かつての英雄に祝福を!   作:山ぶどう

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お待たせしました。

遅くなって本当に申し訳ありません。


第19話 新型爆裂魔法

冒険者たちは様々な面持ちで怒り狂うベルディアを眺めていた。

 

未だに去ることのない脅威に純粋に危機感を抱くもの。

先程幼女に見せていた笑顔に実は良い人なのではないかと疑念を持つもの。

幼女のサラサラの金髪を撫で回して愛でていた姿に同好の士であると勝手に親近感を抱くもの。

そんなベルディアをペド野郎だと断定して軽蔑の眼を向ける女冒険者達。

幼女に披露した一発芸がツボにはまって笑いをこらえているもの。

逆にその芸を批判的な意見でボロクソに叩きまくるどっかの宴会芸人女神。

極度の筋肉痛で座り込む女騎士を杖で突っついていじめているどっかの爆裂娘。

それを受けて嫌がる素振りをしながらも嬉しそうな悲鳴をあげているどっかの恥ずかしい女騎士。

 

そして、幼女詐欺の犯人ということでベルディアに目を付けられて、如何にしてこの場から逃げるか必死に頭を巡らせている俺。

 

「もう許さんぞ・・!この俺を散々おちょくりやがって!貴様ら舐めてるだろう!?俺のことをいつも老人に一方的にヤられている情けないデュラハンだと思って舐めているだろう!?」

 

憤怒の表情の頭を腕に抱えてドタドタと悔しそうに地団駄を踏むベルディア。

 

「おじちゃん・・・そんなに怒らないで・・怖いよう・・」

 

もう無理だと思うが一応、幼女に化けて説得を試みてみる。

 

「やめんか!!もう騙されんぞ!とっくにネタは割れてるんだよ!」

 

自分の頭を地面に叩きつけて怒りをあらわにするベルディア。

スーパーボールのように宙高くまで弾んだそれを荒っぽくキャッチする。

 

ロリコン疑惑のあるベルディアさんも流石に中身が俺では無理があるようだった。チッ・・・

 

変化を解いて幼女から元の姿に戻ると、非常に悲しそうな顔で見てくる。

そんな切なそうな目で俺を見るんじゃない・・・

本当は実在する人物だったとかそんなオチは無いから。正真正銘俺の空想上の幼女だから。

 

「クッ・・・先程まで死闘を繰り広げた私のことはすでに眼中にないだと、おのれ・・・・・・ひゃんっ!めぐみん!いい加減、杖で突っつくのをやめないか!わわ!・・・カズマまで!や、やめろぉ!」

 

剣の柄でうつ伏せに倒れたダクネスのピクピク震える腕を突っつく。

 

「何が死闘だ。勝手に突っ込んで一人で自滅しただけじゃねぇか、エクスカリバーなんてご大層な技名まで叫びやがって、見ているこっちが恥ずかしかったわ、このハッタリ聖騎士が!」

 

「は、ハッタリではない!ちゃ、ちゃんと、苦労の末、編み出した、わざ、なのだ・・・

あふっ・・たのむ・・もう、つつくのをやめて・・・んんっ!・・」

 

「当たらなければどうということはないのですよ。当たらなければ。砂埃を巻き起こすだけならそこらの農家のおじさんだってできるんです。この脳筋穴掘り騎士!このっ、このっ!」

 

「あっ、あっ、、あぁっ・・・て、敵を前にこんな、辱めを・・・んっ・・」

 

めぐみんと一緒に筋肉痛で痙攣するダクネスに連撃を浴びせる。やめてと口では言っているが、目の前で喘ぐ変態クルセイダーはこの期に及んで興奮したように頬を朱に染め、鼻息を荒くしていやがる。

この変態は本当にダメだな。早くなんとかしないと・・・・

 

ダクネスのやけに艶かしい嬌声が正門前に響き、男冒険者の大半が何かを隠すように前屈みになった。

 

ベルディアはいやらしい猿顔に変貌した頭を慌てて隠し、紳士的な態度を装う。

 

「お、おい・・そのへんにしておけ・・・確かにその者は俺を討つ千載一遇のチャンスを逃したが正面から俺に戦いを挑んだ勇気ある者だ。そのような勇敢な騎士をこれ以上辱めるようなことは――――――」

 

「余計なことを言うなっ!」

 

「!?」

 

さっきまで嫌がる素振りを見せていたドМ騎士が本性を現してベルディアに吠えた。

ベルディアはなぜ今自分が怒られたのかまるでわからない様子で絶句する。

 

「これは必要な罰なのだ!これから先同じ過ちを繰り返さないよう、戒めとして私は仲間たちの鬼畜な責めに耐え抜かなければならないのだ!さぁ再開しろ!もっと私を尖ったものでツンツンしろ!」

 

餌を前にした犬のような媚びた視線で俺を見上げるダクネス。

俺とめぐみんは冷めた目でそれを一瞥し、全く同じタイミングでため息をついた。

 

