葉色のポニーテールが特徴的な
表情に色濃い疲労が滲んでいるのは仲間であるフィオと口論をしていたせいだろうか。だがフィオのような張り詰めた雰囲気は感じられない。
「クレメアさん、お久しぶりです」
「久しぶり。まあさっきも私の顔見えてただろうけどね。えーっと……」
若干目を泳がせるクレメア。
あなたにアイコンタクトを送ってきたものの、さっぱりである。
やがて諦めた彼女は素直に白状した。
「ごめん。顔は覚えてるんだけど名前が出てこない」
名前を忘れられて少しだけショックを受けたゆんゆんが改めて自己紹介をする。
クレメアはフィオからゆんゆんの名前までは聞いていなかったらしい。
彼女達が鉱山で会ったのはだいぶ前。この場合はクレメアのもの覚えが悪いというより、ゆんゆんの名前を覚えていたフィオの記憶力が優れていたというだけだ。
「早速で悪いんだけど、フィオが貴方達に投げたっていう冒険者カード、拾ってたりしない? 三人がいたところを探したけど見当たらなかったのよね」
「あっ」
先ほどの話もあってゆんゆんは気づいたようだ。
そう、フィオが激昂と共に投げつけてきた、フィオとクレメアの冒険者カード。
フィオは捨てたつもりだったのか、あるいは頭に血が上って忘れていたのか。
どちらにせよ、放り投げられたままだったそれを、話の取っ掛かりに使うべく、あなたはこっそり回収していたのだ。
あなたが二枚の金属板を放り投げると、放物線を描いたそれは綺麗にクレメアの手の中に収まった。
「ありがと。さっきはフィオが迷惑かけちゃったみたいでごめんね。あの子、レベル1になってから相当精神的に参っちゃってるのよ」
「しょうがないですよ……誰だってそうなると思います。クレメアさんは平気なんですか?」
瞬間、クレメアの目が死んだ。
「ぶっちゃけ私も全然平気じゃなかったけど。故郷で色々と考えた末に諦めたっていうか、どん底もいいとこだけど生きてるだけでラッキーだって開き直らざるを得なかったっていうか。開き直るまでに三回ぐらいゲロ吐いたけど」
あっけらかんと笑うクレメアの姿は誰が見ても空元気と分かる痛々しいものだった。
失言したゆんゆんはいたたまれないといった面持ちになっている。
それでも空元気が出せるだけマシと言えなくもない。
これからの活動方針を聞けば、彼女はキョウヤが許してくれる限り手伝ってもらうと答えた。
悪いことではない。むしろ再起を図る上で最も安全かつ確実な選択肢といえる。
周囲の評価についてはとっくにドン底なので問題無い。
「そういやフィオから聞いたんだけど、竜の谷に行くんだって? レベルとか大丈夫なの? 地元民の私としてはおっ、次の自殺志願者かな? って気分なんだけど」
目配せしてくるゆんゆんにあなたは首肯する。
フィオならブチギレ案件だったかもしれないが、教えてしまっても大丈夫だろう。多分。
「えっと……最近レベル41になりました」
「41!?」
「具体的に何があったのかは自分でもよく覚えてないんですけど、前に鉱山の町でクレメアさん達と会った日に20くらいから一気に37までレベルアップしたんです」
「一気に17アップ……え、どうやって?」
「養殖っていう紅魔族式育成方法、の筈です。なんか途中から記憶が飛んでて、気付いたらレベル37になってて……」
「何それ怖い。大丈夫? 悪魔に魂とか売ってない?」
「たまに同じことを聞かれますけど、今のところ特にそういう予兆は……」
幾ら魔族やモンスターが相手とはいえ、作業的に無抵抗の命を潰していく感触に耐えられなくなったゆんゆんは生の苦痛を死という救済で終わらせるガンバリマスロボと化した。
その後も度々闇落ちしかかっているあたり割と本気で紙一重なのだが、本人にその自覚は無い。
まあゆんゆんは廃人を目指しているので、多少壊れたところで誤差の範囲内だろう。むしろ廃人への道を順調に歩んでいると言える。
あなたが内心で現実逃避という名の自己弁護を終えると、ゆんゆんとの会話を一区切りさせたクレメアが気味の悪い愛想笑いをあなたに向けていることに気付いた。
