東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

4 / 56
初めて感想をもらいました。

感極まるほど嬉しかったです!

そんなこんなで三話目、はじまりはじまり。


3ページ目 白狼天狗の災難 その①

突然だが自己紹介をさせてもらおう。

 

私の名は「犬走 椛」、種族は白狼天狗という「妖怪」だ。

特徴としては、人とあまり変わらない姿をしているが頭には一対の白い狼の耳があり

その耳と同じ色の尻尾が・・・どこから生えてるかとかは答えないが、とにかく生えてる。

 

 

種族的な地位でいうと、中の下、程度だ。

だから嫌な仕事を押し付けられたり、手柄を取られたりすることなんて日常茶飯事。

 

 

つまりこき使われてるのである。

 

 

 

特に私の上司にあたる鴉天狗、「射命丸 文」(しゃめいまる あや)については

彼女の「駒」として扱われてるようなものである。

 

・・・たまにお酒をおごってくれたりするので、まだ許せますが・・・

問題なのは彼女の性格や仕事に対する態度。

 

私はどんな仕事でも熱心に向き合い、やり遂げるまで続ける、という他から見たら

「バカ正直」とか「仕事熱心」だとか言われるような性格と自分でも思っている。

 

一方彼女は、自分の興味のある仕事だけちゃんとやり、それ以外は適当にやるという

ていたらくぶりである。

よく言えば「好奇心旺盛」、悪く言えば「ただの自分勝手」である。

 

 

 

 

そんな正直言って不真面目で、つかみどころのない彼女は私に回りくどく命令してきた。

 

射命丸『あー椛、私はこれから仕事に向かわなくちゃだから、あなたもなんか仕事見つけて

それに今日一日励みなさい」

 

要約すると、こうである。

 

射命丸『椛、私はこれからここを留守にするからあなたはここらの見回りと、この

「妖怪の山」の警備に当たりなさい、任せたわよ』

 

椛『・・・ハイ・・・」

正直言ってダルすぎる。

昨日だってまともに寝れてないし、食事も十分にとれなかった。

ダルイ、やりたくないと思うのは当たり前だが・・・・・・

 

私は「白狼天狗」、地位が上の「鴉天狗」から命じられたら従うしかない。

 

射枚丸「ん~?返事が遅いし小さいぞ~?しっかりやりなさいよー」

 

あなただけには言われたくないですよ。

そう言ってやりたかったがあっという間に風の速さで飛び去ってしまった。

 

椛「はあ・・・やるしかないか・・・んっ・・・」

 

私は軽く伸びをし、どこの警備をするか考えるため「能力」を使用する。

 

私の能力は「千里先でも見渡すことができる程度の能力」

いわゆる「千里眼」の能力だ。

 

この「能力」を使用し、頭の中にこの妖怪の山のヴィジョンが浮かんでくる

 

椛「さてと・・・どこか侵入者がいたり警備が薄いところはないかしら・・・・・んん?」

 

私の「能力」によって、妖怪の山全体を見回している最中、私の同僚が仲間たちと

歩いているのを発見した。

 

椛「彼女らは・・・どこへ行く気なのかしら?まだ休憩時間ではないし、見回りとしては

  かなりだらしがないわね・・・ちょっと注意でもいれておこうかしら・・・」

 

 

彼女はそう思い立つと、人にはまねできないような軽快な足取りで山道を駆けていった。

 

 

 

 

 

「妖怪の山・・・洞穴への道」

 

白狼天狗・栄「ねえ?ほんとにいいの?見回りの途中で寄り道なんて・・・」

 

白狼天狗・微意「バカね、見回りに寄り道も何もないでしょ?

        この道だって最近見つけられたわけだし、妖怪の山の範囲内でしょ?」

 

栄「まあ、そうだけど・・・」

 

白狼天狗・椎「あんたは何を恐れているのよ?」

 

栄「だって・・・あそこの洞穴には変な巨像が置いてあったり・・・

  あなたも見たじゃない、あの三本の奇妙な柱・・・・・・・・・・

  あの柱からは視線すら感じられたわ!」

 

微意「もう・・・そんなことにおびえてたら見回りなんか務まらないわよ

   ホラ、ちゃんとしなさい」

 

椎「そうよ、それに第一、ここに他の誰かが来たとしてもここは妖怪の山の範囲内。

  怒られる理由もないし、逆にこんな辺境まで見回りしている

  私たちを褒めるべきよ」

 

栄「それも・・・そうね!」

 

微意「そうよ!ついでにあそこの謎を真っ先に私たちが解いてお宝を根こそぎゲットよ!」

 

椎「がんばりましょう!!」

 

全員「えいえいお(あー失礼?