「どうした、早くしてくれ!さっきより激しく!多少血が出ても構わないから!言っておくがこんなことを誰にでも簡単にやらせる女だとは思ってくれるなよ?仲間であるお前たちだからこんなことを任せられるのだ!さぁ、この無様に敗北した女騎士に相応の折檻を・・・・あひゃんっ!」

 

とっても邪魔で鬱陶しくて面倒くさい女騎士のケツを蹴り上げ、そのまま、影分身で両手両足を拘束して奥へ連行していく。

 

寝転がってリンゴに齧り付きながらボケっとしていたアクアが影分身にゴミ捨て場に投棄されるように雑に放り投げられたダクネスを見て指を指して笑った。

 

「ウチの変態クルセイダーがどうもすいません・・・」

 

「あ、ああ。・・・お前も大変だな・・・」

 

なんだか申し訳なくなって謝罪の言葉を言う俺に対して同情したような視線で労ってくれるベルディア。

 

さっきから思っていたが、良いやつだな、ベルディア。

 

めぐみんが怒らせたことを抜きにしても何か深い事情があるみたいだが、お互いにキチンと話し合えば戦わずにすむ道もあるのではないだろうか?

 

「さて、邪魔者がいなくなったことですし、戦いを再開しましょうか。」

 

和解策を模索する俺とは裏腹に、めぐみんはいつもの厨二ポーズを決めて、ベルディアに宣戦布告する。

どうしてお前はそう、好戦的なんだよ!

 

「戦いと呼べるものをまだ、始めた覚えがないんだがな・・・・」

 

そうだよなぁ。アクアもダクネスも何もしていないのに勝手に自滅しただけだもの。あれを戦いとか呼んじゃいけない。

 

「ふ・・・あまり調子に乗らないことですね。先程あなたが下したダクネスは我がアクセル街四天王の面汚し。次は四天王最強のこの私、“爆裂”のめぐみんが相手をしてあげましょう。」

 

眼帯を外し、紅い両目を妖しく煌めかせる姿はミステリアスで確かにどこか強者っぽい雰囲気を醸し出していた。

まぁ、実際はレベル8の初級冒険者だが。

 

「さっきから言っているアクセル街四天王とはなんなのだ?」

 

「こいつのただの妄言なんで気にしないでください。」

 

なにも本当に俺達がそういう異名で呼ばれているわけではない。

めぐみんが師匠から借りた携帯ゲーム機のRPGをプレイして、なにやら敵側の四天王という存在をえらく気に入ってしまったのだ。だから単にコイツの中での厨二設定で俺たち四人を四天王に見立てているだけだ。

ちなみに、師匠とクラマはラスボスとその側近という設定らしい。

 

「あ、そう・・・まぁ、どうでもいい・・・」

 

何かを切り替えるように息を一つ吐くと、

――――――ベルディアから怖気が走るほどの絶大な殺気が放たれた。

 

さっきまでのどこか抜けていた憎めない首無騎士の面影など消し飛び、こちらに純粋な殺意を向けてくる恐ろしい敵・・・魔王軍の幹部としてそこに君臨していた。

 

 

鋭い刃のような殺気に汗が吹き出し、初めて俺は自分の死を意識した。

一歩間違えれば死ぬどころの騒ぎじゃない。生きながらえるために死力を尽くさなければ、あっさり切り伏せられて俺の第二の生涯は呆気なく幕を閉じることだろう。

ベルディアと俺にはそれほどの力の差があるのを本能的に感じ取った。

 

「そこの悪魔のように残虐非道なアークウィザードは必ずこの手で討ち滅ぼすと心に誓っていた。・・・覚悟してもらおうか。」

 

他の冒険者たちは巨大な獣に遭遇したように目を見開いて体を硬直させている。

気の弱いものなどはその場で泡を吹いて倒れるほどだった。

 

そんな中めぐみんは顔を青くさせてガタガタ震えながらも、なんとか気丈に振る舞いあくまでも強気な態度を崩さなかった。

 

「あ、悪魔とか残虐非道は言い過ぎではないですか?・・・た、確かにあなたのお城を破壊してしまったことはこちらが全面的に悪いですし、謝罪の言葉しかありませんが・・・」

 

めぐみんがそう言った瞬間。ベルディアの殺気が膨れ上がり、めぐみんはヒッと短い悲鳴をあげて後ずさる。

 

「・・お前のように無闇に破壊を振り撒く輩が、知らず知らずのうちに誰かの大切なものを踏みにじるのだ。」

 

「あ・・あ・・あ・・」

 

めぐみんがなにか言い返そうと口をパクパクさせるが恐怖に引きつった言葉にならない声が漏れ出るだけだった。

殺気を正面から浴びためぐみんの心は折れかかっていた。

無理もない。こいつは歴戦の冒険者でもなんでもなくただ少し魔法が使えるだけの14歳の少女なのだ。

 