「ねえねえ、ものは相談なんだけど、その子みたいに、良かったら私達も強くしてくれないかなー、なんて……いやほら、幾らキョウヤが優しくてかっこいいって言ってもキョウヤにばっかり面倒を見てもらうのも気が重いし……」
気まずい空気と乾いた沈黙が部屋中に広がっていく。
ベルディアがここにいれば甘ったれんのもいい加減にしろクソボケ、と叱咤と共に拳骨の一つでも落としていたことだろう。
あなたはベルディアほど優しくないのでそんなことはしない。
「勿論お金は払うわよ。殆どキョウヤが稼いだようなものだけど、二人で仕事した分もあるし……」
ちらちらと媚びるような視線を送ってくるクレメアにあなたは考える。
強くするだけなら簡単だが、クレメアとついでにフィオを強くするというのであれば、ゆんゆんのように養殖でパワーレベリングを施すのは論外だ。
今の二人に必要なものとは断じて単純なレベルとステータスの高さなどではない。
冒険者と名乗って恥ずかしくないだけの必要最低限の技能と知識、そして心の強さ。
これらはこの世界に来るまでは一般人でしかなく、神器持ちのエリートであるがゆえに冒険者としての階位を一足飛びで駆け上がり、ベルディアに甘いとまで称されるキョウヤでは与えられないものだ。
死力を尽くせば辛うじて生き残れる難易度の討伐依頼に突っ込ませ、軽く二桁くらい死に掛ければ少しは使い物になるだろう。
キョウヤに付いていこうというのであれば、血反吐を吐きながら進むくらいでちょうどいい。
たっぷり十秒経った後、今回の冒険が終わった後、短期間であれば構わないとあなたは答えた。
事が上手く運べば、今回の冒険でゆんゆんは晴れてドラゴン使いになる。
今まであなたとウィズはゆんゆんに冒険者や魔法使いとしての知識やら技能やらを詰め込んできたわけだが、流石にドラゴン使いとなると門外漢も甚だしい。
それに仲間になったドラゴンと絆を紡ぐのは、絶対にゆんゆん本人がやらなければいけない事である。あなた達が口出しする余地は無い。
ただでさえ竜とは強く気高い生き物なのだ。保護者のお守り付きでおっかなびっくり自分に接する主人を誰が認めるというのか。
そういうわけなので、今回の冒険の後、暫くゆんゆんは仲間になったドラゴンとの相互理解に努める予定になっている。
必然、彼女と頻繁に行動を共にしていたあなたも手隙になる。
本来であれば依頼や次の冒険、鍛冶のレベル上げに消えていたであろうその時間を使い、便宜を図ってやってもよい。あなたはそう考えていた。
「まあ、そうよね。幾らなんでも虫が良すぎる……?」
諦め交じりの苦笑を漏らすも、少ししてあなたの言葉を咀嚼し、大きく目を見開くクレメア。
「いいの!?」
「いいんですか!?」
ゆんゆんまで驚愕を露にしていた。
先ほどまでのあなたが冷めていたので提案を受け入れるとは思っていなかったのだろう。
相手は別に親しくもなんともない赤の他人。常のあなたにとっては論外の提案であったのは否定しない。
幾ら手隙になったからといっても、それはどうでもいい人間の為に時間を割いてやる理由にはならない。あなたはそこまでお人よしではない。
だが二人のレベルが1になった今なら話は別。空いた時間に面倒を見てやってもいいと考える程度には、今のあなたは二人に関心を寄せている。
そんなあなたが期待に目を輝かせるクレメアに突きつけたのは、金銭とは別にある三つの要求。
一つ目は当然、レベルダウンに至った経緯の説明。
「…………まあ、いいけど」
驚くべきことに、意外にもあっさりと了承の答えが返ってきた。
ただやはり口にするどころか思い出すのも嫌なのか、クレメアの表情と声色は酷く硬質なものだったが。
ともあれこれが受け入れられたなら残り二つも大丈夫だろう。軽く安堵したあなたは続きを口にした。
「……えっ、たったそれだけ?」
