東方携帯獣  ~ポケット・モンスター |幻。夢。|~   作:キョウキ

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感想アンケートより、決めました。

一世代の作品から一人から二人出すことにします。
ウルトラビーストは・・・まだ要検討になります。

アンケートに参加してくれた方(つっても一人しかいなかったけど)
ありがとうございました。





38ページ目 古代塚の鉄壁は里を守りたい その②

「イッシュ地方レポート 災害編」 作:イッシュポケモン生態大学院

 

昔からここ、イッシュ地方では暴風雨と雷がまれに発生し、農村や町に被害を

もたらすということが知られてきましたが

それらの原因はポケモン。「トルネロス」と「ボルトロス」と言われます。

 

また、このポケモン達がもたらす被害は約50年以上前からあるとされ、出現する度に

人々は捕獲、討伐を試みましたが全て失敗してきました。

 

「有効手段は?」

現時点では四天王。またはチャンピオンクラスでなければ近づくの困難とされる

凶暴なポケモンとされます。

 

しかし、絶対に止めることはできないわけではないとされます。

「ポケモンに勝るのはポケモン」と昔から言われているように、トルネロス達に

対抗すべくポケモン。「ランドロス」という存在がいます。

 

「ランドロスとは?」

豊穣を司るとされるポケモン。と呼ばれ、災害を撥ね返す力があるとされますが、

仮にランドロスの怒りに触れれば、土砂崩れや地割れを起こすともいわれる

神様のような存在とされます。

 

「ランドロスに助けてもらうには?」

ランドロスは基本的に姿を現すことはなく、トルネロス達が悪さを起こして

初めて姿を現すとされています。

 

こればかりはどうしようもなく、ただ早く問題を解決してもらうよう

祈るしかないとされます。

 

「最後に」

ポケモン達とは、いわば「不可解な存在」とされます。

その生態には謎が多く、我々研究員の好奇心を掻き立てる内容ばかりです。

いつかその全て。その生態。能力。その果ては何にたどり着くのか?

 

私はそれを紐解いていきたいと思います。

 

イッシュポケモン生態大学院。能力チーム チーム長。 アクロマ

 

 

うるさい。うるさいぞ。

 

コ~ン・・・コ~ン・・・

 

俺はあの塔にある鐘の音が嫌いだ。

「タワーオブヘブン」・・・。

 

人間たちがそう言っているのを聞いたことがある。

「魂を鎮める力」があるらしいが・・・それは本当だ。

 

聞いていると心が安らぎ、落ち着いてくる。

 

それが気に食わん‼

 

俺の存在意義は「風を吹かせ」、「大雨を降らせる」ことにある。

落ち着いてしまったらそれが出来なくなってしまう!そんなのごめんだ‼

 

俺はあの塔の鐘も、そんなふざけた塔を建てた人間も気に入らない。

お前らは俺のイタズラを受けて迷惑がればいい。

 

しかし・・・

 

あの塔。

何度も何度も暴風を浴びせたところで倒れない。揺れない。微動だにしない。

 

力不足なのか?

 

 

そう考えていると急に塔の上に雷が落ちた。

恐らく、「あいつ」だろう。

 

俺はあいつのことも嫌いだ。いや、あの塔よりも嫌いだ。

 

俺の特徴をマネしやがってこのパクリ野郎が‼

 

 

だが、戦うことはしない。

戦ったら、「あいつ」が出やすくなってしまう。

 

「あいつ」のことは嫌いを通り越してもう「怖い」という恐怖にまで達している。

 

 

「あいつ」に会うのはごめんだからな・・・・・・。

 

 

 

今。なぜあの鐘のことを思い出していたのだろう。

 

せっかくこのボロイ家の集合体・・・確か村だったか?

これを吹き飛ばしてうやろうと思っていたのに・・・・・・。

 

不思議だな。不可解だな。

 

まぁいい。

とにかくここらを吹き飛ばしてしまえば・・・。

 

 

「ジジゼジジゾゾジゼゾォー‼」

シュゴォ‼

 

慧音「なっ!?なにを!?」

妹紅「おお!すげぇ!」

 

今現在。この体をバラバラにするかの如く吹き付けてくる暴風から

身を守ってくれているこの子・・・名前は・・・分からないが。

 

兎に角、この状況下で私達を暴風から身を守ってくれているこの子が

恐らくこの大雨の原因であろう者に向けてレーザーを放った。

 

:ラスターカノン:

 

鋼色に煌くエネルギー光線は真っ直ぐ。ストレートに空中の者を捉えた。

 

「!」

 

 

なんだこれは!?