「最強の魔法だと自ら語っておきながらそれを放つ先に何があるのか、どんな影響を及ぼすのかをまるで理解していない。現にその魔法のせいでこの俺の怒りを買い、この事態を招いた。

そして、お前は身の程知らずなその魔法のせいで、ここで命を落とすことになるのだ。」

 

「・・み・・み、身の程・・知らず・・・・?」

 

「そうだ。ちいさな子供が剣を振り回して遊ぶようなものだ。なんの責任も持てないくせに不相応な力を振るい、その結果周りの者まで巻き込んで傷つける。

・・・俺は今日、この街の人間を皆殺しにする。もう、それが口先だけの言葉ではない事は理解できているはずだ。どうする?お前のせいで大切な仲間まで死ぬことになるぞ?関係ないものがたくさん死ぬぞ?・・・そう、これから起きる悲劇は、全て、お前のせいだ・・・」

 

「・・・っ!」

 

呪いの言葉のように不吉なことを囁くベルディア。

それを聞いためぐみんは俯いて、歯を食いしばった。

その表情には様々な感情が複雑に浮かんでいた。

それは怒りであり、悔しさであり、恐れであり、そして痛々しいほど深い、後悔だった。

 

ベルディアの言葉がめぐみんのとても痛いところを深々と刺したようだ。

 

めぐみんは納得したのだ。

自分のせいであると。

誰かが死んだらそれは自分が招いた不幸なのだと。

そして、激しい後悔に囚われて今にも泣き出しそうな顔をしている。

・・・いつも強気なこいつが。

 

ああ、そうだ。確かにベルディアの言うことは何も間違っていない。どう考えてもコイツが原因だし、コイツが巻き起こした騒動だと言ってもいい。爆裂魔法を毎日撃たないと気がすまないコイツのおかしな性癖は正すべきだし、撃ち込む前の事前調査をしなかったこいつは楽観的なお花畑魔法使いで責任感など皆無に等しい。もし仮に死んじまったら俺はあの世でこいつをぶん殴って全裸に剥いた上で正座させてネチネチと説教をかますだろう。そんなコイツが諸悪の根源であることにはなんの異存もない。

 

ただ、ベルディアは一つだけ間違っていることがある。

 

「死なねぇよ」

 

めぐみんの隣に立ち、震えるその手を強く握った。

 

「誰もまだ死んでねぇし、これから誰一人死ぬこともねぇ」

 

俯いていためぐみんが驚いたように顔を上げる。その紅い瞳は涙に濡れていた。

 

「・・・カズマ・・・」

 

いつになく弱々しいめぐみんに俺は小馬鹿にするように笑ってやる。

 

「なんつー顔してるんだよ、ポンコツ魔法使い。あれ?もしかしてビビっちゃってる?さっき自分で四天王最強とかほざいていたのに、いざとなったら尻込みしてんの?“爆裂”のめぐみんとか言ってさんざん格好つけていたのに?ぷぷ・・恥っずかしーー。お前こそ四天王の恥晒しですわー」

 

「なっ・・・」

 

「そんな様じゃあ、四天王最強の座はこの“鬼畜王”サトウカズマ様のものだな。お前はさっさと帰ってパンツ履いてこいよ、このノーパンウィザード。」

 

「な、なにお~~~~っ」

 

顔を真っ赤にして俺を睨みつける、めぐみん。俺は僅かに輝きを取り戻した紅い瞳を静かに見つめる。

 

「おまえ、この前なんて言ってたよ?なんかでかいこと口にしてなかったか?アレを完成させた時、お前はなんて言っていた?その言葉を俺は今でも信じてるんだけどな。」

 

「・・・・・・・・」

 

「お前が馬鹿みたいに拘ってた爆裂魔法の凄さは俺が保証する。

だから今更怖がんな。責任なら俺がいくらでもとってやるよ。連帯責任ってやつなんだろ?だから・・・言ってやれ、めぐみん。」

 

めぐみんは俺をまじまじと凝視すると、次の瞬間、花が咲くような笑顔で破顔した。

 

俺の手をギュッと強く握り返すと、いつもの強気でどこまでも生意気な光を瞳に宿し、真っ直ぐにベルディアを睨みつける。

 

「私が悪いのは重々承知です。ですが、だからといってこっちも黙って殺されるつもりなんてありません!」

 

まだ、怖いのだろう。少しだけ手が震えているのがわかる。俺だってそうだ。本音は怖いに決まっている。

だから、お互いを勇気づけるために、固く手を繋ぎ合うのだ。そこから感じる温もりが少しは心を支える力になると信じて。

 

「ここにいるみんなも絶対に、誰一人死なせません。貴方はこの私の新型爆裂魔法で必ず消し飛ばします!」

 

ベルディアの方に杖を突きつけ、めぐみんはそう高らかに宣言した。

 

まるで物語の主人公のようだ。

悔しいがちょっとカッコイイ。

 