拍子抜け、むしろ最初のが最初だっただけに、これは何か裏があるのではとクレメアが勘繰る様子を見せた残りのあなたの要求。
それはレベルダウンする前の各レベル時のステータスの可能な限りの開示。そしてレベルアップごとに冒険者カードをあなたに見せること。
「でも私、今までの自分のステータスとか全然覚えてないんだけど。っていうか今までのステータスを覚えてる人とかいないでしょ」
「ギルドに頼めば教えてくれますよ。ちょっとだけお金がかかりますけど、私も何回か利用しました」
「あ、そうなんだ。……ところで自分の昔のステータス見るって何の意味があるの?」
「成長の記録みたいでなんだか楽しくないですか?」
「……そういうもんなの?」
ゆんゆんの言う通り、前者については冒険者ギルドに申請するだけでいい。
ギルドを通した依頼を受注する時と達成した時、あなた達冒険者はギルドに身分証である冒険者カードを提出する。
提出した冒険者カードのデータはギルドに逐一保存される。
そうやって積み重なっていく、己が人生の足跡とも言える各種データは個人ごとに纏められており、当人が申請すれば若干の手数料で開示してくれるのだ。
これはギルド側にステータスやスキル取得状況が丸裸な事を意味し、ギルドに首輪をかけられているも同然の状態なのだが、この程度は組織としてやっておくべき当然の保険だとあなたは考えている。
実際あなたは冒険者カードに記載された情報と照らし合わせて絶対に勝てると判断されたメンバーで構成された税金徴収部隊を差し向けられたわけで、効果的ではあるのだろう。
残念ながら色々と規格外であるあなたには哀れな犠牲者を量産するという結果しか生まなかったわけだが。
「それにしたって、ちょっとステータスを見せるだけでいいなんて。もしかしてアンタ、なんか企んでるんじゃないでしょうね。言っとくけど私はキョウヤ一筋なんだからね! 殆ど無償みたいな善意なんて怪しいことこの上ないけどぶっちゃけ選り好みしてる余裕なんてこれっぽっちもないからありがたく受け取っておくわ!」
無償の善意ではないとしっかり否定しておく。
あなたが無償の好意と善意を向ける相手は、『友人』と
──私のお兄ちゃんへの愛も無償で無敵で無限大だよ!!!
そんなあなたがクレメアの提案を受け入れた理由だが、いつものように私利私欲、もっと言うとゆんゆんの為である。
レベルアップによる各種ステータスの上昇値が職業と個人の素質によって大きく左右されるのは言うまでも無い。
ではレベルドレインでレベル1になってしまった者が再度レベルを上げた時、その上昇値は果たしてどうなるのだろう。
レベルが下がる前から変化があるのか、変化がある場合はどれほどのものなのか。あるいは何も変わらずステータスの伸びは同じなのか。あなたはそれが知りたかった。
スキルポイントも忘れてはならない。
レベルが1になっても取得したスキルは覚えたままとして、レベルアップで再度獲得するスキルポイントに何か変化は起こりうるものなのか。
あなたはそれらについて何も知らない。どれだけ調べても引っかからなかった。
そしてゆんゆんのレベルを下げたいと思っているあなたにとって、これらは値千金の情報である。
叶うのならばフィオとクレメアという被験者を使って何度かレベルの上げ下げを行い情報の精度を高め、ゆんゆんの叩き台になってもらおうと考えたのだ。
あなたはゆんゆんのレベル下げを目論んでいることだけ隠し、レベルドレインを食らう前と食らった後のステータスの差異に興味があると正直に答えた。
「え、ちょ、うえぇえ……何言ってんのアンタ……頭のおかしいエレメンタルナイトって呼ばれてるのは知ってるけど、ほんと何言ってんの……」
「ごめんなさい、流石に私もそれはちょっと……」
目の前の二人の少女は得体の知れないモノを見る目であなたから波が引くような勢いで距離を取った。
おかしい。ゆんゆんのレベル下げは秘密にしたというのに、どうしてこのような反応をされなければならないのか。