『技』だと!?まさかこの世界に俺以外の存在がいるとは・・・

 

「ドルルルゥ!」グワァン‼

 

受けた。あえて、攻撃を受けてやった。ガードはしたが・・・。

かなり強力。防御が成功してこのダメージとなると、なかなか強い。

まぁ俺ほどではないがな。

 

しかし。困った。

さっき受けた技の『感じ』には覚えがある。

 

そう。「試練の室」。確か「コバルオン」と呼ばれているあいつ。

 

俺のことをおちょくった化け狐野郎を森ごと吹っ飛ばしてやろうとしたときに

邪魔をしたアイツだ。アイツと同じ『感じ』を、さっきの技からは感じ取った。

 

見ればアイツとは全く似せても似つかないが、手応え的にあの手の

奴らは俺より強い気がする。

俺ほどではないと言ったのは技の扱い的な意味だったが・・・

 

あの威力の攻撃だって何度も受ければいつか力尽きる。

 

 

ここは引くべきか・・・・・・・・・・!?

 

 

なんだ・・・これは・・・!?

 

俺の・・・「風」が・・・「雨」が・・・

 

 

止まった!?

 

人里~慧音たち地点より西。龍神像上空。

 

文「うっひゃあ・・・なんでこんなっとと・・・なんでこんな風が・・・」

 

AZ「分からんが・・・。ヌゥ・・・こちらとしては風で体が揺れる。

  もしかしたら落ちることもあるかもな・・・・・」

 

文「なら止めましょう」

 

AZ「!・・・止めれるのか?」

 

そう聞くと半ば呆れ、半ば誇らしく射命丸は、

文「AZさん?私は『天狗』ですよ?確かにこの風は手強く、それこそ風神様のような

  暴風ですが・・・・・この『風神少女』。風邪の扱いには手慣れてますよッ‼」

 

そう言うと懐から取り出したダーテングの腕のような団扇と一枚のカードを取り出し

こう呟いた。

 

文「塞符『天孫降臨』!」

AZ「!」

 

射命丸がカードを掲げ、その後に団扇を構え・・・思いっきり振り上げる。

 

ビュォォォォォォ

 

私の長髪がバタバタ揺れ、空に伸びるような形になる。

射命丸はギリギリ私を落とさないように抱えつつ、かなり無理な体制で

団扇を扱っていた。

 

AZ「射命丸。この体制は辛くないか?」

 

文「大丈夫です。問題ありませんよ。天狗以前に妖怪なんでこれくらい無問題です」

 

そう私に言ったっきり、射命丸は黙ってしまった。

 

団扇を振り上げては降ろし、振り上げては降ろしを繰り返している。

 

そしてついに・・・

 

文「・・・よし!」

次の瞬間。体が急に重くなる。

上から何かが降りてくるような・・・何かが降臨するかの如くの大風が

天から降りてきて・・・

 

バッ

 

射命丸が団扇を上に振り上げたことで上から来た風は収まり、周りを囲んでいた

暴風もいつの間にか消え去っていた。

 

文「・・・やっと終わりました・・・」ハァハァ

かなり息を切らした射命丸が、この異変・・・暴風雨の終了を告げた。

 

AZ「射命丸。大丈夫か?

  一度地上に降りて息を整えたほうが・・・!?」

 

ガクリ

 

本当にその擬音通りに体が傾く。

否。私の身体が傾いたのではなかった。

 

射命丸が体勢を崩したのだった。

 

AZ「!?」

 

文「すみません・・・AZ・・・さん。

  すぐに・・・地上に・・・・・・」

 

 

そこまで喋ったところで。射命丸は意識を失った。

それと同時に、何者かに引っ張られるかのような力。

『重力』が私と射命丸に牙をむいた。

 

 

要ははるか上空から落下してしまったのだ。

 

 

「・・・・・」

 

そいつは、私達に気付いていた。

 

遥か上から腕を組み。威厳たっぷりにーしかし明らかに驚愕の色を含んだ表情で

私達のことを睨んでいた。

 