それに対してベルディアはクックックック・・・と悪の親玉みたいな不気味な嘲笑で返す。

 

「駆け出し冒険者が、俺を消し飛ばすとは、大きく出たな・・・俺も舐められたものだ。

だが、まぁ、こうなるとは思っていたよ。俺はこの状況を予測し、待ち望んですらいた。」

 

そう言ってベルディアは自分の頭を宙高く放り投げ、両手で大剣を握り直し、正面で構える。

 

「“イービルアイ”」

 

ベルディアがそう静かに呟くと、放り投げられた頭が空中で静止した。

そして禍々しい朱い光に包まれて、そこから瞼が開かれるようにギョロリと大きな一つ眼が出現した。

 

「なんだ・・・あれ・・・」

 

「なに、初歩的な暗黒魔法さ。俺の頭を保護し、鮮明な視界を得るだけのもの。使い勝手がいいので愛用しているがね。・・・これで、俺は常に全力で剣を振るうことができる。」

 

・・・それはなかなかに厄介だな。

デュラハンにとって体から分離された自らの頭はお荷物であり、明確な弱点だ。

俺もそこに付け入る隙があると思っていたんだが、それをいとも簡単に克服しやがった。

 

「詠唱を始めます!カズマは時間を稼いでください。新型は通常のやつより発動に時間がかかりますが、なんとかお願いします!」

 

「任せとけ!・・・・なんなら、倒してしまっても構わないだろ?」

 

「え?」

 

「いや、一度言ってみたかっただけだから、そこはスルーして・・・」

 

クナイを逆手で持ち、腰を落として戦闘態勢になる。めぐみんがアレを発動させるまで、どうにか持ちこたえないといけない。

威勢良く任せろとか言ったが、正直、怖くてたまらないし、できれば逃げ出したい。

しかし、格好つけてしまった手前、どうにか死なない範囲で頑張らなくては。

そう自分に言い聞かせて覚悟を決めて、ベルディアを睨みつけるが、あちらさんはこちらに攻めてくる様子は微塵もなく、剣を構えたまま微動だにしていなかった。

 

あれ?

 

「おいおい、まさかこの俺が仇敵を相手に発動前の魔法を潰すような無粋な真似をするとでも思ったか?遠慮するな・・・その新型爆裂魔法とやらをこの俺に放ってこい。・・正面からその自信ごと切り伏せる。」

 

自信満々にそう言い放つベルディアに俺は、思わずガッツポーズをしそうになった。

よっしゃっ!俺が時間稼ぎをする必要がなくなったぞ!

土木作業で嫌な仕事が中止になったようなそんな晴れやかな気分に浸っていると、めぐみんは非常に気に食わないような感じで顔を顰める。

いいからお前は早く魔法の詠唱をしろよ。

 

「私を舐めているんですか?」

 

「ふっ・・舐めるわけがないだろう?貴様の爆裂魔法にどれだけ俺が脅かされてきたと思う?あれがどれほどの強大な威力を持つか、ちゃんと理解しているさ・・・。ただ、先程言っただろう?俺は貴様とこういう状況になることを予測し、戦うことを望んでいたと。だから事前にそれに対しての備えもできたわけだ・・・」

 

そう言ってベルディアは何かに囁きかけるように小さな声で魔法の詠唱を始めた。

その囁きはとても聞き取れるような音量ではないはずなのに、辺り一面に怨霊のうめき声のようにおどろおどろしく浸透していった。

徐々に空気が凍りつくように冷たくなるのがわかった。体が特別冷えるような気温になったわじゃない。

ただ、空気だけがやけに冷たく、吐く息が白くなるほどだった。

 

やがてその不気味な詠唱が止まり、最後にその魔法の名前が厳かに響いた。

 

「“ダークロード”」

 

その瞬間、ベルディアの体から赤黒い光が勢いよく噴き出した。

 

その毒々しい光はまるで生き物のようにウネウネと揺れて、その全てがベルディアの持つ大剣に絡みつき、収束していく。

 

大剣は一秒ごとにその大きさを増していき、光が落ち着いた時には、全長10mほどの巨大なものに変貌していた。

 

「俺の部下たちはとても忠実だった。俺に心からの忠誠を誓ってくれていた。その大切な部下達が捧げてくれた魂。総勢400名の勇猛なアンデットナイトを犠牲にして初めて、この暗黒魔法を放つことができる・・・・」

 

「おまえ・・・」

 

「勘違いするなよ・・・決して強要したわけではない。あいつらは自ら進んで俺に魂を捧げてくれたのだ。こんな情けない俺のために怒り、悲しみ、ただ純粋な破壊の力となってくれた・・・・そんな、あいつらの魂が篭った、この一撃でお前たちを葬る。」

 

お、重っ・・・。

 

余裕の面持ちでこちらのことを舐めきっているかと思えば、仲間を犠牲にしてまで決死の覚悟で挑んでくるとは・・・

 

アンチヒーローっぽくてなんかこっちが負けそうな流れじゃね?

