壁】_・)
壁】_・)ノ=(投稿)
突然だが諸君……俺、夜神 蓮は何時もの特訓をしている山で少し困っていた。
いや、別に迷ったとかじゃ無いよ?迷ったら迷ったで爺ちゃんとか百代とか知り合いの気を頼りに帰ればいいだけだし。ま、それは置いといて。今日は足に気を送りそれを維持し、水の上に立つ特訓をして水の上で戦闘が出来る程に上達したし、千鳥と螺旋丸を刀の形に形質変化した物、名前を千鳥が『雷刃』、螺旋丸が『風刃』と名付けた。この二つの技は刀に雷、風の属性を付けた物で俺的には気の消費も少なく非常に使いやすい。んである程度強くなったと自負している俺でも困っているものとは……
「木、斬り過ぎた……」
そう、俺の周りには剣術の犠牲になって倒れた木で埋め尽くされていた。
いや、俺もここまでするつもりはなかったんだようん。
ゾロさんとか筆頭とか大概の技は出来るようになったから次は剣速を鍛えようってなってパッと頭に浮かんだのが青コート半人半魔のバージルの兄ちゃんだったわげでさ、うん。先ずは基本の幻影剣をマスターしようってなって『烈風幻影剣』とか『五月雨幻影剣』など全部出来たから魔剣技行ってみようってなって目の前の木に次元斬を一発放ったら何処ぞの赤っ鼻みたいにバラバラ大サーカスしちゃってさ、よっしゃ次!って軽い気持ちだったわけよ。
それがまさか
俺もこれは予測できなかった……流石バージル鬼ぃちゃん!!
ってまぁ具体的に何に困ってるかと言うとだな……
「後片付けどうしよう………」
うん。マジでどうしよう(泣)
「風神拳!」
「ぅぐっ!?」
「そこまで!勝者!蓮!」
やぁやぁついさっき自分で荒らした木を空中に飛ばしてから次元斬を放って粉塵にしてから帰ってきたぜ!あ、因みに今爺ちゃんに審判して貰って百代と今日6回目の組手に付き合わされてるけどあれだ、百代の奴闘う度に強くなってやがる……今は余裕で俺の方が強いから俺が勝ってる。まぁ手を抜いて闘ってるけどね。
「ふ、ふふ…」
「ん?どうした百代気持ち悪い笑い方して?」
「ふふふ…もう一回だ……もう一回私と勝負しろ!今度は私も本気を出す!」
「ふ〜ん……んじゃ次が最後な?」
「あぁ!今度こそ私が勝つ!」
「んじゃ爺ちゃん合図お願いね!」
「構わんが二人とも道場を壊すで無いぞ?」
「「あぁ!」」
「それでは、東方、川神百代!」
「あぁ!」
「西方、夜神蓮!」
「おぅ!」
鉄心に掛け声を返し、百代は構えを取っており蓮は何時ものように構えを取っていない…が、蓮の目はいつも百代の組手に嫌々付き合う目ではなく、真剣そのものの目だ。
「いざ尋常に……始めい!!」
爺ちゃんの合図と共に百代がいつもとは比べ物にならない速さで踏み込んできて、俺の顔面目掛けて拳を打ってくる。どうやら本当に今まで本気じゃなかったらしい。俺は拳を首を横にずらすだけの動きでかわし、お返しと言わんばかりに百代の腹目掛け右手の『六腑砕き』をお見舞いする…が百代の奴左手で防ぎやがった。
「川神流 『 無双正拳突き』!!」
流石に俺も防がれると思ってなく、一瞬の油断をしてしまい腹に食らってしまった。
「っ!?」
「なんと!?モモの奴初めて蓮に一撃入れよった!」
あまりの威力に吹っ飛びそうになるのを脚に力を入れて踏ん張る…が、それでも5〜6メートル後ろに飛ばされた。
「まだだ!川神流『致死蛍』」
吹っ飛ばしてすぐに高密度の気の塊を撃つ百代。それに対し蓮は俯いたまま微動だにせずにいる。百代の『致死蛍』は蓮に向かって高速で飛んで行き、命中し周りに煙が立ち上る。
やがて煙は晴れ、そこには蓮が倒れていた______
「なっ!?嘘だろ!?」
______筈だった。しかしそこには無傷のまま佇んでいる蓮の姿があった。
「ふぅ〜。百代お前マジで本気だったんだな、俺ちょっと気ぃ抜いてたわ」
まるで何もなかったかのように首を鳴らしながらのんきに言う蓮は右手に蒼い螺旋状に回転する気の塊を作る。
「お詫びにちょっと本気出してやるよ…」
刹那、俺は瞬身で百代の頭上に移動し『螺旋丸』を百代の背中に当て、床に沈ませる、と同時に『道場が!!?』なんて爺ちゃんが叫んだかそんな言葉聞こえない聞こえない……
「夜神流 『螺旋丸』ってね」
百代を床に沈め、自分の技名を得意げに言いながら爺ちゃんに目で「終わって」と語る。
「そ、そこまで!勝者!夜神蓮!」
終了の合図を聞き、床に沈んだ百代を担ぎ上げると同時にルー先生が曲がった鉄砲玉のように道場に入ってきた。
「何事ネ!!ってあぁ〜とうとう道場壊したのネ」
「あぁ〜っとね……道場ぶっ壊してごめん爺ちゃん、ルー先生」
「いや、それは構わんが蓮よあの『螺旋丸』という技何処で覚えた?あんな乱回転する気を操るなど一日二日でできるものでは無いぞ」
「ん〜あれは俺が自分で作ったもんだよ」
「なに!?蓮よまさか他にもあるのか?」
「あるよ〜」
そう言いながら俺は百代を担いでいない左手で千鳥を出す。
「う〜む……まさか孫がここまで気の扱いに長けているとはのう。普段気を発していないからそっちの方は皆無かと思っておったわい」
「いヤ、これはワタシも驚きますネ」
「なんだ〜っておいおいそりゃどうなってんだ蓮?」
爺ちゃん達に見せていたら刑部のおっさんが眠そうな顔で現れ俺の左手を見た瞬間やる気満々な表情を浮かべる。
「あぁおっさん先に言っとくけど相手しねぇからな?」
「チッつまんねぇなおい、偶には俺と遊べよ」
そう言うとおっさんは興味を無くしたのか又何処かへ行ってしまった。
「全く釈迦堂の奴もこ困ったものよのぅ。蓮よここはいいから早くモモを寝かしてあげなさい」
「はーい」
蓮は鉄心の言う通りに百代を担ぎ、
向かった。
部屋の前には【モモと蓮の部屋】と書かれた文字がぶら下がっている。蓮は襖を開けて中へ入る。蓮は百代を百代の布団にうつ伏せに寝かせて医療術で背中のダメージを無くす。
「んっ……」
それが効いたのか百代は目を開けゆっくりと起き上がって蓮と向かい合って座り、ポツリと呟くように語る。
「私は、負けたんだな……本気でやったのに」
「うん」
「ははっ、やっぱり蓮は強いな……」
「百代も強いよ」
「……うん決めた。やっぱりお前は私の「お断りします」まだなにも言ってないだろう!!?」
「いや、どうせ『お前は私のものだ!』とかだろ?やだよ俺より弱い奴のものなんて」
「じゃあ私はお前のものだ!」
「いやなんでだよ」
「ふふふ……あぁ、なんだろうな負けたのにこんなに清々しい気分は」
そう言って女の子らしく笑う百代の笑顔を見たのは初めてかもしれない。
結構投稿するのに間が開いたなぁ(御免なさい)