目は口ほどにものを言うその姿に、あなたの古い記憶が刺激される。
あなたがまだ廃人に至る前、タガが外れていない冒険者の一人だった頃。
酒の席でとある女性冒険者が「私は男性冒険者の
まさか自分はあれと同じレベルだと思われているのか。
あまりのショックにあなたの思考が停止する。
「ま、まあ、趣味や性癖は人それぞれよね。うん、私ごときがとやかく言うようなことじゃないっていうか」
「そ、そうですよね。趣味や性癖は人それぞれですもんね!」
「……」
「……」
「今のは聞かなかったことにしましょ!」
「賛成です!」
二人はあなたのことをおぞましい異常性癖の持ち主だと勘違いしていた。
いや、非常に残念なことに勘違いではない。この世界の倫理に照らし合わせると、事実そういうことになってしまう。
二つの世界が生み出す価値観の違いはいつだってあなたを戸惑わせてばかりだ。
だが絶対に二人の誤解だけは解いておかなくてはならない。
あのような者と同一視されるなど耐えられないし、何より万が一二人の口からウィズの耳に入り、よりにもよって彼女からあんな目で見られた日にはあなたの心は再起不能のダメージを受けるだろう。
誤解が解けなかった場合、最悪二人の記憶を物理的にぶっ飛ばすことすらあなたは視野に入れている。
穏やかな表情で、しかし瞳の奥底に剣呑な光を湛えたあなたは、右手の握りこぶしを隠しつつ、誠心誠意二人の説得を試みた。
自分の出身地ではレベルダウンは忌避されるものではなく、むしろ強くなるチャンスとして歓迎する者すらいた、と。
「あ、ああ。そういうことでしたか……そういえばあなたは遠い国の人でしたね」
幸いにして、ゆんゆんはなんとか納得してくれたようだ。
あなたが異邦人だと知っているからこその物分りのよさだろう。
不穏な空気を感じ取っただけかもしれないが。
「えー? ほんとぉー? そんなの聞いたことないんだけどー?」
しかしやはりと言うべきか、クレメアの説得は難航しそうだった。
仕方ないとあなたは壁に立てかけておいた神器を抜いた。
「!?」
突然解き放たれた暴の気配にびくりと体を震わせる若き冒険者達。
紙切れのように儚く脆い頭蓋に護られた脳という器官。そこに刻まれたヒトの記憶とは、どれほど頑丈なのか。
試してみるとしよう。今、ここで。
「落ち着いてくださいっていうかいきなり何やってるんですかびっくりしたあ! ここ宿の中ですからね!?」
「ちょっ、何よ、脅す気? 口封じ? 私にはキョウヤがついてるんだからね! いくらアンタが強いっていってもキョウヤに敵う筈が……忘れてたけどそういえばアンタっていつもキョウヤをボコしてるあのクソホモ暴力男ことベアの主人だったわね!!」
「クソホモ!? ベアさんが!?」
「そうよ! あいつはそういう奴よ!」
凄まじい勢いでこの場にいないベルディアが誤解と風評被害を受けている。いじめだろうか。
あとでベルディアとキョウヤ達の関係について少しゆんゆんに説明しておこうと考えながら、あなたは丁寧に太刀を振るう。
加減してなお残像すら残さない素振りによって発生した強い風が埃を巻き上げ、縮みあがる二人の髪を大きく揺らした。
……かくして数分にも及ぶ心を込めた
だいぶマシになったとあなたは胸を撫で下ろし、本題に入ることにした。
そう、二人がレベルダウンに至った経緯である。
■
修行のためにキョウヤの元を離れた二人が向かったのは、ベルゼルグ王都から馬車で十日ほどの距離にある地続きの隣国、エルロード国。
魔王領とはベルゼルグを挟んで対面に存在するこの国は、魔王領およびベルゼルグとさほど距離が無いにも関わらず商業主義の国家であり、金食い虫の騎士団は国家として最低限の体裁を保てる程度にしか組織されていない。
すぐ隣に魔王軍と日夜争いを繰り広げているベルゼルグがあるにも拘わらず冗談のような話だが、エルロードはそれほどに魔王軍の影響が薄く、モンスターの平均レベルも他国と同様に低い国なのだ。