甲高く唸りを上げている赤黒い光の巨剣はなんだか、とても強そうだ。

めぐみんは本当に大丈夫だろうか?

 

チラリとめぐみんの方を覗くと、ちょうど爆裂魔法の詠唱が終わった所だった。

しかし、このまま放てば以前の爆裂魔法と何も変わらない。

新型はここから発展させていくのだ。

発動までにはまだ、時間はかかる。

それに対して相手はいつでも必殺の魔法を放てる状態にある。

全員の命を手のひらの上で握られているような状況が落ち着かない。

今のうちに相手のアレを不発にさせることはできないだろうか・・・・

 

・・・・と、さっきから策を練っていたのだ。

 

「“ターン・アンデット”!!」

 

「ぬぐっ・・・し、しまったっ・・」

 

どっかの女神の声が響き渡り、

白い光の塊がベルディアに直撃する。

 

「ふふん・・この私を忘れてもらっちゃ困るわね!さぁ!めぐみん!今のうちにヤッちゃいなさい!!」

 

いつの間にかベルディアの後ろに回り込んでいたアクアが卑劣にも背後に忍び寄り、浄化魔法をぶち当てたのだ。

実は影分身で密かに指示を与えていたのだ。うまくいって良かった。

 

「お、おのれ・・・卑怯な!」

 

「ふふふふ・・何を言っているのかしら。勝つためには手段なんて選んでいられないのよ。ね、そうよね?カズマ」

 

なんで俺に聞くの?俺がそんな外道なことを考えるわけがないじゃないか。

 

しかし、でかしたぞアクア。

俺がニヤリと笑って親指を立てるとアクアも同じような顔でグッと返してくる。

 

「ナイスアシストですアクア!あと、少しで、完成します!」

 

キィィィィンという高音と共に杖の先に凄まじい熱量を帯びた魔力が収束していく。

杖の先には高密度で圧縮された炎の球体が高速で回転している。

 

爆裂魔法に形態変化を加える。それが師匠がめぐみんの爆裂魔法を見て出した答えだった。

 

本来の爆裂魔法とは、体内の魔力を全て使い切るほどの膨大なエネルギーを熱量に変えて撃ち出す魔法。

忍者風に言うと性質変化の火遁の術だ。

詠唱で魔力を炎に変え、単純に山なりに撃ちだして敵の真上から着弾させて周りを巻き込む魔法。

確かにそれは十分に強力だと思う。対集団戦だったらこっちのほうが良いくらいだろう。

しかし、単体の強大な敵を想定した師匠は形態変化での爆裂魔法の攻撃力強化をめぐみんに促した。

もちろん、めぐみんは興奮した様子で修行に取り組んだわけだ。

形態変化とはその名の通りチャクラを様々な形態に変化させる技術。

それを極めたのが師匠の必殺技である“螺旋丸”。チャクラを超スピードで乱回転させ、圧縮して球体に留めきる技。

めぐみんの最終目標はそれを爆裂魔法に取り入れることらしいが、流石にまだ、無理であると諦め、妥協した。

 

そうして、形になったのが新型壱号。

回転力は比べ物にならないし、そもそも乱回転ではない。

しかし、それでも未熟ながら炎熱チャクラを球体状に留め、圧縮することに成功したのだ。

 

思い出しただけで嫉妬に狂いそうになるが、師匠は驚いた顔で確かにこう言った。

 

“めぐみんは、天才だ”と。

 

 

「ぐ・・・小賢しい!!今更こんなもので、俺を止めることができると思うな!!」

 

思ったより、ずっと早くベルディアの硬直が解ける。

 

チッ・・・やっぱりタイミングが早すぎたか・・・・

 

だが、さっき感じた不安は全く無くなっていた。

 

だって・・・

 

「はは、マジかよ・・・お前それ、昨日よりも・・・」

 

「ええ、今朝また良いイメージが湧いたんですよ。だから昨日より少しだけ、進歩しました。」

 

昨日は野球ボール程度だった火球が、バレーボールぐらいの大きさに膨らんでいた。

 

「さて、覚悟は良いですか・・・?」

 

発動準備を終えためぐみんが不敵に笑う。

 

「・・・ふん・・・・」

 

それに対してベルディアは鼻で笑って、巨剣を振り上げる。

 

めぐみんの杖から激しい火花が散り、その先の球体は回転数を上げていく。

 

「これが私の全力全開!!爆裂魔砲弾《エクスプロージョン・キャノン》!!」

 

そう叫んだ直後に飛び出した火球は捉え難い速度でベルディアに迫り、振り下ろされた巨剣と衝突した。

 

その瞬間、激しい衝撃波が起こり、俺やめぐみんやアクアを含む、近くの冒険者たちを吹き飛ばした。

 

