今回は京登場!
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「……」
「……ん、蓮……Zzz……」
やぁ皆、おはよう。夜神蓮だ……俺は今誰かの気配で目が覚めたところだ……横を見るとモモが俺の腕に抱きつき、それだけでは済まずに足も絡めていた。あれ?おかしいな?昨日寝るときおれのベッドには百代はいなかったはず…てことは寝てるうちに入られたかな?ま、とりあえず起こすか……
「おーい百代〜起きろ〜」
そう言いながら空いてる方の手でモモの体を揺する。
「ん、ぅん〜?……Zzz……」
いや、まてお前……今俺と目合わせたよな?それで二度寝ってワザとか?てか、頭を俺の肩に擦り寄せるな……っておい、シャツの中に手ぇ突っ込んで弄るな……おいマジでやめろ、さらに足を強く絡めてんじゃねぇ……こいつ笑ってやがる!?そうかそうか、そんなに俺に構って欲しいか……だが俺はまだ寝たい!
「……ひゃ!?」
「ほら、大人しくしろ」
俺は百代の手を引っ張り、俺の胸の中に抱き寄せ、足を絡めたまま腕枕をしてやりながら頭を撫でる。するとどうた?モモの奴、最初は驚いていたが段々目を細めてスヤスヤと寝息を立てる……本当、こうしてると唯の可愛い女の子なんだけどなぁ……ま、それは置いといて俺も寝る。
そうして蓮は百代の背に手を回し再び眠りについた。
余談だが……
この後、何時まで経っても起きてこない姉弟を起こしに来た祖父は、この光景を見て涙を流し道場の安泰と孫の婚約者が見つかったと喜んでいたとかいないとか……
「ふぁ〜……眠い…」
現在蓮は鉄心に起こされ朝の鍛錬を済まし、修行僧達皆で朝食を食べていた。
「む〜……」
少し機嫌の悪い百代の横で……
「お前はさっきから何を唸ってんだ?」
「今日の組手一回しかやってない…」
「はいはい、また今度相手してやるから早く飯食え」
「む〜……」
「……まだなんかあんの?」
「蓮と一緒に寝たい」
「……お前ね、わざわざ自分の部屋から布団持ってきて俺の許可なしで俺の部屋で寝るわ今日だっておれのベッドに忍び込んでるわで……贅沢言うなよ」
蓮は箸を止め、不満を漏らす百代をジト目で睨む。
「……やだ」
「はぁ〜取り敢えず学校遅れるから飯食え」
これ以上言っても無駄とわかった蓮は素早く食事を済ませ学校の用意をしに自室に戻る。
朝食を済ました俺はモモと学校に向かいそれぞれの教室へと向かい、いつも通り授業を受け放課後を迎えた。俺は本を片手に図書室へ向かう。いやね、先週借りた『〜覇気・中級編〜』っていう小学生が読むべきではない本が置いててそれを借りたから返しに行くんだよ。因みにスンゲェ参考になって今は武装色の覇気が使えるようになった。けど見聞色は心の声だけはどうしても聞こえない……その代わりに相手の動きは完璧に読めるようになったし、気配で相手がどう動くかわかるようになった。だから今度は上級編を図書室でちょいと読んでこうと思ってるんだ。っと思ったらもうついた。
扉を開け中に入ると委員は居なく、奥の方に薄紫色のショートヘアーの娘がいただけだった。
俺は自分で貸し出しカードの返却欄にハンコを押し奥の本棚に上級編を取りにいった。
□■□
『やーい淫売の娘〜』
『あはは!皆あいつに近づいたら椎名菌が感染るぞ!!』
今日も私は母親の事で皆に虐められる学校生活を送っていた。皆私の母親が淫売だ、椎名菌だと言って私を虐める……母親なんて関係ない……私は私なのに皆が誰も私を見ず、淫売の娘としてみる。