エルロードのカジノには世界各国から貴人が訪れるといえば、どれほどのものかは伝わるだろう。
この緊張感のなさは人類と魔王軍の戦いが数百年以上も続いていることも決して無関係ではない。緊張感を保っているのはベルゼルグだけという悲しい現実がそこにはある。
試されすぎな大地、ベルゼルグ。
まったくもってここだけが神がバランス調整を放棄したとしか思えない、突出した危険度を誇っていた。
さて、そんな国でキョウヤ抜きで修行を始めたフィオとクレメア。
大方の予想に反し、彼女達の冒険者活動は終始順調だった。順調すぎるほどに順調だった。
キョウヤのおかげでレベルはエルロードの一級冒険者と比較しても遜色ないほどに高いし、装備もベルゼルグ製の高級品。
それでも同レベル帯の依頼に挑むのであれば苦戦は免れなかっただろう。
だが二人が主に受けたのは色々と至らない部分があると自覚している自分達でも確実に勝てる自信がある、低レベルモンスターの討伐依頼。
圧倒的なレベルと装備の差で苦戦など一度もしなかった。
そうしてしばらくが経ち、キョウヤ無しでも立派にやっていけるじゃないかと冒険者としての自信をつけ、寂しくなってきたのでそろそろ胸を張ってベルゼルグ、ひいてはキョウヤの元に戻ろうかと勘案し始めた二人の少女は、しかしここで盛大に冷や水を浴びせられることになる。
──魔剣の勇者、王都に攻め入った魔王軍幹部シルビアを一対一の戦いの末に撃退!
ベルゼルグから流れてきた速報に載っていたのは、いつもの二人であれば自分のことのように誇り、他者に自慢してしかるべき、想い人の大活躍。
だがここに至り、二人は愕然とした心地で悟る。
自分達はキョウヤにこれっぽっちも追いつけていない。それどころか離される一方だ、と。
立ちはだかる無常な現実。
フィオとクレメアがどれだけエルロードで討伐依頼をこなしたところで、ベルゼルグという過酷な環境で誰よりも努力しているキョウヤに追いつけるはずがなかったのだ。
結局自分達は他の冒険者が嘲るように、キョウヤのお荷物にしかなれないのか。
途方に暮れ、焦燥感に駆られ、何かから逃げるようにエルロードの奥地に進んでいき、やがて何の変哲も無い開拓村に辿り着いた。
そこで二人は、今までであれば意気揚々とこなしていたであろう、近場の洞窟に住みついたというゴブリンの群れの討伐依頼を受け、そして──。
■
「赤い髪飾りをつけた銀髪の女がいたわ。悪魔……うん。悪魔だと思う。明確に名乗りはしなかったけど。人間のレベルを下げることで生まれる絶望の悪感情を味わうのが大好きって言ってたクソみたいな女だからほぼ間違いなく悪魔」
クレメアは感情的になることなく、ひたすらに淡々と自身の挫折の経験を語り続けている。
直接の原因だけでなく、そこに至るまでを話すことはあなたも要求しなかったのだが、そうでもしないと耐えられなかったのかもしれない。
「何も出来なかった。あっという間に動けなくされて、目の前に冒険者カードが浮かんでて、嬲るようにじわじわとレベルが下がっていくのを見ることしか出来なくて……」
肺に溜まった重苦しい何かを吐き出すように、大きく息を吐いた。
「それでおしまい。レベルが下がっていくことに心が耐えられなくなった私達は無様に失神して、開拓村のすぐそばで倒れているのを見つかり、レベルが1になった事で心がばっきばきに折れて地元に逃げ帰りましたとさ。めでたしめでたし」
つまるところ、二人はキャッチアンドリリースの精神を持った大悪魔に遭遇してしまったのだ。
それもバニルのような愉快で無害な悪魔ではなく、女神エリスが蛇蝎の如く憎んでいる、対話の余地すら無さそうな邪悪な悪魔に。
惜しむらくは、その素晴らしい女悪魔が今も同じ場所にいるとは微塵も思えないことか。
あなたは帰ったらバニルに相談してみることにした。同じ悪魔である彼ならきっといい知恵を与えてくれるだろう。
万が一マクスウェル級だった場合はウィズとベルディアも参戦してもらって囲んで叩く。つまりあなたはすこぶる本気だった。