突然のことで驚いたが、なんとか受身を取る。

それでもまだ、立つことすらままならない程の強風が吹き荒れていた。

砂埃が入らないように掌を目の前にかざしながら、指の隙間からなんとか事態を把握する。

 

めぐみんの爆裂魔法とベルディアの暗黒魔法の巨剣がぶつかり合い、拮抗しているのだ。

 

熱量をまき散らしながら突き進もうとする爆裂魔法と、赤黒い闇の光を放出しながらそれを断ち切ろうとする巨剣。

 

それを魔力切れで倒れながら我が子を見守る母親のような眼差しで見つめるめぐみん。

他の冒険者も不安を隠しきれず祈るように注視している。

アクアは遥か遠くで大の字で倒れている。吹き飛ばされて目を回したようだ。あの様子では浄化魔法でベルディアの妨害をすることはできないだろう。

 

しばらくして、冒険者の集団から歓声が上がる。

ベルディアが押され始めたのだ。暗黒の巨剣に罅が入り、爆裂魔砲弾の圧力に押されてジリジリと後退を余儀なくされていた。

 

「ぐ・・・そんな、馬鹿な・・敗れるというのか・・・あいつらの魂が篭った、この技が・・・」

 

空中に浮いて見守っていたベルディアの頭が悔しそうに呻く。

 

「いや、まだだ!・・・まだ、俺は終われぬ!ここで俺が倒れたら、あいつらは一体何のために・・・!

あいつらの犠牲を無駄にして、たまるかぁああああああ!!」

 

気迫のこもった声を上げるベルディア。

しかし、巨剣の禍々しい光は徐々に力を失っていくように萎んでいく。

それでも決して諦めることなく凶悪な爆裂魔法に立ち向かっていく勇敢な首無し騎士。

追い詰められた主人公みたいな姿に嫌な予感を覚える。

・・・なんか、逆転フラグが立っていないか?

 

俺のその予感は見事に的中することになる。

 

吹き荒れる強風の中、地を蹴り上げる力強い蹄の音が響いた。

 

ベルディアに向って矢のような速度で駆けていく黒い首無しの俊馬。

美しい黒毛が所々禿げているのが印象的だった。

恐らくデュラハンの逸話に出てくるコシュタ・バワーというやつだろう。

 

「ブラックペガサス号!!なぜお前がここに!?」

 

そんな名前なのかよ!

 

「ここには来るなと、言ったはずだ!帰れ!!」

 

絶体絶命の状況で自分の愛馬を巻き込まないよう、声を荒げるベルディア。

 

それを拒絶するかのように首なし黒馬は甲高い鳴き声を上げる。

すると、影から吹き出た漆黒の闇が黒馬を包み込み、それに溶け込むように実体を失っていく。

 

「まさか、お前・・・止めろ!止めるのだブラックペガサス号!!お前まで犠牲になることはないんだ!!」

 

ベルディアの悲痛な叫びも虚しく、地を蹴る蹄の音は消え、漆黒の霊体と化した黒馬は本当のペガサスのように空を駆け、巨剣に吸い込まれていった。

 

「そんな・・・お前まで・・・なぜだ!なぜ、お前たちはこんな俺のためにそこまで・・・!」

 

ベルディアのその声に答えるかのように闇の光を帯びた巨剣は先ほどを遥かに凌駕する禍々しさを放つ。

 

なんだこの少年漫画的な王道展開。

なんだかこっちが悪役側のような気分になってくるんだが・・・

 

「そうか・・・お前たちも、悔しかったんだな・・・」

 

そう言って一人で頷くベルディア。

え?なに?仲間の魂と対話でもしているの?

この土壇場で今は亡き仲間の声が力になる展開なの?

やめてよ、もう。これ以上、主人公の必勝パターンを演出しないで。

 

「俺に、力を貸してくれ!!行くぞ!ブラックペガサス号おおおおおおおおおおおおお!!!」

 

烈火の如き気迫とともに最後の力を振り絞るように叫ぶベルディア。

 

この一撃に全てを賭ける!とでも言いそうな主人公感。

やばいなぁ、この状況。むしろこの流れでベルディアに勝てたらその方が吃驚だよ。

 

闇の刃に圧された爆裂魔砲弾の火球は目が眩むほど激しく発光し、その場で大爆発を起こした。

 

強烈な爆風に再び吹き飛ばされる俺たち。今日はこういう目に合ってばっかりだ。

 

咄嗟に影分身で近くのめぐみんを支える。俺自身は一番近かったこともあって盛大に飛ばされ、街の外壁にぶち当たってようやく止まった。ダクネスが数多の冒険者たちの下敷きになって幸せそうな顔で倒れているし、アクアはゾンビのように泣きながら這いつくばっているのが見える。皆無事のようで良かった。

 

俺がホッと息を吐いて安心していると、未だ砂塵の晴れない爆発の中心から不吉な声が響いた。

 

「死の・・・宣告!」

 

アクアの浄化魔法とは真逆の殺意に満ちた闇の塊がめぐみんの身体に直撃した。

しまった!油断した!