けど、私もそんな事には慣れ、あまり気にしないようにしている。でもやっぱり辛いのは辛い……そうやって放課後まで我慢して図書室で読書をするのが私の日課になった。私は何時ものように本を一冊とり何時もの席に座る。この席は一番奥にあってあまり目立たないから私は好きだ……私は本を開き静かに自分の時間を楽しむ。けど、その数分後に人が入ってきた。その人は学校でもある意味有名な人だった。何せあの川神百代先輩と普通に接して、じゃれ合う様子が頻繁に目撃され、ある一種の恐怖?になっているからだ。何故疑問系かというと曰く、あの川神百代を一捻りで潰したとか……
曰く、無防備の上級生を病院送りにしたとか……
曰く、曰く……とにかく謎の多い人なのだ。
その人の名は夜神蓮……隣のクラスで綺麗な白髪で女の子に間違えるくらいに可愛い男の人だった。この人は先週も図書室で見たことがあり、特に私に何もせず私の横の本棚から本を借りて去っていった人だ。私も最初は噂を信じて身構えたが逆に何故か、横を通られた時に安心感を覚えた。
視線を本に戻して読書を再開する。すると彼はまた私の隣の本棚へ足を運び背を向けて本を探していた。暫くすると図書室の扉が開き、私を何時も虐める3人が入ってきた。私はまたか、と思い本を閉じてうつ伏せた。3人組は手当たり次第に私に向かって本を投げてきた。
『あはは!なんだ淫売のくせに偉そうに本読んでやがるよ』
『汚ねぇから本に触れるなよ!椎名菌が感染るだろ?』
『ほら!なんとか言えよ!』
「いや!痛い!止めて!」
私は次々に当たる本の痛みから体を庇うようにし、やめてくれと叫んだ。すると3人組の顔に分厚い本?広辞苑?が当たりそのまま気を失った。私は横を見ると夜神君が何かを投げた後のポーズを取っていた。もしかして私を庇ってくれた?
私は彼にお礼を言おうとするが、口から上手く言葉が出なく、吃ってしまった。そんな私に彼は『お前はよく耐えてるな……俺にはお前の様には出来ないよ』___
虐めに耐えてる私にそう言って彼は私の頭を撫でてくれた。私はそのまま惚けていたらしく気づいたら彼がいなくなっていた。私は彼のことが少し気になってしまったのか、さっきから彼のことで頭がいっぱいだ……しかし、頭を撫でられた時のあの胸の高鳴りはなんだったんだろう?嫌ではなかった……むしろ安心感があって心地よかった。また、
□■□
さてさて、ショートヘアーの娘の横の本棚から上級編を探すが、なかなか見当たらない。あれ?誰か先に借りてった?マジで見つかんねぇな。ん〜これか?違うな。これか?そんな風に俺は片っ端から本を出したりしまったりしてたら手元には分厚い広辞苑が3冊あり、なかなか見つからない事にイラつき、思わず後ろに投げてしまった。するとパンッと気持ちいい位の音が3回聞こえてきて、確認するとそれは3人組の男の子達の顔面に当たってしまっていた。あ〜うん!ゴメンね☆
っと軽く心の中で謝ってたらショートヘアーの娘がこちらに信じられないものを見る目を送ってきていた。うんマジごめんってば。図書室では静かにするのがマナーだもんな!でも俺はこの独特の雰囲気苦手だもん……俺は申し訳なくショートヘアーの娘に『お前はよく(この雰囲気に)耐えてるな……俺にはお前の様には(静かにすることが)出来ないよ』と頭を撫でながら謝罪した……あ!よく見るとあいつらに投げた本の中にあるじゃん!『〜覇気・上級編〜』が!マジか〜ごめんな〜お前ら。俺がちゃんと見てればこんな事にならなかったのにな……真剣でゴメンな(反省してない)
ま、探し物は見つかったし貸し出しカードにハンコ押して帰ってモモの相手してやるかね♪
………勘違いから始まる恋があってもいいじゃない