「教えろっていうから言えることは全部言ったわよ。もういいでしょ。なんか感想とかある?」
「…………」
自分の身に起きた話でもないのに、ゆんゆんは死にそうな顔で項垂れていた。
あなたの感想は運が悪かった、その一言に集約される。
実際簡単な討伐依頼で高レベル悪魔にエンカウントするなど不運な事故と言う他無い。あるいは同業者から呪いでもかけられていたのか。
「それだけで片付けられるのも釈然としないんだけど……呪いとかちょっと冗談になってないし」
どこか意外そうな彼女は、あなたから説教の一つや二つは頂戴するだろうと考えていたようだ。
結果だけを見て二人はキョウヤと離れるべきではなかったと、したり顔でそんな誰にも分かりきった事実を口にするのは簡単だ。
だが失敗と無縁でいられる者など存在しない。
優秀な紅魔族であるゆんゆんも、英雄と持て囃されるキョウヤも、リッチーであるウィズも、廃人であるあなたも、見通す悪魔と呼ばれるバニルですらも時にミスをする。
結果としてレベルが1になるという、彼女達からしてみれば致命的な結果に終わってしまったわけだが、それとて五体満足で生きて帰してくれたのだから最悪の結末を迎えたわけではない。
立ち止まってもいい。倒れてもいい。
それでも諦めなければ、再起の可能性はいつだって自分の手の中にあるのだから。
「……なんか私、ちょっとアンタのこと誤解してたかも」
近い将来、幼馴染と共にあなたに呪詛を吐きまくる運命にある少女が、照れくさそうに笑った。
「クレメアさん!!」
ガタン、という木椅子が激しく倒れる音。
音の方を向けば、意を決した表情のゆんゆんが椅子から立ち上がっており、爛々と真紅に煌く瞳でクレメアを見つめていた。
「はい?!」
「もしよかったら、私とパーティーを組みませんか!?」
何の脈絡も無い突然すぎるその言葉に、あなたは果てしなく強い衝撃を受けた。
大きく目を見開き、あんぐりと口を開ける。
なんということだろう。
ゆんゆんが、なんとあのゆんゆんが自分からパーティーを組んでほしいと言ったのだ。
それもあなたやウィズのような慣れ親しんだ相手にではなく、殆ど初対面といっていいクレメアに。
価値観の違いから、今回の一件では全くといっていいほど意思疎通が図れない今のゆんゆんが、どういう思考の果てにその答えに辿り着いたのかをあなたは読むことができない。
明らかに勢い任せの発言だったとしても、これは間違いなく一人の少女が成長した証左であり、この上なく喜ばしいことだった。
どうしてめぐみんとウィズがこの場にいないのだろう。この喜びを分かち合う相手がいないのが心底惜しまれる。
心から感じ入ったあなたは熱くなった目頭を強く押さえた。
「ごめん、それ無理」
ゆんゆん、撃沈。
がっくりと床に崩れ落ちる少女の姿に、あなたはさっきとは別の意味で目頭が熱くなった。
あまりの哀れさに見ていられないとあなたはゆんゆんの頭を撫でて慰め始める。
「ダメですか……私、嫌われちゃってますか……」
「別に嫌いとかじゃなくてさ、私達じゃレベル差がありすぎるわよ。パーティー組んでも意味無いでしょ。流石に年下の女の子に面倒見てもらうってのはね。それくらいのチンケなプライドはあるの。そっちの人みたいに鍛えてくれるとかでもないみたいだし」
「はい……そうですね……軽率でした……」
「いやまあ、うん。気持ちは嬉しかったから、ほんとほんと。そういう親切な言葉って冒険者の人だとキョウヤからしかかけられたことないし」
それは自業自得なのではないだろうか。
キョウヤ絡みの二人の評判の悪さを知るあなただったが、空気を読んであえて口にはしなかった。
■
「というわけでフィオ! いつまでも腐ってないで修行するわよ!!」
「…………もう冒険者はやらないって何回言えば分かるのよ。向いてなかったのよ、そもそも。運良くキョウヤが誘ってくれたから今までやってこれただけで」
突撃! 腐ったドブ川のような目をした幼馴染の家!