 

「うわあああああああああ!!」

 

途端に苦しそうに絶叫するめぐみん。

 

砂埃が晴れるとそこには元に戻った大剣を悠然と肩に担いだベルディアが漆黒の闇を帯びた指をめぐみんに向けていた。爆発の影響で大きく抉れた地面はベルディアを避けるように不自然に別れて広がっている。

めぐみんの新型を爆炎ごと断ち切ったのだ。

 

「はぁ・・はぁ・・私の新型が・・負けた・・」

 

地面に横たわり、胸を抑えて苦しそうに荒い息を吐くめぐみん。無傷のベルディアを見上げて悔しそうに涙を滲ませている。

 

「いいや、引き分けと言っていいだろう。数多の犠牲を払ってようやく相殺とは恐れ入る。本当に大した魔法だ。それを放ったお前に最大級の敬意を払い、・・・一番最後に死なせることに決めた。」

 

「てめぇ!!めぐみんに何をしやがった!!」

 

俺は慌ててめぐみんの元へ駆け寄り、ベルディアを強く睨みつける。

 

「そいつには死の宣告による呪いを与えた。本来は発動までに一週間もかかる使えん呪術だが、俺は独自に改良を加え、大幅に時間を短縮させた。そう、そいつが死ぬまでおよそ・・・・」

 

ベルディアは勿体ぶった様子で言葉を切る。上を見上げると宙に浮いた顔が底意地の悪い笑みを浮かべていた。

 

「30分だ」

 

「な・・・に?」

 

「聞こえなかったか?そいつは30分後に我が呪いにより、息絶える。」

 

30分!?30分って言った!?なんで本来一週間もかかる呪いをそこまで短縮できんだよ!無駄に有能すぎるだろベルディア!は?嘘だろ?ハッタリじゃないの?マジで?どうする?どうするよ?後、三十分でどうにかできんのか?無理だろそんなん!無理ゲーすぎるよ!

 

俺が突然の事態にパニックを起こしていると、ベルディアは高らかに笑って告げる。

 

「もちろん俺を倒せば呪いは消えるぞ!どうする?そいつをを救うために俺に挑んでみるか?そいつのために命を投げ出す覚悟の馬鹿はいるか?」

 

この首無騎士を倒す?しかも30分で?めぐみんの魔法でも倒せなかったのにそんなことができるのか?

 

覚悟の決まらないまま、めぐみんの方をのぞき見て、ハッとした。

 

今まで一度も見たことのない顔をしていた。

 

いつも元気な爆裂娘が。根拠の無い自信に満ち溢れた厨二全開の迷惑少女が。俺達の大切な仲間が。

 

ガタガタと震え、涙を零しながら、静かに自分の死を感じ取ったように虚ろな瞳で・・・

――――――絶望していた。

 

呪いを受けた本人だからこそ本能として理解したのかもしれない。

自分が確かに死ぬことを。

 

その姿を見て、頭の中で電流が走るような衝撃を受ける。

めぐみんが、死ぬ?・・・本当に?

さっきまで信じられなかったことが、確かな現実として胸を刺した。

頭に駆け巡る、今まで仲間として共に過ごしてきためぐみんの姿。

 

ダクネスをからかって意地悪そうに笑う生意気な顔。

二日酔いで弱っているアクアを心配そうに撫でる仲間思いの顔。

師匠の背に抱きついて甘える子供のような顔。

クラマと菓子を取り合って喧嘩を始め、負けた時の拗ねた顔。

そして、辛い修行に心が折れそうになっていた俺の手を握り、励ましてくれた時の優しい微笑み。

 

もう一度、胸の中で自分に問いかける。

 

めぐみんが死ぬ?・・・本当にそれで良いのか?

 

「・・・・・・・・・」

 

良いわけがない。あいつは、俺にとって大切な仲間だ。

 

「そう怯えなくてもいい。仲間は全て先にあの世に送ってやる。この街の人間を皆殺しにするなど、30分もあれば十分だからな。」

 

「・・ああ、そうだな・・・・」

 

「あん?」

 

不思議だった。さっきまでの迷いが嘘のようだ。心が固く真っ直ぐに何をするか決めている。

めぐみんを守ることを決めている。

 

「30分もあれば十分だ・・・」

 

熱い気持ちとともに今まで感じたことのないほどの力が漲る。

その湧き上がる力のままにチャクラを練り、両手の指を十字に交差させる。

 

「お前を、倒すにはな!!」

 

一瞬にして、膨大な数の影分身がベルディアを囲んだ。その数は総勢千人。

師匠との修行で最後までどうしてもできなかった、千人影分身。それがここにきて難なく発動することができた。

 

「これは・・あのジジィと同じ・・・まさか、やつが言っていた弟子とは・・・」

 

流石は師匠の相手をしてきただけのことはある。ベルディアはこの数相手に全く臆した様子はない。

コイツが強いのは十分わかっている。今の俺では厳しい相手だということも。

だが、関係ない。あいつを助けるためには倒すしかないのなら、何が何でも勝つ!