 

全員「!?」

 

椛「しばらく見ていたが、こういうことだったのか」

 

栄「ッ!・・・き、貴様は犬走 椛!なぜここに?!」

 

微意「まあまあ、慌てない慌てない・・・さて・・・

   とにかく、犬走 椛。あなたが聞いていたということは当然

   お宝が目当てなんでしょう?」

 

椛「いや、私はあなた達が集まって親しく話しているところに注意をしてやろう

  と思っただけよ。邪魔したなら謝罪しよう」

 

微意「いえいえ・・・こちらこそ謝罪しなければなりませんね・・・

   最初からあなたのことを誘っておけばよかったかしら?」

 

椛「?・・・どういうことだ??」

 

微意「つまり、あなたが一緒に私たちと洞穴の謎を解くのなら、お宝の四分の一

   差し上げるけど、いかがかしら?」

 

ここで射命丸が言ってたことを思い出す。

 

射命丸『あんたもなんか仕事を見つけて今日一日励みなさい』

 

・・・つまりこの宝探しもある意味「仕事」。

しかも成功すれば給料が出る。しかも大金の可能性もある。

これはもう・・・・・

 

 

椛「・・・いいわ、やってやろうじゃないの」

 

私に与えられたチャンスとしか思えない。

 

微意「よし、それじゃあすぐに向かいましょう」

 

こうして四人はあの奇妙な洞穴に足を運び入れた。

 

 

 

 

「~妖怪の山~奇妙な洞穴~」

 

椛「うわあ・・・」

 

栄「これは・・・」

 

微意「お宝がありそうね匂いはプンプンするのよ・・・」

 

椎「そういえば、最初にここを見つけた妖怪たち。

  あいつらは宝を見つけられなかったのかしら?」

 

微意「ええ、そうでしょうね。なにより漂っている妖気がそんじょそこらの妖怪とは

   比べ物にならないほどだし」

 

椎「つまり探してる最中にビビって逃げ出したってこと?」

 

微意「そうらしいわ」

 

椛「・・・・・・・・・・」

 

私は彼女たちが話を進めてる間、洞穴内を見回していた。

 

 

中はとてつもなく暗く、埃っぽい。

そして少しづつ目が慣れてくると巨大な石像が闇の中浮かび上がってくる。

 

その次に壁の凹凸、三本の柱と妙な形の文字。

 

それら全てがこの洞窟の謎を解くヒントになるのか、それとも宝を探しに来た者を

ビビらせる演出か、とにかく怪しくも妙に力強く頑強なイメージがついた。

 

 

そう思っていたところ突然隣の方でカチリ、という機械的な音が響いた。

 

椛「今のは・・・なんだ?」

 

栄「ごめん、私が立ってた床がちょうどスイッチみたいになってたわ」

 

微意「脅かさないでよ」

 

椎「まったくもー」

 

そうみんなが話し込んでいるとき突然

 

三本の柱にヒビが入った。

 

全員「!?」

 

そのヒビは瞬く間に柱を破壊し、土煙を上げさせた。

 

 

椛「いったい、なんだ?!これは!?」

 

微意「まさか罠か!?」

 

そううろたえている二人は残りの二人が何やら叫んでいるのに気づきました。

 

栄「あ・・・ああ・・・あれ、は・・・なに?」

 

椎「知らないわよ!あああ、もう!!早く帰りたい!!」

 

その二人は一貫して同じ方向を見据えていた、その視線の向かう先は割れた三本の柱では

なかった。

 

 

その視線の先のものに気付き鳥肌が全身を駆け巡る。

 

その視線の先にあったものは

 

 

 

洞穴を震わさんばかりにうなりを上げる巨人像の姿であった。

 

 

 

???「・・・ズッ ズッ!!」

 

 

To be continued・・・


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。