現状をかいつまんで説明すると大体こんな感じになる。
ゆんゆんはいない。宿に置いてきた。
八つ当たりした、されたばかりの相手と顔を合わせるのも気まずいだろうし、どうにも神経質で刺々しい所のあるフィオと気弱で控えめなゆんゆんは相性が悪そうだと感じたのだ。
かくいうあなたも最初は親の仇の如き目で見られていたのだが、クレメアの説明を受けて少しずつ和らぐ……というよりは信じがたいものに変化していく。
まるで警戒心の強い野生の猫のようだ。マシロと違って可愛げは無いが。
「もしかしてなんか企んでるんじゃないの」
「それもう私がやった」
「じゃあ体が目当てだったり……」
「……すると思う? 私達のを? 本当に? 同居してる人とパーティー組んでる子がどっちも
「…………」
ひそひそと話し合う二人の目線がおもむろに下に降りた。
フィオ、中の下。
クレメア、下の上。
将来性は、無い。
およそ一時間弱にもおよぶ話し合いの結果、フィオは渋々クレメアの提案を受け入れることとなる。
口ではなんやかんや言いつつこれからもキョウヤと一緒にいたいのはフィオも同じであり、藁にも縋りたいといった気分なのだろう。
たとえそれが頭のおかしいエレメンタルナイトと評判の男であったとしても。
開き直って端からキョウヤに任せるつもりだったクレメアと、これ以上キョウヤの足を引っ張りたくなかったフィオ。
こればかりはどちらが正しいという問題ではない。
強いて言うなら潔いのは後者だが、どうせキョウヤは二人を諦めないのでフィオは無駄に説得の手間をかけるだけだ。
「まあ、よろしく」
「フィオ共々よろしく。あとさっきからずっと聞きたかったんだけど、なんでメガネかけてるの?」
至極もっともな問いを投げかけてきたクレメアに、あなたはお構いなくと返す。
その視界には二人のとある数値が映し出されていた。
正【気丈】【現実的】【方向感覚】【一途】
負【臆病】【華奢】【悲観的】【感情的】
――フィオの勇者適性値は-48です。
正【楽観的】【元気印】【健康的】【泳ぎ得意】
負【不真面目】【浅はか】【世間知らず】【無鉄砲】
――クレメアの勇者適性値は-15です。
ふと気になったので四次元ポケットに入れておいた勇者適性値を計る魔道具を使ってみたのだが、人物特性モードのまま放置していたせいで、余計な情報まで見えてしまっていた。
こんなものが見えてしまっては当人と接する時に妙なバイアスがかかりかねないので自重すべきだとあなたは考えていたのだが、やってしまったのでは仕方ない。
──ゴミクズレベルだね!
妹に上記の情報を話せば、こんな答えが返ってきた。
あなたはこの数値がどうやって算出されているか理解していない。
だが勇者適性値というからには、同じ正の特性でも勇敢や自己犠牲といった勇者に相応しいものが大きく数値を伸ばし、負はその逆だと考えた。
そうするとあなたから見て恐らく足を大きく引っ張っている項目はフィオは臆病と悲観的、クレメアは不真面目だ。ここら辺を矯正すればだいぶ冒険者としてマシになるはずだ。
──でもまあ普通かな。びっくりするほど普通。まあこんなもんだよねって感じ。
まったくだと妹の感想にあなたは心中で同意する。
悪い意味で、という枕詞は付いてしまうものの、二人はいたって普通だ。普通のダメ人間だ。
平々凡々な生まれであり、煌く才能を持たないのに怠け者と呼ばれない程度に不真面目で、悪人ではないが程々に性格が悪く、平民の常として満足な学を修める機会すら得られず、人生一発逆転の玉の輿を夢見て家業を投げ出し冒険者になり、冒険者になってからも楽をすることばかり覚えてきた。
とまあ確かにダメ人間ではあるものの、どうしようもないクズではない。
多少性格が悪くとも犯罪者ではない程度に善良だし、必要とあらば言われた事はちゃんとやるし、好きな男の仲間を続けたいが為に頑張れる気概、これ以上好きな男の子に迷惑をかけたくないと思えるだけの気概は持ち合わせている。