 

「行くぞおおおおお!!!」

 

チャクラを滾らせ、四方八方から、俺の軍団がベルディアに襲いかかった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

胸が苦しい。心臓が痛いくらい高鳴っています。

あの首無し騎士に死の呪いを受けたのだから当然です。

 

しかし、これは本当にそれだけが原因でしょうか?

 

先ほどのカズマを思い出す。

 

大量の影分身に紛れて私を危険の及ばないところへ避難させようとしてくれたカズマ。

 

力強く私を抱き上げ、見たことがないくらい真剣な眼差しでこう言いました。

 

「お前は俺が絶対に助ける。だから、信じて待っていてくれ。」

 

死の呪いに弱りきった心に、その言葉はどれほど私に安心感を与えたことか。

私を強く抱きしめる腕の熱が余りにも頼もしくて泣いてしまいそうになりました。

去り際に見せた不敵な笑みも素敵でした。誰だコイツ、と若干思いましたがそれくらいさっきのカズマが普段では考えられないくらい男前だったのです。

思い出しただけでも心がじんわりと熱くなって、呪いの苦しさを忘れてしまいそうなくらい・・・・

 

「どうしたの?めぐみん。ポーとして。随分顔が赤いけど?」

 

「な、なんでもありませんよ!なんでも!そうです、そんなわけありません、一時の気の迷いです。多分吊り橋効果というやつです。まさかそんな、あ、ありえませんよ。わたしがそんな簡単に・・・このわたしがそんなチョロい女であるはずがありません。か、カズマなんてすぐ人のパンツを盗る変態ですしっ。スケベで綺麗な女の人を見かけるとすぐデレデレするので浮気性な匂いがプンプンしますしっ。たまにヘタレるし、妙に世間知らずなところもあるし・・・・でも意外と頑張り屋で、実はすごく優しくて、面倒見が良くて、一緒にいて楽しくて・・・あぅ・・そ、そんな、カズマなんてわたしは別に・・・」

 

「ど、どうしたのだ?めぐみん!小声でブツブツと、魔力切れなのに魔法の詠唱でもしているのか?」

 

「きっとあのクソアンデットの呪いのせいで精神的に参ってるんだわ!」

 

「そうか!おのれ、私達の仲間によくも・・・」

 

「そ、そうですよ、精神が弱っている時に心の隙間を狙ってくる詐欺師のような手法です。鬼畜なあの男のことです、そうして私を手込めにしてこの豊満なボディを好き勝手に弄んだ後、私を孕ませて元気な男の子と女の子をそれぞれ二人ずつ出産させて、結婚という墓場に私をぶち込んで、そんでもって私を家庭というぬるま湯に死ぬまで縛り付けて、老後は二人で旅行なんてして年老いた私をあちこち連れ回して私の寿命を減らしまくって、最後は同じ墓でジ・エンド。という計画ですねっ。な、なんて恐ろしい。もう、しょうがないですねっ。」

 

「お、おい、アクア!めぐみんの様子がやはり何かおかしいんだが、なんとかならないか!?」

 

「ふふん。この女神さまに任せなさいな!こんな小賢しい呪いなんてお茶の子さいさいよ!

“セイクリッド・ブレイクスペル”!!」

 

「・・・へ?」

 

「おお!めぐみんの黒い瘴気がみるみるうちに引き剥がされていく!」

 

「これでなんの心配もないわ!良かったわね、めぐみん!」

 

「ああ!本当に良かった!」

 

「え?・・えーー・・・?」

 

「さて、30分たってもなんともないめぐみんを見て間抜けな顔をするクソアンデッドを笑ってあげましょう!」

 

「おいおい、それより、めぐみんのために命懸けで戦おうとしてくれているカズマに早く知らせよう。」

 

「あ、そうだったわ!おーい!カズ・・・わぷ・・」

 

「お願いですから、もう少し見守りましょうっ!ね?あちらも盛り上がってるみたいですしっ!」

 

「えーー・・」

 

三人でカズマの方を見るとちょうど、今まさに戦いが始まろうとしていました。

 

「行くぞおおおお!!」

 

「ふふふ、大した気迫だ!流石はあのジジィの弟子を名乗るだけはある!さぁ、あの娘を助けたくば、この俺を倒してみるがいい!!」

 

そうして、何も知らない二人のシリアスな戦いが幕を切ったのです。

 

 

 

 




ギャグのキレがイマイチなので途中からシリアス風味になりましたw

ベルディア戦は多分次で決着します。

あ、ちなみに、めぐみんは前回パンツを盗られたので今回は最初から最後までノーパンでした
(*゚▽゚*)

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