風は止んだ。

雨も止まった。

 

空は遥か彼方まで澄み渡るようないい天気に変わり、さっきまでゲリラ豪雨がこの

人里を襲っていたとは考えられないような爽やかな風が吹いていた。

 

慧音「・・・・・」

妹紅「・・・・・」

「・・・・・」

 

私達もそいつのことを睨み返す。

そいつは微動だにしない。

 

すると・・・・・

 

組んでいた腕を振り上げ、風を纏う。

その風をさらに腕を回しかき混ぜ、つむじ風にする。

さらに腕を回し、竜巻にする。

そしてその風を掌に集め、その手をもう一方の掌を合わせ・・・放つ。

 

;エアカッター;

 

ビュッ

 

その掌から放たれた多重の風の刃は超高速で私達に向けて飛んできた。

 

慧音「!?」

 

狙いは、私だ。

 

しかし当たる事はなかった。

 

放たれたいくつかの刃は急に目の前に飛び出したこの子が体で受け、

それでもこちらに向かって来た刃は妹紅がそのまま受けてくれた。

 

カキン、ズバッ

 

ナイフが鉄に弾かれるような音と共に、布の束を思いっきり引き裂いたかのような

音が聞こえた。

 

その音が、私を守るためにこの二人が受けてくれた音だと気づいたのは

少したってからだった。

 

慧音「!?・・・妹紅!」

 

妹紅「・・・・ぐぅ・・・い、痛い・・・が、大丈夫だよ」

 

見れば胸のあたりの服が斬れているが、その体に傷はない。

 

妹紅の、「死ぬことも老いることもない程度の能力」だ。

 

慧音「ああ・・・そうだったな。傷を受けてもすぐ治るんだったか」

妹紅「治らなきゃ、こんなことできないよ」

「じじぜじぞ」

 

慧音「ああ。またお前には助けられたな。ありがとう」

妹紅「こっちからも礼を言わせてくれ。ありがとうな」

 

「じじ、ぜじぞ」

 

ここで全部終わり・・・かと思ったが。

 

慧音「‼」

「あいつ」のことを忘れていたことに気が付いた。

 

すぐ空に視線を向けるが、そこにはいなかった。

 

どうやら逃げたらしい。

 

 

慧音「逃げたか・・・」チッ

舌打ち交じりにそう言うと、

 

妹紅「気にするのは分かるが。どこに逃げたのかは分からない。

   ひとまず、体を休めたほうがいい」

 

慧音「・・・ああ・・・分かった」

 

「・・・・・」

 

 

 

AZ「・・・・・」

 

闇の中を泳ぐような感覚。

 

薄れる意識の中。かすかに目を開ける。

 

目を開けた先に立っていたのは黒い影。

 

赤いラインと、青い瞳。白い髪のような物が確認できただけの黒い影。

 

 

しかし。それ以上目を開けることはできず。

そのまま意識は暗い闇の穴(ダークホール)に吸い込まれた。

 

To be continued・・・




うろ覚えキャラクタープロフィール:上白沢 慧音
種族:ハクタクの獣人
能力:(人間時)歴史を食べる程度の能力
   (獣時)歴史を創る程度の能力
性格:幻想郷でも有数の常識人にして博識なる人。『最も賢い獣人』とも。
   普段は少し堅いところがあるが、決して悪人ではない。むしろいい人
   しかし挨拶をしない人のことは嫌いらしい。
職業:寺子屋で先生をしている。
   科目は主にそろばん。漢字の読み・書き。歴史。妖怪の多処方等である。
   昼間は人間の子供相手に。夜は妖怪にも。
ハクタク:漢字では「白沢」と読む、国を治める有徳なるものを正しい道へと導く
     妖怪とされる。
     彼女は「満月」を見ると獣人化する。
     また生まれつきではなく、後天性。つまり呪いによるものとのこと。
満月の日:ハクタクに変身することで姿はある程度変わるが、それほど性格に差異はない。
     しかし、その変身による身体能力のUPを利用して溜まった仕事を片付けるので
     気が立っている。(邪魔をしたら↓に角が付いたやつを喰らわされるので注意)
頭突き:主に生徒の「チルノ」によく使う技。
    圧倒的破壊力と威力を誇る。(いりょく70.命中100.30%でひるみ)

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