総じてあなたが下す冒険者としての評価は下の上から中の下。奇しくも二人のバストサイズと同様である。
■
翌日、二人はレーヌを発った。
行き先は駆け出し冒険者の街、アクセル。
紆余曲折や厳しい挫折を経て、今度こそ取り巻きやお荷物ではなく、立派な冒険者として、胸を張ってキョウヤの隣に立つために。家族や故郷の人間についた嘘を本当にするために。
「フィオさんとクレメアさん、上手くいくといいですよね」
場所はレーヌ湖の辺にある、雄大な湖を一望できるベンチ。
あなたの隣に座るゆんゆんが、美しい自然の風景を眺めながらぽつりと呟いた。
どこまでもお人よしな少女に、大丈夫だろうとあなたは笑う。
二人がレーヌを発つ直前、あなたは一つの手紙を二人に渡していた。
あて先はベルディア。
手紙の中には、ゆんゆんの次に短期間だが二人の面倒を見ることになったこと、二人は養殖を使わず死なない程度に
なお、この手紙を受け取ったベルディアは、かつて半数の脱落者を出したあなたの駆け出し冒険者への指導、そして日々自分を襲う人間性ガン無視のデスマーチを思い出して顔を真っ青にし、キョウヤの為、そしてベルディアの過去の仲間を思い出させた出来の悪い少女達の為、彼なりに精一杯二人の面倒を見てあげることになる。
その甲斐あってかベルディアがゲイのサディスト扱いされることはなくなり、さらにその後、鬼畜サイコ野郎と二人が呼ぶことになるあなたの被害者の会を結成してそれなりに意気投合することになるのだが……。
夢と希望に溢れた小さな一歩を踏み出した二人の冒険者。
彼女達は自らの身に待ち受けている、あなたによってもたらされる過酷な運命を知らない。
今は、まだ。
オマケとして作者が独断と偏見で設定したこのSS内における人物特性および勇者適正値を置いときます。
82話で主人公とベルディアとキョウヤがやったアレです。82話時点で他キャラのも作ったはいいけど放出するタイミングが無かったのでお蔵入りしたままでした。
人物特性と勇者適正値の元ネタであるヴァルキリープロファイルに忠実に即するなら神族=アクア様とエリス様に人物特性はありませんが、このSSでは見えるとかそんな感じです。じゃないとウォルバク様一発で身バレなんで。
あなた:勇者適正値-200
正【命知らず】【敏捷】【楽観的】
負【冷徹】【残虐】【自分勝手】【エゴイスト】【無法者】
ベルディア:勇者適正値143
正【勇敢】【命知らず】【力自慢】【ド根性】【自己犠牲】
負【感情的】【女好き】【不運】
キョウヤ:勇者適正値111
正【真面目】【勇敢】【美形】【モラリスト】【情け深い】
負【鈍感】【ナルシスト】【不運】
ウィズ(リッチー):勇者適正値180
正【美人】【自己犠牲】【真面目】【献身的】【協調的】【一途】
負【ロマンチスト】【渇望】
ウィズ(現役時代):勇者適正値172
正【美人】【自己犠牲】【真面目】【理知的】【勇敢】
負【冷徹】【鈍感】【頑固】
ゆんゆん:勇者適正値94
正【真面目】【献身的】【モラリスト】【敏捷】【勇敢】
負【心配性】【ひかえめ】【不運】
カズマ:勇者適正値35
正【慎重派】【敏捷】【饒舌】【注意深い】【現実的】
負【不真面目】【根性なし】【気が多い】
めぐみん:勇者適正値8
正【気丈】【かわいげ】【家族想い】
負【無鉄砲】【プライド高い】【華奢】【頑固】【感情的】
ダクネス:勇者適正値118
正【勇敢】【自己犠牲】【父想い】【健康的】【ド根性】【命知らず】
負【世間知らず】【渇望】
アクア:勇者適正値40
正【美人】【楽観的】【元気印】【母性】
負【不運】【感情的】【浅はか】【無鉄砲】
エリス(クリス):勇者適正値125
正【美人】【真面目】【敏捷】【情け深い】【博愛】【気品】
負【華奢】【冷徹】